「一条校 一覧」で検索すると、たいてい行き止まりになります。文部科学省は「一条校の一覧」という名前の名簿を公表していないからです。存在しないものを探しているので、どれだけ検索しても出てこないのは当然でした。
では、一条校について公的に確認できるものは何もないのか。そんなことはありません。実際には「種別ごとの学校数」と「学校名ごとに一条校か非一条校かを明示したリスト」の2つが公開されています。この記事では、2026年8月3日時点で確認できるその2つを、数字と出典つきでそのまま並べます。あなたが探している「一覧」は、たぶんこのどちらかです。一条校という区分そのものの意味は一条校とは|インターとの違いと3つの分かれ道で整理しています。

一条校の「一覧」は9種別のこと――学校教育法第1条
まず押さえるべきは、一条校とは個別の学校名のリストではなく、学校の種類のリストだということです。学校教育法第1条はこう定めています。
この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。
学校教育法 第1条
この9種類が一条校です。つまり「一条校の一覧」を求められて国が出せるのは、この9種別か、あるいはその9種別に当てはまる全国数万校の学校の名簿ということになります。後者は各都道府県が私立学校名簿や学校一覧という形で個別に出しており、全国を1本にまとめた名簿は存在しません。「一条校一覧」がどこにもないのは、そういう構造だからです。

9種別ごとの学校数――令和7年度学校基本統計(確定値)
では、その9種別は日本にいくつあるのか。文部科学省の学校基本調査が毎年出しています。以下は令和7年度学校基本統計の確定値(調査期日=令和7年5月1日現在、公表=令和7年12月26日)です。かっこ内は前年度からの増減です。
| 学校の種類 | 学校数 | 前年度比 |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 8,225校 | -305 |
| 小学校 | 18,607校 | -215 |
| 中学校 | 9,827校 | -55 |
| 義務教育学校 | 261校 | +23 |
| 高等学校 | 4,761校 | -13 |
| 中等教育学校 | 58校 | -1 |
| 特別支援学校 | 1,195校 | +4 |
| 大学/高等専門学校 | 高等教育機関として別集計 | |
この表で目を引くのは、ほとんどの種別が減っているなかで、義務教育学校だけが1年で23校増えていることです。義務教育学校は小中一貫の9年課程を1つの学校として設置する種類で、まだ261校しかありません。逆に中等教育学校(中高一貫の6年課程)は全国に58校しかなく、9種別のなかで最も数が少ない学校種です。
私立はごくわずか――小学校18,607校のうち250校
同じ統計の設置者別の内訳を見ると、印象が変わります。
- 小学校 18,607校=国立66校/公立18,291校/私立250校
- 中学校 9,827校=国立67校/公立8,982校/私立778校
小学校段階の私立は全体の1.3%しかありません。国際教育や英語イマージョンを掲げる一条校の小学校を探すと候補が驚くほど少ないのは、そもそも母数がこれだけだからです。「一条校で、かつ国際的なカリキュラム」という条件は、この250校のさらに一部を探す作業になります。

一条校かどうかが学校名ごとに分かる、唯一の公的リスト
「種別ではなく学校名で一条校かどうかを知りたい」――これが本当に探しているものだ、というかたも多いはずです。その用途に使える公的リストが1つだけあります。文部科学省のIB教育推進コンソーシアムが公開している「IB認定校・候補校」の一覧です。ここでは全国の国際バカロレア認定校が、一条校の表と非一条校の表に分けて、学校名つきで掲載されています。
令和8年3月31日時点の内訳は次のとおりです(2026年8月3日確認)。
| 区分 | 校数 | PYP | MYP | DP | CP |
|---|---|---|---|---|---|
| 一条校 | 94校 | 24校 | 26校 | 50校 | 1校 |
| 非一条校 | 72校 | 66校 | 21校 | 29校 | 0校 |
| 国外(帝京ロンドン学園高等部) | 1校 | 0校 | 0校 | 1校 | 0校 |
この表の読み方で大事なのはPYP(3〜12歳)とDPの偏りです。小さい年齢を扱うPYPは非一条校が66校で一条校24校の約2.8倍。ところが高校段階のDPになると一条校50校に対し非一条校29校と逆転します。つまり幼児・小学校段階ほど非一条校(インターナショナルスクールや認可外の施設)が担っていて、高校段階ほど日本の学校が担っているという構造が数字に出ています。
なお、コンソーシアムはこのリストについて「どの種別に該当するかは、当該認定校にお問合せください」と付記しています。掲載区分はあくまで参考で、最終確認は各校に行うのが前提です。また当然ながら、このリストに載るのは国際バカロレアを導入している学校だけです。IBを導入していない一条校は日本に何万校もありますし、IBを導入していないインターナショナルスクールもあります。
一条校の一覧に「入っていない」学校の数
一覧を探すときに見落とされがちなのが、すぐ隣にある一条校ではない学校の存在です。同じ学校基本統計から拾うと次のようになります。
- 各種学校 974校(前年度比 -24)――外国人学校の多くがここに含まれます。学校教育法第134条にもとづく都道府県知事の認可です
- 専修学校 2,975校(-22)――うち高等課程を置く学校は370校
- 幼保連携型認定こども園 7,673校(+352)――これは一条校ではありません。認定こども園法にもとづく施設で、学校教育法第1条には登場しません
3つ目は特に間違えやすいところです。幼保連携型認定こども園は1年で352校も増えていて、いまや幼稚園8,225校に迫る規模ですが、学校教育法第1条の9種別には入っていません。学校基本調査でも幼稚園とは別の行に集計されています。一条校と各種学校で具体的に何が変わるのかは、別記事で5点に絞って整理する予定です。

