帰任先が福岡に決まったとき、福岡 帰国子女 高校と検索する保護者は少なくありません。結論から書きます。福岡県立高校には、帰国生のための「帰国生徒等特例措置」が3種類あります。2月に一般入試より先に行う「特別学力検査」、英語科で行う「推薦の特例」、そして一般入試を時間延長とふりがな付きの問題で受けられる「一般学力検査の特例」です。ただし、特別学力検査を行う19校に、福岡市内の修猷館・福岡・筑紫丘などの進学校は入っていません。そして、日本人学校から帰る場合と現地校から帰る場合で、使える入口が変わります。この記事は、福岡県教育委員会の「令和8年度 県立高等学校入学者選抜要項」の帰国生徒等特例措置実施要項と、公表済みの令和9年度の日程(2026年9月22日確認)をもとに整理しました。

まず年度の注意:2027年度の要項は10月下旬に公表予定
福岡県教育委員会は、令和9年度(2027年4月入学)の県立高校入学者選抜要項を10月下旬に公表予定としています。2026年9月22日の時点で公表されているのは日程だけです。そのため、この記事の対象者・実施校・試験科目は令和8年度の要項によります。制度が大きく変わることは多くありませんが、実施校や帰国時期の基準日は年度ごとに書き換わります。出願前には、10月に出る新しい要項で必ず確かめてください。
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福岡県立の帰国生の入口は3つ
| 入口 | 試験の中身 | 実施校 | 時期(2027年度入試) |
|---|---|---|---|
| ①特別学力検査 | 国語・数学・英語+作文+面接 | 県立19校(令和8年度) | 出願1月20日〜28日正午/検査2月2日〜3日/内定通知2月10日 |
| ②推薦入学の特例 | 推薦入試の枠の中で、外国での経験や国際性を積極的に評価 | 英語科で実施 | 推薦入試と同じ日程 |
| ③一般学力検査の特例 | 5教科のまま。国語は25分、ほかの教科は15分の時間延長。ふりがな付きの問題 | 県立全体(検査は地区ごとの特例会場) | 学力検査3月9日/合格発表3月18日 |
①特別学力検査は、一般入試より1か月以上早い2月に行われます。中学校の書類、学力検査、作文と面接をもとに総合的に選考して内定を出します。内定しなかった場合は、一般入学者選抜にあらためて出願できます。つまり、帰国生にとっては一般入試の前にもう1回挑戦できる入口です。この検査専用の募集人員は、要項に記載が見当たりませんでした。
③一般学力検査の特例は、どの県立高校を志望していても使える仕組みです。科目は減らず、国語・数学・社会・理科・英語の5教科を受けますが、国語は25分、ほかの教科は15分長く解けて、問題にはふりがなが付きます。会場は志望校ではなく、地区ごとに置かれる特例の検査室です(福岡地区は福岡工業高校、北九州地区は小倉商業高校、筑後地区は八女高校、筑豊地区は嘉穂高校)。
特別学力検査の19校に、市内の進学校は入っていない
令和8年度に特別学力検査を行った県立高校は次の19校です。
青豊・小倉南・小倉商業・北筑・玄界・香住丘・太宰府・福岡農業・福岡工業・福岡講倫館・早良・朝倉東・久留米・福島・伝習館・ありあけ新世・東鷹・嘉穂東・直方(要項の掲載順。太字は福岡市内の4校)
福岡市内で特別学力検査を受けられるのは、香住丘(東区)・福岡工業(早良区)・福岡講倫館(早良区)・早良(早良区)の4校です。修猷館・福岡・筑紫丘・城南といった進学校は含まれていません。これらの高校を目指す場合、県立の帰国生の入口は③の一般学力検査の特例、つまり時間延長はあるものの、一般の受検生と同じ5教科の勝負になります。
なお、福岡市立高校も県とほぼ同じ仕組みを持っています。市立で特別学力検査を行うのは福岡女子高校(普通科・国際教養科)だけで、推薦の特例は令和8年度は実施されませんでした。一般学力検査の特例は、県立と違って志望する市立高校の中の検査室で受けられます。
