台北日本人学校の生徒数は、令和8年4月15日現在で728名です。内訳は小学部551名・中学部177名、学級数は小学部19学級・中学部6学級・特別支援学級1学級の合計26学級、教職員は68名。同校の校長自身が「世界の日本人学校の中でも有数の大規模校」と書いている、数少ない学校のひとつです。ただし規模の数字だけを見ると判断を誤ります。1学級あたりに直すと約29名で、これは日本の公立小中学校とほとんど変わりません。この記事では公表値をそのまま並べたうえで、1学級あたりに割り戻すと何が見えるか、そしてほかの日本人学校と比べてどのくらいの規模なのかまでを、出典と基準日つきで整理します。
令和8年4月15日現在の公表値――728名・26学級・教職員68名

| 区分 | 児童生徒数 | 学級数 | 1学級あたり(単純計算) |
|---|---|---|---|
| 小学部 | 551名 | 19学級 | 約29.0名 |
| 中学部 | 177名 | 6学級 | 約29.5名 |
| 特別支援学級 | ―(上記に含まれる) | 1学級 | ― |
| 合計 | 728名 | 26学級 | 約28.0名 |
| 教職員 | 68名 | ― | 児童生徒約10.7名に1名 |
先に、この表の読み方で1つだけ注意点を書いておきます。特別支援学級の1学級に在籍する児童生徒が何名なのかは公表されていません。551名・177名という数字にはその子どもたちも含まれていると読むのが自然ですが、内訳が示されていないため、普通学級だけの1学級あたりの人数は正確には計算できません。上の「約29.0名」「約29.5名」は、あくまで公表されている総数を学級数で割った単純計算です。
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「大規模校」なのに、教室の中は日本と同じくらいの人数

海外の学校というと少人数を思い浮かべる方が多いのですが、台北日本人学校はそうではありません。小学部551名を19学級で持っているということは、平均して1クラス29人ということです。日本の公立小中学校の学級編制の標準(小学校は35人、中学校は40人)と比べても、決して余裕のある人数ではありません。
つまり「728名」という総数から想像される規模の大きさと、実際に子どもが毎日過ごす教室の密度は、別の話です。学校が大きいことは、1学年あたりのクラス数が多い(小学部で単純平均すると1学年3学級強)という形で現れます。クラス替えの選択肢が多く、6年間ずっと同じ顔ぶれということは起こりにくい。これは中規模以下の日本人学校にはない、台北の実際の強みです。
一方で中学部は177名を6学級ですから、単純に3学年で割れば1学年2学級です。小学部の3学級強から中学部の2学級へ、進級のタイミングで学年の規模が縮むことになります。これは日本人学校では珍しくない形で、中学進学の時期に日本へ帰国したり、現地のインターナショナルスクールへ移ったりする家庭があるためです。

