「香港 日本人学校 制服」「バンコク 日本人学校 制服」「ソウル 日本人学校 制服」——赴任先の都市名をつけて調べる人がとても多い質問です。知りたいことははっきりしています。制服を買わないといけないのか、今持っている制服は使えるのか、それとも私服でいいのか。今回、日本人学校10校の公式サイト・入学案内・学用品リスト・学校生活のきまりを実際に確認しました。結論から書きます。制服があると公式に確認できたのは、10校中1校(香港)だけでした。逆に「制服はありません」と明記していたのが4校、小学部は私服で中学部だけ制服という学校が1校、そして行事のときだけ着る指定着がある学校が1校。残る3校は公式には確認できませんでした。この記事では、その内訳と、なぜこんなにバラバラなのか、そして「前の学校の制服を持っていっていいのか」という一番実務的な問いへの各校の答えを整理します。
10校を調べた結果|「制服あり」は1校だけだった
サジェストに出てくる都市(香港・バンコク・ソウル・ロンドン・シンガポール・タイ・韓国ほか)に対応する10校を、公式サイトで確認した結果です。
| 学校 | 制服 | 公式サイトの記述 |
|---|---|---|
| 香港日本人学校 | あり (指定業者制) | 入学案内に制服業者の情報欄があり、指定業者の店舗住所・電話番号・注文サイトと「ご指定の場所(ご家庭など)へも配達サービスがあります」が案内されている。制服の細目・価格は公式サイト上では非公開 |
| バンコク日本人学校 (泰日協会学校) | 小学部なし 中学部あり | 「小学部には制服はありません。」/中学部は「えり・そでのある白シャツ」「黒または紺色のズボン」「黒または紺色のスカート(膝にかかる丈)」「白・黒・紺の靴下」と規定 |
| シンガポール 日本人学校 | なし (中学部に式服規定) | 小学部「指定の制服はありません。」/中学部「指定の制服はありません。学校生活にふさわしい服装とし、肌が露出した部分の多い服装は避けてください。」。式典用の式服のみ「白を基調とした襟付きカッターシャツ・ポロシャツまたはブラウス、および、黒・紺等を基調としたズボンまたはスカート」と定義 |
| 台北日本人学校 | なし | 「本校は制服や標準服を指定しておらず、通学にふさわしい服装をして通学するように指導しています。」実際の服装として「活動しやすいTシャツやポロシャツ、スポーツウェアやハーフパンツやキュロットスカート、ジーンズ」を例示 |
| ジャカルタ 日本人学校 | なし (全品目が不指定) | 準備物のページに一行で「制服、かばん、体操服、水着、上履き等の指定はありません。」 |
| 上海日本人学校 (虹橋校・浦東校) | なし | 浦東校「通学時や体育の授業での服装に特別な規定はありませんので、ご家庭の判断にお任せします。」/虹橋校は学用品表に「体育着(学校指定なし)」「上履き(学校指定なし)」と明記 |
| クアラルンプール 日本人学校 | 制服はなし 行事用の指定着あり | 「青ポロシャツは、始業式・終業式・課外活動やその他の学校行事で着用します。」/「青ポロシャツの下は幼稚部・小学部は特に決まりがありません。中学部は、儀式的行事などにおいて…黒や紺、灰色などを基調とした色の長ズボンやスカートを着用することとなっています。」 |
| ソウル日本人学校 | 公式に確認できず (式服制) | 学習準備物一覧の1番目が「式服/各式典(入卒業式含む)で着用します。きちんとした服装で参加をします。」で、「中学生は前籍校の制服でも可」とも案内。自校指定の制服があるかどうかは明文を確認できなかった |
| ロンドン 日本人学校 | 公式に確認できず | 入学案内PDFを含め公式サイトを全文検索したが「制服」「服装」「体操」「上履き」いずれも記載なし |
| ホーチミン 日本人学校 | 公式に確認できず | 学校生活・募集要項・学校規則の各ページを確認したが服装に関する記載なし。「よくあるご質問」は準備中の状態だった |
つまり「日本人学校だから制服がある」という前提は、いったん外したほうがよいということです。むしろ制服を明確に否定している学校のほうが多いのが実際でした。

なぜ学校ごとにバラバラなのか|国に統一ルールがない
これは各校の気まぐれではなく、制度上、決める人が各校しかいないということです。
