オランダ赴任が決まって「オランダの日本人学校の学費」を調べると、ロッテルダムとアムステルダムで金額の書き方がまったく違うため、どちらが高いのか分からなくなります。結論から書きます。ロッテルダム日本人学校は入学金300ユーロ・授業料が月780ユーロ(年9,360ユーロ)。アムステルダム日本人学校は入学金350ユーロ・授業料が年5,640ユーロで、これに施設設備費360ユーロとスクールバス2,220ユーロ、そして1人あたり450ユーロまたは900ユーロの「校舎協力金」が加わります。さらにオランダには他の国にない事情があります――政府の補助を受けた「ダッチ・インターナショナル・スクール」が年4,000〜7,000ユーロで存在するため、インターのほうが日本人学校より安いことがある。この記事では両校の公表額をそのまま並べ、オランダだけ「価格では決められない」理由まで整理します。
ロッテルダム日本人学校の学費【公表額そのまま】
オランダにある全日制の日本人学校はロッテルダム日本人学校とアムステルダム日本人学校の2校です。ロッテルダム日本人学校は1992年(平成4年)に設立された小学部・中学部の学校で、デン・ハーグ方面からスクールバスで通う児童生徒もいます。以下は同校が公開している「入学金・授業料・諸費用」の記載どおりの金額です。円換算は1ユーロ=170円で計算した目安で、レートは変動します。
| 費目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 入学金 | 300ユーロ(約5万1千円) | 入学時のみ |
| 授業料 | 月780ユーロ (年9,360ユーロ・約159万円) |
小学部・中学部とも |
| PTA会費 | 年30ユーロ | ― |
| 教材費 | 授業料に含む(原則徴収しない) | 転入時のみ別途請求 |
| 宿泊的行事費など | 別途徴収 | 実費 |
| スクールバス | 希望者は別途負担 | デン・ハーグ方面/ロッテルダム市内方面 |

アムステルダム日本人学校は「学期ごとに月数が違う」――年額で見ないと比べられない
アムステルダム日本人学校は、金額を三学期制の学期ごとに提示しています。学年は4月1日に始まり翌年3月31日に終わる三学期制で、各学期の月数が違うため、学期の数字だけを見ると高いのか安いのか判断できません。年額に直すと次のようになります。
| 費目 | 第1学期 | 第2学期 | 第3学期 | 年額 |
|---|---|---|---|---|
| 授業料 | 1,880ユーロ | 2,350ユーロ | 1,410ユーロ | 5,640ユーロ (約96万円) |
| 施設設備費 | 120ユーロ | 150ユーロ | 90ユーロ | 360ユーロ |
| スクールバス | 740ユーロ | 925ユーロ | 555ユーロ | 2,220ユーロ (約38万円) |
| 合計(バス利用時) | 2,740ユーロ | 3,425ユーロ | 2,055ユーロ | 8,220ユーロ |
| 入学金 | 350ユーロ(入学時のみ) | ― | ||
| 校舎協力金 | 1人あたり450ユーロ または 900ユーロ | ― | ||
ここで、はじめて2校を並べられます。ロッテルダムは授業料だけで年9,360ユーロ、アムステルダムは授業料+施設設備費で年6,000ユーロ。差は年3,360ユーロ(約57万円)で、ロッテルダムのほうが1.56倍高いということになります。ただしアムステルダムはスクールバスが年2,220ユーロと高く、バスを使う前提なら年8,220ユーロ。バス代を含めると差は1,140ユーロまで縮まります。「どちらが高いか」は、バスを使うかどうかで結論が変わるのがオランダの2校です。
オランダだけの事情――補助金付きインターが年4,000〜7,000ユーロ
ここからがオランダ最大の特殊事情です。他の赴任先では「日本人学校=安い/インター=高い」という関係が成り立ちます。ブリュッセルではインターが日本人学校の6倍以上、チューリッヒでは3倍以上でした。ところがオランダではこの関係が成り立ちません。
オランダにはダッチ・インターナショナル・スクール(DIS)と呼ばれる、オランダ政府の補助を受けて運営される国際部があります。公立・私立の学校に併設される形で全国に置かれており、授業料はおおむね年4,000〜7,000ユーロ。完全私立のインターナショナルスクールが年10,000〜20,000ユーロ以上であるのに対し、けた違いに安い水準です。