ほかの日本人学校と比べてどれくらいの規模か
| 学校 | 児童生徒数 | 基準日 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 上海日本人学校(虹橋・浦東・高等部) | 1,601名 (小中1,482名+高等部119名) | 令和8年4月 | 各校「学校紹介」「学校概要」 |
| 台北日本人学校 | 728名 (小551名+中177名) | 令和8年4月15日 | 「学校経営方針」 |
| クアラルンプール日本人学校 | 544名 (幼66名+小367名+中111名) | 令和8年4月13日 | 「学校概要」 |
こうして並べると、台北は上海に次ぐ規模の日本人学校のひとつだとわかります。校長が「有数の大規模校」と書いているのは誇張ではありません。ただし上海は高等部を置いている世界で唯一の日本人学校で、しかも校舎が3つに分かれています。台北は1つの校舎に728名がいるという点で、密度としてはむしろ台北のほうが高い、という読み方もできます。
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この規模になった経緯――創立年と創立記念日が別々に決まっている
| 年 | できごと |
|---|---|
| 昭和22年(1947)5月 | 「国立台湾大学附設留台日籍人員子女教育班」の名称で温州街に小中学部が開校 |
| 昭和28年(1953)4月 | この年月日が本校の創立記念日(昭和52年の運営委員会で決定) |
| 昭和47年(1972)12月 | 断交後、「台北日本人学校」の名称で発足 |
| 昭和48年(1973)1月 | 台北市政府教育局より「私立台北市日僑学校」の名称で認可 |
| 昭和52年(1977)4月 | 台中分校が開校(昭和54年に台中日本人学校として独立) |
| 昭和58年(1983)10月 | 現在地の天母へ新校舎移転 |
| 平成5年(1993)7月 | 運営委員会にて本校創立は昭和22年と決定 |
| 令和2年(2020)11月 | タブレット端末1人1台の使用を開始 |
| 令和3年(2021)6月 | 天母新校舎での授業がはじまる(令和4年3月に全体竣工) |
沿革を読むと、この学校には「創立年」と「創立記念日」が別々に決められているという珍しい事情があることがわかります。創立記念日は昭和28年4月1日と昭和52年に決めているのに、創立そのものは平成5年になってから昭和22年と決め直しています。校長挨拶が「2026年(令和8年)5月で80年目を迎える」と書いているのは、後者の昭和22年5月から数えた年数です。
実務的に大事なのは、校舎が新しいという点です。天母の新校舎で授業がはじまったのは令和3年6月で、全体の竣工は令和4年3月。728名という規模を、築数年の校舎で受けとめている学校ということになります。
入学・編入で先に確認しておくこと
生徒数を調べている方の多くは、これから台北への赴任・移住を控えている方だと思います。同校の新入学(小学部1年生)については、公表されている条件が学力ではなく資格である点に注意してください。
公表されている主な条件は、①原則として日本国籍を有する子ども(もしくは特別の理由により学校長が認め、学校運営委員会が就学を承認した子ども)、②保護者が日本人会会員であること(夫婦で台湾に居住している場合は原則として夫婦会員)、③保護者が子どもと同居していることの3点です。日本人会への加入は入学説明会の当日に手続きができ、入会金1,000元・夫婦会費4,000元(現金のみ)と案内されています。
また特別な支援を受けていた、または通級指導教室等に在籍していた場合は、保護者が配慮不要と判断していても必ず事前相談や面談を実施し、必要書類を提出して特別支援学級就学委員会の審議を経ると明記されています。事前に申告をしなかった場合は退学となる場合があるとまで書かれているので、ここは自己判断せず必ず学校に相談してください。
日程は年度によって変わりますが、令和8年度の場合、入学受付期間は令和7年11月10日から令和8年4月2日まで、入学説明会は2月5日と4月8日の2回、入学式は令和8年4月11日(土)と案内されていました。3月に日本の幼稚園・保育園を卒園して4月から入学する場合、1年生の教科書は日本にある海外子女教育振興財団から給付を受けて持参する必要があります(学校では給付できないと明記)。これは見落としやすい実務です。
728名の学校でも、日本語で話す相手は自然には増えない
数字を見て安心する方も、逆に不安になる方もいます。「これだけ日本人がいるなら日本語は大丈夫」と考えるのは自然です。けれど実際に効いてくるのは全校の総数ではなく、その子が毎日ことばを交わす相手の数です。学年が上がるほど、話す相手はクラスの中の数人に固定されていきます。19学級ある小学部でも、隣のクラスの子と毎日話すわけではありません。
加えて台北の場合、小学部3学級強から中学部2学級へと学年の規模が縮むという節目があります。人間関係が一度組み替わるタイミングで、話す相手が減る子は珍しくありません。転出入が多いのも日本人学校の特徴です。
ともだちじゃぱんは、日本にいる同世代と少人数で毎日話す時間をつくるオンラインの学校です。日本人学校に通っているご家庭からも「学校の外にもう一つ日本語の居場所がほしい」というご相談をいただきます。人数の多い学校に通っているからこそ、クラスの人間関係に左右されない相手を持っておく意味があります。
よくある質問(台北日本人学校 生徒数)
台北日本人学校の生徒数は何人ですか?
令和8年4月15日現在の公表値で合計728名です。内訳は小学部551名・中学部177名。学級数は小学部19学級・中学部6学級・特別支援学級1学級の合計26学級で、教職員数は68名と公表されています(同校「学校経営方針」)。
1クラスは何人くらいですか?
公表値を学級数で割ると、小学部は約29.0名、中学部は約29.5名です。日本の公立小中学校とほぼ同じ規模で、「海外だから少人数」という前提は台北では当てはまりません。ただし特別支援学級の在籍数が公表されていないため、普通学級だけの正確な人数は算出できません。
日本人学校の中では大きいほうですか?
はい。校長自身が「世界の日本人学校の中でも有数の大規模校」と書いています。上海日本人学校(3校舎で1,601名)に次ぐ規模で、クアラルンプール日本人学校(544名)より大きい水準です。しかも台北は1つの校舎に728名が通っています。
台北日本人学校は台湾でどういう位置づけの学校ですか?
昭和48年(1973)1月に台北市政府教育局から「私立台北市日僑学校」の名称で認可を受けた外僑学校です。設立母体は台湾日僑協会(日本人会)で、日本台湾交流協会台北事務所からの支援も受けていると同校は説明しています。
入学に学力試験はありますか?
新入学(小学部1年生)について公表されている条件は、原則として日本国籍を有すること、保護者が日本人会会員であること、保護者が子どもと同居していることなどの資格要件です。学力試験については記載が見当たりません。ただし体験入学(集団面接)と新入学保護者説明会への参加が求められており、特別な支援が必要な場合は事前相談と就学委員会の審議が必要と明記されています。
台北での学校選び全体は台北の日本人学校とインター比較、通学手段は台北日本人学校のスクールバス、台湾の補習校は台北の補習校、ほかの都市との規模の比較は上海日本人学校の生徒数とクアラルンプール日本人学校の人数、費用の全体像は日本人学校の学費、世界の学校の一覧は日本人学校の一覧をご覧ください。




