台湾赴任が決まって「台湾の日本人学校の学費」を調べると、台北・台中・高雄で書かれている数字がバラバラで、どれが今の金額なのか分からなくなります。結論から書くと、台北日本人学校は2026年(民国115年)4月1日に校納金規定を改正しており、現行は入学時に100,000元(入学金40,000+施設設備費60,000)、毎月小学部10,200元・中学部10,300元です。一方高雄日本人学校は入学金50,000元で月13,700元――ただしこちらはスクールバス代が月額に組み込まれているため、台北と単純に比べると判断を誤ります。この記事では両校の公表額をそのまま並べ、台中日本人学校の扱い、台北アメリカンスクールとの7倍以上の差、そして台湾で学校を選ぶときに最後に残る「日本語」の話まで整理します。
台北日本人学校の校納金【2026年4月1日改正の規定どおり】
台湾にある全日制の日本人学校は台北日本人学校・台中日本人学校・高雄日本人学校の3校です。台北日本人学校は台北日本人会が設置する在外教育施設で、小学部と中学部に加えて特別支援学級と通級指導教室を持っています。以下は同校が公開している「校納金規定」(台北日本人学校規則第23条にもとづく規定・2026年〈民国115年〉4月1日改正)の記載どおりの金額です。円換算は1台湾元=4.8円で計算した目安です。
| 項目 | 小学部 | 中学部 | 納入 |
|---|---|---|---|
| 入学金 | 40,000元(約19万2千円) | 編入・入学時 | |
| 施設設備費 | 60,000元(約28万8千円) | 編入・入学時 | |
| 授業料 | 月7,500元 (年90,000元) |
月7,600元 (年91,200元) |
月額 |
| 施設利用費 | 月2,700元(年32,400元) | 月額 | |
| 毎月の合計 | 10,200元 (約4万9千円) |
10,300元 (約4万9千円) |
― |
| PTA会費 | 一人当たり300元(年額) | 年額 | |
| 副教材費 | 各学年ごとに実費。編入学案内では年5,000〜11,500元程度 | 初回授業料と同時 | |
| バス利用料 | 校外学習等の利用分を受益者負担で実費徴収(規定上、通学バスの月額の定めなし) | 都度 | |

高雄日本人学校は「バス代込みの月額」――台北と単純比較してはいけない
高雄日本人学校の令和8年度(2026年度)の入学案内では、費用が月額の合計としてまとめて提示されています。ここが台北と決定的に違う点です。
| 項目 | 小学部 | 中学部 |
|---|---|---|
| 入学金(編入学時のみ) | 50,000元(約24万円) | |
| 授業料(月額) | 9,000元 | 9,300元 |
| 特別積立金(月額) | 600元 | 600元 |
| バス利用料(月額) | 4,000元 | 4,000元 |
| PTA会費(月額・一世帯) | 100元 | 100元 |
| 毎月の合計 | 13,700元 (約6万6千円) |
14,000元 (約6万7千円) |
つまり台北の月10,200元と高雄の月13,700元を並べても意味がありません。高雄の13,700元にはバス代4,000元が含まれているので、通学の足まで込みで比べるなら、台北は10,200元+別途のバス代で見る必要があります。逆に入学時の一時金は台北100,000元・高雄50,000元で、台北が2倍。「毎月」で見ると高雄が高く、「入学時」で見ると台北が高い、というねじれ方をしています。会社の子女教育手当が月額補助なのか一時金も対象なのかで、家計への効き方が変わります。
台中日本人学校の学費は公開ページに出ていない
台中日本人学校(台中市大雅区)は、入学・編入学の案内をダウンロード書類として配布する方式をとっており、本稿執筆時点で公式サイトの閲覧ページ上に校納金の一覧を確認できませんでした。ネット上には「入学金10,000元」「入学金40,000元」など複数の数字が流通していますが、出典と年度が確認できないものをそのまま計算に使うのは危険です。台中への赴任が具体的になった段階で、学校(taichung@tjs.tc.edu.tw)へ直接お問い合わせください。
この「学費が公開ページに出ていない」という状態は台中に限りません。世界の日本人学校では、公式サイトに金額表を載せる学校と、入学説明会や配布書類でのみ示す学校が半々くらいです。赴任前の見積もりを作るときは、学校名で検索して出てきた金額をそのまま使わず、必ず年度と出典を確認してください。
台北アメリカンスクールは日本人学校の7〜8倍
台湾のインターナショナルスクールと比べると、桁が変わります。台北アメリカンスクール(TAS)の2025-2026年度の年間授業料は幼稚園〜5年生が933,526元、6〜12年生が1,029,470元で、これとは別に入学時のデポジット50,000元がかかります。台北欧州学校(TES)は学期あたりおよそ200,000〜300,000元というレンジです。