日本人学校は、文部科学大臣から国内の小中高と同等の教育課程を有する旨の認定を受けた海外の教育施設です。その認定の基準を定めているのが「在外教育施設の認定等に関する規程」(平成3年文部省告示第114号)ですが、この規程の全文を検索しても「制服」「服装」「標準服」は一度も出てきません。中長期の方針である「在外教育施設未来戦略2030」でも同じで、これらの語は0件です(「教育」は381件出てきます)。文部科学省が日本人学校について公表している「在外教育施設の概要」にも記載はありません。
規程が規律しているのは、学習指導要領に準じた教育課程、教員組織、施設・設備といった学校としての骨格です。服装はそこに項目として立てられていません。だから制服の有無は各校の判断になり、結果として「香港はあり、台北・ジャカルタ・上海はなし、バンコクは中学部だけ」という分岐が生まれます。学校の一覧と所在地は日本人学校の一覧、補習授業校との制度上の違いは日本人学校と補習校の違いにまとめています。
日本の公立中学と比べると、何が違うのか
比較のために、日本国内の数字を置いておきます。公正取引委員会の「公立中学校における制服の取引実態に関する調査報告書」(平成29年11月)は、抽出した600校のうち447校の回答をもとに、次のように報告しています。
- 制服を指定していると回答した学校は98.4%。制服と私服の自由選択制は0.2%、私服を着用してもよいは1.3%
- 制服一式の最も多い販売価格帯は3万円以上3万5000円未満(男女とも)
- 制服一式以外の指定品目も含めた入学の際に必要な費用は平均5万9524円(最低2万5000円・最高10万3000円)
- 制服以外の指定品目は体操服(上下一式)84.3%、上履き82.6%、ジャージ(上下一式)76.3%
- 制服のリサイクル・バザーを行っている学校・PTAは47.8%。中古販売店では新品の1割から3割程度の価格
日本の公立中学はほぼ全部が制服で、入学時に平均6万円弱かかる。それに対して今回調べた日本人学校は、制服なしが多数で、しかも「持っているもので構いません」と書いている学校が複数あります。クアラルンプール日本人学校は体操服の下について「※ハーフパンツ、紅白帽のメーカー指定はありませんので、すでにお持ちであればわざわざ買う必要はございません。」とまで書いています。台北日本人学校も体育着について「以前の学校で使用していた体育着…でも問題ありません。」、ソウル日本人学校の準備物一覧も体操服に「*前の学校で使用していたもので構いません。」と添えています。
赴任にともなう出費が重なる時期に、ここは素直にありがたい設計です。学費そのものの目安は日本人学校の学費、インターナショナルスクールを選ぶ場合の費用はインターナショナルスクールの学費にまとめています。
「前の学校の制服」は持っていっていいのか
駐在で年度途中に編入する家庭がいちばん知りたいのはここだと思います。公式に答えている学校がありました。
- バンコク日本人学校(中学部)=「編入学時は前籍校の制服でも構いません。買い替え時に揃えていただくようお願いします。」。つまり今の制服のまま通い始めてよく、サイズが変わるタイミングで切り替えればよいということです
- シンガポール日本人学校(中学部)=式服について「(編入前の学校で使用していた制服の使用も可能)」
- ソウル日本人学校=式典の服装について「中学生は前籍校の制服でも可」
制服がない学校でも、式典のときに「きちんとした服装」が必要になる場面はあります。そこで日本で使っていた制服がそのまま使えるのなら、荷物として持っていく価値があります。逆に小学部で私服の学校に入るなら、日本の体操服・上履き・赤白帽のほうが優先度が高いことになります。入学手続きと必要書類の全体像は日本人学校の入学条件と手続きにまとめました。

制服より、意外と手こずるもの
今回10校を読んでいて気づいたのは、制服の話より「制服以外の指定品」のほうが実務的に厄介だということでした。
- 体育着だけは指定がある学校が多い=シンガポール日本人学校は小学部「学校指定の青色のTシャツと短パン、赤白帽を着用。」、中学部は「学校指定の青色のTシャツを着用。短パンの指定はありませんので市販の黒紺系統の膝上丈のハーフパンツを用意してください。」。上海虹橋校も「学校推奨の半袖シャツ(白)、ハーフパンツ(紺)、トレーナーが文具販売(オンライン)で購入できます。」
- 買える場所が1か所しかないことがある=クアラルンプール日本人学校の指定着と体操服は「ミッドバレーのイオンでのみ購入が可能です。」。バンコク日本人学校の体育着は「購買部・バンコク都内の一部スーパーで購入できます。」
