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駐在 小学生の勉強|赴任前・現地・帰国でやる順番

2026 8/21
保護者ガイド 日本語の学び方・選び方
2026年8月3日2026年8月21日
駐在 小学生の勉強|赴任前・現地・帰国でやる順番

「小学生のうちに駐在が決まった。勉強はどうすればいいんだろう」――そんなとき、多くの家庭が「駐在 小学生」「海外 駐在 小学生 準備」「駐在 小学生 英語」と検索します。ところが出てくるのは体験談か引っ越しの手続き情報ばかりで、「赴任前に何をしておくのか」「現地では日本の勉強をどこまで続けるのか」「帰国のときに何が問題になるのか」という順番が一枚にまとまっていません。この記事では、公的な数字と制度で確認できることだけを使って、赴任前・現地・帰国という3つの時期に、小学生の勉強で何が起きて何をしておくべきかを整理します。学校選びの比較ではなく、「勉強の順番」の話です。

目次

まず数字で――海外の小学生の約半数は、日本人学校にも補習校にも通っていない

最初に、意外に知られていない事実から入ります。文部科学省の資料で確認できる在外学齢児童生徒数は82,571人(平成29年の数値。以降は公表されていません)。一方で、在外教育施設(日本人学校・補習授業校)に在籍しているのは41,217人です。つまり海外にいる学齢期の日本の子どものおよそ半数は、日本人学校にも補習校にも通っていないことになります。文部科学省の「在外教育施設未来戦略2030」も、「いずれの在外教育施設にも通わない子供が増加してきたと考えられる」と述べています。

これは「みんな日本人学校か補習校に行くもの」という前提が、もう現実と合っていないという意味です。現地校やインターに通い、日本語・国語は家庭で、あるいはオンラインで、という家庭が半分を占める。だから「駐在の小学生の勉強」は、学校をひとつ選べば終わる話ではなく、足りない部分を自分で設計する話になります。順番に見ていきましょう。

駐在の小学生の勉強を、赴任前・現地・帰国前の3つの時期に分けてやることを整理した全体図

赴任前――手続きと「教科書」を押さえる。英語の先取りは最優先ではない

赴任が決まると、多くの家庭がまず英語に手を伸ばします。気持ちはよく分かるのですが、赴任前にやっておくと後から取り返しがつかない順に並べると、英語は最上位ではありません。優先度が高いのは次の3つです。

  • 通う学校の見当をつける:赴任地に日本人学校があるか、補習授業校があるか、現地校・インターにするか。日本人学校は令和8年4月1日時点で47ヶ国1地域に90校、補習授業校は2026年8月時点で51カ国1地域に246校が置かれています(いずれも公表値)。ある都市とない都市の差が大きいので、赴任地名で先に確認します。
  • 教科書の入手経路を確認する:日本の教科書は、在外教育施設に在籍していない子にも在外公館を通じて無償給与される仕組みがあります(送料は自己負担、永住予定の場合は原則対象外)。「現地校に行くから日本の教科書は手に入らない」わけではありません。学年が上がるたびに必要になるので、赴任前に受け取り方を確認しておくと安心です。
  • 住民票・学齢簿の手続き:出国にともなう転出届と、在籍していた学校での手続き。帰国時の編入の際、住所地の教育委員会が住民基本台帳に基づいて学齢簿を編製し、就学すべき学校の指定と編入学期日を通知する――という流れになります。帰国時に困らないよう、在学証明・教科用図書給与証明などの書類は保管しておきます。

英語については、「行く前にどれだけ仕込めるか」よりも、現地に入ってからの数か月をどう支えるかのほうが実質的です。文部科学省の研修資料が採用しているリスガード(1955)のU-カーブ――ハネムーン期→カルチャー・ショック→適応開始→適応――という段階が知られており、多くの子は最初の高揚のあとに一度落ちます。落ちること自体は異常ではなく、そこで「英語が嫌い」「学校に行きたくない」が出やすい。赴任前にできる最大の準備は、その時期が来ると家族が知っておくことです。現地での行き渋りについては海外で不登校・登校しぶりになったときにまとめています。

現地――日本語の授業時間が「静かに」減る。ここが一番の分かれ道

現地生活が始まると、生活は忙しく、勉強はいったん後回しになります。ここで起きているのが日本語(国語)の授業時間の激減です。数字で見ると、はっきりします。日本の小学校の国語の標準授業時数は6年間で1,461時間(1年306・2年315・3年245・4年245・5年175・6年175時間。学校教育法施行規則別表第一)。これに対し、補習授業校は週1回・年間100時間前後が一般的です。6年間通っても合計600時間前後――日本の小学生の1〜2年生の1年分程度にとどまります。

補習校が悪いという話ではありません。週1回で1,461時間を代替できる設計になっていない、という当たり前の事実です。だから補習校に通っていても、漢字と記述は自然に薄くなる。小学校6年間で学ぶ漢字は配当表を数えると1,026字あり、しかも高学年は国語の授業時数そのものが年175時間に減ります。つまり1時間あたりに出てくる新出漢字は、低学年より高学年のほうが多い。「4年生あたりから急に漢字がつらくなった」という感覚には、時間割の裏づけがあります。漢字は帰国子女の漢字(つまずきの正体)で詳しく扱っています。

