「シンガポール 日本人学校 スクールバス」「バンコク 日本人学校 スクールバス」「ロンドン 日本人学校 スクールバス」——赴任先の都市名をつけて調べる人が多い質問です。知りたいのはおそらく3つでしょう。バスはあるのか、いくらかかるのか、どうやって申し込むのか。今回、日本人学校10校の公式サイト・入学案内・校納金規定・バスのしおりを実際に確認しました。バスはどの学校にもありました。ただ、調べていて驚いたのはそこではありません。運営しているのが誰なのかが、学校によってまったく違うのです。学校が運行している学校もあれば、「学校は直接関与しません」と明記している学校もありました。そして料金は10校中8校が公表、2校は非公表。金額の桁も学校によって大きく違いました。
まず結論|バスは全校にあるが、窓口は学校とはかぎらない
今回の10校は、運営主体で4つの型に分かれました。この型を知らずに赴任すると、学校に問い合わせても答えが返ってこないということが起きます。

たとえばクアラルンプール日本人学校は、「通園・通学バスのご利用は任意であり、各ご家庭と Pandu 社、または各ご家庭と運行委託先(ドライバー)との直接契約になっており、直接的には学校が関与しておりません。」と書いています。バンコクの泰日協会学校も、「バスのルートや送迎時間・範囲については直接モントリー社にお問い合わせいただきますようお願いいたします。」としています。学校に聞けば分かる、という前提が通用しないのがこの2校です。
一方でホーチミン日本人学校は、「スクールバス利用者連絡会を設立し、スクールバスを運行しています。各バスごとに警備員と添乗員を配備し、安全な運行を心がけております。」と、学校が運行の中心にいることを明示しています。シンガポール・香港・台北・ロンドンの4校は保護者の団体が運営主体で、シンガポール日本人学校は「通学バスは、日本人学校協同組合が運営するボランティア団体によって提供されています。通学バス利用希望者は、組合への入会が必要となります。」と説明しています。

バス代はいくらか|10校中8校が公表していた
結論から言うと、バス代は学費と完全に別建てです。授業料の表に含まれている学校はひとつもありませんでした。公表されている金額を、公式表記のまま並べます。
| 学校 | バス代(公式表記のまま) | 納入の仕方 |
|---|---|---|
| シンガポール 日本人学校 | 月額 S$305.20/人(小学部・中学部一律) +入会金 S$10.90/家庭 +出資金 S$100.00/家庭(退会時に返還) | 協同組合への入会が必要。2026年度 |
| 香港日本人学校 | 小学部 香港島 月額 HK$2,350/九龍・新界 月額 HK$2,132 中学部 月額 HK$2,613 | 「授業料と一緒に年3回(4ヶ月ずつ)の納入」。令和8年度。承認は5月の利用者会総会時 |
| 上海日本人学校 (校車バス) | 虹橋校 浦西地区 全路線 6,000元/名(月額1,000元×6ヶ月) 浦東校 浦東地区 6,000元/名、浦西地区 6,600元/名(月額1,100元×6ヶ月) | 2026年度前期(4〜9月)分。後期は未公表 |
| ジャカルタ 日本人学校 | 小中学部 年間 IDR 52,493,000 (1学期19,473,631/2学期22,608,197/3学期12,262,172) | 2026年度。振込のみで現金不可 |
| ホーチミン 日本人学校 | 月額 3,900,000 VND / 150.00 USD | 令和8年度2期分(8〜11月)。「8 月分のスクールバス使用料は徴収しません。」 |
| ハノイ日本人学校 (登下校バス) | 140 US$/月 | 「原則として各学期分一括で納入。ただし8月分は不要」。2026年度 |
| クアラルンプール 日本人学校 | 月額 RM 409.50/人(2026年4月〜・Pandu Jaya SDN.BHDのバス利用時) | 4月・8月・12月に1ターム(4ヶ月)分を前納。延滞料RM50 |
| ロンドン日本人学校 | 月額1,100ポンド(令和8年度2学期より) 1学期 3,600ポンド/2学期 4,400ポンド | 3学期は未定。「一旦お支払いいただいた通学バス料金の払戻しは行っておりません。」 |
| バンコク日本人学校 (泰日協会学校) | 公表されていません | 学期毎にバス会社から保護者(会社)宛てに請求書が届き、同社口座へ振込 |
| 台北日本人学校 | 公表されていません | 校納金規定に「受益者負担で実費を徴収する。」とのみ。「途中から利用しない場合でも、返金しない。」 |
