「インターナショナルスクール 学費」で検索すると、「年間200万〜300万円」という数字がすぐ出てきます。ところが実際に見学に行き、入学が決まって振込用紙を見た家庭が口をそろえて言うのが「思っていた額と違った」です。理由ははっきりしていて、各校が「学費」として大きく出しているのは年額の授業料(tuition)だけで、実際に初年度に払うお金はそれに一時金と毎年かかる付加費用が積み上がるからです。
この記事では、推計や相場感ではなく、学校が自分の公式サイトで公表している金額だけを使って、初年度に実際に振り込む総額がいくらになるのかを計算します。あわせて、「安い学校」を探すときに見落とされやすい費用と、2026年4月に公的支援の仕組みが大きく変わったことにも触れます。金額は各校の公表値(2025-2026年度または2026-2027年度)であり、年度によって改定されます。最終確認は必ず各校の最新の案内で行ってください。

学費は「年額の授業料」だけでは終わらない
インターナショナルスクールの費用は、大きく3つの層に分かれます。①毎年かかる授業料、②入学時だけの一時金(出願料・入学金・施設費など)、③授業料とは別に毎年かかる付加費用(施設維持費・キャンパス開発費など)です。さらにこの外側に、バス・制服・給食・課外活動といった実費があります。

具体的に見ていきます。以下は3校が公式サイトで公表している金額です。学校名を出しているのは、公表値であることを確認できたからで、おすすめや序列を示すものではありません。
| 学校 | 年度 | 年額授業料 | 一時金 | 毎年かかる付加費用 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカンスクール・イン・ジャパン(ASIJ/東京・調布) | 2025-2026 | Nursery〜Pre-K 2,987,000円/K〜5年 3,269,000円/6〜8年 3,425,000円/9〜12年 3,533,000円 | 出願料 50,000円 登録料 300,000円 施設維持費 1,525,000円 (いずれも返金不可) |
Capital Assessment 250,000円/年 スクールバス 390,000円/年(利用者のみ) |
| 横浜インターナショナルスクール(YIS/神奈川) | 2026-2027 | ELC半日 2,120,000円/ELC全日 2,610,000円/K〜5年 3,210,000円/6〜11年 3,345,000円/12年 3,440,000円 | 出願料 50,000円 登録料 1,480,000円 |
キャンパス開発費 399,000円/年 バス・制服・給食・課外活動は別途 |
| 品川インターナショナルスクール(SIS/東京・品川) | 2026-2027 | プレスクール〜幼稚園 2,475,000円/1〜5年 2,675,000円/6〜10年 2,775,000円/11〜12年 2,900,000円 | 出願料 40,000円 入学金 1,000,000円 教材費 50,000円 |
施設維持費 250,000円/年 給食・制服・野外学習等は別途 |
この表を見て最初に気づくのは、授業料そのものの差は意外に小さいということです。小学校段階(K〜5年)で見ると、ASIJ 約327万円、YIS 約321万円、SIS 約268万円。上下の幅は60万円ほどです。ところが一時金を見ると、ASIJ が計 187万5,000円、YIS が計 153万円、SIS が計 109万円。差がつくのは授業料ではなく、入学時の一時金のほうだとわかります。
初年度に実際に振り込む総額を計算する
では、小学1年生で入学した場合の初年度総額を、公表値だけで積み上げてみます。バス・制服・給食など、利用の有無で変わる実費は除いています。

| 学校 | 授業料 | 一時金 | 年次付加費用 | 初年度 合計 | 2年目以降(年額) |
|---|---|---|---|---|---|
| ASIJ(K〜5年) | 3,269,000円 | 1,875,000円 | 250,000円 | 約5,394,000円 | 約3,519,000円 |
| YIS(K〜5年) | 3,210,000円 | 1,530,000円 | 399,000円 | 約5,139,000円 | 約3,609,000円 |
| SIS(1〜5年) | 2,675,000円 | 1,090,000円 | 250,000円 | 約4,015,000円 | 約2,925,000円 |
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい数字です。「年間300万円くらい」と思って準備していると、初年度は500万円を超えることがある。ASIJ でスクールバスを使えば、初年度は約578万円になります。そして2年目以降は一時金が消えるので、初年度と2年目で年間150万〜190万円の落差が生まれます。家計の設計としては、この初年度の山をどう越えるかが実際の論点になります。
もうひとつ見落とされがちなのが、幼稚園段階から入れると総額が跳ね上がることです。ASIJ の Nursery〜Pre-K は年 298万7,000円、YIS の ELC 全日は年 261万円。小学校入学前の2〜3年間で、それだけで600万〜900万円が動きます。「幼稚園だけインターに」という選択が現実的かどうかは、この金額を見てから考えることになります。
「学費が安い学校」を探すときに見落とすもの
サジェストに「インターナショナルスクール 学費 安い」が出てくるとおり、安い学校を探す動きは強くあります。ただ、比較するときに同じ土俵になっていないことがよくあります。実際に確認できた範囲で、注意点を3つ挙げます。
①「英語のサポートが必要」と判定されると別料金になることがある。 これは日本語を母語とする家庭にとって、とても現実的な話です。品川インターナショナルスクールは、EAL(English as an Additional Language)が必須と判定された場合の費用を年間で計 500,000円(20万円+15万円+15万円の3期分割)として公表しています。さらに学習支援が必要な場合は年 500,000円という記載もあります。日本の家庭の子が入学する場合、この追加費用がかかる可能性は低くありません。授業料の安さだけで比べると、ここで逆転することがあります。
②「年次付加費用」は毎年かかる。 ASIJ の Capital Assessment 25万円、YIS のキャンパス開発費 39万9,000円、SIS の施設維持費 25万円は、いずれも入学時だけでなく毎年発生します。12年間通えば、YIS なら478万円がこの項目だけで積み上がる計算になります。
③ 学童・給食・バスは学校によって扱いが違う。 SIS は学童保育を年 750,000円(27万5,000円+20万円+27万5,000円)として公表しています。共働き家庭では、これが実質的に固定費になります。
公的な支援は使えるのか――2026年4月に変わった
「これだけ高いなら、高校無償化や幼保無償化は使えないのか」という疑問が当然出てきます。ここは段階によって答えが違い、しかも2026年4月に高校段階の制度が大きく変わりました。
