男子校も選択肢に入れて調べはじめた途端、画面に出てくるのは学校名がずらりと並んだ一覧ばかり。海外にお住まいのご家庭から、この段階でのご相談をよくいただきます。「帰国子女 中学受験 男子校」で検索して出てくるのは順位や評判の話が中心で、「うちの子が出せる入試はどれなのか」「入学したあと何が待っているのか」は書かれていません。先に結論を書きます。男子校の帰国生入試は、選考の型(英語を使うのか、国語・算数で受けるのか、一般入試の中の加点なのか)と、入学後の在籍の型(一般クラスか、国際学級のような別クラスか)という二つの軸で決まります。この記事では、2026年8月に学校公式の募集要項ページを開いて確認できた男子校5校の記載だけを並べ、出願前に確かめる5項目に落とします。塾サイトや一覧記事の要約は根拠に使っていません。
学校名の並びを眺めても、出せる入試は決まりません
一覧に載っているかどうかと、その学校の帰国生入試にうちの子が出願できるかどうかは別の話です。出願資格の在留期間が足りない、選考科目が国語・算数なのに日本語の読み書きから離れている、そもそも専用の入試が無く一般入試を受ける形になっている——一覧の上では同じ一行に見えても、家庭がやることは変わります。
この記事では順位や評価の話は扱いません。数字の見方は一般入試の偏差値表が使えない理由、受入校の探し方は探し方と見る順番と一覧がない理由、中学受験全体の整理は条件・日程・選考型の記事が担当です。ここで扱うのは、男子校の要項を開いたときにどこを見るかだけです。

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公式の募集要項で確認できた男子校5校の記載
以下は、2026年8月に各校の公式サイトを開いて読み取った記載です。いずれも同じページで募集人員が「男子」だけで書かれていること(=男子のみの募集であること)を確認しています。年度が学校によって違う点に注意してください。
- 攻玉社中学校(2027年度・国際学級)。試験日は2027年1月5日、募集人員は男子40名。選考科目は国語・算数(各50分・各100点)または英語(60分・100点)で、面接は英語受験者および英語アルファ資格試験の受験者のみ。出願資格は生年月日の指定に加えて「出願時に海外在住1年以上、帰国後3年以内であること」。
- 海城中学校(2027年度・帰国生入試)。試験日は2027年1月7日、募集人員は男子30名。A方式は国語・算数と面接、B方式は国語・算数・英語と面接で、どちらかを選びます。面接は10分程度で受験生のみ、「生活していた国や地域と日本との違い」について日本語による2分程度のスピーチがあります。応募資格は2021年4月1日から2027年3月31日までに通算2年以上海外在住、かつ2024年7月1日以降に帰国した方。
- 学習院中等科(帰国子弟入学試験)。出題方針のページに、一般入学試験が国語・算数・社会・理科の4科目であるのに対し、帰国子弟入学試験は国語・算数・面接と書かれています。国語は「筆記試験と作文との二種類の方法で学力を検査している」「試験時間と点数は1:1の比率」で、「小学校5年生終了のレベルで問題を作成している」、漢字は「1年から5年までの学年別漢字配当表の中から毎年必ず出題している」。面接は受験生3〜5名のグループで各室約15分、「保護者面接は行いません」と明記されています。
- 高輪中学高等学校(2027年度)。中学募集要項に「2027年度入試より、これまで1月に実施していた帰国生入試は廃止し、一般入試の中で帰国生を対象とした優遇措置を実施いたします。」と書かれています。内容はA・B・C日程の4科目試験の合計得点に10点を加点するもので、算数午後入試は対象外。対象は「1年を超える期間、海外に在留し、帰国後3年以内の日本国籍の方」などです。読み解きは廃止・切り替えの四つの型にまとめました。
- 本郷中学校(2026年度)。中学入試情報のページには帰国生専用の入試日程が載っておらず、生徒募集要項の中に「帰国子弟優遇」として4科の合計得点に10点加点と書かれています。対象は「1年を超える期間海外に在留し、帰国後3年以内の日本国籍の者」、2026年度入試では2023年4月1日以降に帰国した者。募集人員は男子280名です。

