韓国赴任が決まって「韓国の日本人学校の学費」を調べると、多くのサイトが「授業料は月39万ウォン」と書いています。この数字は正しいのですが、実際に毎月引き落とされる額ではありません。ソウル日本人学校の月額は、授業料390,000ウォンに校舎改築積立金50,000ウォンと冷暖房費30,000ウォンが加わって月470,000ウォン(約5万2千円)。さらにスクールバスを使うと月283,500ウォンが乗り、授業料の7割以上に相当するバス代が家計に効いてきます。この記事ではソウル日本人学校が公表している令和8年度(2026年度)の金額をそのまま並べ、幼稚部のほうが小中学部より高いという韓国特有の構造、日本国籍がないと原則入れないという入学資格、そして時差ゼロという韓国だけの利点まで整理します。
ソウル日本人学校の諸費用【令和8年度(2026年度)の公表額】
韓国にある全日制の日本人学校はソウル日本人学校と釜山日本人学校の2校です。ソウル日本人学校はソウルジャパンクラブ(SJC)が設立・運営する私立学校で、幼稚部・小学部・中学部を持っています。以下は同校の「令和8年度(2026年度)入園入学案内」の記載どおりの金額で、円換算は1,000ウォン=110円で計算した目安です。
| 項目 | 幼稚部 年少 | 幼稚部 年中・年長 | 小学部・中学部 |
|---|---|---|---|
| 入園・入学金(一時金) | 650,000ウォン | 650,000ウォン | 650,000ウォン (約7万2千円) |
| 授業料(月額) | 550,000ウォン | 510,000ウォン | 390,000ウォン |
| 校舎改築積立金(月額) | 50,000ウォン | 50,000ウォン | 50,000ウォン |
| 冷暖房費(月額) | 30,000ウォン | 30,000ウォン | 30,000ウォン |
| 毎月の合計 | 630,000ウォン | 590,000ウォン | 470,000ウォン (約5万2千円) |
| 入園・入学時納入金(合計) | 1,280,000ウォン | 1,240,000ウォン | 1,120,000ウォン |
| 通学バス代(月額) | 283,500ウォン(令和8年度・5月のバス総会で決定) | ||
| PTA会費(年額) | 30,000ウォン | ||

韓国では幼稚部のほうが高い――他国と逆の構造
ソウル日本人学校の月額授業料は、幼稚部年少550,000ウォン>年中・年長510,000ウォン>小学部・中学部390,000ウォンという並びです。学年が上がるほど高くなる学校が多いなかで、韓国は逆。年少と小中学部では月160,000ウォン、年間で約192万ウォン(約21万円)の差になります。
理由は幼稚部の手厚さです。年少30名程度、年中40名程度、年長50名程度という学年定員が案内に明記されており、申込者が定員を超える場合は抽選になります。抽選ではSJC正会員の子女、そして入園時に小学部3年生以下の兄弟姉妹が在籍している家庭が優先されると書かれています。下のお子さんの預け先まで含めて考えている家庭は、学費より先に「入れるかどうか」を確認してください。上の子を先に入れておくと下の子の抽選が有利になる、という運用がはっきり公表されている点は、他国の日本人学校ではあまり見られません。
見落とされがちなスクールバス代――月283,500ウォンは授業料の7割超
ソウル日本人学校の通学バス代は月283,500ウォン(約3万1千円)。小中学部の授業料390,000ウォンの7割以上にあたります。バスを使う家庭の実質的な月額は、470,000+283,500=753,500ウォン(約8万3千円)。年間では約904万ウォン(約100万円)です。
この金額は毎年5月のバス総会で決まると案内に書かれています。燃料代・人件費の上昇と利用者数によって変動するため、前年度の数字がそのまま来年度に使えるとは限りません。ソウルは地下鉄が発達していますが、小学校低学年を一人で通学させるのは現実的ではない家庭が多いはずです。会社に子女教育手当を申請するときは、授業料だけでなくバス代を必ず内訳に入れてください。ここを落として見積もると、年間で30万円以上ずれます。
日本国籍がないと原則入れない――韓国だけの厳しい入学資格
ソウル日本人学校の入学資格は、他国の日本人学校と比べてもかなり厳格です。案内には「日本国籍を有すること」「日本人である保護者が韓国に駐在していること」「保護者はSJCの正会員・賛助会員として入会すること」が条件として並びます。ここでいう駐在とは日本企業等(日系企業を含む)の赴任・駐在を指し、それ以外の場合は審査対象で、保護者が帰国を予定していることを客観的に示す証明書等が必要と明記されています。
さらに韓国特有の事情として、韓国国籍の子どもは大韓民国の国内法により、3年以上海外に居住していなければソウル日本人学校を含む外国人学校に入学できません(2010年3月1日から)。日韓の国際結婚家庭で、お子さんが韓国籍を持っている場合は、この規定が壁になります。
もうひとつ、ソウル日本人学校には特別支援学級がありません。案内には「入級相当の子女については、原則として入園入学を認めていない」「特別な配慮を要する子女については必ず事前に相談を」と書かれています。配慮が必要なお子さんがいる家庭は、赴任の可否を決める前に学校へ相談してください。着任してから相談すると、選択肢がなくなります。

