赴任地がフランクフルトに決まった、あるいはすでに駐在中というご家庭が最初にぶつかる二択が「日本人学校か、現地校・インターナショナルスクールか」です。フランクフルトはドイツ随一の国際金融都市で日系企業も約200社、金融・メーカーの駐在家庭が集まる街。日本人学校が市内ハウゼン地区にある一方、IB系インターの選択肢も豊富で、しかも主要インターは市の中心から離れた郊外にあるなど、この街ならではの事情で判断軸が変わります。結論を先に言えば、3〜5年で帰国し帰国後の受験を重視するご家庭には日本人学校、長期・永住や英語環境を最優先するご家庭にはインターが向きます。そして「どちらを選んでも日本語と日本とのつながりだけは別途ケアが要る」というのが本記事の核心です。
相場感を先に共有します。フランクフルト日本人国際学校は授業料が年間で数十万円台(目安)なのに対し、FISやISFなどのインターは年間おおむね€15,000〜€25,000(約240万〜400万円)と、費用の桁がまるで違います。そのうえで、どちらを選んでも残る”宿題”があります。それが「国語(日本語)の学年相当をどう維持するか」と「帰国後の学校復帰・帰国子女受験」です。この記事では各校の実データを並べたうえで、その宿題を軽くする第三の選択肢まで整理します。
フランクフルトの学校選び 3タイプ比較一覧
| 選択肢 | 言語・カリキュラム | 対象 | 学費目安 | 帰国後 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|---|
| フランクフルト日本人国際学校(日本人学校) | 日本語・日本の学習指導要領 | 幼稚部・小1〜中3 | 入学金・授業料は要問い合わせ(授業料は月額数百ユーロ規模の目安) | ◎ そのまま復帰しやすい | 3〜5年で帰国・帰国後の受験重視 |
| 現地校・インター(FIS / ISF / Metropolitan 等) | 英語・IB(一部 米国式/独式) | 3〜18歳 | 年 約€15,000〜€25,000(約240万〜400万円) | △ 国語は別途対策要 | 長期/永住・英語環境を重視 |
| ともだちじゃぱん | オンライン・日本語会話/国語・友達 | 5〜18歳 | 月額定額 | ◎ 学年相当の国語と日本の友達を維持 | どちらを選んでも”日本語と日本とのつながり”を足したい |
日本人学校という選択肢 ――フランクフルトの実情
フランクフルトには全日制の日本人学校フランクフルト日本人国際学校(JISF / Japanische Internationale Schule Frankfurt e.V.)があります。1985年開校で、市内ハウゼン地区(Langweidenstrasse 8-12, 60488 Frankfurt am Main)に立地。幼稚部・小学部・中学部の幼小中一貫で、高等部はありません(近年の在籍は小中あわせて約200名規模)。校内では補習授業校も運営されており、幼稚部を担う共益法人もあります。学費は入学金と月額授業料で、過去の公開情報では入学金350ユーロ前後・授業料は小学部/中学部で月額370〜380ユーロ規模とされますが、年度改定があるため最新額は学校へ要問い合わせです(info@jisf.de)。メリットは、日本の学習指導要領そのままで国語・算数・理科・社会を日本語で学べること。教科書・行事・給食文化まで日本式で、3〜5年後に日本の学校へ戻る前提なら学習の連続性が最大の武器になります。一方でデメリットは、英語や現地ドイツ語が自然には伸びにくいこと、中学までしかないため高校進学は現地インターか帰国・寮などを別途考える必要があること、そして通学エリアによっては送迎の負担が出ることです。
現地校・インターという選択肢 ――主な検討先