結論だけ先に書くと、幼稚園段階は条件つきで使えることがある(幼児教育・保育の無償化。3〜5歳で月額3.7万円まで。ただし認可外保育施設としての届出と「保育の必要性の認定」が必要)、小中学校段階には制度そのものがない、高校段階は2026年4月から仕組みが変わった――という整理になります。
とくに高校段階は注意が必要です。文部科学省は従来、国際的な学校評価団体の認証を受けたインターナショナルスクールを高等学校等就学支援金の対象として指定してきました(令和8年3月1日現在で、各種学校として指定されているのは33校)。ところが令和8年4月からの新制度では国籍および在留資格等による支給対象者の見直しが行われ、外国人学校の生徒の扱いが変わっています。在校生には経過措置が、新入生には新設の「高校生等・新修学支援」が用意されていますが、誰がいくら受け取れるかは在籍校と都道府県によって変わります。詳しくはインターナショナルスクールと無償化で、一次情報にもとづいて整理しました。
そして、そもそもなぜインターナショナルスクールだけ制度の扱いが特殊なのか――その理由は「一条校かどうか」という一点にあります。ここは学費以上に進路を左右する話なので、一条校とは何かで別途くわしく書いています。

学費表に載っていない、もうひとつのコスト
ここまでお金の話をしてきましたが、実際に通わせた家庭から相談としていちばん多く届くのは、費用ではなく日本語のことです。
インターナショナルスクールのカリキュラムは、英語・算数・理科・社会をきちんと面倒を見てくれます。面倒を見る主体がいなくなるのは、日本語の読み書きだけです。会話は家庭で成り立つので気づきにくいのですが、学年が上がるにつれて「話せるのに、学年相当の文章が読めない・書けない」という状態が起きます。これは能力の問題ではなく、学年相当の国語に触れる時間がゼロだからという、単純な時間の問題です。
文部科学省は「日本語指導が必要な児童生徒」を、日常会話ができても学年相当の学習言語能力が不足している子を含む概念として定義しています。つまり「話せているから大丈夫」は、国のほうが公式に否定している見立てです。この構造はインターナショナルスクールで日本語が遅れる・話せない?と「インター育ちの日本語」が会話止まりになる理由にくわしく書きました。
年500万円の学費を払っていても、日本語の読み書きは別に用意することになります。そしてそれは、学費表のどこにも書かれていません。
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駐在先の都市ごとに見る
インターナショナルスクールの学費は、同じ「インター」でも都市によって桁が変わります。駐在先ごとの実額と、日本人学校を選んだ場合との差はこちらにまとめています。
- シンガポールの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- バンコクの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- クアラルンプールの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ジャカルタの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ホーチミンの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ハノイの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- マニラの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- 上海の日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- 香港の日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- 台北の日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ソウルの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- 北京の日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- 広州の日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- 深センの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- 大連の日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ニューデリーの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ムンバイの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ドバイの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ニューヨークの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ロサンゼルスの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- サンフランシスコの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- シカゴの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- ロンドンの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- デュッセルドルフの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- フランクフルトの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- パリの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- シドニーの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
- メルボルンの日本人学校とインターナショナルスクール――学費・授業料の実額と、帰国後の進学まで含めた比較。
同じ都市の日本人学校と並べて考える。インターの学費が重いと感じたとき、最初に比べる相手は同じ都市の日本人学校です。国別に納付金の実額をまとめています=アメリカ/イギリス/ドイツ/中国/タイ/香港。平日は現地校やインター、土曜は日本語補習校という組み合わせを選ぶ家庭もあります(シンガポール・バンコクは都市別にまとめています)。
よくある質問
インターナショナルスクールの学費の相場はいくらですか?