インターは年2,000万〜3,000万ウォン=日本人学校の4〜5倍
ソウルの国際学校の授業料は、年20,840,000〜29,580,000ウォンのレンジに多くの学校が収まり、中央値はおよそ25,135,000ウォンです。ソウル外国人学校(SFS)やソウル・インターナショナル・スクール(SIS)といった上位校は、入学時の一時金を含めた初年度で3,700万〜4,600万ウォンという水準になります。

ソウル日本人学校の年額は470,000ウォン×12か月=5,640,000ウォン(約62万円)。インターの中央値と比べると約4.5倍の差です。会社の教育手当がインターの実額まで出るかどうかで、選択肢は事実上決まります。
そして韓国でも日本人学校は中学3年生までです。高校をどうするかは、インターへ移る、韓国の現地校に進む、帰国して日本の高校に進む、日本の高校の寮に入る――のいずれかを、中学のうちに決めることになります。なお中学3年生については、受験指導と手続きを適切に行うため原則として5月1日以降の編入学は認めないと案内に明記されています。中3で赴任が決まった家庭は、この日付を必ず確認してください。
学費を払ったあとに残る「日本語」――そして韓国だけの利点
ソウル日本人学校を選べば、授業はすべて日本語で教科書も日本と同じです。国語の心配はほとんどありません。そのかわり、韓国で暮らしているのに韓国語も英語も伸びにくいという悩みが出てきます。インターや現地校を選べば語学は伸びますが、今度は日本語の学年相当が確実に落ちます。漢字・読解・作文は量が要る領域なので、家庭内の会話だけでは維持できません。
そしてどちらを選んでも共通して残るのが、「日本の同世代と話す時間」です。日本人学校でもクラスは同じ駐在家庭の子どもたちで、日本にいる同学年の子と日常的に話す機会はありません。帰国したときに戸惑うのは、じつは漢字よりもここです。
ただし韓国には、他のどの赴任先にもない強みがあります。日本との時差がゼロだということです。ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと一緒に学ぶオンライン日本語スクールですが、韓国からは日本の子どもとまったく同じ時間割で参加できます。平日の放課後も、土曜の午前も、時差の計算をする必要がありません。ヨーロッパや北米の家庭が「日本の夕方=現地の深夜」で悩むのに対し、韓国の家庭にはその制約が一切ない。月額定額の通い放題で、日本人学校に通いながらの補完としても、インター・現地校の日本語のピンポイント補強としても使えます。
よくある質問(韓国で学校を選ぶ方から)
韓国に日本人学校はいくつありますか?
全日制の日本人学校はソウル日本人学校と釜山日本人学校の2校です。釜山日本人学校は1975年設立で、釜山広域市水営区にあり、小学部と中学部で構成されています。学費については公式サイトに入学案内のページがありますので、学校へ直接ご確認ください。
ソウル日本人学校の学費は月いくらですか?
小学部・中学部で月470,000ウォン(授業料390,000+校舎改築積立金50,000+冷暖房費30,000)です。約5万2千円。幼稚部は年少630,000ウォン、年中・年長590,000ウォンです。スクールバスを使う場合は月283,500ウォンが別途かかります。教材費とICT整備費も別途です。
兄弟がいると安くなりますか?
3人以上の兄弟姉妹が入学もしくは在籍する場合、3人目以降の入園入学金が40%減額され390,000ウォンになります。授業料そのものの減免はありません。なお幼稚部から小学部への内部進学者は入園入学金を徴収されますが、小学部から中学部への内部進学者は徴収されません。
日本人学校に高等部はありますか?
ありません。韓国の2校はいずれも中学3年生までです。高校はインターへ移る、韓国の現地校へ進む、帰国して日本の高校に進む、日本の高校の寮に入る、のいずれかになります。世界の日本人学校で高等部があるのは上海・バンコクなど数校のみです。詳しくは日本人学校 一覧にまとめています。
現地校やインターに入れた場合、日本語はどうすればいいですか?
正直に言えば、家庭内の会話だけで学年相当の国語を維持するのは大変です。漢字・読解・作文は量が要ります。ともだちじゃぱんは会話レベル別のクラス+通い放題で、しかも韓国は時差ゼロなので日本の時間割にそのまま乗れます。現地校で韓国語・英語を伸ばしながら日本語の「抜け」だけをピンポイントで補う併用が効きます。帰国後の国語の考え方は帰国子女の国語にまとめています。

都市ごとの詳細はソウルの記事をご覧ください。世界90校をまとめた日本人学校 一覧と日本人学校の学費相場、国レベルで学費を並べた中国・タイ・ベトナム・アメリカもあわせてどうぞ。

