赴任地がシドニーに決まった、あるいは駐在中のご家庭が最初にぶつかる二択が「シドニー日本人国際学校(日本人学級)か、現地校・インターナショナルスクールか」です。シドニーは選択肢が豊富な一方で、日本人学級が中学3年生(Year 9)までしかない、私立・インターの学費が年A$25,000〜36,000と高い、永住と数年帰国が混在する――といった土地特有の事情で判断軸が変わります。結論を先に言えば、3〜5年で帰国し帰国後の受験を重視するご家庭は日本人学級、長期・永住で英語環境を最優先するなら現地校・インターが基本線です。
相場感を先に共有します。シドニー日本人国際学校の授業料は年A$約15,000前後(ビザ区分により最大A$28,000)、一方で私立・インターは年A$25,000〜36,000と桁が一つ違います。そして、どちらを選んでも残る”宿題”があります。それが国語(日本語)の学年相当と、帰国後の学校復帰・帰国子女入試です。この記事では費用・カリキュラム・帰国後まで、正直に比較します。
シドニーの学校選び 3タイプ比較一覧
| 選択肢 | 言語・カリキュラム | 対象 | 学費目安 | 帰国後 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|---|
| シドニー日本人国際学校 日本人学級(日本人学校) | 日本語・日本の学習指導要領(文科省)+毎日英語 | 小1〜中3(Year 9) | 年A$約15,000前後〜(諸費別・ビザ区分で変動/日本人学級の額は要問い合わせ) | ◎ そのまま復帰しやすい | 3〜5年で帰国・帰国後の受験重視 |
| 現地校・インター(例:International Grammar School) | 英語・NSWカリキュラム+IB DP | K〜Year 12 | 年A$25,510〜35,906 | △ 国語は別途対策要 | 長期/永住・英語環境を重視 |
| NSW公立(現地校) | 英語・NSWカリキュラム | K〜Year 12 | 一時滞在ビザは留学生扱いの授業料(要問い合わせ) | △ 国語は別途対策要 | 費用を抑えたい・地域の学校に通わせたい |
| ともだちじゃぱん | オンライン・日本語会話/国語・友達 | 5〜18歳 | 月21,483円(約A$220) | ◎ 学年相当の国語と日本の友達を維持 | どちらを選んでも”日本語と日本とのつながり”を足したい |
日本人学校という選択肢 ――シドニーの実情
シドニーの日本人学校にあたるのがシドニー日本人国際学校(SJIS)です。1969年開校、シドニー中心部から北へ約25〜30kmのテリーヒルズ(112 Booralie Road)に立地します。特徴的なのは、日本人学級(文部科学省カリキュラム/小1〜中3・Year 9)と国際学級(NSWカリキュラム/キンダー〜Grade 6)の二部門を持つこと。世界で唯一「英語部門」を併設する日本人学校で、日本人学級でも毎日英語の授業があります。在校生はおよそ200名規模です。
費用は、申請手数料A$220・入学金A$1,500・学校債A$1,500に加え、授業料は公開の授業料ページで年A$14,880〜15,280(政府補助対象の場合/技術徴収金A$280・PTA会費A$40等が別途)、補助対象外のビザ区分では年A$28,000程度とされています。ただし日本人学級(文科省課程)単体の金額は明示がなく、正確にはビザ区分を添えて学校へ要問い合わせです。メリットは、日本のカリキュラムそのままで帰国後にスムーズ・給食や行事など日本の学校生活・日本語環境。デメリットは、英語ネイティブ環境ほどは英語が伸びにくいこと、テリーヒルズという立地ゆえの送迎負担、そして中学3年(Year 9)までしかなく、その先の高校進学は別途考える必要があることです。
現地校・インターという選択肢 ――主な検討先
