「インターナショナルスクールに通わせているけれど、日本語が遅れるのが心配」「家では日本語なのに、気づけば日本語が話せない・出てこない」「日本語力を落とさないために、家庭で何をすればいいのか」――「インターナショナルスクール 日本語」と検索するご家庭の不安は、この3つに集約されます。結論からお伝えすると、インターで日本語が遅れるのはお子さんの能力の問題ではなく、日本語に触れる「場面」と「量」が構造的に足りないことが原因です。そして会話ができることと、学年相当の国語(読み書き・思考)が身につくことは別――ここを取り違えると「話せているから大丈夫」と見過ごしてしまいます。この記事では、なぜ遅れるのかを国立国語研究所の研究と公的データで正確に整理し、家庭でできる対策までまとめます。
なぜインターナショナルスクールだと日本語が遅れるのか【2026】
インターナショナルスクールでは、授業も友達との会話も英語(または現地語)が中心です。日本語は「学校で学ぶ教科」ではなく、家庭のなかだけで使う言葉=継承語になります。ここに、遅れが生まれる仕組みがあります。国立国語研究所は、学校での学習言語が日本語以外になった子どもについて、「就学後最短2〜3年で、継承語が話せなくなってしまう、という研究結果もある」と紹介しています(ジム・カミンズ、中島和子『言語マイノリティを支える教育』)。

理由は大きく2つです。第一に触れる量の差。周囲の会話が日本より圧倒的に少なく、生活のなかで日本語を使う時間が限られます。第二に使う場面の偏り。継承語は使用場面が日常生活のみに限られるため、年齢に応じた言語能力の向上が難しくなりがちだと同研究館は指摘します。買い物やあいさつはできても、学年が上がるほど必要になる「抽象的な概念の理解」「論理的な思考」を日本語で行う機会がない――これが「遅れ」の正体です。
数字で見る「インターと日本語」――国内でも“日本語は家庭任せ”になりやすい
これは海外だけの話ではありません。国内のインターナショナルスクールでも同じ構造が起きます。文部科学省は、いわゆるインターナショナルスクールの多くは学校教育法第1条に定める「一条校」ではなく、各種学校(同法134条)または無認可であり、その数や実態を正確には把握していないとしています。認可されている施設は全国に約125校、初等部から高等部までそろうものだけでも約80校といわれますが、いずれも日本の学習指導要領に基づく国語の授業を前提としていません。
| 通う場所 | 日本語(国語)の位置づけ | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 海外のインター/現地校 | 教科になく、家庭内の継承語のみ | 会話は残っても読み書き・学年国語が抜ける |
| 国内のインター(多くは一条校でない) | 学習指導要領の国語は必須でない | 日本在住でも学年相当の国語が家庭任せに |
| 日本人学校(全日制94校) | 日本の教科書で全教科を日本語 | 国語は保てるが世界に94校だけ・入れないことも |
つまり「インターに通っている」だけでは、日本語(国語)は誰も学年相当まで引き上げてくれないのが実情です。日本語を伸ばすかどうかは、家庭がどう「足すか」にかかっています。
「日本語が話せない」の分かれ目――会話はできても“学年の国語”が抜ける
保護者の方が最もつまずくのが、「うちは家で日本語を話しているから大丈夫」という思い込みです。ここには言語習得の大事な区別があります。あいさつ・雑談・買い物といった生活の日本語(会話の力)は、家庭でもある程度は育ちます。一方で、説明文を読む・意見を文章で書く・抽象的な語彙を使って考えるといった学年の国語(学習の力)は、学年が上がるほど高度になり、使う場面がなければ自然には伸びません。会話が流暢なほど「話せている」ように見えて、読み書きと思考の日本語が学年から離れていく――これが「話せるのに国語で困る」のカラクリです。

