ドイツ赴任が決まって「ドイツの日本人学校の一覧」を検索すると、なぜか目当ての学校にたどり着けないことがあります。理由はひとつです。ドイツにある全日制5校のうち3校は、正式名称が「日本人学校」ではなく「日本人国際学校」だからです。文部科学省「認定した在外教育施設一覧」(令和8年4月1日時点/日本人学校90校・47か国1地域)に載っているドイツの5校を、正式名称・設置者・認定年月日まで含めて整理します。
【令和8年4月1日時点】ドイツの日本人学校 一覧(全5校)
| 正式名称 | 都市 | 設置者 | 認定年月日 |
|---|---|---|---|
| ベルリン日本人国際学校 | ベルリン | 共益法人ベルリン日本人国際学校 | 平成6年1月12日 |
| デュッセルドルフ日本人学校 | デュッセルドルフ | 共益法人日本国際学校 | 平成4年12月18日 |
| ハンブルグ日本人学校 | ハンブルク | 共益法人ハンブルグ日本人学校 | 平成7年1月24日 |
| フランクフルト日本人国際学校 | フランクフルト | 共益法人フランクフルト日本人国際学校 | 平成4年12月18日 |
| ミュンヘン日本人国際学校 | ミュンヘン | 学校法人ミュンヘン日本人国際学校 | 平成7年1月24日 |
ヨーロッパ全体で見ると、ドイツの5校は1か国あたりの校数として最多クラスです(フランス・ベルギー・スペインなどはいずれも1〜2校)。日系企業の集積が、そのまま学校の数になっています。

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名前の罠――「日本人学校」は2校だけ
一覧をもう一度見てください。正式名称に「日本人学校」と付くのはデュッセルドルフとハンブルグの2校だけです。残る3校(ベルリン・フランクフルト・ミュンヘン)は「日本人国際学校」という名称です。
これは単なる呼び方の違いではありません。「国際」が入っている学校は、日本国籍以外の子どもの受け入れや現地語教育を教育目標に組み込んでいることが多く、実際ミュンヘン日本人国際学校はバイエルン州から認可を受けた系統的なドイツ語指導を行っています。フランクフルト日本人国際学校も、正式名は「Japanische Internationale Schule Frankfurt am Main e.V.」です。
検索するときは「{都市名} 日本人学校」で見つからなければ「{都市名} 日本人国際学校」を試す——これだけで到達率が変わります。学校公式サイトのドメインも jisd.de(デュッセルドルフ)、jisf.de(フランクフルト)、jis-muenchen.de(ミュンヘン)、jap-schule-berlin.de(ベルリン)、hamburg-jshh.com(ハンブルク)とばらばらで、統一されていません。
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設置者を見ると、学校の成り立ちが分かる
一覧の「設置者」欄は読み飛ばされがちですが、ドイツの場合はここに面白い違いが出ます。
- 共益法人(e.V./非営利社団)が4校=ベルリン・デュッセルドルフ・ハンブルグ・フランクフルト
- 学校法人が1校=ミュンヘン日本人国際学校のみ
共益法人(ドイツの e.V.=eingetragener Verein)方式では、保護者や勤務先が会員になることが入学の前提になります。実際、フランクフルトの幼稚部は「保護者もしくは勤務先が共益法人の会員であること/日系企業派遣駐在員はその企業が会員であることが原則」と入園条件に明記しています。現地採用や自営で赴任する場合、この会員資格が最初の関門になります。
もうひとつ、デュッセルドルフ日本人学校の設置者名は「共益法人日本国際学校」で、学校名と一致していません。書類上の法人名で検索すると学校にたどり着けないので、問い合わせや証明書の手続きのときに戸惑いやすい点です。

開校年と学部構成――幼稚部があるのは一部だけ
各校が公表している沿革と学部構成を並べると、ドイツの5校がそれぞれ違う歴史を持っていることが分かります。
| 学校 | 開校 | 学部構成 | 備考 |
|---|---|---|---|
| デュッセルドルフ日本人学校 | 1971年4月21日 | 小学部・中学部 | ドイツ最古。幼稚部なしと学校が明記。開校時43名→1992年に998名 |
| ハンブルグ日本人学校 | 1981年 | 幼稚部・小学部・中学部 | 「水と緑の街」の郊外。英会話とドイツ語を併設 |
| フランクフルト日本人国際学校 | 1985年4月 | 幼稚部・小学部・中学部 | 幼稚部は別法人・別サイト(jkigaf.de)で運営 |
| ベルリン日本人国際学校 | 1993年4月15日 | 小学部・中学部 | ドイツで4番目の日本人学校。ランクビッツ地区・2004年に現校舎へ移転 |
| ミュンヘン日本人国際学校 | 1994年4月 | 小学部・中学部 | バイエルン州の認可によるドイツ語指導。2026年に創立30周年 |
就学前の子どもがいる家庭にとって重要なのは幼稚部の有無です。デュッセルドルフ日本人学校は「幼稚部なし」を公式に明記しています。一方フランクフルトには幼稚部がありますが、小学部・中学部(jisf.de)とは別の法人・別のサイト(jkigaf.de)で運営されているため、学校の公式サイトを見ても情報が出てきません。正式名称は「共益法人フランクフルト日本人国際学校幼稚部」です。