対象になる帰国生の条件:「現地校に3年以上」が軸

特別学力検査と一般学力検査の特例を使えるのは、次のどちらかに当てはまる生徒です(令和8年度の要項)。
- 外国の現地校に引き続き3年以上在学した帰国生徒で、原則として2025年1月1日以降に帰国した人
- 外国で生まれ育った人などで、原則として小学4年以上の学年に編入学し、2019年1月1日以降に入国した人(学齢を超えていて小・中学校に編入できなかった人も含む)
ここで気をつけたいのが、日本人学校の扱いです。要項には、文部科学大臣が認定した在外教育施設(日本人学校など)で教育を受けた人は、その施設に入学した時点で入国または帰国したものとみなすという規定があります。文面どおりに読むと、日本人学校に通っていた期間は「現地校に3年以上」に数えられないことになります。たとえば現地校に2年通ったあと日本人学校に移った場合は、この条件を満たさない可能性が高いと考えておくのが安全です。
一方、②の推薦の特例は「外国に引き続き1年以上住んでいた帰国生徒」が対象で、日本の中学校を卒業していない人や、在外教育施設の課程を修了した人も推薦で出願できるとされています。日本人学校から帰る家庭にとっては、こちらが使える入口です。10都道府県の条件を日本人学校の視点で比べた日本人学校から帰国|帰国枠は使える?10都道府県の実際の条件もあわせてご覧ください。
もう1つの実務は住所です。県立高校には学区があり、出願するには学区内に住んでいるか、高校入学までに学区内に住む予定であることが必要です。住む予定の場合は、予定の住所が分かる書類や転勤証明書などを出します。帰国と住まい探しが同時に進む家庭は、この書類を早めに用意しておくと慌てずにすみます。
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福岡の私立高校の帰国生入試は、条件が学校ごとにばらばら
私立は、公立の「現地校3年以上」より短い海外経験でも帰国生として受けられる学校があります。公式サイトで確認できた例です。
| 学校 | 帰国生の条件 | 試験 |
|---|---|---|
| 西南学院(早良区) | 海外で2年以上就学・出願時に帰国後1年未満、第一志望 など。事前に学校(教頭)への連絡が必須 | 国語・数学・英語+日本語による個人面接 |
| 東福岡(東区)国際教養コース | 保護者の転勤などで海外に1年以上・帰国後3年以内 など。事前に入試相談フォームで資格確認 | 英語・数学+英語と日本語の面接(国語なし) |
| 福岡雙葉(中央区) | 海外で1年以上・帰国後3年以内 など。高1への帰国子女編入試験 | 英語・数学+面接。8月に実施 |
| 福岡女学院(南区) | 2027年度の要項に帰国生入試の欄あり。条件は「お問い合わせください」 | 公式に記載なし |
| リンデンホールスクール中高学部(筑紫野市) | 高1からの一般入試はなく、編入学で受け入れ | 英語・数学・国語(または日本語)+面接 |
同じ「帰国生入試」でも、国語を課す学校(西南学院)と課さない学校(東福岡の国際教養コース)があります。英語が強い子ほど選択肢は広がりますが、県立の進学校や西南学院を視野に入れるなら、国語からは逃げられない、というのが福岡の制度の形です。帰国枠の条件を公立と私立で比べる考え方は帰国子女枠の条件|公立と私立で違う4つの軸で詳しく解説しています。
高校生になってから帰国する場合は「転入学」