台北日本人学校の小学部は年122,400元(授業料90,000+施設利用費32,400)。TASの933,526元と比べると約7.6倍、中学部で見ると約8.3倍です。会社の教育手当がインターの実額まで出るかどうかで、選択肢は事実上決まります。手当が日本人学校の水準までしか出ない家庭にとって、台湾のインターは「検討したけれど選べなかった」で終わることがほとんどです。
入学資格――日本人会の会員であることが先に来る
台湾の日本人学校は、いずれも保護者が現地の日本人会の会員であることが入学条件に入っています。台北日本人学校は「日本国籍を有する子ども、もしくは特別の理由により学校長が認めた子ども」「保護者が台湾日本人会会員であること」「保護者と子どもが同居していること」。高雄日本人学校はこれに加えて台湾の外僑居留資格、学年相応の日本語能力、そして弁当持参で通学できることが条件として挙げられています(給食がありません)。
もうひとつ実務上とても重要なのが編入の時期です。台北日本人学校は中学3年生の編入学を「9月末日までとする」と明記しています。高校受験の指導と手続きを考えれば当然の線引きですが、秋以降に赴任辞令が出た中3の家庭は、そもそも台北日本人学校に入れません。赴任時期が中学3年生にかかりそうな場合は、辞令が出る前の段階で学校へ相談してください。

台湾には高等部がない――中学のうちに決めることになる
台湾の3校はいずれも中学3年生までです。高等部はありません。高校をどうするかは、台湾のインターへ移る、台湾の現地校(高級中学)へ進む、帰国して日本の高校に進む、日本の高校の寮に入る――のいずれかを、中学のうちに決めることになります。世界の日本人学校で高等部を持つ学校はごく少数で、詳しくは日本人学校に高校はあるのかにまとめています。
台湾ならではの選択肢として、現地校へ進めば中国語(繁体字+注音)が確実に伸びます。ただし繁体字と注音は日本の国語の学習と直接つながりません。漢字の字形も筆順の考え方も違うため、「中国語ができるから国語も大丈夫だろう」という期待は外れます。ここは正直にお伝えしておきます。
学費を払ったあとに残るもの――「日本の同世代と話す時間」
台北日本人学校を選べば、授業はすべて日本語で、教科書も日本と同じです。国語の心配はほとんどありません。そのかわり、台湾で暮らしているのに中国語も英語も伸びにくいという悩みが出てきます。インターや現地校を選べば語学は伸びますが、今度は日本語の学年相当が確実に落ちます。漢字・読解・作文は量が要る領域なので、家庭内の会話だけでは維持できません。
そしてどちらを選んでも共通して残るのが、「日本の同世代と話す時間」です。日本人学校でもクラスは同じ駐在家庭の子どもたちで、日本にいる同学年の子と日常的に話す機会はありません。帰国したときに戸惑うのは、じつは漢字よりもここです。
台湾には、この点で他の赴任先にない強みがあります。日本との時差がわずか1時間だということです。ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと一緒に学ぶオンライン日本語スクールですが、台湾からは日本の子どもとほぼ同じ時間割で参加できます。平日の放課後も、土曜の午前も、時差の計算はほとんど要りません。ヨーロッパや北米の家庭が「日本の夕方=現地の深夜」で悩むのに対し、台湾の家庭にはその制約がない。月額定額の通い放題で、日本人学校に通いながらの補完としても、インター・現地校の日本語のピンポイント補強としても使えます。
よくある質問(台湾で学校を選ぶ方から)
台湾に日本人学校はいくつありますか?
全日制の日本人学校は台北・台中・高雄の3校です。いずれも小学部と中学部で、高等部はありません。台北日本人学校には特別支援学級と通級指導教室があります。
台北日本人学校の学費は月いくらですか?
小学部が月10,200元(授業料7,500+施設利用費2,700)、中学部が月10,300元(授業料7,600+施設利用費2,700)です。約4万9千円。これとは別に入学時に入学金40,000元と施設設備費60,000元、年額でPTA会費300元と副教材費(年5,000〜11,500元程度)がかかります。
入学時にいくら用意すればいいですか?
台北日本人学校は入学金40,000元+施設設備費60,000元=100,000元(約48万円)。高雄日本人学校は入学金50,000元(約24万円)です。台北の2つの一時金は退学しても返金されませんが、退学後6か月以内に再編入する場合は免除されます。
スクールバス代はいくらですか?
高雄日本人学校は月4,000元が校納金に含まれる形で徴収され、8月分も必要です。台北日本人学校の校納金規定には通学バスの月額の定めがなく、校外学習等の利用分を実費で徴収すると書かれています。通学の足については学校へ直接ご確認ください。
現地校やインターに入れた場合、日本語はどうすればいいですか?
正直に言えば、家庭内の会話だけで学年相当の国語を維持するのは大変です。漢字・読解・作文は量が要ります。ともだちじゃぱんは会話レベル別のクラス+通い放題で、しかも台湾は時差1時間なので日本の時間割にそのまま乗れます。現地校で中国語・英語を伸ばしながら日本語の「抜け」だけをピンポイントで補う併用が効きます。帰国後の国語の考え方は帰国子女の国語にまとめています。

都市ごとの詳細は台北の記事をご覧ください。世界の学校をまとめた日本人学校 一覧と日本人学校の学費相場、国レベルで学費を並べた中国・タイ・韓国・アメリカもあわせてどうぞ。

