赴任地がパリに決まった、あるいはすでに駐在中というご家庭が最初にぶつかるのが「日本人学校か、現地校・インターナショナルスクールか」という二択です。パリには全日制の日本人学校(日仏文化学院パリ日本人学校)と、週末に国語を学ぶ補習校の両方があり、さらにIB・英国式・仏英バイリンガルなど選択肢の幅が世界でも屈指に広い街。だからこそ判断が難しくなります。結論を先に言えば――3〜5年で帰国して帰国後の受験を見据える家庭は日本人学校が有利、長期・永住や英語環境を最優先するならインター、そして「どちらを選んでも日本語と日本とのつながりだけは切らしたくない」家庭には、第三の選択肢を足す発想が効きます。
相場感を先に共有します。パリ日本人学校は年間およそ6,000ユーロ(約100万円)と、日本の私立に近い水準。一方でインターは学校によって年間7,000〜39,000ユーロと桁が違い、名門IB校になると初年度は入学金込みで軽く400万円を超えます。そして費用の話とは別に、どちらを選んでも必ず残る”宿題”があります。それが、国語の学年相当をどう維持するかと、帰国後の学校復帰・帰国子女受験です。以下で1つずつ整理します。
パリの学校選び 3タイプ比較一覧
| 選択肢 | 言語・カリキュラム | 対象 | 学費目安 | 帰国後 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|---|
| 日仏文化学院パリ日本人学校(日本人学校) | 日本語・日本の学習指導要領 | 小1〜中3 | 年6,000ユーロ+入学金900ユーロ(約100万円) | ◎ そのまま復帰しやすい | 3〜5年で帰国・帰国後の受験重視 |
| 現地校・インター(ISP/英国学校/ジャニーヌ・マニュエル等) | IB/英国式/仏英バイリンガル | 3〜18歳 | 年7,100〜39,000ユーロ(約120万〜650万円) | △ 国語は別途対策要 | 長期・永住/英語・国際性を重視 |
| ともだちじゃぱん | オンライン・日本語会話/国語・友達 | 5〜18歳 | 月額定額 | ◎ 学年相当の国語と日本の友達を維持 | どちらを選んでも”日本語と日本とのつながり”を足したい |
日本人学校という選択肢 ――パリの実情
パリの全日制日本人学校は日仏文化学院パリ日本人学校。フランス唯一の全日制日本人学校で、小学部・中学部(小1〜中3)を設置し、文部科学省が各都道府県から派遣した現役の教員を中心に運営されています。日本の学習指導要領そのままで学べるため、帰国後の学校復帰がスムーズなのが最大の強みです。学費は2026年度(令和8年度)で入学金900ユーロ、授業料が小・中とも年間6,000ユーロ、施設費協力金が月50ユーロ(年600ユーロ)と、インターに比べて費用は抑えめ。校舎はパリ郊外のモンティニュ=ル=ブルトノー市(ヴェルサイユ近郊)にあり、パリ市内からスクールバス(月320ユーロ)で20〜45分ほどかかります。一方でデメリットも正直にお伝えすると、①英語や現地フランス語が伸びにくい、②市内在住だと通学に時間がかかる、③中学部までしかなく高校の進路は別途考える必要がある、という3点です。なお、現地校・インターに通いながら日本語だけ維持したい家庭向けには、水・土に国語を学ぶパリ日本語補習校(在籍約190名)もあります。
現地校・インターという選択肢 ――主な検討先
パリは世界有数のインター激戦区で、駐在家庭がよく検討するのは次の3〜4校です。International School of Paris(ISP)は3〜18歳の完全英語IB校で、年間学費は約25,500〜39,000ユーロ、初年度は入学金10,000ユーロ+出願料1,200ユーロが加算されます(市内16区で立地が良い分、費用も最上位)。The British School of Paris(BSP)は英国式(GCSE・Aレベル)で郊外クロワシー=シュル=セーヌにあり、学費は年20,684〜34,065ユーロ、加えて初年度に登録料1,500ユーロと開発基金8,000ユーロ。École Jeannine Manuel(旧EABJM)は仏英バイリアンガルでIBとフランスバカロレア国際オプション(BFI)を提供し、学費は年7,100〜24,795ユーロと比較的手頃で人気。ほかにサン=ジェルマン=アン=レのリセ・アンテルナショナルには日本語セクション(比較的安価な公立系)もあります。インターの魅力は英語力・国際性・長期滞在への強さですが、共通するデメリットは①学費が高額、②帰国後に国語や日本の教科が空きやすい、③人気校はウェイトリストで入学枠が読めない、という点です。
