「海外に出ることになったけれど、子どもの教育はどうするのがいいのだろう」――そんなとき、多くの家庭が「海外 子供 教育」「海外 駐在 子供 教育」「海外 移住 子供 教育」「海外 赴任 子供 通信教育」と検索します。ところが出てくるのは学校の宣伝か個人の体験談ばかりで、「選択肢は全部で何があるのか」「日本の勉強はどこで足すのか」「駐在と移住で判断が変わるのはどこか」という地図が一枚にまとまっていません。この記事では、公表されている数字と制度で確認できることだけを使って、海外で子どもを育てるときの教育の選択肢を、通う先と「日本語を足す手段」の2階建てで整理します。
1階=通う先。海外の子どもの学校は4種類しかない
まず全体像です。海外で子どもが平日に通う先は、実質的に次の4つに整理できます。
- 日本人学校(全日制):日本の学習指導要領に沿った教育を行う学校で、令和8年4月1日時点で47ヶ国1地域に90校・在籍約1万6千人(在籍数は令和6年4月15日現在)が在籍しています(文部科学大臣の認定)。派遣される教員は国費で送られ、運営は現地の日本人会などが担うのが基本形です。高等部があるのは上海の1校のみで、高校段階は選択肢が限られます。
- 現地校:その国の公立・私立学校。授業料が抑えられ、地域に根を張れるのが強みです。言語は現地語になります。
- インターナショナルスクール:英語などで学ぶ学校。学費は都市によって大きく異なります。日本語は「外国語」または課外の扱いになるのが一般的です。
- 補習授業校(週末などに通う):平日は現地校・インターに通いながら、土曜などに日本語で国語を中心に学ぶ場。2026年8月時点で51カ国1地域に246校・在籍約2万1千人。外務大臣の「指定」による施設で(令和4年外務省告示第303号第1条)、文部科学省の「認定」ではありません。土曜だけとは限らず、日曜開講や平日夕方の校もあります。
都市ごとに「そこにあるか」で選択肢が決まってしまうのが実情です。日本人学校の所在は日本人学校の一覧(国別・高等部の有無)、学費の水準は日本人学校の学費、補習校の仕組みは日本語補習校とはにまとめています。日本人学校と補習校の違いが曖昧なら日本人学校と補習校の違いから読むのが早いです。

数字で見ると――約半数はどちらの在外教育施設にも通っていない
ここで、教育の設計に一番効く数字を挙げます。文部科学省の資料で確認できる在外学齢児童生徒数は82,571人(平成29年の数値。以降は公表されていません)。それに対し、在外教育施設(日本人学校・補習授業校)の在籍は41,217人。つまりおよそ半数は、日本人学校にも補習校にも通っていないことになります。文部科学省の「在外教育施設未来戦略2030」も「いずれの在外教育施設にも通わない子供が増加してきたと考えられる」と述べています。
この数字の意味は、はっきりしています。海外の子どもの教育は「学校をひとつ選んで終わり」ではなく、通う先+足りない部分を足す設計になっているのが多数派だということ。だから2階の話――日本語(国語)をどこで足すか――が本題になります。
2階=日本語を足す手段。通信教育の「今」は思っているものと違う
日本語・国語を足す手段は、補習授業校/通信・タブレット教材/オンライン家庭教師・オンライン塾/オンラインの少人数スクール、の4つです。ここで多くの家庭が最初に検討する通信教育の実情を、公表情報で押さえておきます。ここは思い込みで進むと空振りしやすい部分です。
- 公益財団法人 海外子女教育振興財団(JOES)の通信教育:長く海外子女の学習を支えてきましたが、国語・算数コースは2023年度で終了しました。現在は理科・社会コース(年額19,680円)と絵本配本が中心です。つまり国の補助が入った海外子女向けの「国語」の通信教育は、いま存在しません。
- 進研ゼミ:デジタル・オンラインの教材は国内居住者向けで、海外受講は紙教材が中心。高校講座の海外受講はありません。
- Z会:専用タブレットは海外では使えません。海外受講には海外サポート料金(月4,800円)がかかり、関税・送料は自己負担です。