駐在家庭がよく検討するのがIB系インターです。老舗のFrankfurt International School(FIS)は1961年創立のIBワールドスクールで3〜18歳対応、PYP・DP・IBCPと米国式を提供。ただし本校は市中心から約23km離れたオーバーウルゼル(Oberursel)にあり(ヴィースバーデン分校もあり)、通学時間が判断材料になります。学費は2025/26年度で学年により約€14,850〜€24,000、2026/27年度の初年度は一時金込みで約€30,670が目安です。市内寄りではISF International School Frankfurt Rhein-Main(SABIS運営)がIB・米国式・ドイツ式に対応し、2026/27年度は約€15,270〜€24,690(別途入学金€600)。Metropolitan School Frankfurtは市内エッシュボルナー通り沿いで、PYP+Cambridge IGCSE+IB DPを組み合わせ、初年度は一時金込みで約€20,940が目安です。いずれも英語力・国際性・長期/永住に強い反面、学費が高く、入学枠・ウェイトリストの壁があり、何より日本語と日本の教科(特に国語)が空くのが共通の弱点です。
結局どっち? 迷ったときの3つの判断軸

- ①帰国予定:3〜5年で帰国か、長期・永住か――金融・メーカーの駐在は3〜5年での帰任が多く、その場合は国語の連続性が効く日本人学校(+日本語補完)が有利。長期・永住なら英語環境のインターが軸になります。
- ②子の年齢・学年:いま何年生か(5年生の壁)――低学年は言語の切替が効きますが、高学年は国語の抽象語彙・読解が急に難しくなり、一度空いた学年相当は帰国後に取り戻しにくくなります。
- ③帰国後の受験:帰国子女入試・中学受験の国語――帰国受験で国語・作文が要るご家庭ほど、日本語の学年相当を「切らさない」設計が不可欠です。

日本人学校の学費とインターの学費――払ったあとに残る「日本語」
学校選びで最初に比べるのは、やはり学費です。フランクフルト日本人国際学校(JISF)は入学金350ユーロ前後・授業料は小学部/中学部で月額370〜380ユーロ規模とされ(年度改定があるため最新額は要問い合わせ)、年に直せばおよそ4,500ユーロ前後。対してインターナショナルスクールの学費は、FISが年約14,850〜24,000ユーロ、ISFが約15,270〜24,690ユーロ+入学金600ユーロ、Metropolitan School Frankfurtが初年度一時金込みで約20,940ユーロと、桁がひとつ違います。ここだけ見れば日本人学校が圧倒的に見えます。ただ、金額の差より大きいのは「その学費で何が買えて、何が買えないか」です。年に2万ユーロを超える学費を払っても、英語と国際性は買えても日本語の読み書きは買えません。会話はできるのに漢字が書けない、日本語の本が読めない、考えていることを日本語で説明できない――インター育ちの日本語と呼ばれる状態は、日本語を使う時間が家庭の中だけになったときに起きます。
ここで整理しておきたいのが補習校と日本人学校の違いです。フランクフルト日本人国際学校は平日フルタイムで日本の学習指導要領に沿って学ぶ全日制。校内で運営される補習授業校は、現地校・インターに通う子が土曜などに国語を中心に学ぶ「補習」で、名前は似ていても役割はまったく別物です。しかもJISFは幼稚部・小学部・中学部までで高等部がなく――その先の高校をどうするかは宿題として残ります。補習校を選んだ場合も「週1日・学年ごとの一斉授業」という設計上、土曜がまるごと潰れる/週1では国語の量が足りない/学年に合わず取り残される、という声が根強く残ります。日本人学校の一覧や学費表を見比べる前に、①平日どこに通うか(日本人学校か現地校・インターか)、②日本語をどこで積むか――この二つを別の問いとして分けると、判断は一気に軽くなります。②は学校選びの結果として自動的に決まるものではありませんし、その受け皿が週1回・学年一斉の教室だけとも限りません。とくにフランクフルトはライン・マイン圏に日系企業が集積し、当初3年の予定が5年・10年と延びやすい土地。気づけば国語だけが学年から離れていた、という事態を防ぐ設計が要ります。
どちらを選んでも残る”宿題”――第三の選択肢