目を引くのは授業料に対する比率です。香港日本人学校は小学部(通常学級)の授業料が月額HK$5,710で、バス代が香港島でHK$2,350。授業料の4割ほどが通学費として上乗せされる計算になります。日本人学校の学費を都市ごとに比べるときは、この別建て分を足さないと実際の負担が見えないということです。
申し込みの締切が、思っているより早い
もうひとつの落とし穴が申し込みのタイミングです。入学手続きと同時に済むとはかぎりません。
| 学校 | 申し込みの窓口と締切 |
|---|---|
| ロンドン | 「通学バス申込は、手続きが必要なため乗車一週間前までにお申込みください。」 |
| シンガポール | 組合への入会申請書・利用申込書・誓約書などの原本提出。利用希望日の3稼働日前まで |
| クアラルンプール | バス会社へ英文メール(2週間前が目安)→書類をバス会社へ→通学バス誓約書は学校事務局へ、利用開始1週間前まで |
| 香港 | 編入学のオンライン登録の中で同時に申請できる |
| ハノイ | 編入学願書の中に記入して提出(在籍者は学校連絡事項変更届) |
| 上海 | 申込フォームはパスワード保護(入学申込受理メールで配信)。年度途中は1か月前〜2週間前に申込 |
| 台北 | オンライン入学受付→説明会案内→PTAバス委員会へメール。優先順位は①既存利用者②その兄弟姉妹③新規 |
| バンコク | 「本校では保護者の責任の下、通学バスかPICK UPを選択していただいております。」新入学は入学式の翌登校日から利用可 |
「乗れるとはかぎらない」と書いている学校がある
ここは赴任前にいちばん知っておきたい点です。申し込めば必ず乗れる、という制度ではありません。
台北日本人学校は「お申し込み状況により、空席待ちとなる可能性があります。スクールバス以外の通学手段を各ご家庭で必ず確保なさった上でお申込みください。」と明記しています。上海日本人学校虹橋校も「希望者には校車利用をお申込みいただけますが、利用者数や運行地域により乗車できない場合もあります。」とし、「乗車不可の場合は、席が空くまで個人通学をお願いしています。」としています。
さらにシンガポール日本人学校は、そもそも住所でキャンパスが決まります。「小学部はクレメンティ校(西部)とチャンギ校(東部)の2キャンパス体制です。居住住所により編入学先キャンパスが決まります。学区を超えて通学することは認められていません。」——つまり住まいを決めた時点で、通学の形はほぼ決まってしまうということです。バス停の空き状況も年度によって変わります。日本人学校の入学手続きを進めるときは、住居探しとバスの確認を同時に進めるのが実務的です。

添乗員は乗っているのか
これも学校によって違いました。公式に記載を確認できたのは4校だけです。ホーチミン日本人学校は「各バスごとに警備員と添乗員を配備し」と明記。クアラルンプール日本人学校は逆に「小中学部のモニター (添乗員)は全バスには添乗していません。」としています。ロンドン日本人学校は「小学部1・2年生も他の学年と同じように添乗者なしのバス乗車が可能です。」と、添乗者がいない前提で運行しています。ジャカルタ日本人学校は保護者自身に年1回以上の添乗(イクット)義務を課しています。
シンガポール・バンコク・台北・香港・ハノイの5校については、添乗員の有無を公式サイトで確認できませんでした。「いない」という意味ではなく、公開されていないということです。気になる場合は学校または運営団体に直接確認してください。
なお、乗降の安全については各校が仕組みを持っています。ホーチミン日本人学校は2020年度からバスアプリを導入し、乗降通知・位置情報・不乗車の登録ができるようにしています。クアラルンプール日本人学校もGPSでの現在地確認とボーディングパスの仕組みを案内しています。
国は通学手段について何か決めているのか|答えは「決めていない」
学校ごとにここまでバラバラなのには理由があります。国が在外教育施設の通学について基準を定めていないのです。
日本人学校の認定基準である「在外教育施設の認定等に関する規程」の全文を検索しても、「バス」「通学」という語は一度も出てきません(「安全」は2件ありますが、いずれも「学校保健安全法」という法令名の一部です)。方針文書「在外教育施設未来戦略2030」の本文でも「バス」は0件、「通学」は1件だけで、それも補習授業校に通う子どもの説明に使われているだけでした。国が定めているのは教育課程・教員組織・施設設備といった学校の骨格で、通学手段は項目として立てられていないのです。