選考の型は、確認できた範囲で三つに分かれました
五校を並べると入口の形が分かれます。大事なのは「男子校はこの型が多い」と一般化しないことです。書けるのは「開いた要項にはこう書いてあった」だけです。
一つ目は英語を使う型。海城のB方式、攻玉社の国際学級入試の英語受験がこれです。ただしどちらも英語だけで完結しません。海城のB方式には国語・算数が残り、面接では日本語で話します。英語だけで受けられる入試の整理は英語のみ入試の三つの型にあります。二つ目は国語・算数の型。海城のA方式、攻玉社で国語・算数を選ぶ場合、学習院中等科がこれにあたります。学習院が出題レベルと漢字の範囲を公表しているように、日本語で書く力がそのまま点になる型です。三つ目は一般入試の中の優遇・加点の型。高輪と本郷はどちらも4科目の合計に10点を加える形でした。ただし高輪は専用入試をやめて切り替えたもの、本郷はページ上に専用の日程が置かれていないもので、成り立ちは違います。
正直に書いておきます。「帰国生専用の入試を、一般入試と同じ4科目で行う」型は、今回開いた5校の要項には見つかりませんでした。4科目で受ける道は、高輪と本郷のように一般入試そのものを受けて加点される形でした。5校で見つからなかっただけで、他の学校に無いという意味ではありません。面接の中身は中学の面接で聞かれること、募集人数が「若干名」と書かれているときの読み方は若干名と実数の読み方にまとめてあります。
女子校との違いには、この記事では立ち入りません。どちらが通りやすいという比較は、公式に確かめられる形では存在しないからです。女子校の選考の型と確かめ方は女子校の記事が担当しています。
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入学後の在籍は、募集要項の外に書かれていることがあります
もう一つの軸が、入学したあとどのクラスに入るかです。募集要項ではなく教育内容のページに書かれていることがあります。
攻玉社の国際学級のページには、「帰国生のみのクラス」で3年間同一クラスとして運営され、4年次からは一般学級の生徒と一緒になる、と書かれています。さらに「英語の学力に関しては滞在地域により差が大きいため、国際学級では分割授業を行っています」とあり、「国語・数学も生徒の理解度にばらつきがあるため、クラスを2分割して授業を行います」と続きます。ここまで書いてあれば、入学後の姿を出願前に想像できます。
一方、海城・学習院中等科・高輪・本郷については、今回開いた入試のページに入学後の在籍やクラス編成の記載を見つけられませんでした。書かれていないことを「一般クラスだ」と読むのも「別クラスがある」と読むのも根拠がありません。要項に書かれていない項目は、説明会か学校への問い合わせで確かめるしかない——これが正直な結論です。海外からの参加方法は説明会の三つの型、誰に何を聞くかは四つの窓口の使い分けにあります。
どの型で入っても変わらない構造が一つあります。入試で英語を使ったかどうかにかかわらず、入学後の国語・社会・理科の授業は日本語で進みます。良し悪しの話ではなく、日本の中学校の授業がそうなっているというだけの事実です。英語型で入った子が苦労すると決まっているわけでもありません。だからこそ、「入試で何を使うか」と同じくらい「入学後に日本語がどれだけ要るか」を出願前に見ておく価値があります。

| 見るところ | 英語を使う型 | 国語・算数の型 | 一般入試の中の加点 | ともだちじゃぱん |
|---|---|---|---|---|
| 選考科目 | 国語・算数に英語が加わる、または英語を選択 | 国語・算数(面接を伴う場合がある) | 一般入試の4科目をそのまま受ける | 入試の教科指導は提供していません |
| 確認できた例 | 海城のB方式、攻玉社の英語受験 | 海城のA方式、攻玉社の国語・算数受験、学習院中等科 | 高輪(2027年度入試より)、本郷の帰国子弟優遇 | 2026年12月開校のオンラインスクール |
