ホーチミン赴任が決まってホーチミン日本人学校のスクールバスを調べると、停留所の一覧が見つかりません。これは検索の仕方の問題ではありません。同校は公式ページに「海外でのスクールバスに関わる事件を受け、全てのバス停留所のリストは削除いたしました」と明記しています。意図的に公開をやめているのです。さらにバスルートそのものが編入学が確定した時点で作成される仕組みになっているため、入学前に「うちの前を通るか」を確かめることは原理的にできません。この記事では、公表されている運用のしくみ――誰が運行し、いつルートが決まり、毎日どんなルールで乗り降りするのか――を整理し、住まいを決める前に何を確かめるべきかまで書きます。
停留所リストは削除されている――だから見つからない

同校のスクールバスのページは、末尾で次のように書いています。「海外でのスクールバスに関わる事件を受け、全てのバス停留所のリストは削除いたしました。停留所に関するお問い合わせについては、学校までご連絡願いします。」
つまり以前は公開されていた情報が、安全上の判断で非公開に切り替えられたということです。ネット上に古い停留所の情報が残っていることがありますが、それは学校が現在提供している情報ではありません。年度が変われば運用も変わるため、古い情報を前提に住まいを決めるのは危険です。
なお同校の運行体制には、安全面の手当てが具体的に書かれています。スクールバス利用者連絡会を設立して運行しており、各バスごとに警備員と添乗員を配備、さらに2020年度よりバスアプリを導入して安全と効率化に努めている、という説明です。ここでも運行の主体は学校そのものではなく、利用者でつくる連絡会である点に注意が必要です。
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ルートが決まるのは「編入学が確定した時点」
| 知りたいこと | 公式の説明 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| ルートはいつ決まるか | 編入学が確定した時点でバスルートを作成し、決定する | 入学前に路線図を見ることはできない |
| ルートは固定か | 固定したものではなく、乗車定員に合わせ毎学期および必要に応じて見直される | 年度途中でも停留所や時刻が変わりうる |
| 変更はどう伝わるか | 事前にバスアプリで通知がある | アプリの通知を見落とすと乗り遅れる |
| 入学前に聞くには | 当校教頭へ問い合わせる | 窓口が明示されている数少ない項目 |
| どこで乗るか | 居住地域の拡散と児童生徒数の増加による送迎時間の増大等のため、所定の集合場所まで来て乗降する | 自宅前まで来るとは限らない |
ここでいちばん実務に効くのは「所定の集合場所まで来て乗降していただきます」という一文です。理由も学校が説明しています――居住地域が広がったことと、児童生徒数が増えたことで送迎時間が延びたためです。ホーチミンの日本人家庭は7区(フーミーフンなど)に集中している一方で、他エリアに住む家庭も増えています。全戸を回っていては時間が持たないということです。
したがって「バス停が近いか」ではなく「集合場所まで毎日歩ける距離か」で住まいを見るのが正しい見方になります。ホーチミンは歩道の連続性や雨季のスコールという条件があるため、距離だけでなく朝夕にその道を実際に歩けるかまで見ておくと安全です。

