ジャカルタやチカランへの赴任が決まって「インドネシアの日本人学校の学費」を調べると、月5,980,000ルピアという数字と月7,663,000ルピアという数字が出てきて、どちらが本当なのか分からなくなります。どちらも本当です。インドネシアの全日制日本人学校は4校あり、学校ごとに校納金が違うからです。しかも面白いことに、ジャカルタとチカランの2校は内訳がまったく違うのに、月額の合計は1ルピアまで同じです。一方でスラバヤは、この2校より約28%高い。この記事では各校が公表している校納金のお知らせをそのまま並べ、入学金・スクールバス代・PTA会費まで含めた実額と、ジャカルタのインターナショナルスクールの学費を比較します。
インドネシアの日本人学校4校の学費【公表額】
インドネシアにある全日制の日本人学校はジャカルタ日本人学校(JJS)・チカラン日本人学校(CJS)・スラバヤ日本人学校(SJS)・バンドン日本人学校(BJS)の4校です。ジャカルタとチカランは同じジャカルタ日本人学校維持会が運営していますが、スラバヤとバンドンはそれぞれ別法人で、校納金の決め方も違います。まず金額から見ます。
| 項目(1人あたり) | ジャカルタ(JJS) | チカラン(CJS) | スラバヤ(SJS) |
|---|---|---|---|
| 入学金(入学時のみ) | Rp15,000,000 | Rp15,000,000 | Rp5,769,000 |
| 授業料(月額) | Rp4,700,000 | Rp4,400,000 | Rp3,296,000 |
| 施設使用料(月額) | Rp1,280,000 | Rp1,230,000 | Rp3,296,000 |
| その他の月額 | ― | PC利用料 Rp350,000 | 学校維持援助金 Rp1,071,000 |
| 月額の合計 | Rp5,980,000 | Rp5,980,000 | Rp7,663,000 |
| 年額(12か月) | Rp71,760,000 | Rp71,760,000 | Rp91,956,000 |
| PTA会費など | 年 Rp150,000 | ― | 建設負担金(企業負担・下記) |
| 公表年度 | 2026年度 | 2026年度 | 2024年度 |

日本円の感覚に直すと、月Rp5,980,000はおよそ5万4,000円、年Rp71,760,000はおよそ65万円です(1円=約110ルピアで換算。為替で変わります)。世界の日本人学校の相場と比べると、インドネシアはやや高めの部類に入ります。同じ東南アジアのベトナムが年US$4,800〜6,000、タイが年146,000バーツですので、そこよりは負担が大きいと考えておくのが安全です。
ジャカルタとチカランは「内訳が違うだけで月額は同じ」
この2校は、請求書の見た目がまったく違います。ジャカルタは授業料Rp4,700,000+施設使用料Rp1,280,000の2項目。チカランは授業料Rp4,400,000+施設使用料Rp1,230,000+PC利用料Rp350,000の3項目です。項目の数も金額も違うので「チカランのほうが授業料が安い」と見えますが、足すとどちらもRp5,980,000。年額もどちらもRp71,760,000で完全に一致します。
同じ維持会が運営しているため、家庭が負担する総額は揃えたうえで、内訳だけを各校の実情に合わせているという構造です。学校比較のときに授業料の欄だけを見て判断すると読み違えるので、必ず「月額の合計」で並べてください。学期払いの請求額も両校で同じ(1学期 Rp23,920,000/2学期 Rp29,900,000/3学期 Rp17,940,000)です。
| 支払い方法 | ジャカルタ・チカラン共通(2026年度) | 請求書の発行時期 |
|---|---|---|
| 一括払い(4月〜翌3月の12か月) | Rp71,760,000 | 4月下旬 |
| 学期払い 1学期(4月〜7月) | Rp23,920,000 | 4月下旬 |
| 学期払い 2学期(8月〜12月) | Rp29,900,000 | 9月上旬 |
| 学期払い 3学期(1月〜3月) | Rp17,940,000 | 1月中旬 |
もうひとつ、2026年度から変わった点があります。入学金が両校ともRp15,000,000に引き上げられました。維持会は理由を明記していて、「10年目・15年目に校舎の大規模修繕を控えており、修繕費用の積み立てが必要」だから、というものです。授業料は据え置き、施設使用料のみ物価上昇率並みの3%改定で、修繕費は在籍中の家庭の月々の負担ではなく入学金で賄うという考え方が示されています。値上げの理由まで公表している学校は多くないので、赴任前の会社との交渉材料にもなります。入学の条件や手続きの一般論は日本人学校の入学条件と手続きにまとめました。
スラバヤはジャカルタより28%高い――小さい学校ほど高くなる

スラバヤ日本人学校の小中学部は、授業料Rp3,296,000+施設使用料Rp3,296,000+学校維持援助金Rp1,071,000で月Rp7,663,000。ジャカルタ・チカランより月Rp1,683,000(約28%)高い計算です。授業料そのものは3校でいちばん安いのに、合計では最も高くなる――これが日本人学校の学費の分かりにくさです。