結局どっち? 迷ったときの3つの判断軸

- ①帰国予定:3〜5年で帰国か、長期・永住か――近年パリ駐在は3〜4年と短めの傾向で、日本人学校の在籍が増えています。短期帰国なら国語の連続性が効く日本人学校(+補完)が有利。長期・永住なら英語環境のインターが向きます。
- ②子の年齢・学年:いま何年生か(5年生の壁)――低学年は言語の切り替えが効きますが、高学年になると国語の抽象語彙(説明文・論説)が一気に難しくなり、ここで日本語を止めると空白が致命傷になりやすい。
- ③帰国後の受験:帰国子女入試・中学受験の国語――帰国受験では国語や作文が問われる学校が多く、日本語の学年相当を切らさない設計が、そのまま合否に直結します。

日本人学校の学費とインターの学費――払ったあとに残る「日本語」
学校選びで最初に比べるのは、やはり学費です。パリ日本人学校(日仏文化学院パリ日本人学校)は授業料が年6,000ユーロ、これに入学金900ユーロ、施設費協力金 月50ユーロ(年600ユーロ)、パリ市内からのスクールバス 月320ユーロが加わります。対してインターナショナルスクールの学費は、International School of Paris(ISP)が年25,500〜39,000ユーロ+入学金10,000ユーロ、The British School of Paris(BSP)が年20,684〜34,065ユーロ+登録料1,500ユーロ・開発基金8,000ユーロ、比較的手頃なÉcole Jeannine Manuelでも年7,100〜24,795ユーロ。日本人学校の3〜6倍という開きです。ここだけ見れば日本人学校が圧倒的に見えます。ただ、金額の差より大きいのは「その学費で何が買えて、何が買えないか」です。年に3万ユーロを超える学費を払っても、英語と国際性は買えても日本語の読み書きは買えません。会話はできるのに漢字が書けない、日本語の本が読めない、考えていることを日本語で説明できない――インター育ちの日本語と呼ばれる状態は、日本語を使う時間が家庭の中だけになったときに起きます。
ここで整理しておきたいのが補習校と日本人学校の違いです。日仏文化学院パリ日本人学校は平日フルタイムで日本の学習指導要領に沿って学ぶ全日制。一方のパリ日本語補習校(在籍約190名)は、現地校・インターに通う子が水曜・土曜に国語を中心に学ぶ「補習」で、名前は似ていても役割はまったく別物です。しかも日本人学校は中学3年まで――その先の高校をどうするかは宿題として残ります。補習校を選んだ場合も「週1〜2日・学年ごとの一斉授業」という設計上、週末がまるごと潰れる/週1では国語の量が足りない/学年に合わず取り残される、という声が根強く残ります。日本人学校の一覧や学費表を見比べる前に、①平日どこに通うか(日本人学校か現地校・インターか)、②日本語をどこで積むか――この二つを別の問いとして分けると、判断は一気に軽くなります。②は学校選びの結果として自動的に決まるものではありませんし、その受け皿が週1回・学年一斉の教室だけとも限りません。とくにパリは日本人学校が郊外(ヴェルサイユ近郊)にあり通学に20〜45分かかること、そして仏英バイリンガル校やリセ・アンテルナショナルの日本語セクションまで選択肢が広いことから、「平日は現地の学校」を選ぶご家庭が多い街です。だからこそ、気づけば国語だけが学年から離れていた、という事態を防ぐ設計が要ります。
どちらを選んでも残る”宿題”――第三の選択肢