海外の自宅のダイニングで、日本の国語の教科書とノートを開いて漢字を書いている小学生

もうひとつ現地で効いてくるのが通信教材の落とし穴です。国内で定番のタブレット教材は、海外だと使えないことが少なくありません。進研ゼミはデジタル・オンラインの教材が国内居住者向けで、海外受講は紙教材が中心。Z会も専用タブレットは海外では使えず、海外受講には海外サポート料金(月4,800円)がかかります。さらに、海外子女向けの通信教育を長く担ってきた公益財団法人海外子女教育振興財団(JOES)の通信教育は、国語・算数コースが2023年度で終了しており、現在は理科・社会コース(年額19,680円)と絵本配本が中心です。「国を挙げて用意された、海外の子のための国語の通信教育」は、いま存在しません。ここは思い込みで進めると空振りする部分なので、選択肢の実情は海外から使えるオンライン塾の選び方で確認してください。

「英語は5〜7年で身につく」は、公的資料に存在しない

駐在家庭の情報収集でよく目にするのが「英語の習得には5〜7年かかる」という数字です。これは文部科学省の一次資料には存在しません(全文検索しても出てきません)。文部科学省が年数に触れているのは英語ではなく、日本語(第二言語)の習得についてです。

  • 文科省DLA(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント/平成26年1月):会話の流暢さは1〜2年、教科学習に必要な言語能力が学年相当に達するには5年以上かかるとされています。原文には「1、2年も経てば流暢な日本語を話し日常生活では問題のない子どもが、教科学習に困難を感じる」という記述があります。
  • ただしDLAは冒頭に「カミンズ、2006の講演資料(中島・湯川訳)より」と明記されており、第二言語一般の理論の紹介です。国が英語について調べた数字ではありません。
  • さらに令和7年(2025年)に公表されたDLA改訂版では、年数の記述そのものが削除されています。国が年数で語ることをやめた、という変化です。
  • 現地校・インターに通う日本人児童の英語力を測った公的統計は存在しません。「何年で追いつくか」は、公的には誰も測っていないのです。

それでも押さえておきたい一文があります。文部科学省の手引き(第4章 進路指導)には、「多くの保護者は…両方の言語力が十分育っている、と認識しがちである。しかし、そのような子供には、どちらの言語においても、学力を形成していく言語レベルにまでは達していない場合がよく見られる」と書かれています。この記述の主語は来日した外国人児童生徒であり、駐在家庭の子どもを指したものではありません。しかし「会話ができているから両方大丈夫」という見え方が起こりやすいこと自体は、駐在の小学生にも当てはまる注意点です。「英語も日本語も話せている」は、学力を作る言語レベルに達している証明ではないということです。日本語の側の詳しい話は駐在の子どもの英語(数字の正体)もあわせてどうぞ。

帰国から逆算する――学年は「年齢相当」で戻る

帰国は、思っているより身近な出来事です。学校基本調査では、令和6年度間の帰国児童生徒数は10,988人(小学校6,398人・中学校2,622人・高等学校1,774人)。毎年これだけの子が日本の学校に戻っています。

ここで大事なのが学年の扱いです。文部科学省の考え方では、帰国した子どもは原則として年齢相当の学年に編入します。日本語能力等により一時的に下学年に入ることも可能ですが、その場合も指導要録上は学齢相当学年に編入したものとしておく必要があるとされています(特別な理由があれば指導要録上も下学年とすることは可能)。つまり「日本語が薄いから1学年下げてゆっくり」という選択は、制度上の原則ではない。帰国したら、年齢どおりの教室に、年齢どおりの教科書で座ることになります。

だから逆算はこうなります。帰国の何年前から国語を戻すかではなく、帰国の時点で年齢相当の学年に座れる状態を切らさずに持っていく。公立小学校への編入は、住所地の教育委員会が学齢簿に基づいて学校を指定する手続きで進みます(試験ではありません。ただし自治体ごとの必要書類は異なるため、必ず住所地の教育委員会にご確認ください)。手続きと学年の詳細は帰国・編入の手続きと学年に整理しています。

駐在中の小学生が日本の国語を続ける4つの選択肢を、中身・担当者・友達・時間帯・費用で比べた比較図

駐在の小学生が日本語を続ける4つの選択肢を、正直に比べる

選択肢は大きく4つです。どれが上ということはなく、担う役割が違います。土曜に通える距離に補習校があるなら、それは強い選択肢です。1対1の家庭教師は弱点の一点集中に向きます。通信教材は「維持」に向いていますが、上に書いたとおり海外での使い勝手には制限があります。