日本人学校を選べば英語や現地とのつながりが、インターを選べば日本語の学年相当と帰国後の国語・日本の同世代とのつながりが、それぞれ”宿題”として残ります。その宿題を軽くするのが、2026年12月開校のオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」です。これは日本人学校やインターの置き換えではなく、併用(補完)を前提にした第三の選択肢。どちらの学校を選んでも、日本語と日本とのつながりだけは足しておける設計です。
時差については正直にお伝えします。フランクフルトは日本より7〜8時間遅く、日本の平日夕方は現地の昼で、平日日中は学校中で参加しにくい時間帯です。だからこそ現地の週末午前×日本の夕方が黄金枠。土日の午前中に、リビングから無理なく日本の子どもたちと一緒に学べます。平日夜も家庭の生活リズム次第で活用でき、「通い放題」だからこそ時差のある欧州でも参加ペースを家庭に合わせて設計できます。
- 相手は日本在住の同世代:姉妹校NIJINアカデミー(在籍800名超)の日本の子どもたちと少人数グループで話す。フランクフルトの教室では得にくい「日本のリアルな友達」ができる。
- “レッスン”以上の、日本とのつながり:アイデンティティやルーツとのつながりが、帰国後もその先も効く長期価値になる。
- 子ども特化だから安心:月額定額で毎日でも参加OK。学年でなく会話レベルでクラス分けするので「5年生の漢字の壁」で取り残されない。通い放題で「週1では量が足りない」も解決。


よくある質問(フランクフルトで学校を選ぶ方から)
フランクフルト日本人国際学校は中学までしかありません。高校はどうすれば?
おっしゃる通り、日本人学校は幼稚部・小学部・中学部のみで高等部がありません。高校段階では、FISやISFなどのインターへ移る、帰国して日本の高校に進む、日本の高校の寮に入るなどが現実的な選択肢になります。中学在学中から英語力と日本語(国語)の両方を切らさず準備しておくと、どのルートにも進みやすくなります。
インターに入れると日本語が心配です。どうすれば?
インターは英語が主言語のため、家庭での日本語量だけでは学年相当の読み書き・語彙を維持しづらいのが実情です。家庭での会話に加えて、補習校や日本語のオンライン学習を組み合わせるのが定番。ともだちじゃぱんは会話レベル別クラス+通い放題なので、「学校はインター、日本語と日本の友達はともだちじゃぱん」という併用が無理なく続けやすい形です。
金融駐在で3〜4年後に帰任予定。帰国後の国語が不安です。
フランクフルトは金融・メーカーの駐在が多く、3〜5年で帰任するご家庭が中心です。帰国子女入試や中学受験では国語・作文の比重が高く、海外滞在中に空いた学年相当の日本語が最後まで響きます。日本人学校でもインターでも、学年相当の国語と読解・作文を「切らさない」ことが鍵。ともだちじゃぱんは会話だけでなく学年相当の日本語を維持する設計なので、帰国後の合流をなめらかにします。
フランクフルトからだと時差は問題になりませんか?
日本とは7〜8時間差があり、日本の平日夕方クラスは現地の昼にあたるため平日日中は参加しにくいのが正直なところです。おすすめは現地の週末午前×日本の夕方の黄金枠。土日の午前中なら、生活リズムを崩さず日本の同世代と一緒に学べます。通い放題なので、参加ペースはご家庭の予定に合わせて設計できます。
フランクフルトで検討するときは、同じ欧州のほかの都市に何があるのかも一緒に見ておくと判断がぶれません。所在と規模、学費、そして中学から先の進路について、各校の公表内容を横断して調べた記事があります=海外の日本人学校の一覧、日本人学校の学費、日本人学校と高校、日本人学校の給食。夏の一時帰国をいつ取るかは、結局その学校の校暦次第です。実際の日程を10校分そろえた日本人学校の夏休みもあわせてどうぞ。
<インターナショナルスクールそのものを詳しく
- インターナショナルスクールの学費――都市をまたいだ相場と、入学金・スクールバス・寄付金まで含めた総額の見方。
- インターに通う子の日本語――英語で学びながら日本語を学年相当に保つには、家庭で何が必要になるのか。
フランクフルトでどちらを選んでも、日本の友達はそばに。
ともだちじゃぱんは2026年12月に開校します。事前登録いただくと、開校情報と体験会のご案内を、いちばんにお届けします。