同じく「日本人学校のスクールバスに国の補助がある」とは書けません。文部科学省が在外向けに用意している安全関係の支援は、派遣教員等の住居における警備費(警備員の雇用費・警備機器設置費)などで、スクールバスの費用は対象経費として挙げられていません。今回、在外教育施設のスクールバスを対象にした補助制度は確認できませんでした。
日本の通学基準と比べてみる
比較のために、日本国内の基準も見ておきます。日本では通学距離の目安が法令に書かれています。義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律施行令第4条第1項第2号は、適正な学校規模の条件として「通学距離が、小学校にあつてはおおむね四キロメートル以内、中学校及び義務教育学校にあつてはおおむね六キロメートル以内であること。」と定めています。
通学時間についても、文部科学省の「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」(平成27年1月27日)が「通学時間について、「おおむね1時間以内」を一応の目安とした上で」と示しています。同手引によれば、過去の統合事例では統合後の最遠方からの通学時間は10分未満〜75分と幅があり、9割以上が1時間以内でした。国内でスクールバスを購入する自治体にはへき地児童生徒援助費等補助金(補助率2分の1)という支援もあります。
では日本の家庭は通学にいくら払っているのか。スクールバス代だけを集計した公的統計はありません。文部科学省「子供の学習費調査」は「通学費 通学のための交通費、スクールバス代、自転車通学が認められている学校での通学用自転車購入費等」と定義しており、他の費目と合算されています。参考までに、令和5年度の通学関係費(通学費+制服+通学用品費)は公立小学校で年額21,718円、公立中学校で年額44,081円でした。海外の日本人学校のバス代が月額で語られていることを思うと、負担の性質がまったく違うことが分かります。
通えないときに、選択肢がないわけではない
ここまでの内容を、赴任前の家庭の目線で整理し直すとこうなります。バスは全校にあるが、乗れる保証はなく、住む場所で決まり、費用は学費と別に月単位でかかる。そしてルートから外れた地域に住むと、選択肢が急に狭くなる。実際、クアラルンプール日本人学校は「自転車等での通学は禁止」としており、残るのは自主送迎です。
そもそも日本人学校が近くにない、という地域も少なくありません。日本人学校は世界で90校(47ヶ国1地域)、補習授業校は246校(51カ国1地域)で、在籍しているのは合わせて4万人弱です(校数は2026年8月時点、在籍は令和6年時点)。通学の負担が理由で日本語の学びを諦めてしまう——これは、送迎や距離という「通学の問題」であって、子どもの力の問題ではありません。
ともだちじゃぱんは、その部分を解く選択肢のひとつです。オンラインなので送迎はゼロ、バス代も通学時間もかかりません。授業は日本の現役水準の教員が担当し、8人の少人数クラスで学年相当の国語を学びます。時間帯は1日3つ+時差調整があるので、日本人学校や現地校のあとでも通えます。費用は月額定額(通い放題)です。そして画面の向こうには日本の同世代の友だちがいます。補習校が近くにない場合の選択肢や海外から使えるオンライン塾もあわせてご覧ください。
よくある質問
日本人学校にスクールバスはありますか?
今回確認した10校(シンガポール・バンコク・ロンドン・ジャカルタ・台北・香港・ホーチミン・クアラルンプール・上海・ハノイ)には、いずれも通学バスがありました。ただし運営しているのは学校とはかぎりません。保護者の団体が運営している学校(シンガポール・香港・台北・ロンドン)、学校や維持会がバス会社に委託している学校(ジャカルタ・上海)、学校が利用者連絡会を設立している学校(ホーチミン)、そして各家庭とバス会社の直接契約で学校が関与しない学校(クアラルンプール・バンコク)に分かれます。
スクールバス代はいくらですか?
学校によって大きく違い、学費とは別建てです。公表されている金額は、シンガポール月額S$305.20/人、香港小学部 月額HK$2,350(香港島)・HK$2,132(九龍・新界)/中学部 月額HK$2,613、クアラルンプール月額RM409.50/人、ハノイ140US$/月、ホーチミン月額3,900,000VND(150.00USD)、上海2026年度前期6,000元または6,600元、ジャカルタ年間IDR52,493,000、ロンドン月額1,100ポンド(令和8年度2学期より)です。バンコクと台北は公式サイトで金額を公開していません。台北の校納金規定は「受益者負担で実費を徴収する。」とのみ記しています。
申し込めば必ず乗れますか?