公表値で確認できた範囲では、小学校段階の年額授業料は約268万〜327万円でした(ASIJ 3,269,000円、YIS 3,210,000円、SIS 2,675,000円/いずれもK〜5年前後)。ただしこれは授業料だけの金額です。入学時の一時金(109万〜187万5,000円)と毎年の付加費用(25万〜39万9,000円)を加えると、初年度は約400万〜540万円になります。学校・年度・学年によって変わるため、必ず各校の最新の案内で確認してください。
初年度と2年目以降で、学費はどれくらい変わりますか?
一時金が初年度だけなので、2年目以降は年間150万〜190万円ほど下がります。公表値で計算すると、ASIJ は初年度 約539万円 → 2年目以降 約352万円、YIS は 約514万円 → 約361万円、SIS は 約402万円 → 約293万円です(バス・制服・給食等の実費を除く)。家計の設計では、初年度の山をどう越えるかが実際の論点になります。
授業料が安い学校を選べば総額も安くなりますか?
必ずしもそうとは限りません。理由は2つあります。ひとつは一時金の差のほうが授業料の差より大きいこと。もうひとつは、英語サポート(EAL)が必須と判定された場合に別料金がかかる学校があることです。品川インターナショナルスクールはEAL必須の場合の費用を年間計500,000円と公表しています。日本語を母語とする子が入学する場合、この費用が発生する可能性は考慮しておいたほうが安全です。
インターナショナルスクールに高校無償化は使えますか?
2026年4月から仕組みが変わりました。 従来は、国際的な学校評価団体の認証を受けたインターナショナルスクールが高等学校等就学支援金の対象として指定されており、令和8年3月1日現在で各種学校として33校が指定されています。しかし令和8年4月からの新制度では国籍および在留資格等による支給対象者の見直しが行われました。在校生には法令上の経過措置、新入生には新設の「高校生等・新修学支援」が用意されています。在籍校と都道府県によって扱いが変わるため、必ず学校と都道府県の私学担当窓口に確認してください。詳細はインターナショナルスクールと無償化にまとめています。
幼稚園(プリスクール)の費用に補助は出ますか?
条件を満たせば出ることがあります。幼児教育・保育の無償化では、3〜5歳は月額3.7万円まで、0〜2歳は住民税非課税世帯で月額4.2万円までが対象です。ただし、都道府県に届出をして国の定める基準を満たす認可外保育施設であることと、市区町村で「保育の必要性の認定」を受けること(就労等の要件を満たすこと)が必要です。専業主婦(夫)家庭で認可外保育を利用する場合は対象になりません。
小学校・中学校の学費に補助はありますか?
一条校ではないインターナショナルスクールには、義務教育段階の公的な学費補助の仕組みがありません。義務教育の無償(授業料不徴収・教科書無償給与)は、学校教育法第1条に定める学校を前提にした制度だからです。加えて、一条校でない学校に通わせることは就学義務の履行にあたらないという文部科学省の見解もあります。この点は進路にも影響するため、一条校とは何かを先に読んでおくことをおすすめします。
学費のほかに、家庭が負担することになるものはありますか?
実費(バス・制服・給食・課外活動)のほかに、日本語の読み書きを続けるための費用が実質的に必要になります。インターのカリキュラムは英語・算数・理科・社会は見てくれますが、学年相当の国語だけは誰も見ません。会話ができていても、学年が上がるほど読み書きの差が開くのは、能力ではなく触れている時間の差です。ともだちじゃぱんは日本の現役水準の教員が学年相当の国語を8人の少人数クラスで担任制で見るオンラインスクールで、月額定額の通い放題です。
海外赴任先での比較はこちら:シンガポール 日本人学校 とインターの学費比較
学費の次に多い相談。インターナショナルスクールで「後悔」しやすい4つのこと|日本語の土台で防ぐ方法。費用に納得して入学したあとで出てくる問題のほうが、対処が難しいことがあります。