一覧を見つけたあと、実際に確認すべき2つのこと
①義務教育段階かどうかで重さがまるで違う
文部科学省は「保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません」と明示しています。さらに「一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります」ともしています。小学校・中学校の段階では、一条校かどうかが進路の選択肢そのものに直結します。ただし罰則や督促の扱いについては記載がなく、実際の取り扱いは市区町村の教育委員会が判断する部分があるため、必ず居住地の教育委員会に直接確認してください。高校段階は事情が異なり、国際的な評価団体(WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBIS)の認定を受けた12年課程の修了などによる大学入学資格の道が制度として用意されています。
②一条校でない学校を選ぶなら、学年相当の国語を別に確保する
一条校でない学校には、日本の学習指導要領にもとづく国語の授業がありません。日本語の授業があっても外国語としての日本語や会話中心であることが多く、会話が成立していると不足に気づきにくいのが厄介なところです。文部科学省は「日本語指導が必要な児童生徒」を、日常会話ができても学年相当の学習言語能力が不足している子を含む概念として定義しています。詳しくはインターナショナルスクールで日本語が遅れる・話せない?原因と家庭でできる対策をご覧ください。
ともだちじゃぱんは一条校ではありません
先に正直に書きます。ともだちじゃぱんは学校教育法第1条に規定する学校(一条校)ではありません。当校に通うことで就学義務が履行されるわけではなく、日本の小中学校の卒業資格が出るわけでもありません。
当校が引き受けているのは②の部分――学年相当の国語をどこで確保するかです。授業を担当するのは日本の教員採用を経た現役水準の教員で、日本最大級の教員コミュニティ「授業てらす」の研修を受けています。8人の少人数クラスで、日本の教科としての国語を積み上げます。料金は月額定額(通い放題)、月100コマから3つの時間帯を選べます。
よくある質問
一条校の一覧はどこで見られますか?
全国の一条校を1本にまとめた名簿は公表されていません。一条校は学校教育法第1条に列挙された9種別(幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・大学・高等専門学校)を指す区分であり、該当校は全国で数万校にのぼるためです。個別の学校名は各都道府県が出す学校一覧や私立学校名簿で確認します。学校名ごとに一条校かどうかが明示された公的リストとしては、文部科学省IB教育推進コンソーシアムの「IB認定校・候補校」一覧が唯一に近い例です。
一条校は全国に何校ありますか?
令和7年度学校基本統計の確定値(令和7年5月1日現在)では、幼稚園8,225校、小学校18,607校、中学校9,827校、義務教育学校261校、高等学校4,761校、中等教育学校58校、特別支援学校1,195校です。大学と高等専門学校は高等教育機関として別に集計されています。前年度と比べると義務教育学校(+23)と特別支援学校(+4)が増え、その他は減少しています。
一条校のインターナショナルスクールの一覧はありますか?
そのものずばりの一覧はありませんが、文部科学省IB教育推進コンソーシアムの「IB認定校・候補校」一覧が最も近いものです。令和8年3月31日時点で一条校94校、非一条校72校、国外1校が学校名つきで掲載されています。一条校94校のプログラム別内訳はPYP24校・MYP26校・DP50校・CP1校です。ただし対象は国際バカロレアを導入している学校に限られます。
幼保連携型認定こども園は一条校ですか?
一条校ではありません。学校教育法第1条に列挙されているのは幼稚園であって、幼保連携型認定こども園は認定こども園法にもとづく施設です。学校基本調査でも幼稚園とは別に集計されており、令和7年5月1日現在で7,673校(前年度比+352)と急増しています。同年の幼稚園は8,225校(-305)で、規模が近づいています。
各種学校は何校ありますか?
令和7年5月1日現在で974校(前年度比-24)です。外国人学校の多くがこの各種学校(学校教育法第134条にもとづく都道府県知事の認可)に含まれます。あわせて専修学校は2,975校(-22)で、うち高等課程を置く学校は370校です。いずれも一条校ではありません。
私立の小学校は何校ありますか?
令和7年5月1日現在で250校です。小学校全体18,607校のうち国立が66校、公立が18,291校で、私立は全体の約1.3%にとどまります。中学校では全体9,827校のうち国立67校・公立8,982校・私立778校です。一条校で国際的なカリキュラムを求める場合、小学校段階は特に候補が少なくなります。