- 赤白帽は現地で買えないことがある=ソウル日本人学校の準備物一覧は運動紅白帽子に「*韓国では購入できません。」と明記。日本から持っていく前提の品です
- 通学カバンのルールが学校ごとに違う=ソウル「リュック式の背負えるもの。A4サイズが入る大きさのもの。*ランドセルは使いません。」/台北は小学部について「両手があくリュックやランドセルタイプにするようにお願いしています。」/シンガポール日本人学校チャンギ校の学用品表は「キャリーバッグ不可」
- 上履きがない学校もある=バンコク日本人学校は「上履きは使用せず、外靴(運動靴)で過ごします。」。日本の感覚だと驚くところです
つまり「制服はあるか」だけを聞くと足りません。学校のサイトにある学用品リストを1枚見つけるのが、いちばん早い解決です。昼食のかたち(給食があるかどうか)も同じ構造で学校ごとに違うので、日本人学校の給食もあわせてご覧ください。
インターナショナルスクールは、むしろ制服が徹底している
ここは印象と逆かもしれません。今回あわせて確認したインター2校は、全学年一律で制服着用でした。
- ISKL(クアラルンプール)=「Students from Prep Reception through Grade 12 are obligated to wear the ISKL school uniform.」。購入は校内ショップのみ。靴も「Safe and school-appropriate footwear is compulsory」とされ、ヒールの高さの上限やビーチサンダルの禁止まで規定されています
- Tanglin Trust School(シンガポール)=「All students from Nursery to Sixth Form wear a school uniform.」。購入は校内School Shopとオンラインで、中古の制服も数量限定で販売しています
日本人学校は「私服だが持ち物の指定がある」、インターは「制服だが校内ショップで完結する」。手間のかかり方が違うだけで、どちらが楽と決まっているわけではありません。日本人学校とインターの比較は都市ごとにまとめてあります(シンガポール/バンコク/クアラルンプール/ソウル)。
制服より大きい差は、別のところにある
ここまで調べておいて言うのも変ですが、制服の有無は、赴任先の学校選びでいちばん重要な論点ではありません。服は、現地で揃います。
本当に効いてくるのは日本語で学ぶ時間がどれだけ確保できるかです。日本人学校に通えるなら、教育課程は日本の学習指導要領に準じ、国語の授業時数も日本と同じだけ確保されます。この点で日本人学校はとても強い選択肢です。学年の規模や中学部の様子は日本人学校の中学部にまとめました。
問題は、赴任先に日本人学校がない場合と、あっても通えない・合わない場合です。そのときの選択肢は日本語補習校(世界51カ国1地域に246校)か、家庭での学習になります。補習授業校は文部科学省の定義でも「土曜日等を利用して国語、算数(数学)等の授業を行う教育施設」で、日本の学校の代わりとして設計されたものではありません。
ともだちじゃぱんは、その空白のためのオンライン日本語スクールです。日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、学年相当の国語を日本の同世代と一緒に読んで・書いて・話します。授業はメタバース上なので送迎はゼロ、3つの時間帯+時差調整があるのでどの国からでも組み込めます。費用は月額定額(通い放題)です。日本人学校に通えているご家庭には必要ありません。近くに日本人学校がない、補習校が遠い、合わない——そういうご家庭のための選択肢です。
よくある質問(日本人学校の制服)
日本人学校に制服はありますか?
学校によって違います。10校の公式サイトを確認した範囲では、制服があると確認できたのは香港日本人学校の1校だけでした。台北・ジャカルタ・上海(虹橋校・浦東校)の各校は制服がないことを公式に明記しており、バンコク日本人学校は小学部は私服・中学部は制服、クアラルンプール日本人学校は行事のときに着る指定着(青ポロシャツ)という形でした。ソウル・ロンドン・ホーチミンの3校は公式に確認できませんでした。「日本人学校ならどこでも制服」も「どこも私服」も成り立ちませんので、志望校に直接ご確認ください。
なぜ学校によって制服の有無が違うのですか?
