「9月に東京へ本帰国が決まった。中2の子は、どこの中学に入れるのだろう」――「帰国子女 編入 中学 東京」で検索するご家庭が知りたいのは、学校選びの前に「そもそも今から入れるのか」という一点です。東京の中学編入は、公立と私立でまったく別の話になります。公立は試験がなく手続きだけで入れる一方、私立は「学校を選ぶ」のではなくその学期に出た欠員を掴む世界です。この記事では、東京都と東京私立中学高等学校協会が公表している仕組みをもとに、その二本立てを整理します。
公立中学校は「編入試験」がない。あるのは手続きだけ
まず安心材料から。東京の公立中学校に入るための編入試験はありません。流れは全国の市区町村と同じで、帰国後に住む区市町村の窓口で住民登録をし、その区市町村の教育委員会で就学の手続きをすると、住所によって指定された学校への入学通知が出ます。学校を自由に選ぶことはできません(自治体によっては学校選択制がありますが、時期や枠は自治体ごとに異なります)。
つまり公立を選ぶ場合、勝負は「試験」ではなく住む場所を決めた時点でほぼ終わっています。逆に言えば、帰国日が学期の途中でも受け入れてもらえるということです。手続きの順番と海外側で先に取るべき書類は海外 転校の手続きにまとめました。公立で受けられる日本語のサポートと、その限界については帰国子女の日本語指導で扱っています。

私立中学校は「欠員が出たときだけ」開く扉
私立はまったく設計が違います。私立中学校の転・編入試験は在校生が抜けて欠員が生じたときに、その学校の判断で実施されるもので、毎年決まった枠があるわけではありません。都内の実施校については、東京私立中学高等学校協会が各私立学校へ調査を行い、東京都が取りまとめて各学期末に公表しています。
公表の時期は決まっています。令和8年度は1学期末分が令和8年6月11日に公表済み、2学期末分は令和8年11月中旬頃、3学期末分は令和9年2月中旬頃に発表予定と案内されています。つまり、11月の発表を見て動くと入学は年明け、2月の発表なら春――という時間軸になります。「帰国が決まってから探す」では一手遅れるのはここが理由です。
もうひとつ重要なのが応募資格の区分です。協会の一覧では各校の応募資格が「①=転勤・転居」「②=海外帰国」「③=条件なし」の3区分で示されています。欠員があっても、その学校が②を認めていなければ帰国生は出願できません。「空きがある=受けられる」ではない、という点は最初に押さえてください。また、選抜日が「随時」となっている学校は、応募状況によりすでに終了している場合があります。

出願で必要になる書類は、海外にいるうちに動く
協会が示している、転編入学手続きに主に必要な書類は次のとおりです。願書(志願校から取り寄せ)/住所確認書類/転学照会書(在学校長発行)/在学証明書(在学校長発行)/成績証明書/その他志願校が指定する書類/入学考査料。
このうち転学照会書・在学証明書・成績証明書は、いま通っている海外の学校が出すものです。帰国してから頼むと、時差・現地の長期休暇・郵送を挟んで数週間かかることがあります。日本の学期末の締切は短いので、出発前に「英文の在学証明書と成績証明書を発行してほしい」と伝えておくだけで、選べる学校の数が変わります。同じ発想での逆算は帰国子女 高校受験 必要書類で表にしています。
| 都内の公立中学校 | 私立中学校の欠員編入 | 私立の帰国生入試(4月入学) | |
|---|---|---|---|
| 枠の有無 | 住所で決まる。定員による選抜はない | 欠員が出た学校・学年だけ | 毎年、学校が定めた募集人員がある |
| 時期 | 随時(帰国後すぐ手続き可) | 各学期末(1学期末・2学期末・3学期末) | おおむね秋から冬に出願・受験 |
| 選考 | 試験なし。面談を行う学校はある | 学校が定める学科試験・面接・作文など | 学校ごとの帰国生入試(科目は学校で異なる) |
| 帰国生の扱い | 区別なく受け入れ | 応募資格が「②海外帰国」の学校のみ | 帰国生を対象とした選抜 |
| 情報の出どころ | 住む区市町村の教育委員会 | 東京私立中学高等学校協会の一覧(学期末ごと公表) | 各校の入試要項 |
「編入」と「受験」を混ぜない。時期で決まる
相談でいちばん多い混線がここです。4月に新学年として入るなら「帰国生入試」、学期の途中に入るなら「編入・転入」――同じ学校でも、この2つは別の入口です。帰国生入試は毎年決まった募集人員があり、出題や日程も要項で公表されています(帰国子女 中学受験の条件・日程・選考型)。一方の編入は、募集そのものが年によって出たり出なかったりします。
帰任時期に少し幅があるなら、「4月に合わせて帰り、帰国生入試で入る」ほうが選択肢は確実に広いというのが率直なところです。逆に帰任が動かせないなら、公立中学に一度入って生活を立て直し、次の年の受験や高校入試で仕切り直す設計も現実的です。中学編入の全体像は帰国子女の中学編入に、編入試験で何が問われるかは帰国子女の編入試験にまとめています。