理由は単純で、学校を維持する固定費を、少ない人数で割っているからです。ジャカルタ日本人学校は全校677名(小学部530名・中学部147名/2026年4月20日現在)、チカラン日本人学校は237名(小学部192名・中学部45名/2026年5月25日現在)。スラバヤとバンドンはこれよりさらに小さく、バンドン日本人学校は教員募集の要項に「小さな学校なので、複式学級の可能性があります」と明記しているほどです。校舎・教員・スクールバスの費用は児童数に比例して減らせないので、小規模校ほど1人あたりの単価が上がります。
スラバヤにはもうひとつ、赴任前に会社に確認しておきたい項目があります。建設負担金です。これは家庭ではなく企業が入学時に納めるもので、東ジャワジャパンクラブに新規入会する法人会員・個人会員が対象。金額は日本の親会社の資本金規模によって段階が分かれ、Rp120,000,000〜384,000,000(1社あたり)と決して小さくありません。1995年9月18日までにクティンタン校舎の建設負担金を「指定寄付金」として納付した親会社の傘下企業からは徴収しない、という例外もあります。自社が対象かどうかで会社側の手続きが変わるので、赴任の内示が出た段階で人事に確認しておくと、現地での手続きが軽くなります。
スクールバス代が「授業料とほぼ同額」になる
見落としやすいのがスクールバスです。ジャカルタ日本人学校のバス料金は年Rp52,493,000(小・中学部/学期ごとの場合は1学期Rp19,473,631・2学期Rp22,608,197・3学期Rp12,262,172)。授業料の年額Rp56,400,000とほぼ同じ水準で、学校に払うお金がおよそ1.9倍になるインパクトがあります。
これはジャカルタの交通事情の裏返しです。JJSは南タンゲランのビンタロ地区にあり、市内中心部や北部から通うと片道の所要時間が長くなります。バス料金は学期の1/2を過ぎてからの利用開始なら日割りが適用されますが、基本は住まいを決める段階でバス路線と金額を確認しておくのが唯一の対策です。幼稚部のバスは年Rp49,924,000で、小・中学部よりわずかに安く設定されています。
なお、ジャカルタ日本人学校には幼稚部があります。日本人学校としては珍しく、しかも幼稚部のほうが小・中学部より月額が高い(授業料Rp5,360,000+施設使用料Rp780,000=月Rp6,140,000、年Rp73,680,000)という構造です。PTA会費も幼稚部は年Rp250,000(小・中学部はRp150,000)。幼稚部から小学部へ内部進学する場合も、入学金は改めて必要になる点は事前に確認しておいてください。
ジャカルタのインターナショナルスクールの学費と並べると
では、もう一方の選択肢はいくらでしょうか。ジャカルタは東南アジアでもインターの選択肢が多い都市で、代表格はJakarta Intercultural School(JIS/IB)、British School Jakarta(BSJ/英国式)、ACS Jakarta、North Jakarta Intercultural School(NJIS)など。2026/27年度の授業料は、JISが年Rp131,615,571〜633,001,000、BSJが年Rp158,518,000〜561,064,000と公表されています(学年が上がるほど高い)。これに出願料・入学保証金・キャピタルフィー(JISは年Rp68,367,000、BSJはKey Stage 2で年Rp62,000,000)などが上乗せされます。
| 選択肢 | 言語・カリキュラム | 対象 | 学費目安(年) | 帰国後 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本人学校(4校) | 日本語・日本の学習指導要領(全日制) | 小1〜中3(高校なし・JJS/SJSは幼稚部あり) | Rp71,760,000〜91,956,000+入学金 | ◎ そのまま復帰しやすい | 3〜5年で帰国・帰国後の受験を重視 |
| インター(JIS/BSJ/ACS/NJIS 等) | 英語・IB/英国式/米国式 | 3〜18歳 | 約Rp131,000,000〜633,000,000+諸費用 | △ 国語は別途対策が必要 | 長期・永住/英語環境を最優先 |
| ともだちじゃぱん | オンライン・日本語会話/国語・友達 | 5〜18歳 | 月額定額(通い放題) | ◎ 学年相当の国語と日本の友達を維持 | どちらを選んでも日本語と日本とのつながりを足したい |
数字で見ると、インターの最低ラインでも日本人学校の約1.8倍、上のほうでは約8.8倍。ジャカルタは「日本人学校とインターの学費差がとくに大きい都市」だと言えます。世界全体の相場は日本人学校の学費相場、インター側の考え方はインターナショナルスクールの学費にまとめています。ジャカルタ単体で学校を比べたい方はジャカルタの日本人学校とインター比較もあわせてどうぞ。
学費を払ったあとに残る「日本語」――どちらを選んでも残る宿題

ここからは、校納金のお知らせを何度読んでも書いていない部分です。年Rp7,000万台の日本人学校を選んでも、年Rp3億のインターを選んでも、どちらの学費にも含まれていないものがあります。それが「その子の日本語を、日本の同学年の水準で保ち続けること」と「帰国後の学校復帰・受験」です。