| 入学後に日本語で進む教科 | 国語・社会・理科は日本語 | 国語・社会・理科は日本語 | 国語・社会・理科は日本語 | 毎週の授業で日本語の土台を積む |
| 要項で確かめること | 英語の出題形式と面接の言語 | 出題レベルと漢字の範囲の公表有無 | 加点の対象日程と対象外の日程 | 在籍校の代わりにはなりません |
出願前に確かめる五つの項目
学校名で検索して公式のドメインの募集要項ページを開き、次の五つを書き写してください。塾のまとめ記事から入らないでください。
- ①選考科目。英語があるか、国語・算数か、4科目か。方式が複数あるなら、それぞれの科目と時間・配点。面接があるなら何語で行われるか。過去問は非公開ではないという話をご覧ください。
- ②出願資格。海外在留期間が「1年以上」なのか「通算2年以上」なのか、帰国後何年以内か、基準の日付はいつか。ここは学校ごとに本当に違います(帰国時期の記事)。
- ③入学後の在籍。一般クラスか、国際学級のような別クラスか。分割授業や取り出し授業があるか。要項に無ければ教育内容のページを見て、それでも分からなければ学校に聞く。
- ④募集人員の書き方。「男子30名」のような実数か、「若干名」か。どちらで書かれているかで、集める材料が変わります。
- ⑤入試日程と会場。1月なのか2月なのか、国内会場だけか海外会場もあるか、出願期間はいつか。海外からの段取りは海外から日本の中学受験を受ける記事が担当です。

ともだちじゃぱんは株式会社NIJINが運営する、海外で育つ子のためのオンライン日本語スクールです(2026年12月開校)。学校教育法上の一条校ではなく、在籍校の代わりにはなりません。そして中学受験の教科指導も、志望校選びの相談も行っていません。志望校別の詰めや出願の戦略は帰国生向けの塾の領域で、その価値は本物です。私たちが担うのは、上の表のどの列にも出てくる——入学後の教科が日本語で進むという前提のほうです。学習院中等科が漢字の範囲を学年別漢字配当表で示しているように、日本語で受ける入試そのものも同じ土台の上にあります。そこを、採用合格率およそ2%の選抜を通った現役水準の日本の教員が、8人の少人数・担任制で、学年相当のところで止めずに続けます。日本に住む同世代が同じクラスにいるので、日本語で話す時間も生活に残ります。学費や奨学金の詳細は、無料の学校案内でお届けしています。
よくある質問
男子校の帰国生入試は、英語で受けられるものが多いのですか?
多い少ないを一般化して言うことはできません。今回開いた5校では、英語を使えるのは海城のB方式と攻玉社の英語受験で、どちらも英語だけで完結する形ではありませんでした。志望校の要項で、方式ごとの科目を書き写して比べてください。
専用の帰国生入試が無い学校は、受けられないということですか?
そうとは限りません。高輪中学高等学校は2027年度入試から帰国生入試を廃止し、一般入試のA・B・C日程の4科の合計に10点を加点する形に切り替えると公表しています(算数午後入試は対象外)。本郷中学校も4科の合計に10点加点と書いています。専用の日程が無い場合は、一般入試の要項の中の優遇の欄を探してください。
入学後に帰国生だけのクラスがあるかは、どこで分かりますか?
教育内容のページに書かれていることがあります。攻玉社は国際学級を帰国生のみのクラスとし、3年間同一クラス、4年次から一般学級と一緒になると公開しています。記載が見つからない学校は、説明会か問い合わせで確かめるほかありません。
国語・算数で受ける場合、国語はどのくらいの水準ですか?
学校が公表している例なら書けます。学習院中等科は帰国子弟入学試験の国語について、筆記試験と作文を1対1の比率で行い、小学校5年生終了のレベルで作問し、漢字は1年から5年までの学年別漢字配当表から毎年必ず出題すると公開しています。他校も同じとは限りません。
英語の資格スコアは、中学受験でも使えますか?
今回の5校では、攻玉社の面接の対象に英語の資格試験の受験者が挙げられていた一方、最低スコアの要件は見当たりませんでした。資格スコアの扱いが前面に出るのは大学の帰国生入試のほうです(スコアの目安をどう確かめるか)。中学では、まず要項に資格の欄があるかを見てください。



