帰任先が「東京勤務だが、住むのは千葉か埼玉か神奈川」というご家庭は多く、「帰国子女 編入 中学 関東」という調べ方になります。ここには落とし穴があります。公立中学校の入り方は1都6県どこでも同じですが、私立中学校の編入枠は、県ごとに別々の団体が別々のタイミングで公表しているからです。「東京の情報を見て、千葉の学校を探す」ができない。この記事では、その窓口の違いと、住む場所を決める前にやるべき調べ方の順番を整理します。
公立中学校は、どの県でも「住民登録 → 教育委員会 → 指定校」
先に共通部分から。東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬のいずれでも、公立中学校への編入に試験はありません。帰国後に住む市区町村で住民登録をし、その市区町村の教育委員会で就学の手続きをすると、住所に応じた指定校への入学通知が出ます。学期の途中でも受け入れられます。
裏を返すと、公立を選ぶなら「学校選び」は「住まい選び」と同義です。関東は自治体の数が多く、日本語指導の体制や帰国生の在籍数も市区町村でかなり差があります。物件を絞る段階で、候補地の教育委員会に「帰国児童生徒への日本語指導の体制はどうなっていますか」と聞いておくと、後の負荷がまるで変わります。制度として何が受けられるかは帰国子女の日本語指導にまとめました。海外側で先に揃える書類は海外 転校の手続きにあります。

私立中学校は、県ごとに窓口も公表時期も違う
ここからが本題です。私立中学校の転・編入試験は、在校生が抜けて欠員が生じたときだけ各校の判断で実施されます。そして、その実施校をまとめて公表しているのは都県ごとの私学団体です。全国で一括して見られる場所はありません。
- 東京都:東京私立中学高等学校協会が各私立学校に調査を行い、東京都が取りまとめて各学期末に実施校一覧を公表。令和8年度は1学期末分が令和8年6月11日に公表済み、2学期末分は令和8年11月中旬頃、3学期末分は令和9年2月中旬頃の発表予定。応募資格は「①転勤・転居/②海外帰国/③条件なし」の3区分で示されます。
- 千葉県:千葉県私立中学高等学校協会が転入学・編入学の日程一覧をPDFで公表。「原則として県外からの転勤転居、海外からの帰国等が条件になります」と明記されており、中学校・高等学校とも1学期末・2学期末・3学期末に実施予定とされています。
- 埼玉県:埼玉県私立中学高等学校協会が「転編入情報」として、県内私立中学校・高等学校の転入学・編入学試験の実施情報を公表しています。
- 神奈川県ほか:各県の私学協会・私学団体が同様に情報を出しています。
実務上いちばん効くのは、公表時期のずれです。同じ「2学期末」でも、都県ごとに一覧が出る時期が違います。関東で複数県を候補にしているなら、候補県ぶんの協会サイトをブックマークして、公表月に一斉に見るのが唯一の方法です。「東京の一覧に載っていないから関東には枠がない」という判断は、確実に間違いになります。

| 関東の公立中学校 | 私立中学校の欠員編入 | 私立の帰国生入試(4月入学) | 公立中高一貫校 | |
|---|---|---|---|---|
| 枠 | 住所で決まる。選抜はない | 欠員が出た学校・学年のみ | 毎年、学校が定めた募集人員 | 原則、入学時の選考で入る |
| 情報の出どころ | 住む市区町村の教育委員会 | 都県ごとの私学協会・私学団体の一覧 | 各校の入試要項 | 各都県の教育委員会 |
| 公表の時期 | 随時(窓口で相談可) | 学期末ごと。都県で時期が異なる | おおむね夏から秋に要項公表 | 年度ごとの募集要項 |
| 帰国生の扱い | 区別なく受け入れ | 応募資格に「海外帰国」がある学校のみ | 帰国生を対象とした選抜 | 編入・転入の枠は限られる |
| 最初にやること | 候補地の教育委員会へ問い合わせ | 候補県の協会サイトで公表月を確認 | 志望校の要項で出願資格を確認 | 各都県教委の情報を確認 |
「東京の学校に、千葉から通う」は成り立つのか
関東ならではの相談がこれです。結論としては私立なら成り立ちますが、通学時間の条件を設けている学校があります。私立中学校は都県境を越えて通えるのが原則ですが、学校によっては「通学時間はおおむね○分以内」といった目安を要項に置いています。中1で片道90分は、日本語がまだ戻っていない子には重い負荷です。
一方、公立は住所地の指定校になるので、県をまたいだ通学は基本的にできません。「東京の公立中に入れたいから東京に住む」は成立しますが、「千葉に住んで東京の公立中」は成立しない、ということです。この違いは高校段階でも続きます。都県ごとの帰国枠の違いは帰国子女 高校受験 関東で1都6県ぶん整理しました。千葉の中学受験事情は帰国子女枠 中学受験 千葉、神奈川は帰国子女 高校受験 神奈川にあります。
調べる順番を間違えないための4ステップ
関東は選択肢が多いぶん、順番を間違えると時間だけが溶けます。おすすめは次の順です。①帰任日と、子の学年・在外年数を確定する。②「4月入学に合わせられるか、学期途中か」を決める。③学期途中なら、候補県の協会サイトで一覧の公表月を確認し、公立の指定校も並行して押さえる。④4月に合わせられるなら、編入ではなく帰国生入試で設計する。
④を選べるご家庭は、迷わず④です。帰国生入試は募集人員が要項で公表されており、日程も読めます。編入は、そもそも募集が出るかどうかが年によって変わります。中学受験側の設計は帰国子女 中学受験の条件・日程・選考型、編入の全体像は帰国子女の中学編入、編入試験で何が問われるかは帰国子女の編入試験にまとめています。