インターを選んだ家庭では、この宿題はとても分かりやすい形で現れます。英語は伸びる一方、漢字・読解・作文は家庭任せになり、学年が上がるほど日本の同学年との差が開きます。会話は保てても、書くこと・読み取ることは意識的な量を確保しないと積み上がりません。とくに小学5年生前後から国語の抽象語彙が一気に増えるため、「話せているから大丈夫」と思っていた家庭ほど、帰国が決まってから慌てます。
では日本人学校なら安心か。こちらにも別の宿題があります。インドネシアの4校はすべて中学部までで、高等部がありません。中3の段階で「インドネシアのインター高校へ移る」か「日本に帰国して高校受験をする」かを選ぶ必要があります。そしてスラバヤ・バンドンのような小規模校では、同学年に日本人の同世代が数人しかいないことも珍しくありません。「日本人学校を選べば日本の友達ができる」という前提が、地方都市では成り立たないことがあるのです。
その宿題を軽くするのが、2026年12月開校のオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」です。日本人学校やインターを置き換えるものではなく、どちらを選んでも足せる「第三の選択肢」としてお使いいただく前提でつくっています。
時差の相性もお伝えします。インドネシア西部時間(WIB)は日本より2時間遅れ(−2h)。日本の平日夕方のクラスが、ジャカルタ・チカラン・バンドンの放課後の時間帯にそのまま重なります。学校から帰って着替えて一息ついたらリビングのパソコンから参加、という無理のないリズムで続けられます。スラバヤ(WIB)も同じ時間帯です。
- 相手は日本在住の同世代:姉妹校NIJINアカデミー(在籍900名超)の日本の子どもたちと、8人の少人数グループで話します。地方都市の小規模校では得にくい「日本のリアルな友達」ができる、他社にない独自価値です。
- レッスン以上の、日本とのつながり:アイデンティティやルーツとのつながりが、帰国後もその先も効く長期価値になります。
- 子ども特化だから安心:月額定額で毎日でも参加OK。学年ではなく会話レベルでクラス分けするので、「5年生の漢字の壁」で取り残されません。通い放題なので「週1回では量が足りない」も解決します。
よくある質問(インドネシアで学校を選ぶ方から)
ジャカルタとチカラン、学費はどちらが安いですか?
同じです。ジャカルタは授業料Rp4,700,000+施設使用料Rp1,280,000、チカランは授業料Rp4,400,000+施設使用料Rp1,230,000+PC利用料Rp350,000で、どちらも月Rp5,980,000・年Rp71,760,000。入学金もどちらもRp15,000,000です。授業料の欄だけを比べると差があるように見えますが、合計は一致します。選ぶ基準は学費ではなく、勤務地からの通学時間と学校の規模(ジャカルタ677名/チカラン237名)で考えるのが実務的です。
なぜ2026年度から入学金が上がったのですか?
維持会が理由を公表しています。校舎の10年目・15年目の大規模修繕に備えて積み立てが必要になったためで、修繕費を在籍中の家庭の月々の負担ではなく入学金で賄うという考え方によるものです。あわせて授業料は据え置き、施設使用料のみ物価上昇率程度(3%)の改定となりました。今年度の決算が黒字見込みであることも据え置きの理由として挙げられています。
年度の途中でインドネシアに赴任します。編入できますか?
各校とも編入学を受け付けています。ジャカルタ・チカランの授業料は月割りで、在籍実績のある月分が請求されます。請求は一括または学期ごと(1学期4〜7月/2学期8〜12月/3学期1〜3月)で、支払期限は請求書発行後30日以内。年度途中でジャカルタ日本人学校に編入する場合は、PTA会費(年Rp150,000)を持参するよう案内されています。スクールバスは学期の1/2を過ぎてからの利用開始なら日割り+翌学期分の請求になります。
バンドンやスラバヤに赴任します。学校は選べますか?
どちらの都市にも全日制の日本人学校があります(バンドン日本人学校・スラバヤ日本人学校)。ただし規模は小さく、バンドンは複式学級の可能性が明記されているほどです。バンドン日本人学校は校納金を公開していないため、金額は学校へ直接お問い合わせください。標高800mの高原都市で、朝は15℃前後・昼も30℃前後と過ごしやすい環境です。日本人学校のない都市に赴任する場合は、土曜の補習授業校や現地校・インターとの組み合わせになります。両者の違いは日本人学校と補習校の違い、補習校の仕組みは日本語補習校とはで詳しく扱っています。
インターに入れた場合、日本語はどうすればいいですか?
正直に言えば、家庭内の会話だけでインター生の学年相当の国語を維持するのは大変です。漢字・読解・作文は量が要ります。ともだちじゃぱんは会話レベル別のクラス+通い放題なので、インターで英語を伸ばしながら日本語の「抜け」だけをピンポイントで補う併用が効きます。帰国後の国語の考え方は帰国子女の国語にまとめています。
他の国と比べたい方は、世界90校をまとめた日本人学校 一覧、同じく国レベルで学費を並べたタイの日本人学校の学費・マレーシアの日本人学校の学費・ベトナムの日本人学校の学費もあわせてご覧ください。

