赴任地が深セン(深圳)に決まった、あるいは駐在中のご家庭が最初にぶつかる二択が「日本人学校か、現地校・インターナショナルスクールか」です。深センは日本人学校が南山区・蛇口(ショウコウ)に1校あり、周辺にはIB・米国式のインターが集まる一方で、中国では「外国籍の子どもしか入れないインターが多い」という土地柄の事情もあります。判断軸は、帰国予定の年数・お子さんの学年・帰国後の受験で変わります。結論を先に言うと――3〜5年で帰国し帰国後の受験を重視するなら日本人学校が堅実、長期・永住や英語環境を最優先するならインター、そして「どちらを選んでも日本語と日本とのつながりは自分で足す」という前提で考えると迷いが減ります。
相場感を先に共有します。深センの日本人学校は年間およそ4万元台(目安)、インターは年間25万〜33万元と、学費の桁がまるで違います。そしてどちらを選んでも残るのが、”国語の学年相当をどう保つか”と”帰国後の学校復帰・受験(特に国語・作文)”という宿題です。本記事では各校の実情を公平に整理し、最後に第三の選択肢もご紹介します。
深センの学校選び 3タイプ比較一覧
| 選択肢 | 言語・カリキュラム | 対象 | 学費目安 | 帰国後 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|---|
| 深圳日本人学校(日本人学校・全日制) | 日本語・日本の学習指導要領 | 小1〜中3 | 年 約42,000元(目安・月3,500元/入学金7,000元) | ◎ そのまま復帰しやすい | 3〜5年で帰国・帰国後の受験重視 |
| 現地校・インター(SIS/QSI/BASIS 等) | 英語・IB/米国式・AP | 幼〜G12(校による) | 年 約23万〜33万元 | △ 国語は別途対策要 | 長期・永住/英語環境を重視 |
| ともだちじゃぱん | オンライン・日本語会話/国語・友達 | 5〜18歳 | 月21,483円(約1,000元/US$140) | ◎ 学年相当の国語と日本の友達を維持 | どちらを選んでも”日本語と日本とのつながり”を足したい |
日本人学校という選択肢 ――深センの実情
深センには全日制の深圳日本人学校があります。2008年開校、中国教育部の認可を受けた外国籍子女向けの非営利校で、南山区の蛇口地区(工業八路295号 新晨大厦)に立地します。対象は小学部1年〜中学部3年、生徒数は概ね220〜270名台の中規模校です。授業料は年間およそ42,000元(月3,500元)、入学金7,000元、教材費 小学部700元/中学部900元が目安(金額は年度で変動するため最新は学校へ要問い合わせ)。入学できるのは原則として日本国籍のお子さんに限られます。
メリットは、日本の学習指導要領に沿った授業をそのまま受けられること。国語・算数(数学)・理科・社会を学年相当で積み上げられるので、帰国後の学校復帰でつまずきにくいのが最大の強みです。日本語での学校生活、給食や運動会・行事といった日本らしい体験も得られます。一方でデメリットは、英語や中国語が伸びにくいこと、送迎・スクールバスなど立地の制約、そして高等部が無く中学部までしかない点です。高校のタイミングで帰国するか、深セン現地のインターへ切り替えるかを、早めに家族で決めておく必要があります。
現地校・インターという選択肢 ――主な検討先
深セン(特に南山区)には駐在家庭が実際に検討するインターが揃っています。代表例は、蛇口のIB校Shekou International School(SIS)(IBディプロマ、学費は概ね年29万〜33万元=US$40,500〜46,000)、米国式+AP+IB DPのQSI International School of Shenzhen(5〜10歳 約234,000元、11〜13歳 約248,400元、14〜17歳 約255,600元)、そしてPreK〜G12まで独自の探究型カリキュラムを持つBASIS International School Shenzhen(初年度は一時費込みで約266,160元〜)などです。
メリットは、英語での高い学力・国際性が身につくこと、長期・永住や海外大学進学に強いこと。デメリットは、学費が年25万〜33万元と高額なこと、帰国後に国語や日本の教科(社会・理科の用語など)が空きやすいこと、そして人気校は入学枠・ウェイトリストの壁があることです。中国特有の注意点として、多くのインターは外国籍(および香港・マカオ・台湾のパスポート保有者)のみ入学可で、中国国籍のお子さんは公立校か一部の民弁校が中心になります。駐在家庭は基本的に外国籍枠で検討することになりますが、日本語のフォローが受けられる学校はごく限られる点も押さえておきましょう。
結局どっち? 迷ったときの3つの判断軸

