赴任地が台北に決まった、あるいは駐在中のご家庭が最初にぶつかる二択が「日本人学校か、現地校・インターナショナルスクールか」です。台北には全日制の台北日本人学校(小・中)があり、さらにTAS・TESなど世界水準のインターも揃うため、選択肢が多いぶん迷いも大きくなります。ざっくり言えば、3〜5年で帰国し帰国後の受験を重視するご家庭には日本人学校、長期・永住や英語環境を最優先にするご家庭にはインターが向きます。ただし台北特有の事情――日本人学校は中学までしかない、インターは年間100万円級、という現実で判断軸は変わります。
相場感を先に共有します。台北日本人学校は授業料+施設費で年間およそNT$12万台(約60万円弱)。一方でインターは年間NT$60万〜100万超(日本円で300万〜500万円級)と、まさに桁が違います。そして――どちらを選んでも残る”宿題”があります。それが「国語の学年相当を保てるか」と「帰国後の学校復帰・受験(とくに国語・作文)」です。本記事ではこの論点まで踏み込んで整理します。
台北の学校選び 3タイプ比較一覧
| 選択肢 | 言語・カリキュラム | 対象 | 学費目安 | 帰国後 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|---|
| 台北日本人学校 | 日本語・日本の学習指導要領 | 小1〜中3 | 年 約NT$12万台+教材費(月 授業料NT$7,500〜7,600+施設費NT$2,700) | ◎ そのまま復帰しやすい | 3〜5年で帰国・帰国後の受験重視 |
| 現地校・インター(TAS/TES/Morrison等) | 英語・米国式/英国式/IB | 幼〜G12(3〜18歳) | 年 約NT$59万〜103万(+入学時費用) | △ 国語は別途対策要 | 長期/永住・英語環境を重視 |
| ともだちじゃぱん | オンライン・日本語会話/国語・友達 | 5〜18歳 | 月額定額 | ◎ 学年相当の国語と日本の友達を維持 | どちらを選んでも”日本語と日本とのつながり”を足したい |
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日本人学校という選択肢 ――台北の実情
台北の全日制日本人学校は台北日本人学校(正式には台北市日僑学校)です。日本の学習指導要領に沿った小学部・中学部で、在籍は小学部551名・中学部177名、合計約728名の大規模校。所在地は台北市士林区中山北路6段785号で、日本人が多く暮らす天母(てんも)地区にあります。学費は授業料が小学部NT$7,500/月・中学部NT$7,600/月、施設利用費NT$2,700/月で、小学部なら月およそNT$10,200・年間約NT$12万台。ほかに副教材費NT$5,000〜11,500/年、PTA会費などが加わります(入学時には入学金NT$40,000と施設設備費NT$60,000=計10万元が別途かかります)。メリットは、日本のカリキュラムそのままで帰国後にスムーズに復帰でき、日本語で学ぶ安心感・給食や行事といった日本式の学校生活が得られること。デメリットは、英語や中国語が自然には伸びにくいこと、最寄りにMRT駅がなくバス通学が中心で送迎の負担があること、そして高等部(高校)がなく中学卒業後は帰国か現地校・インターへの進学が必要になることです。
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2026年度の校納金――費目ごとの実額と、返金される費目・されない費目
同校の「編入学案内」と「校納金規定」には、2026年度の学校納入金が費目ごとに書かれています。金額は台湾元(元/NTD)、児童生徒一人当たりです。
| 費目 | 金額 | かかるタイミング | 退学時の返金 |
|---|---|---|---|
| 入学金 | 40,000元 | 入学・編入時のみ(一人当たり) | 返金しない |
| 施設設備費 | 60,000元 | 入学・編入時のみ(一人当たり) | 返金しない |
| 授業料 | 小学部 月7,500元(年90,000元) 中学部 月7,600元(年91,200元) | 年3回に分けて4月・8月・1月 | 月単位で返金 |
| 施設利用費 | 月2,700元(年32,400元) | 同上 | 月単位で返金 |
| PTA会費 | 300元/年 | 4月または編入時 | 返金しない |
| 副教材費 | 5,000〜11,500元程度/年 | 年額を初回の授業料と一緒に | 返金しない |
毎月かかるのは授業料と施設利用費で、合計は小学部で月10,200元、中学部で月10,300元。差は月100元しかなく、学部が上がっても月額はほぼ変わりません。台北で見積もりを間違えやすいのは、むしろ入学時にだけかかる入学金40,000元+施設設備費60,000元=10万元のほうです。月額の約10か月分に相当する額が着任時に一度で出ていき、校納金規定にはどちらも「退学される場合でも、返金しない」と明記されています。