- 教科書:日本の教科書は、在外教育施設に在籍していない子にも在外公館を通じて無償給与される仕組みがあります(送料は自己負担、永住予定の場合は原則対象外)。教材がなくても「教科書だけは手に入る」のは押さえておくべき事実です。
整理すると、タブレット教材ほど海外に弱いという逆転が起きています。国内で主流の学び方が、そのまま持ち出せない。だから海外では、オンラインで人が教える形(家庭教師・塾・スクール)の比重が上がります。各タイプの比較は海外から使えるオンライン塾の選び方に詳しく書いています。

駐在と移住で、判断軸が変わるのはどこか
「海外 子供 教育」と検索する家庭には、数年で帰る駐在と、長く住む移住・永住の両方がいます。ここは分けて考える必要があります。
駐在(帰国前提)の場合、判断軸は「帰国の日に年齢どおりの教室に座れるか」です。文部科学省の考え方では、帰国した子どもは原則として年齢相当の学年に編入します(日本語能力等により一時的に下学年に入ることも可能ですが、指導要録上は学齢相当学年に編入したものとしておく必要があるとされています)。学年は待ってくれません。実際、学校基本調査では令和6年度間の帰国児童生徒は10,988人(小6,398・中2,622・高1,774)。毎年これだけの子が日本の教室に戻っています。だから駐在家庭では、日本の国語を細くしても止めないという設計になります。
移住・永住寄りの場合、判断軸は受験ではなく継承語(家庭の言語)としての日本語をどこまで育てるかです。ここで注意したいのが「会話ができているから大丈夫」という見え方。文部科学省の手引き(第4章 進路指導)には、「多くの保護者は…両方の言語力が十分育っている、と認識しがちである。しかし、そのような子供には、どちらの言語においても、学力を形成していく言語レベルにまでは達していない場合がよく見られる」という記述があります(この記述の主語は来日した外国人児童生徒であり、海外の日本人家庭を指したものではありません)。会話と、読んで書いて考える力は別物だという指摘です。文科省DLA(平成26年1月)も、会話の流暢さは1〜2年、教科学習に必要な言語能力が学年相当に達するには5年以上としています(ただしこれはカミンズ(2006)の講演資料の紹介で、令和7年(2025年)に公表された改訂版では年数の記述が削除されています)。
なお、教科書無償給与は永住予定の場合は原則対象外です。移住寄りの家庭は、教材の入手経路が駐在家庭と違ってくる点にも注意してください。インターに通う子の日本語についてはインターナショナルスクールと日本語で扱っています。

日本語を足す4つの手段を、正直に比べる
どれが上ということはありません。担う役割が違います。通える距離に補習校があるならそれは強い選択肢ですし、直前期の弱点補強なら1対1が効きます。ただし時間の量で見ると、事情が見えてきます。日本の小学校の国語の標準授業時数は6年間で1,461時間(学校教育法施行規則別表第一)。一方、補習授業校は週1回・年間100時間前後が一般的で、6年間で合計600時間前後。この差が、海外で日本語が薄くなる構造そのものです。
| 補習授業校 | 通信・タブレット教材 | オンライン家庭教師・塾 | ともだちじゃぱん | |
|---|---|---|---|---|
| 学べる中身 | 国語中心(校により算数等) | 教材の範囲 | 依頼内容しだい/受験対策も | 学年相当の国語 |
| 時間の量 | 週1回・年間100時間前後が一般的 | 家庭の実行力しだい | 回数を積むほど増える | 通い放題(月100コマ) |
| 同世代の友達 | できる(現地の日本人の子) | なし | 基本できない | 日本に住む同世代と毎日 |
| 海外での制限 | その都市にあるかどうか | タブレット不可・送料・追加料金の例あり | とくになし | とくになし |
| 向いている目的 | 低学年の土台・現地の居場所 | 日本語の維持 | 弱点対策・受験 | 学年相当の土台と継続 |
| 費用のめやす | 各校で要確認(非公開の校も) | 月額+海外費用(例:海外サポート月4,800円) | 回数×単価 | 通い放題 月額定額 |