- ①帰国予定:3〜5年で帰国か、長期・永住か 短期で帰国するなら、国語の連続性が保てる日本人学校(+補完)が有利。長期・永住なら英語環境のインターが将来につながります。深センは駐在サイクルが数年単位のご家庭が多く、日本人学校を選びつつ英語や現地とのつながりを別に足す形が現実的です。
- ②子の年齢・学年:いま何年生か(5年生の壁) 低学年は言語の切替が効きやすい一方、高学年になると国語の抽象語彙が急に難しくなり、いったん空くと戻すのに時間がかかります。高学年でインターに入れる場合ほど、日本語の学年相当を切らさない設計が要ります。
- ③帰国後の受験:帰国子女入試・中学受験の国語 帰国受験では国語や作文が問われる学校が多く、日本語の読み書きを学年相当で維持できているかが合否を分けます。受験を見据える家庭ほど、日本語の”量”を確保する仕組みが必要です。

どちらを選んでも残る”宿題”――第三の選択肢
日本人学校を選べば英語や現地とのつながりが、インターを選べば日本語の学年相当と帰国後の国語・日本の同世代とのつながりが、”宿題”として残ります。その宿題を軽くするのが、2026年12月開校のオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」です。日本人学校やインターを”置き換える”のではなく、あくまで併用して足りない部分を補うのが前提。「日本人学校(またはインター)を選ぶな」という話ではありません。
時差の面でも深センは好条件です。日本との時差はわずか-1時間。日本の平日夕方のクラスが、深センでは放課後そのままの時間帯にあたります。学校やインターから帰宅して、リビングからそのまま参加できる――塾のように送迎で土曜がつぶれることもありません。中国のネット環境については、ご家庭の通信環境に合わせた接続方法をご案内します。
- 相手は日本在住の同世代:姉妹校NIJINアカデミー(在籍800名超)の日本の子どもたちと少人数グループで話します。深センの教室では得にくい「日本のリアルな友達」ができます。
- “レッスン”以上の、日本とのつながり:アイデンティティやルーツとのつながりが、帰国後もその先も効く長期価値になります。
- 子ども特化だから安心:月21,483円(約1,000元/US$140)で毎日でも参加OK。学年でなく会話レベルでクラス分けするので「5年生の漢字の壁」で取り残されません。通い放題なので「週1では量が足りない」も解決します。


よくある質問(深センで学校を選ぶ方から)
深圳日本人学校は中学部までしかありません。高校はどうすれば?
深圳日本人学校には高等部がないため、中学卒業のタイミングで進路を選ぶ必要があります。主な選択肢は、①日本へ帰国して高校に進む、②深セン現地のインター(SIS・QSI・BASIS など)の高校課程に切り替える、の2つです。②を選ぶ場合は英語での学習に早めに備えておくと安心です。いずれの進路でも、日本語の読み書きを学年相当で保っておくと、帰国受験でも海外進学でも選択肢が広がります。
インターに入れると日本語が心配です。どうすれば?
正直に言うと、インター+家庭内の日本語だけでは、学年が上がるほど読み書きの”量”が不足しがちです。会話はできても、作文や漢字、教科の用語で差が開いていきます。ご家庭での読書や日本語の会話に加えて、学年相当の国語を継続できる補完手段を持つのが安全です。ともだちじゃぱんは会話レベル別クラス+通い放題なので、インターに通いながら日本語の土台を保つのに向いています。
帰国後の中学受験・高校受験で国語が不安です
帰国子女入試でも一般入試でも、国語(読解・記述・作文)は配点が大きく、海外滞在中に最も空きやすい科目です。深センでインターに通うご家庭ほど、日本語の学年相当を切らさない設計が効いてきます。日本人学校の場合も、受験校の出題傾向に合わせた記述・作文の演習を補うと安心です。早い段階から”日本語で考えて書く”量を確保しておきましょう。
深センからだと時差は問題になりませんか?
問題ありません。深センと日本の時差は-1時間だけなので、日本の平日夕方のクラスは深センでは放課後の時間帯にそのまま重なります。学校・インターから帰ってきて、夕食前後にリビングから参加できるイメージです。週末に予定を圧迫することもありません。