乗れないことがあります。台北日本人学校は「お申し込み状況により、空席待ちとなる可能性があります。スクールバス以外の通学手段を各ご家庭で必ず確保なさった上でお申込みください。」、上海日本人学校虹橋校は「利用者数や運行地域により乗車できない場合もあります。」「乗車不可の場合は、席が空くまで個人通学をお願いしています。」と明記しています。シンガポール日本人学校では居住住所によって通うキャンパスが決まり、学区を超えた通学は認められていません。住居を決める前にバスの確認をするのが実務上の鉄則です。
バス停は自宅の前まで来ますか?
学校によって方式が違います。バンコクの泰日協会学校は「バスは所定の時刻に各家庭またはアパートの表門のところまで送迎します。」とドア・ツー・ドア型ですが、多くの学校は指定のピックアップポイント制です。シンガポール日本人学校は「ピックアップポイントまでの送迎は必ず保護者が行う。」としています。具体的なルートや停留所は、安全上の理由から公開していない学校がほとんどです(台北は入学受付前には開示せず、上海とハノイはパスワード保護、ホーチミンは公式サイトから削除済み)。入学手続きが進んだ段階で学校から案内されます。
バスに添乗員は乗っていますか?
公式に確認できたのは4校だけでした。ホーチミン日本人学校は「各バスごとに警備員と添乗員を配備し」、クアラルンプール日本人学校は「小中学部のモニター (添乗員)は全バスには添乗していません。」、ロンドン日本人学校は「小学部1・2年生も他の学年と同じように添乗者なしのバス乗車が可能です。」としています。ジャカルタ日本人学校は保護者に年1回以上の添乗(イクット)義務があります。シンガポール・バンコク・台北・香港・ハノイの5校は、公式サイトでは確認できませんでした。
日本人学校のスクールバスに国の補助はありますか?
在外教育施設のスクールバスを対象にした国の補助制度は、今回確認できませんでした。文部科学省が在外向けに設けている安全関係の支援は派遣教員等の住居の警備費などで、スクールバスの費用は対象経費に挙げられていません。そもそも「在外教育施設の認定等に関する規程」にも「在外教育施設未来戦略2030」本文にも、「バス」という語は出てきません。国内では、へき地や学校統合等の事情がある自治体のスクールバス購入に対するへき地児童生徒援助費等補助金(補助率2分の1)がありますが、これは国内向けの制度です。
日本の公立小中学校の通学の基準はどうなっていますか?
距離は法令に目安があります。義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律施行令第4条第1項第2号は「通学距離が、小学校にあつてはおおむね四キロメートル以内、中学校及び義務教育学校にあつてはおおむね六キロメートル以内であること。」としています。時間については文部科学省の手引(平成27年1月27日)が「おおむね1時間以内」を一応の目安と示しています。なおスクールバス代だけを集計した公的統計は存在しません。「子供の学習費調査」の通学費にスクールバス代は含まれますが、交通費や通学用自転車購入費と合算された数字です(令和5年度の通学関係費は公立小学校で年額21,718円、公立中学校で年額44,081円)。
バスのルートから外れた場所に住むとどうなりますか?
自主送迎になります。クアラルンプール日本人学校は自主送迎(自家用車や専用契約車両)を案内する一方、「安全上の観点から、自転車等での通学は禁止とさせていただいております。」としています。ジャカルタ日本人学校は通学基本方針で「日本人学校に就学する者は、スクールバスにより通学することが望ましい。」とし、バス以外で通う場合は「スクールバス以外での通学届」の提出を求めています。上海日本人学校は、中国では私的に7席以上の車両で複数の児童を引率することが違法であることにも触れています。通学の負担で日本語の学習まで諦めなくてよいように、送迎の要らないオンラインという選択肢もあわせて検討してみてください。
スクールバスの有無と通学時間は、住む場所を決める段階で効いてきます。各校の学費と現地インターとの比較は都市別の記事にありますので、通学と合わせて検討してください=シンガポール日本人学校の学費とインター比較、バンコク日本人学校の学費とインター比較、クアラルンプール日本人学校の学費とインター比較、ジャカルタ日本人学校の学費とインター比較、ホーチミン日本人学校の学費とインター比較、ハノイ日本人学校の学費とインター比較、上海日本人学校の学費とインター比較、香港日本人学校の学費とインター比較、台北日本人学校の学費とインター比較、ロンドン日本人学校の学費とインター比較。
この記事で取り上げた都市のある国は、その国にある日本人学校の校数と学費を国単位でも整理しています。タイの日本人学校の学費/マレーシアの日本人学校の学費/ベトナムの日本人学校の学費/インドネシアの日本人学校の学費/中国の日本人学校の学費/台湾の日本人学校の学費/イギリスの日本人学校の学費/香港日本人学校の学費。