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毎日の運用――「近いから歩いて帰る」は選べない

日々の運用は、日本の感覚よりかなり厳格です。公表されているルールを整理すると次のようになります。
| 場面 | 決まっていること |
|---|---|
| 登校時 | バス到着予定時刻の5分前には児童生徒と保護者が一緒に集合場所に集まる |
| 下校時 | 同じく5分前集合。保護者または登録された代理人がいない場合は降車させられない |
| 代理の引き取り | 兄弟や突然頼まれた代理の人は引き取り不可。登録代理人にバスアプリの代理人QRコードまたは緊急時引渡しカードを預ける必要がある |
| 乗降車場所 | 自分のバス停・バス号車以外は使用できない |
| 欠席するとき | 所定の時間までにバスアプリで不乗車登録し、担任にショートメール等で連絡。あわせて利用バス停のバス係にも伝える |
| 乗降の記録 | バスカードのチェックにより乗降時間が保護者へ通知される。アプリで運行ルートやバス位置も確認できる |
| 緊急時 | 渋滞による遅延や緊急下校の連絡が突然入る可能性があるため、常に携帯電話を携帯する |
| 引っ越し | バス停の変更手続きは1か月前までに学校へ連絡。1か月以内の短期間では変更が難しい場合がある |
特に見落とされやすいのが「保護者や登録された代理人がいない場合には児童生徒を降車させることができません」という点です。学校は理由を「海外という環境上」と説明しています。日本の小学校のように「先に帰って鍵を開けて待つ」という運用は、ここでは想定されていません。共働きのご家庭は、代理人の登録を赴任前の段取りに入れておく必要があります。
また引っ越しのバス停変更が1か月前というのも重要です。ホーチミンでは赴任後に一度仮住まいに入り、あとから本契約の物件へ移る家庭が少なくありません。その移動のタイミングとバス停変更の締切がずれると、しばらく自力送迎になるおそれがあります。
住まいを決める前に確かめる3つ
ルートが事前に見えない以上、次の3点を先に押さえるのが現実的です。
| 確かめること | 問い合わせ先 | |
|---|---|---|
| 1 | 候補エリアに集合場所があるか、そこまで徒歩何分か | 当校教頭(編入学前の確認先として明示されている) |
| 2 | 代理人登録の要否と手続き(共働き・出張が多い場合) | 学校/スクールバス利用者連絡会 |
| 3 | 仮住まいから本契約へ移る予定があるなら、バス停変更の1か月ルールとの兼ね合い | 学校 |
なお詳細な規則は、編入学時に配布される「スクールバス運行規則・細則・利用の手引き・バスアプリ利用ルール」および「スクールバスのしおり」にまとめられています。同校のページには運行規則(令和8年最新版)・利用の手引き(令和8年最新版)・スクールバスのしおり(2026年1月)のほか、バスアプリ利用規約が日本語版とベトナム語版で掲載されています。
送迎の時間が伸びるほど、日本語で話す時間は減る
バスの話は、そのまま放課後に何が残るかの話です。ホーチミンは渋滞が読みにくく、集合場所までの徒歩と乗車時間が重なると、帰宅がじわじわ遅くなります。そして削られるのは、たいてい日本語で誰かと雑談する時間からです。
日本人学校に通えていれば、教室に日本語はあります。けれど学年が上がるほど、話す相手はクラスの数人に固定されていきます。ともだちじゃぱんは、日本にいる同世代と少人数で毎日話す時間をつくるオンラインの学校です。移動を伴わないので、通学と送迎の負担が大きい家庭ほど噛み合います。
よくある質問(ホーチミン日本人学校 スクールバス)
バス停留所の一覧はどこで見られますか?
公開されていません。同校は「海外でのスクールバスに関わる事件を受け、全てのバス停留所のリストは削除いたしました」と明記しており、停留所に関する問い合わせは学校へ連絡するよう案内しています。ネット上に残る古い停留所情報は、現在の運用を反映していない可能性があります。
入学前にバスルートを確認できますか?
できません。バスルートは編入学が確定した時点で作成・決定されると説明されています。さらにルートは固定ではなく、乗車定員に合わせて毎学期および必要に応じて見直されるため、事前に確定した路線図が存在しません。編入学前の確認は当校教頭へ問い合わせます。
バスは自宅の前まで来ますか?
いいえ。所定の集合場所まで来て乗降する方式です。理由として学校は居住地域の拡散と児童生徒数の増加による送迎時間の増大を挙げています。住まい選びでは「バス停が近いか」ではなく「集合場所まで毎日歩けるか」で見るのが実際的です。
下校時に保護者が家にいないと、子どもは降りられませんか?
降りられません。「海外という環境上、保護者や登録された代理人がいない場合には児童生徒を降車させることができません」と明記されています。兄弟や突然頼まれた代理の人は引き取りができません。やむを得ない場合は、登録代理人にバスアプリの代理人QRコードや緊急時引渡しカードを預けて依頼します。
引っ越しでバス停を変えたいときはどうしますか?
1か月前までに学校へ連絡します。1か月以内の短期間ではバス停の変更が難しい場合があると案内されています。仮住まいから本契約の物件へ移る予定がある場合は、移転時期とこの締切の兼ね合いを先に確認してください。
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