ただし救済もあります。校納金規定の第7項に「退学して、6ヶ月以内に再編入する場合、入学金、施設設備費の納付は、免除する」とあります。一時帰国や短期の他都市異動をはさんで戻る場合、半年以内なら10万元を二重に払わずに済み、逆に半年を超えると戻ったときに再び10万元が必要になります。
1年でいくらになるか(公表値からの試算)――初年度と2年目で約10万元の差
学校は費目ごとの額しか出しておらず、年額の合計は公表されていません。公表値を素直に積み上げると次のようになります。あくまで当サイトの試算です。
| 項目 | 小学部 | 中学部 |
|---|---|---|
| 授業料(年額) | 90,000元 | 91,200元 |
| 施設利用費(年額) | 32,400元 | 32,400元 |
| PTA会費 | 300元 | 300元 |
| 副教材費 | 5,000〜11,500元 | 5,000〜11,500元 |
| 2年目以降の年額の目安 | 127,700〜134,200元 | 128,900〜135,400元 |
| 入学金+施設設備費(初回のみ) | 100,000元 | 100,000元 |
| 初年度の目安 | 227,700〜234,200元 | 228,900〜235,400元 |
赴任期間が読めない段階では、初年度は約23万元、2年目以降は約13万元という2段構えで会社に説明しておくと、あとで説明のやり直しが起きません。
学費の前に「保護者が台湾日本人会の会員であること」が条件
他都市の日本人学校と比べていちばん見落とされやすいのがここです。同校が示す編入可能な対象児童生徒の条件には、「保護者が日本人会会員であること。保護者が夫婦で台湾に居住している場合は、原則として夫婦会員であること」と明記されています。この会費は学校に払う校納金ではありませんが、入学に必要な費用です。未加入の場合は編入の面接当日に加入手続きを行うため、台湾政府発行の居留証と入会費用(夫婦会員:5,000元)を持参するよう案内されています。日本人会への入会には居留証が必要なので、居留証の手続きが学校の入学スケジュールに直結します。住まいや学校を決める前に、ビザと居留証の段取りを先に進めておくほうが結果的に早く進みます。
「バス代」の意味が他都市と違う――台北は月額が決まっていない
多くの都市では通学バスの月額が費用の大きな比重を占め、ジャカルタのように年間で授業料の7割に達する例もあります。ところが台北の校納金規定でバス利用料として定められているのは、「校外学習等のバス利用料は、受益者負担で実費を徴収する」という一文だけです。載っているのは校外学習で使うバスの実費であって、毎月の通学バス代として固定額が定められているわけではありません。他都市の記事を読んで「バス代で年間◯万元」と見積もると、台北ではずれます。通学の手段と費用は、住む地域と合わせて学校に直接確認してください。社会見学・遠足・修学旅行等もその都度集金と案内されており、副教材費も「年度によって異なり、概ね上級生ほど高くなります」と説明されています。学年が上がるほど臨時の出費が増える前提で見ておくと安全です。
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台北日本人学校について、さらに詳しく
学費・生徒数・制服・スクールバスといった具体的な数字は、それぞれ1本ずつ最新の一次情報でまとめています。気になるものからご覧ください。
台湾全体で見る
現地校・インターという選択肢 ――主な検討先
台北で駐在家庭が実際に検討する主な学校は次の3校です。Taipei American School(TAS)は米国式・AP中心のK〜G12で、学費はG1〜5が年NT$933,526、G6〜12が年NT$1,029,470。新規入学時に資本費 約NT$35万が別途かかり、初年度は総額NT$130万規模になることも。Taipei European School(TES)は英国式・IB・仏・独のセクションを持つ3〜18歳の学校で、士林区に立地。学費目安は小学部(G1〜5)約NT$674,200/年、G11〜12で約NT$836,000/年。Morrison Academy Taipeiは米国式・キリスト教のK〜G12で、学費はおよそNT$592,000〜706,000/年と比較的抑えめ、K〜G8は毎日の中国語の授業があります。メリットは高い英語力・国際性が身につき、長期滞在や永住・海外大学進学に強いこと。デメリットは学費が高額なこと、人気校はウェイトリストや入学審査があること、そして日本の国語や日本式の教科が空白になり、帰国後の穴埋めが必要になることです。
結局どっち? 迷ったときの3つの判断軸