どの県に住んでも、変わらないものがひとつある
ここまで県ごとの違いを見てきましたが、変わらないものが1つあります。日本の中学校の授業は、どの県でも日本語で進むということです。数学の文章題も、理科のレポートも、社会の資料読み取りも、日本語で読んで日本語で書きます。編入の枠を勝ち取れるかどうかは運の要素が大きい一方、入ったあとに困るかどうかは、帰国前の数年で決まっています。
正直に申し上げると、ともだちじゃぱんは編入試験の対策塾ではありません。志望校別の出題対策や面接練習は帰国生向けの塾の領域です。私たちが担うのは土台――学年相当の国語です。国内最大級のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJINが母体で、講師は採用合格率およそ2%の選抜を通った今の日本の教室を知る現役水準の教員。8人制の少人数クラスには日本に住む同世代の仲間がいます。関東のどこに住むことになっても、その子が最初の一言を出せるように――そこを準備するのが私たちの役割です。料金は通い放題で月額定額です。
まずは今の学年とのギャップを確認したい方へ。1分でできる学年相当・国語力チェック(無料)で、お子さんの「学年の穴」の目安がわかります。海外での国語・日本語の続け方は海外駐在×子どもの国語・日本語 完全ガイドにまとめています。

よくある質問
関東の私立中学の編入枠は、どこを見れば分かりますか?
都県ごとに窓口が分かれています。東京は東京私立中学高等学校協会の調査をもとに東京都が各学期末に一覧を公表、千葉は千葉県私立中学高等学校協会が転入学・編入学の日程一覧を公表、埼玉は埼玉県私立中学高等学校協会が「転編入情報」として公表しています。全国や関東で一括して見られる場所はありません。候補にしている県の協会サイトを、それぞれブックマークしておくのが確実です。
海外からの帰国であれば、どの私立でも受けられますか?
いいえ。各校が応募資格を定めています。東京の一覧では「①転勤・転居/②海外帰国/③条件なし」の3区分で示され、②が付いている学校でなければ帰国生は出願できません。千葉県私立中学高等学校協会も「原則として県外からの転勤転居、海外からの帰国等が条件」としています。欠員がある=受けられる、ではないので、一覧では学校名だけでなく応募資格の欄を必ず見てください。
住む県を決めていません。学校から逆算して決めてよいですか?
公立を前提にするなら、むしろそうすべきです。公立中学校は住所で指定校が決まるため、住まいを決めた時点で学校が決まります。一方、私立を狙う場合は逆で、編入枠は年によって出たり出なかったりするので、「この学校に入れるから、この県に住む」という設計は成り立ちにくいのが実情です。現実的には「通勤圏で公立の環境が良い場所」を先に決め、私立の枠が出たらそこから通えるかを見る、という順番になります。
中3の途中で帰国します。中学編入と高校受験、どちらを優先すべきですか?
多くの場合、公立中学に編入して在籍と住民票を確保し、高校受験の帰国枠を狙うほうが設計しやすくなります。私立中に編入できたとしても在籍は数か月で、すぐ高校入試を迎えるためです。ただし高校の帰国枠にも「在外年数」「帰国後の期間」といった出願資格があり、都県で条件が違います。1都6県の違いは帰国子女 高校受験 関東、日程の逆算は帰国子女 高校受験 日程にまとめています。
編入試験の対策は、いつから始めればよいですか?
試験そのものの対策は、受ける学校が決まってからで構いません。欠員募集は公表から試験まで期間が短く、志望校が決まる前に「対策」は組みようがないからです。先に始めるべきは、学校を問わず効く土台――日本語で読み取り、日本語で書く力です。編入試験で実際に何が出るかは帰国子女の編入試験、国語の「できない」の内訳は帰国子女の国語で分解しています。