日本人学校を選べば英語や現地とのつながりが、インターを選べば日本語の学年相当と帰国後の国語・日本の同世代とのつながりが、それぞれ”宿題”として残ります。その宿題を軽くするのが、2026年12月開校のオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」。日本人学校やインター、補習校の置き換えではなく、併用して足りない部分を補う前提の第三の選択肢です。とくにインターを選んだご家庭の「平日は英語漬けで日本語が家庭内だけ」という悩みや、日本人学校のご家庭の「日本の友達と離れてしまう」という不安に効きます。
時差については正直にお伝えします。パリは日本より7〜8時間遅れ(サマータイムで7時間)。日本の平日夕方クラスは現地の昼にあたり、学校がある時間帯で参加しにくいのが実情です。そこでパリのご家庭にいちばん現実的なのが、日本の夕方×パリの週末午前という黄金枠。土曜・日曜の朝、リビングから落ち着いて日本の友達とつながれます。
- 相手は日本在住の同世代:姉妹校NIJINアカデミー(在籍800名超)の日本の子どもたちと少人数グループで話す。パリの教室では得にくい「日本のリアルな友達」ができる。
- “レッスン”以上の、日本とのつながり:アイデンティティやルーツとのつながりが、帰国後もその先も効く長期価値になる。
- 子ども特化だから安心:月額定額で毎日でも参加OK。学年でなく会話レベルでクラス分けするので「5年生の漢字の壁」で取り残されない。通い放題で「週1では量が足りない」も解決。


よくある質問(パリで学校を選ぶ方から)
パリ日本人学校は中学までしかありません。高校はどうすれば?
日仏文化学院パリ日本人学校は小学部・中学部までのため、高校段階では①日本に本帰国して進学、②現地のインターや現地リセに移る、③日本の通信制高校を海外から利用、といった選択になります。いずれのルートでも国語・日本語を学年相当で維持しておくと、帰国後の高校編入や大学の帰国生入試で選択肢が広がります。
インターに入れると日本語が心配です。どうすれば?
正直なところ、家庭内の会話だけで学年相当の読み書き(漢字・作文・説明文の読解)を維持するのはかなり大変です。週末の補習校に加え、平日の空いた時間に少しずつ日本語に触れる仕組みを足すのが現実的。ともだちじゃぱんは通い放題なので、インター生の「日本語のアウトプット量が足りない」を無理なく埋める補完手段として併用いただけます。
帰国後の中学・高校受験で国語は必要ですか?
多くの帰国子女入試・中学受験で国語や作文が課されます。とくに高学年で日本語を止めると、抽象語彙や論説文の読解で差が開きやすいのが実情。会話レベルでクラス分けし、毎日でも日本語に触れられる環境を作っておくと、帰国のタイミングが読みにくいパリ駐在でも国語の空白を最小化できます。
パリからだと時差は問題になりませんか?
パリは日本より7〜8時間遅れです。日本の平日夕方クラスは現地の昼にあたり参加しづらいため、いちばんの狙い目はパリの週末午前×日本の夕方。土日の朝にリビングから参加すれば、学校や習い事とも両立しやすく、日本の友達との時間を無理なく続けられます。
パリで検討するときは、同じ欧州のほかの都市に何があるのかも一緒に見ておくと判断がぶれません。所在と規模、学費、そして中学から先の進路について、各校の公表内容を横断して調べた記事があります=海外の日本人学校の一覧、日本人学校の学費、日本人学校と高校、日本人学校の給食。夏の一時帰国をいつ取るかは、結局その学校の校暦次第です。実際の日程を10校分そろえた日本人学校の夏休みもあわせてどうぞ。
<インターナショナルスクールそのものを詳しく
- インターナショナルスクールの学費――都市をまたいだ相場と、入学金・スクールバス・寄付金まで含めた総額の見方。
- インターに通う子の日本語――英語で学びながら日本語を学年相当に保つには、家庭で何が必要になるのか。
パリでどちらを選んでも、日本の友達はそばに。
ともだちじゃぱんは2026年12月に開校します。事前登録いただくと、開校情報と体験会のご案内を、いちばんにお届けします。