入れたあとに効いてくるのは、国語だった
編入が決まったご家庭から、数か月後にいただく相談はほとんど同じです。「授業についていけない。特に国語」。会話は問題なく、友達もできた。それでも、教科書の説明文が読めない、記述が埋まらない、社会や理科の問題文の意味が取れない。中学の各教科は日本語で読んで日本語で書けることを前提に進むので、そこに穴があると全教科に波及します。
この穴は帰国してから急には埋まりません。効くのは、海外にいるうちから学年相当の国語を細く続けておくことです。「できない」がどの層で起きているかは帰国子女の国語「できない」の4つの層で分解しました。
正直に申し上げると、ともだちじゃぱんは編入試験の対策塾ではありません。志望校別の出題対策や面接練習は、蓄積を持つ帰国生向けの塾の領域です。私たちが担うのはその手前――学年相当の国語という土台です。ともだちじゃぱんは国内最大級のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を運営する株式会社NIJINが母体で、講師は採用合格率およそ2%の選抜を通った今の日本の教室を知る現役水準の教員。8人制の少人数クラスには日本に住む同世代の仲間がいます。「勉強だから」ではなく「友達と話したいから」続くので、編入後にいきなり日本語の海に放り込まれる感覚が薄れます。料金は通い放題で月額定額です。
まずは今の学年とのギャップを確認したい方へ。1分でできる学年相当・国語力チェック(無料)で、お子さんの「学年の穴」の目安がわかります。海外での国語・日本語の続け方は海外駐在×子どもの国語・日本語 完全ガイドにまとめています。

よくある質問
東京の公立中学校に入るのに、編入試験はありますか?
ありません。帰国後に住む区市町村で住民登録をし、その区市町村の教育委員会で就学の手続きをすると、住所に応じた指定校への入学通知が出ます。学校側との面談を行う場合はありますが、合否を決める試験ではありません。ただし指定校は自由に選べないため、実質的な学校選びは住む場所を決める段階で行われます。学校選択制の有無や申込時期は自治体ごとに違うので、転居先の候補が出た時点で各区市町村の教育委員会に確認してください。
私立中学の編入枠は、どこを見れば分かりますか?
都内の私立については、東京私立中学高等学校協会が各校に調査を行い、東京都が取りまとめて各学期末に実施校の一覧を公表しています。令和8年度は1学期末分が令和8年6月11日に公表済み、2学期末分は令和8年11月中旬頃、3学期末分は令和9年2月中旬頃の発表予定と案内されています。一覧には学校名のほか、応募資格の区分(①転勤・転居/②海外帰国/③条件なし)が示されるので、②が付いている学校だけが帰国生の出願対象になります。
「随時募集」と書かれている学校は、いつでも受けられますか?
いいえ。協会の案内でも、選抜日が「随時」の学校は応募状況により既に終了している場合があると明記されています。随時=常に空いている、ではなく「決まった試験日を設けず、欠員が埋まるまで受け付ける」という意味に近い運用です。一覧で見つけたら、まず学校へ直接電話し、現時点で受け付けているか・対象学年・締切を確認するのが確実です。
編入試験では何が出ますか?
学校が定めるため一律ではありませんが、学科試験・面接・作文などの組み合わせが一般的です。学科は国語・数学・英語を課す学校が多く、帰国生を対象とする枠では日本語の作文と面接を重く見る学校もあります。共通して効いてくるのは、日本語で読み取り日本語で書く力です。小中高それぞれで何が問われるかは帰国子女の編入試験にまとめました。受験する学校が決まったら、必ずその学校の要項で科目・配点・時間を確認してください。
高校からの編入・受験に切り替えたほうがよい場合はありますか?
あります。中3の途中で帰国する場合、私立中に編入しても在籍は短く、すぐ高校入試を迎えます。この場合は公立中学に編入して住民票と在籍を確保し、高校入試の帰国枠を狙うほうが設計しやすいことが多いです。都立の帰国枠や私立高校の帰国生入試の仕組みは帰国子女 高校受験 東京、日程の逆算は帰国子女 高校受験 日程で扱っています。どちらが有利かは帰国時期と在外年数で変わるので、両方の出願資格を並べて比べてください。