高校在学中に帰国する場合は、入試ではなく転入学・編入学になります。福岡県教育委員会の案内では、県立高校の転入学試験はおおむね年3〜4回(8月・12月・3月、新1年生は4月)で、試験は国語・数学・英語の3教科と面接が基本です。保護者の急な転勤などでは学期の途中に行う場合もあります。ただし、この案内は国内の高校から移る「転入学」を前提にしており、海外の現地校から移る場合の扱いは特に書かれていません。窓口は県教育庁の高校教育課なので、帰国が決まった時点で問い合わせてください。単位の考え方は帰国子女の高校編入|転入学との違い・時期と科目・単位の壁にまとめています。
帰国前にできること:国語と作文を「使う日本語」で保つ

福岡の制度を並べてみると、どの入口にも国語が顔を出します。特別学力検査は国語と作文、一般学力検査の特例は時間が延びても5教科、私立も多くは国語を含みます。面接も日本語で行われます。英語はそのまま強みになりますが、国語と作文は、海外にいる間に何をしてきたかがそのまま点数に出る科目です。面接の準備は帰国子女 面接 質問 高校|配点と評価の観点は公表されているが参考になります。
海外で育つと、日本語を話す相手は家族にほぼ限られます。家では話せても、同じ年ごろの子と学年相当の言葉でやりとりしたり、自分の考えを文章にまとめたりする機会は少なくなります。帰国が決まってから取り戻そうとすると、受験の年と重なってしまいます。
ともだちじゃぱんは、海外で育つ子どものためのオンラインの学校です。日本の現役水準の先生が担任につき、日本にいる同世代と8人の少人数クラスで毎日話します。受験対策の塾の代わりではなく、帰国前から日本語を「使う言葉」として保つための場所です。2026年12月の開校(パイロット)に向けて、学費・時間割・開校日程は資料でご案内しています。

よくある質問(福岡の帰国子女 高校受験)
福岡県立高校に帰国子女枠はありますか?
「帰国生徒等特例措置」として3つの入口があります。国語・数学・英語と作文・面接で2月に行う特別学力検査(令和8年度は19校)、英語科で行う推薦の特例、一般入試を時間延長とふりがな付きの問題で受けられる一般学力検査の特例です。
修猷館や福岡高校は帰国生枠で受けられますか?
令和8年度の特別学力検査の実施校には入っていません。これらの高校を受ける場合、帰国生が使えるのは一般学力検査の特例(5教科・時間延長・ふりがな付き)です。令和9年度の実施校は10月下旬公表の要項で確認してください。
日本人学校から帰国した場合も特別学力検査を受けられますか?
要項では、日本人学校などの在外教育施設に入学した時点で帰国したものとみなす規定があり、対象の条件は「外国の現地校に引き続き3年以上在学」です。文面どおりに読むと、日本人学校の在籍期間は3年に数えられません。推薦の特例は在外教育施設の修了者も出願できるとされています。個別の事情は県教育委員会に確認してください。
特別学力検査で内定しなかったら、どうなりますか?
一般入学者選抜にあらためて出願できます。特別学力検査は2月、一般の学力検査は3月9日(2027年度)なので、2回挑戦する計画が立てられます。
福岡の私立で帰国生入試がある高校は?
公式サイトで確認できた例では、西南学院(国語・数学・英語+面接)、東福岡の国際教養コース(英語・数学+英語と日本語の面接)、福岡雙葉(高1への帰国子女編入)などがあります。条件は学校ごとに違い、事前連絡や資格確認が必須の学校もあります。
まとめ
福岡の帰国子女の高校受験は、①県立の特別学力検査(国・数・英+作文+面接・2月・令和8年度は19校) ②推薦の特例(英語科) ③一般学力検査の特例(5教科・時間延長・ふりがな)の3つが公立の入口です。特別学力検査の実施校に市内の進学校は入っておらず、対象の条件は「現地校に3年以上」で日本人学校の期間は数えない読みになります。私立は条件がばらばらなので、学校ごとに要項と事前連絡の有無を確かめてください。そして令和9年度の要項は10月下旬に公表されます。
帰国生の高校受験の全体像は帰国子女の高校受験|帰国枠の仕組み・時期と9年課程のカギ、受け入れ校の探し方は帰国子女 受け入れ 高校|4つの型と探す順番をご覧ください。