英語環境や長期滞在を重視するご家庭が実際に検討するのが、私立・インターと公立(現地校)です。代表例がInternational Grammar School(IGS・アルティモ)。K〜Year 12の一貫校で、英語+第二言語(日本語・仏・伊・独・西から選択)のバイリンガル教育、Year 11〜12ではIBディプロマも選べます。2026年授業料はキンダーA$25,510、Year 4〜6でA$26,801、Year 7〜9でA$33,624、Year 11〜12でA$35,906(申請料A$250・入学金A$1,950・預託金A$1,200が別途)。IBを重視するならSt Andrew’s Cathedral School(IBワールドスクール/HSCかIB DPを選択可)も候補で、海外生(一時滞在ビザ)の授業料は要問い合わせです。費用を抑えたいご家庭はNSWの公立校(現地校)という道もありますが、457/482などの一時滞在ビザは原則「留学生(一時滞在者)」扱いで、ビザ区分ごとに定められた授業料(前払い)と入学料A$285がかかります(世帯年収A$75,000以下は減免申請の対象)。共通のメリットは英語力・国際性・長期/永住への強さ。デメリットは、学費が高いこと、入学枠やウェイトリスト、そして帰国後に国語と日本の教科が空くことです。
結局どっち? 迷ったときの3つの判断軸

- ①帰国予定:3〜5年で帰国か、長期・永住か――数年で帰国するなら、国語の連続性が効く日本人学級(+補完)が有利。5年以上・永住なら英語で積み上がるインター/現地校が向きます。シドニーは駐在と永住が混在するので、まず「わが家はどちらか」を決めるのが出発点です。
- ②子の年齢・学年:いま何年生か(5年生の壁)――低学年なら言語の切替は比較的効きます。ただし高学年になると国語の抽象語彙・説明文が急に難しくなり、ここで日本語が空くと帰国後の空白が致命傷になりがちです。
- ③帰国後の受験:帰国子女入試・中学受験の国語――帰国受験では国語や作文が要になる学校が多く、日本語の学年相当を切らさない設計が要ります。逆に豪州に残るなら、HSCで日本語(Continuers等)を選べば大学入試(ATAR)に日本語が活きます。

「インターナショナルスクールは後悔する」の正体――インター育ちの日本語
学校を比べていく途中で「インターナショナルスクール 後悔」という言葉に行き当たったご家庭は少なくないはずです。実際に語られている中身をたどると、その多くは英語ではなく日本語のほうで起きています。友達とは英語でよく喋るのに漢字が書けない、日本語の本が読み通せない、考えていることを日本語で言い切れない――いわゆるインター育ちの日本語の問題です。原因は「英語が伸びたせいで日本語が落ちた」ことではなく、日本語を使う時間が家庭の中だけになることにあります。シドニーのインターナショナルスクールの学費は年A$25,510〜35,906規模。それだけ払ってもなお、日本語だけは家庭の努力で支えるしかない――これがインター・現地校を選んだあとに残る、正直な景色です。
ここで整理しておきたいのが、補習校と日本人学校の違いです。シドニー日本人国際学校の日本人学級のような日本人学校は平日フルタイムで日本の学習指導要領に沿って学ぶ全日制。補習授業校は、現地校・インターに通う子が土曜などに国語を中心に学ぶ「補習」。名前は似ていても役割はまったく別のものです。そしてシドニーは駐在と永住が混在し、当初3年の予定が5年10年と延びるご家庭も珍しくありません。日本人学校の一覧やランキングを調べ始める前に、①平日どこに通うか(日本人学級か現地校・インターか)、②日本語をどこで積むか――この二つを別の問いとして分けて考えると、判断は一気に軽くなります。②は学校選びの結果として自動的に決まるものではありませんし、その受け皿は週1回・学年一斉の教室だけとも限りません。豪州に残る進路を選ぶ場合も同じで、HSCの日本語(Continuers等)で得点しようとすれば「話せる」だけでは足りず、読み書きと語彙の積み上げが要求されます。帰国するにせよ豪州に残るにせよ、学年相当の日本語を切らさない設計が効いてきます。