とくに差が出やすいのが漢字です。小学校6年間で学ぶ漢字は1,026字。学年が上がるほど1時間あたりの新出漢字は増え、読み書きの負荷は跳ね上がります。インターや現地校ではこの積み上げがそのまま抜け落ちるため、帰国子女の漢字が学年から遅れる仕組みで詳しく解説したとおり、帰国後にいちばん困る科目が国語(とくに漢字・読解)になります。「話せない」より深刻なのは、この見えにくい読み書きの遅れです。
家庭でできる3つの対策と、“第三の選択肢”
遅れは「量」と「場面」の不足が原因なので、対策もその2つを家庭で足すことに尽きます。ポイントは3つです。
① 日本語を「教科」にする。会話任せにせず、学年相当の教材で読む・書く時間を意識的に確保します。② 日本語で「考えて話す」場面をつくる。感想や意見を日本語で言葉にする相手がいると、学習言語が育ちます。③ 続く仕組みにする。週1回や親子だけでは負荷も限界もあるため、継続できる外部の場を持つことが、結局いちばんの近道です。

その「学年相当の国語を、続けられるかたちで足す」を担うのが、オンライン日本語スクールともだちじゃぱんです。私たちは、現役水準の日本の先生が、学年相当の国語を8人制の少人数クラスで教えます。家庭教師のように一人で問題を解くのではなく、日本の同世代のクラスメイトと日本語で意見を言い合うので、「話す・考える」学習言語が自然に育ちます。平日夜のオンラインで送迎ゼロ、料金は月24,800円(税込・通い放題/1日あたり約1,240円)――インターの学費とは桁がちがう続けやすさです。

まずは今の学年とのギャップを確認したい方へ。1分でできる学年相当・国語力チェック(無料)で、お子さんの「学年の穴」の目安がわかります。海外での国語・日本語の続け方は海外駐在×子どもの国語・日本語 完全ガイドにまとめています。
よくある質問(インターナショナルスクールと日本語)
インターに通うと日本語は話せなくなりますか?
必ず話せなくなるわけではありませんが、何もしなければ学年相当の日本語は伸びにくいのが実情です。国立国語研究所は、学習言語が日本語以外になった子について「就学後最短2〜3年で継承語が話せなくなる、という研究結果もある」(カミンズ/中島和子)と紹介しています。日本語に触れる量と、日本語で考える場面を家庭で意識して足せば、会話も読み書きも維持・向上できます。
会話はできるのに、なぜ国語で困るのですか?
会話の力(生活言語)と、読み書き・思考の力(学習言語)は別の力だからです。あいさつや雑談は生活のなかで育ちますが、説明文の読解・意見文・抽象語・漢字といった学年の国語は、使う場面がなければ自然には伸びません。会話が流暢でも読み書きが学年から離れることは珍しくなく、帰国後に国語でつまずく典型的な原因になります。
国内のインターナショナルスクールでも日本語は遅れますか?
起こり得ます。多くのインターは学校教育法上の一条校ではなく、日本の学習指導要領に基づく国語の授業を前提としていません(文部科学省は無認可を含め全容を把握していないとしています)。日本在住でも授業が英語中心であれば、学年相当の国語は家庭任せになり、海外と同じ構造で遅れが生じます。
インター育ちの子の日本語力を伸ばすには?
①学年相当の教材で読み書きの時間を確保する、②日本語で感想や意見を言葉にする相手をつくる、③週1回や親子だけに頼らず続く仕組みを持つ――の3つが基本です。とくに「日本語で考えて話す」相手がいるかどうかが、学習言語の伸びを大きく左右します。同世代と少人数で学べる場が効果的です。
近くに補習校がない・週1では足りない場合はどうすれば?
補習校が近くにない都市は珍しくありません。その場合はオンラインで学年相当の国語を続ける方法があります。帰国後の国語の間に合わせ方は駐在中の国語、帰国後に間に合う?、学校選びの全体像は日本人学校 一覧(世界94校)もあわせてご覧ください。インターに通うことは、日本語をあきらめる理由にはなりません。