国が統一ルールを定めていないからです。日本人学校の認定基準である「在外教育施設の認定等に関する規程」の全文にも、方針文書「在外教育施設未来戦略2030」にも、「制服」「服装」「標準服」という語は一度も出てきません。規程が定めているのは教育課程・教員組織・施設設備といった学校の骨格で、服装は項目として立てられていません。結果として、判断は各校に委ねられています。
日本で使っていた制服は持っていけますか?
使える学校があります。バンコク日本人学校の中学部は「編入学時は前籍校の制服でも構いません。買い替え時に揃えていただくようお願いします。」と明記しています。シンガポール日本人学校は式服について「編入前の学校で使用していた制服の使用も可能」、ソウル日本人学校も式典の服装について「中学生は前籍校の制服でも可」としています。制服がない学校でも式典用の服装は必要になるので、まだ着られるサイズなら持っていく価値があります。
制服代はいくらくらいかかりますか?
各校の制服・指定着の価格は、10校いずれも公式サイトで公開されていませんでしたので、金額をお示しできません(香港日本人学校の指定業者サイトも、価格は注文画面に入ってからの表示です)。参考として日本国内の数字を挙げると、公正取引委員会の調査(平成29年11月)では公立中学校の制服一式の最多価格帯が3万円以上3万5000円未満、制服以外の指定品目も含めた入学時の必要費用が平均5万9524円(最低2万5000円・最高10万3000円)でした。日本人学校側は「すでにお持ちであればわざわざ買う必要はございません」(クアラルンプール日本人学校)のように手持ちで足りる設計の学校もあります。
制服がない学校では、何を用意すればいいですか?
体育着・上履き・通学カバン・赤白帽・水着のあたりが実務の中心です。体育着は指定がある学校が多く、シンガポール日本人学校は小学部「学校指定の青色のTシャツと短パン、赤白帽を着用。」、上海虹橋校は学校推奨の白シャツ・紺ハーフパンツをオンライン販売しています。一方でジャカルタ日本人学校は「制服、かばん、体操服、水着、上履き等の指定はありません。」と全品目が不指定でした。注意したいのは現地で買えない品で、ソウル日本人学校は紅白帽子に「*韓国では購入できません。」と明記しています。志望校の学用品リストを1枚探すのがいちばん確実です。
通学カバンはランドセルでいいですか?
学校によって案内が違います。ソウル日本人学校は「リュック式の背負えるもの。A4サイズが入る大きさのもの。*ランドセルは使いません。」としており、台北日本人学校は小学部について「両手があくリュックやランドセルタイプにするようにお願いしています。」とどちらでもよい書き方です。シンガポール日本人学校チャンギ校の学用品表には「キャリーバッグ不可」とあり、「リュックを使用する児童が多いです」と実際の様子まで書かれています。ランドセルは日本でしか買いづらいので、渡航前に確認しておきたい項目です。
髪型やアクセサリーの校則はありますか?
今回の10校では、髪型やアクセサリーに関する規定を公式サイトで確認できませんでした。生徒手帳や「学校生活のきまり」は在校生向けの配布物で、Web上に公開していない学校がほとんどです。服装については、バンコク日本人学校の中学部が「華美やぜいたくに流されず品位を保ちたいものです。」、シンガポール日本人学校が「肌が露出した部分の多い服装は避けてください。」とする程度の記載でした。詳細は学校説明会か、入学時に配布される資料でご確認ください。
制服の有無を確認した学校については、学費と現地インターとの比較を都市ごとにまとめた記事があります。実際に通わせる想定で見るならこちらが早道です=ジャカルタ日本人学校の学費とインター比較、ホーチミン日本人学校の学費とインター比較、上海日本人学校の学費とインター比較、香港日本人学校の学費とインター比較、台北日本人学校の学費とインター比較、ロンドン日本人学校の学費とインター比較。
この記事で取り上げた都市のある国は、その国にある日本人学校の校数と学費を国単位でも整理しています。タイの日本人学校の学費/マレーシアの日本人学校の学費/ベトナムの日本人学校の学費/インドネシアの日本人学校の学費/中国の日本人学校の学費/台湾の日本人学校の学費/韓国の日本人学校の学費/イギリスの日本人学校の学費/香港日本人学校の学費。