ともだちじゃぱんが担うのは「学年相当の国語」と「日本の友達」
正直に申し上げると、ともだちじゃぱんは受験専門塾でもなく、平日の学校の代わりでもありません。担うのは学年相当の国語という土台と、日本に住む同世代とのつながりです。授業は8人の少人数クラスで、担当は採用合格率およそ2%の選抜を通った、今の日本の教室を知る現役水準の教員。母体は国内最大級のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」(在籍900名超)を運営する株式会社NIJINです。
大きいのは、クラスに日本に住む同世代の子がいることです。教材や1対1だけだと「勉強だから」続けるしかありませんが、友達がいると「話したいから」続く。日本語は使う場があるほど伸びるので、これは学習効率の話でもあります。時間帯は日本時間の夜=アジアなら夕方、欧州・米州なら時差に合わせた枠で、現地校・インターの放課後に収まります。料金は通い放題で月額定額。補習校との併用も、補習校がない都市での主軸としても使えます。

いまの学年とのギャップを知りたい方へ。1分でできる学年相当・国語力チェック(無料)で、お子さんの「学年の穴」の目安がわかります。海外での国語・日本語の続け方は海外駐在×子どもの国語・日本語 完全ガイドにまとめています。
よくある質問
海外に行くとき、子どもの学校の選択肢は何がありますか?
平日に通う先は、日本人学校(全日制)・現地校・インターナショナルスクール・(平日は現地校などに通いながらの)補習授業校の組み合わせで整理できます。日本人学校は令和8年4月1日時点で47ヶ国1地域に90校(在籍約1万6千人は令和6年4月15日現在)、補習授業校は2026年8月時点で51カ国1地域に246校・約2万1千人です。ただし都市によって「そこにあるかどうか」で選択肢が決まってしまうため、まず赴任地名で所在を確認するのが出発点になります。
海外から日本の通信教育は使えますか?
使えますが、制限があります。進研ゼミはデジタル・オンライン教材が国内居住者向けで、海外受講は紙教材が中心です。Z会は専用タブレットが海外では使えず、海外サポート料金(月4,800円)と関税・送料が別にかかります。さらに海外子女教育振興財団(JOES)の通信教育は国語・算数コースが2023年度で終了し、現在は理科・社会コース(年額19,680円)と絵本配本が中心です。国内で主流のタブレット教材ほど海外に弱い、という逆転が起きています。
日本の教科書は海外で手に入りますか?
手に入ります。在外教育施設に在籍していない子どもにも、在外公館を通じて教科書が無償給与される仕組みがあります。ただし送料は自己負担で、永住予定の場合は原則として対象外です。現地校やインターに通う場合でも教科書は入手できるため、「教材が何もない」状態にはなりません。受け取り方は赴任前に確認しておくと安心です。
駐在と移住で、教育の考え方はどう変わりますか?
駐在(帰国前提)は「帰国の日に年齢どおりの教室に座れるか」が判断軸になります。文部科学省の考え方では帰国後は原則として年齢相当の学年に編入するため、学年は待ってくれません。移住・永住寄りの場合は、受験ではなく継承語としての日本語をどこまで育てるかが軸になります。なお教科書の無償給与は永住予定だと原則対象外になるなど、制度面の扱いも変わります。
補習校に通っていれば、日本の国語は足りますか?
足りるとは言いにくいのが実情です。日本の小学校の国語の標準授業時数は6年間で1,461時間(学校教育法施行規則別表第一)に対し、補習授業校は週1回・年間100時間前後が一般的で、6年間で合計600時間前後にとどまります。補習校が悪いのではなく、週1回で1,461時間を代替する設計になっていないということです。だからこそ「補習校+もう一枚」で足す家庭が増えています。
海外で育つ子の日本語に、もう一枚を足す。
ともだちじゃぱんは2026年12月に開校(パイロット)予定です。開校情報をメールでゲットいただくと、体験会のご案内をいちばんにお届けします。