つまりオランダでは、ロッテルダム日本人学校(年9,360ユーロ)よりも、英語で学ぶ補助金付きインター(年4,000〜7,000ユーロ)のほうが安いという逆転が起こりえます。アムステルダム日本人学校(年6,000ユーロ)とはほぼ同額です。他国の駐在家庭が「インターは高すぎて選べない」と言うのに対し、オランダの家庭は価格を理由にインターを外せません。
これは選択の自由が広がったという意味では良いことです。しかし同時に、判断の基準から「お金」が抜け落ちるということでもあります。値段で決まらないなら、何で決めるのか。残るのは「日本語で学ぶ時間をどれだけ確保するか」という一点です。
オランダは補習校が充実している国でもある
オランダには全日制の日本人学校2校のほかに、アムステルダム、ロッテルダム、ティルブルフ、マーストリヒトなどに日本語補習校があります。国土が狭く鉄道網が発達しているため、他国に比べて「通える距離に補習校がある」家庭の割合が高いのがオランダの特徴です。アムステルダム周辺の補習校の詳細はアムステルダムの日本語補習校まとめに書いています。
ただし補習校は原則として土曜の午前だけです。現地校やインターで平日を英語・オランダ語で過ごし、日本語に触れるのが週1回3〜4時間だとすると、小学校高学年で扱う漢字・読解・作文の量にはまったく足りません。世界の補習校の全体像は日本語補習校とはにまとめています。

ヨーロッパのなかでのオランダの位置
各校の公表額を年額でそろえると、オランダの2校はヨーロッパの真ん中あたりに位置します。
| 学校(年度) | 年間授業料 | 円換算の目安 |
|---|---|---|
| フランクフルト日本人国際学校(2026年度) | 5,520ユーロ | 約94万円 |
| アムステルダム日本人学校(授業料+施設設備費) | 6,000ユーロ | 約102万円 |
| ブラッセル日本人学校(2026年度) | 6,300ユーロ | 約107万円 |
| デュッセルドルフ日本人学校(2026年度) | 6,360ユーロ | 約108万円 |
| ベルリン日本人国際学校(2026年度) | 8,640ユーロ | 約147万円 |
| ロッテルダム日本人学校 | 9,360ユーロ | 約159万円 |
| チューリッヒ日本人学校(2026年度) | 11,000フラン | 約204万円 |
学費を払ったあとに残るもの――「日本の同世代と話す時間」
日本人学校を選べば、授業はすべて日本語で、教科書も日本と同じです。国語の心配はほとんどありません。そのかわり、オランダで暮らしているのに英語もオランダ語も伸びにくいという悩みが出てきます。オランダは英語が非常に通じる国なので、この「もったいなさ」は他国より強く感じられます。逆にインターや現地校を選べば語学は伸びますが、今度は日本語の学年相当が確実に落ちます。漢字・読解・作文は量が要る領域なので、家庭内の会話だけでは維持できません。
そしてどちらを選んでも共通して残るのが、「日本の同世代と話す時間」です。日本人学校でもクラスは同じ駐在家庭の子どもたちで、日本にいる同学年の子と日常的に話す機会はありません。帰国したときに子どもが戸惑うのは、じつは漢字よりもここです。
ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと一緒に学ぶオンライン日本語スクールです。月額定額の通い放題で、日本人学校に通いながらの補完としても、インター・現地校の日本語のピンポイント補強としても使えます。オランダと日本の時差は7時間(夏時間)。日本の夕方の授業は、オランダの昼過ぎにあたります。学校のあとの時間帯にも、週末の午前にも参加できる時間割を用意しています。
よくある質問(オランダで学校を選ぶ方から)
オランダに日本人学校はいくつありますか?
全日制はロッテルダム日本人学校とアムステルダム日本人学校の2校です。いずれも小学部と中学部で、高等部はありません。このほかアムステルダム・ロッテルダム・ティルブルフ・マーストリヒトなどに土曜の補習校があります。
ロッテルダム日本人学校の学費は月いくらですか?
授業料は月780ユーロ(年9,360ユーロ)で、小学部・中学部とも同額です。入学金は300ユーロ、PTA会費は年30ユーロ。教材費は授業料に含まれ、原則として徴収されません(転入時のみ別途請求)。宿泊的行事費などは別途です。
アムステルダムとロッテルダム、どちらが安いですか?
授業料だけならアムステルダム(年5,640ユーロ+施設設備費360ユーロ)のほうが年3,360ユーロ安い計算です。ただしアムステルダムはスクールバスが年2,220ユーロかかるため、バスを使う家庭では差が1,140ユーロまで縮まります。加えてアムステルダムには校舎協力金(1人450または900ユーロ)があります。
オランダのインターは日本人学校より高いですか?
必ずしも高くありません。オランダには政府の補助を受けたダッチ・インターナショナル・スクール(年4,000〜7,000ユーロ)があり、ロッテルダム日本人学校(年9,360ユーロ)より安い場合があります。完全私立のインターは年10,000〜20,000ユーロ以上です。オランダは「価格でインターを外せない」数少ない国です。
インターに入れた場合、日本語はどうすればいいですか?
正直に言えば、家庭内の会話と土曜の補習校だけで学年相当の国語を維持するのは大変です。漢字・読解・作文は量が要ります。ともだちじゃぱんは会話レベル別のクラス+通い放題で、日本の同世代と一緒に学べます。インターで英語を伸ばしながら、日本語の「抜け」だけをピンポイントで補う併用が効きます。帰国後の国語の考え方は帰国子女の国語にまとめています。

世界の学校をまとめた日本人学校 一覧と日本人学校の学費相場、国レベルで学費を並べたドイツ・イギリス・アメリカもあわせてどうぞ。