どちらを選んでも残る”宿題”――第三の選択肢
日本人学級を選べば英語や現地とのつながりが、現地校・インターを選べば日本語の学年相当と帰国後の国語・日本の同世代とのつながりが、それぞれ”宿題”として残ります。その宿題を軽くするのが、2026年12月開校のオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」です。日本人学級やインターを置き換えるのではなく、併用して足りない部分を補う”第三の選択肢”として設計しています。
時差の相性も正直にお伝えします。シドニーは日本より1時間進んでいる(豪AEST=日本+1h)ため、日本の平日夕方に開かれるクラスは、シドニーでは夕方〜夜にあたります。学校や習い事が終わったあと、自宅のリビングからそのまま参加できる、駐在家庭にとって非常に組み込みやすい時間帯です。
- 相手は日本在住の同世代:姉妹校NIJINアカデミー(在籍800名超)の日本の子どもたちと少人数グループで話します。シドニーの教室では得にくい「日本のリアルな友達」ができます。
- “レッスン”以上の、日本とのつながり:アイデンティティやルーツとのつながりが、帰国後もその先も効く長期価値になります。
- 子ども特化だから安心:月21,483円(約A$220)で毎日でも参加OK。学年でなく会話レベルでクラス分けするので「5年生の漢字の壁」で取り残されません。通い放題で「週1では量が足りない」も解決します。


よくある質問(シドニーで学校を選ぶ方から)
シドニー日本人国際学校の日本人学級は中3(Year 9)まで。高校はどうすれば?
その通りで、日本人学級は小1〜中3(Year 9)までのため、高校段階は「現地の私立・公立に進む」「帰国して日本の高校へ」「通信制・全日制の日本人向け進路」などを別途検討することになります。豪州に残る場合はHSC(NSWの高校卒業資格)で日本語科目を選べるので、日本語を強みとして大学入試につなげる道もあります。いずれにせよ中学のうちから日本語の学年相当を保っておくと、どちらの進路にも対応しやすくなります。
インターに入れると日本語が心配です。どうすれば?
正直に言うと、英語環境のインター・現地校では日本語の使用量が家庭の会話だけに縮小しがちで、特に高学年の読み書き(漢字・説明文・作文)は意識的に補わないと空きます。家庭内の日本語量を増やすことに加え、会話レベル別・通い放題のともだちじゃぱんのような手段を併用すると、英語環境のメリットを保ちつつ日本語の学年相当を維持できます。「英語も日本語も」を両立させる前提で設計するのがおすすめです。
数年で帰国予定です。帰国後の受験(国語)が不安です。
帰国子女入試や中学受験では国語・作文が合否を分けやすく、現地滞在中に国語が空くと帰国後の負担が一気に増えます。日本人学級なら国語の連続性は保ちやすいですが、インター/現地校を選んだ場合は特に、学年相当の読解・記述を切らさない補完が要ります。会話だけでなく「読む・書く」を学年レベルで維持できる設計を、赴任中から続けておくと安心です。
シドニーからだと時差は問題になりませんか?
問題になりにくい、好条件の部類です。シドニーは日本より1時間進んでいるだけ(豪AEST=日本+1h)なので、日本の平日夕方のクラスはシドニーの夕方〜夜。学校や習い事のあとに、自宅からそのまま参加できます。北米や欧州のように「日本の平日夕方=現地の深夜/昼間」になってしまう不成立の悩みが、シドニーではありません。
他都市と比べたい方は、世界94校をまとめた日本人学校 一覧もあわせてご覧ください(高等部の有無・国別の分布まで整理しています)。
学費の相場を都市別に確認したい方は、日本人学校の学費の記事もご覧ください。
シドニーでどちらを選んでも、日本の友達はそばに。
ともだちじゃぱんは2026年12月に開校します。事前登録いただくと、開校情報と体験会のご案内を、いちばんにお届けします。