補習授業校オンライン家庭教師通信・タブレット教材ともだちじゃぱん
学べる中身国語中心(校により算数等)依頼内容しだい教材の範囲学年相当の国語
時間の量週1回・年間100時間前後が一般的回数を積むほど増える家庭の実行力しだい通い放題(月100コマ)
同世代の友達できる(現地の日本人の子)基本できないなし日本に住む同世代と毎日
時間帯・送迎土曜など・送迎と弁当が必要調整しやすいいつでも平日夜=現地の放課後・送迎なし
海外での制限その都市にあるかどうかとくになしタブレット不可・送料・追加料金の例ありとくになし
費用のめやす各校で要確認(非公開の校も)回数×単価月額+海外費用通い放題 月額定額制
※2026年7月時点の一般的な整理です。他社の料金・形態は各社の公表情報でご確認ください。

ともだちじゃぱんの位置――「時間の量」と「話す相手」を足す

ここまで見てきたとおり、駐在の小学生の日本語で足りなくなるのは時間の量と使う場です。ともだちじゃぱんは、この2つを足すために設計されています。授業は8人の少人数クラスで、担当するのは採用合格率およそ2%の選抜を通った、今の日本の教室を知る現役水準の教員。母体は国内最大級のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」(在籍900名超)を運営する株式会社NIJINです。

そして最大の違いは、クラスに日本に住む同世代の子がいることです。1対1の学習では「勉強だから」続けるしかありませんが、友達がいると「話したいから」続く。漢字や記述は、その毎日の中で積み上がります。時間帯は日本時間の夜=東南アジアなら夕方からで、現地校・インターの放課後に収まります。土曜は家族の時間に使えます。料金は通い放題の月額定額制。補習校に通いながらの併用も、補習校がない都市での主軸としても使えます。

海外の自宅でノートパソコン越しに日本の同世代の友達と日本語で話しながら学ぶ小学生

いまの学年とのギャップを見てみたい方へ。1分でできる学年相当・国語力チェック(無料)で、お子さんの「学年の穴」の目安がわかります。駐在中の国語・日本語の続け方は海外駐在×子どもの国語・日本語 完全ガイドにまとめています。

よくある質問

駐在が決まりました。小学生の勉強で、赴任前にやるべきことは何ですか?

優先順位は、①赴任地に日本人学校・補習授業校があるかを調べる、②日本の教科書の入手経路を確認する(在外教育施設に在籍していない子にも在外公館を通じて無償給与される仕組みがあります。送料は自己負担、永住予定は原則対象外)、③転出届と在学証明・教科用図書給与証明などの書類を整えておく、の3つです。英語の先取りは、この3つのあとで構いません。現地に入ってからの数か月をどう支えるかのほうが実質的です。

現地校やインターに通わせるなら、日本の勉強は帰国前にまとめてやれば足りますか?

おすすめできません。日本の小学校の国語の標準授業時数は6年間で1,461時間ですが、補習授業校は週1回・年間100時間前後が一般的で、6年間で合計600時間前後にとどまります。まとめて取り返す前提だと、その差が最後に一気に出ます。しかも帰国後は原則として年齢相当の学年に編入するため、戻った時点で年齢どおりの教科書が始まります。細くても止めないほうが、あとが軽くなります。

「英語は5〜7年で身につく」と聞きました。本当ですか?

その数字は文部科学省の一次資料には存在しません。文科省が年数に触れているのは英語ではなく日本語(第二言語)の習得についてで、DLA(平成26年1月)が会話の流暢さは1〜2年・教科学習に必要な言語能力が学年相当に達するには5年以上としています。ただしこれはカミンズ(2006)の講演資料の紹介であり、令和7年(2025年)に公表されたDLA改訂版では年数の記述そのものが削除されました。現地校・インターに通う日本人児童の英語力を測った公的統計も存在しません。年数を目安にするより、目の前の様子を見るほうが確かです。

帰国したとき、日本語が弱ければ学年を下げてもらえますか?

文部科学省の考え方では、帰国した子どもは原則として年齢相当の学年に編入します。日本語能力等により一時的に下学年に入ることは可能ですが、その場合も指導要録上は学齢相当学年に編入したものとしておく必要があるとされています(特別な理由があれば指導要録上も下学年とすることは可能)。つまり学年を下げるのは例外的な扱いです。公立小学校への編入自体は、住所地の教育委員会が学齢簿に基づいて学校を指定する手続きで進みます。必要書類は自治体で異なるため、住所地の教育委員会にご確認ください。

補習校に通っています。ともだちじゃぱんと併用できますか?

できます。補習授業校は土曜などにまとまった時間があり、現地の日本人の友達ができる場です。ともだちじゃぱんは平日夜(日本時間)=現地の放課後の時間帯で、送迎なし・通い放題(月100コマ)なので、土曜の補習校と時間がぶつかりません。補習校で足りない「時間の量」と「日本に住む同世代と話す場」を足す使い方が現実的です。料金は通い放題の月額定額制です。

駐在の6年間で、日本語を細くしない。

ともだちじゃぱんは2026年12月に開校(パイロット)予定です。開校情報をメールでゲットいただくと、体験会のご案内をいちばんにお届けします。

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