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規模は「大きい学校」ではなくなっている
ドイツの日本人学校を考えるとき、頭に入れておきたいのが規模の変化です。デュッセルドルフ日本人学校は1992年に998名、1993年には1,000名を収容できる体制まで拡大しました。しかし現在の在籍数は当時とは大きく異なります。ベルリン日本人国際学校は自校サイトで「在学する児童生徒数は少ない状態が続いている」と書き、「少人数で温かな雰囲気の中、一人ひとりに応じた指導をしています」と説明しています。
少人数には利点があります。教員の目が行き届き、一人ひとりに応じた指導ができる。一方で同学年に日本語で話せる同世代が数人しかいないという状況も生まれます。特にベルリン・ハンブルク・ミュンヘンのように学校規模が小さい都市では、「学校に通っているのに日本語で雑談する相手がいない」という状態が起こりえます。
5校のどこにも通えない都市はどうするか
シュツットガルト、ケルン、ニュルンベルク、ライプツィヒなど、日系企業が多いのに全日制の日本人学校がない都市があります。これらの都市では、受け皿は補習授業校(主に土曜)か、現地校・インターナショナルスクールになります。補習授業校は文部科学省ではなく外務省が指定する枠組みで、この日本人学校の一覧には載りません。ドイツの補習授業校についてはドイツの補習校にまとめています。
また、5校がある都市でも通学圏の問題があります。ドイツの日本人学校はいずれも1校しかない都市に置かれているため、市内の別エリアや近郊都市から通う場合は通学時間が長くなります。
ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと同じクラスで学ぶオンラインの日本語スクールです。日本とドイツの時差は7時間(夏時間)。ドイツの夕方が、日本の夜のクラスに入ります。日本人学校がない都市でも、学校が小さい都市でも、日本語で関わる同世代の人数は家庭の側で足せます。
よくある質問(ドイツ 日本人学校 一覧)
ドイツに日本人学校は何校ありますか?
文部科学省「認定した在外教育施設一覧」(令和8年4月1日時点)では5校です。ベルリン日本人国際学校、デュッセルドルフ日本人学校、ハンブルグ日本人学校、フランクフルト日本人国際学校、ミュンヘン日本人国際学校。世界全体では日本人学校は90校、47か国1地域にあります。
「日本人国際学校」と「日本人学校」は違うのですか?
どちらも文部科学省が認定した在外教育施設で、法的な位置づけは同じです。ただしドイツでは5校のうち3校(ベルリン・フランクフルト・ミュンヘン)が「日本人国際学校」という正式名称で、日本国籍以外の子どもの受け入れや現地語教育を教育目標に組み込んでいます。ミュンヘンはバイエルン州の認可を受けたドイツ語指導を行っています。「日本人学校」だけで検索すると3校が見つからないので注意してください。
いちばん古い学校はどこですか?
デュッセルドルフ日本人学校(1971年4月21日開校)です。文科省の認定も平成4年12月18日と最も早い組に入ります。開校時は43名でしたが、1992年には998名まで拡大し、1993年には1,000名収容の体制が整いました。次いでハンブルグ(1981年)、フランクフルト(1985年)、ベルリン(1993年)、ミュンヘン(1994年)の順です。
幼稚部(幼稚園)がある学校はどこですか?
ハンブルグとフランクフルトに幼稚部があります。デュッセルドルフ日本人学校は幼稚部がないことを公式に明記しています。注意が必要なのはフランクフルトで、幼稚部は小学部・中学部とは別の法人・別のサイト(jkigaf.de)で運営されており、学校の公式サイトからは情報にたどり着けません。正式名称は「共益法人フランクフルト日本人国際学校幼稚部」です。
シュツットガルトやケルンに日本人学校はありますか?
全日制の日本人学校はありません。文科省の認定一覧に載っているのは上記の5校だけです。日系企業が多い都市でも、受け皿が補習授業校(主に土曜/外務省が指定する枠組み)や現地校・インターナショナルスクールになっている場合があります。日本人学校の一覧と補習授業校の一覧は別のものなので、分けて確認する必要があります。
学費はいくらぐらいですか?
学校ごとに大きく異なります。各校が公表している入学金・授業料と、共益法人の会員資格が入学条件になる点はドイツの日本人学校の学費に整理しています。ハンブルグ日本人学校は学費を公表していないため、学校への問い合わせが前提になります。
都市ごとの学校選びはデュッセルドルフとフランクフルトにまとめています。世界の学校は日本人学校 一覧、費用の相場は日本人学校の学費、規模の比較は日本人学校の生徒数をどうぞ。