- ①帰国予定:3〜5年で帰国か、長期・永住か――短期で帰国するなら、国語の連続性が切れない日本人学校(+日本語の補完)が有利。長期・永住なら英語環境のインターが将来に効きます。台北は日本人学校が中学までなので、帰国のタイミングも合わせて考えるのがポイント。
- ②子の年齢・学年:いま何年生か(5年生の壁)――低学年は言語の切り替えが効きやすい一方、高学年になると国語の抽象的な語彙が急に増え、日本語の空白が帰国後に致命傷になりやすい。学年が上がるほど「日本語を切らさない設計」が重要になります。
- ③帰国後の受験:帰国子女入試・中学受験の国語――帰国受験では国語や作文が要になる学校が多く、日本語の学年相当を保っているかが合否を分けます。受験を視野に入れるほど、日本語を学年通りに積み上げる仕組みが欠かせません。

どちらを選んでも残る”宿題”――第三の選択肢
日本人学校を選べば英語や台湾社会とのつながりが、インターを選べば日本語の学年相当と帰国後の国語・日本の同世代とのつながりが、”宿題”として残ります。その宿題を軽くするのが、2026年12月開校のオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」です。どちらの学校の置き換えでもなく、併用して足りない部分を補う”第三の選択肢”として設計しています。
時差の面でも台北は好条件です。台北は日本より1時間だけ遅い(-1h)ので、日本の平日夕方のクラスが、ちょうど台北の放課後の時間帯に重なります。学校やインターから帰宅したあと、そのままリビングのパソコンから参加できる――塾のように送迎に追われることもありません。
- 相手は日本在住の同世代:姉妹校NIJINアカデミー(在籍800名超)の日本の子どもたちと少人数グループで話す。台北の教室では得にくい「日本のリアルな友達」ができる。
- “レッスン”以上の、日本とのつながり:アイデンティティやルーツとのつながりが、帰国後もその先も効く長期価値。
- 子ども特化だから安心:月額定額で毎日でも参加OK。学年でなく会話レベルでクラス分けするので「5年生の漢字の壁」で取り残されない。通い放題で「週1では量が足りない」も解決。


よくある質問(台北で学校を選ぶ方から)
台北日本人学校は中学まで。高校はどうすればいい?
台北日本人学校には高等部がないため、中学卒業後は「日本に帰国して高校へ進む」か「台北のインター・現地校の高校段階へ進む」かの二択が中心になります。帰国して高校受験を考えるなら中学在学中から国語・数学など主要科目を学年相当で維持しておくことが、インターの高校へ進むなら早めに英語力を上げておくことが鍵。どちらのルートでも「日本語を切らさない」保険をかけておくと選択肢が狭まりません。
インターに入れると日本語が心配です。どうすれば?
まずご家庭での日本語の”量”を意識することが基本です。会話は家庭でも保てますが、読み書き・漢字・作文・抽象語彙は意識して積まないと学年相当から遅れがち。台北は日本語の学習塾や補習の選択肢が限られるため、オンラインで学年相当の国語を続けられる仕組みが効きます。ともだちじゃぱんは会話レベル別クラス+通い放題なので、インター生活と両立しながら日本語を維持・回復しやすい設計です。
帰国後の受験で国語が不安。台北からでも対策できますか?
できます。帰国子女入試・中学受験では国語と作文が合否を分けやすく、現地でどれだけ日本語を積み上げたかが直結します。ポイントは、帰国直前に詰め込むのではなく、駐在中から学年相当の読解・語彙・記述を継続すること。ともだちじゃぱんは日本の現役水準の教員が学年相当の国語を担当し、日本の同世代と話す機会も持てるので、生きた言葉のまま帰国後の受験につなげられます。
台北からだと時差は問題になりませんか?
ほとんど問題になりません。台北は日本より1時間遅いだけなので、日本の平日夕方のクラスがちょうど台北の放課後にあたります。学校やインターから帰宅してそのまま自宅から参加でき、週末の特別な予定を空ける必要もありません。時差の面では、台北は世界のなかでもオンライン日本語学習にとても向いた都市です。
インターナショナルスクールそのものを詳しく
- インターナショナルスクールの学費――都市をまたいだ相場と、入学金・スクールバス・寄付金まで含めた総額の見方。
- インターナショナルスクールと無償化――高等学校等就学支援金などの制度が海外のインターにどこまで及ばないのか。
他都市と比べたい方は、世界90校をまとめた日本人学校 一覧もあわせてご覧ください(高等部の有無・国別の分布まで整理しています)。
台北の日本人学校を検討している方から実際によく出るのは、学費よりも「その先」の質問です。中学部はあるのか、高校はどうするのか、昼食は、英語は。いずれも学校ごとに条件が違うため、公式サイトに書かれていることだけを集めて整理しました=日本人学校と高校、日本人学校の給食、日本人学校の中学部、日本人学校の英語。一時帰国の航空券を取る前に確かめておきたいのが学年暦です。10校分の日程を校暦から拾った日本人学校の夏休みにまとめています。



