「アメリカに赴任することになった。補習校はどこにあって、学費や曜日はどうなっているのか」「引っ越し先の州に、そもそも補習校があるのか分からない」――「補習校 アメリカ」「アメリカ 補習校 費用」と検索するご家庭がいちばん知りたいのは、この2つです。アメリカは世界でいちばん補習校が多い国で、政府が支援する補習授業校だけで81校。世界243校のおよそ3分の1が集まっています。それでも1校も無い州が13以上あり、カリフォルニア州に18校が集中する一方で、大半の州は0〜2校です。この記事では、全米の補習校の実データ(校数・学費・曜日・隠れコスト)を公式情報だけで正直にまとめ、そのうえで「近くに無い」「土曜がつぶれる」「合わない」ときの選択肢まで整理します。
アメリカの補習校は81校。世界最多で、しかも偏っている
まず数字を正確に。補習授業校は外務大臣が「指定」する制度で(文部科学大臣が「認定」するのは全日制の日本人学校です。ここはよく混同されます)、外務省の指定一覧を数えるとアメリカは81校。カナダ8校を足した北米で89校、世界全体で243校ですから、アメリカ1国で世界の約3分の1という圧倒的な多さです。文部科学省の集計では補習授業校は世界51カ国1地域に242校(令和6年7月1日現在・在籍約2万1千人)とされています。
ただし「多い=通える」ではありません。外務省の学校情報データで米国の補習校の所在地を集計すると、存在するのは37州とグアム・北マリアナ諸島のみ。モンタナ、ワイオミング、ノースダコタ、サウスダコタ、ニューメキシコ、オクラホマ、アーカンソー、メイン、ニューハンプシャー、バーモント、ロードアイランド、デラウェアなど、1校も無い州が13以上あります。しかもカリフォルニア州だけで18校が集中する一方、大半の州は0〜2校です。
これは偶然ではなく制度上の帰結です。補習授業校の指定基準には「現地に通学する適当な教育施設がなく、在籍児童生徒数が10人以上」といった要件があります。つまり日本人がまとまって住んでいない地域には、そもそも補習校が置かれない設計なのです。「アメリカは補習校が多いから安心」ではなく、「どこに住むかで、あるかないかが決まる」が正しい理解です。
アメリカの補習校の学費・曜日を、公開情報で比較する
ここが最も混乱するところです。アメリカの補習校は、請求の単位が校ごとにバラバラ(月額・学期ごと・四半期ごと・年額)で、そのまま並べても比較になりません。以下は各校の公式サイトに実額が載っているものだけを、小学部を基準に整理したものです。学費非公開の校は正直に「要問い合わせ」と書いています。あわせて、平日の夜に自宅から通えるオンライン(ともだちじゃぱん)も比較に加えます。
| アメリカの補習授業校(土曜通学) | ともだちじゃぱん(オンライン) | |
|---|---|---|
| 校数・分布 | 81校(世界最多)。ただし37州のみで、1校も無い州が13以上。カリフォルニアに18校が集中 | 全米どこからでも(地理の制約なし) |
| 形式・曜日 | 週末補習校・土曜が主流(年40日前後)。ただしプリンストン・デンバーは日曜 | 平日の夜=放課後に自宅から毎日 |
| 学費(月額制の校) | プリンストン $145/みなと学園 $200/ポートランド $220/あさひ学園 $270/SFJS $271/シアトル $315(いずれも小学部・公式) | 通い放題で月24,800円(税込・約$165) |
| 学費(年額換算・小学部) | おおむね年 $880〜$3,500(最安=アリゾナ学園$880/最高帯=シアトル・SFJS $3,200超)。中央値は年$2,000前後 | |
| 入学金 | ほぼ全校で必須・$100〜$500(あさひ学園・シカゴ双葉会は$500、NY $450、NJ $400) | 1期生は入会金無料 |
| 隠れコスト | 授業料の外に大きな負担あり:りんご会の教育賛助金 年$815(授業料$1,232とほぼ同額)/レインボー学園の財団年会費 年$680(全家庭必須)/デンバーの運営協力金$330+安全費$165 | 定額のみ(追加費用なし) |
| 入りやすさ | 定員・ウェイティングあり。ダラスは定員を明記し超過時は抽選。みなと学園は「借用校の教室定員の制約により」待機の可能性を公式に明記 | レベル別に随時受け入れ |
| 会員資格 | 日本人会・商工会への入会が必須の校も(シカゴ双葉会はJCCC会員であること/ジョージア日本語学校ははなみずき会 年$60必須) | 不要 |
| 土曜日 | 午前〜午後がつぶれる(年40日前後) | 家族に返せる |
こうして並べると、アメリカの補習校選びで見落としやすい点がはっきりします。授業料だけを比べると実負担を見誤るということです。デトロイトりんご会は授業料が年$1,232と安く見えますが、教育賛助金が年$815別途かかり、実質は年$2,000超。ハワイのレインボー学園は財団年会費$680が全家庭必須です。逆にアリゾナ学園の年$880は、公開実額のなかでは際立って安い。「月いくら」ではなく「年いくら、全部込みで」で比べてください。

全米の主な補習校(都市別の詳細はこちら)
主要都市の補習校については、所在地・曜日・学費・入りやすさまで踏み込んだ都市別の記事を用意しています。
- 西海岸:ロサンゼルス(あさひ学園・4校舎・約1,000名)/サンフランシスコ(SFJS・約1,400名・サンノゼ校あり)/シアトル(477名・令和8年度)/サンディエゴ(みなと学園・約400名)
- 東海岸:ニューヨーク(JWSNY・2校舎)/ボストン(約800名)/ワシントンDC(WJLS・年41日)
- 中西部・南部:シカゴ(双葉会・550名・2024年)/ヒューストン/ダラス(友愛学園・定員制/抽選)/デトロイト(りんご会)/アトランタ(ジョージア日本語学校)
なお「サンノゼ補習校」という独立した学校はありません(SFJSのサンノゼ校です)。またオハイオ州コロンバスの補習校とジョージア州コロンバスの補習校は同名の別の学校なので、学費を調べるときは取り違えにご注意ください。
アメリカの補習校で、家庭が実際に悩むこと
補習校は、学年相当の国語と日本語の友達を土曜に得られる、貴重で価値ある場所です。そのうえで、やめる家庭・通わない家庭には共通した理由があります。
- そもそも通えない:13以上の州に1校も無く、1校が広大なエリアをカバーしています。ローリー校が「Triangle Area一円」、ジョージア日本語学校が州都圏全体から通うように、片道の送迎そのものが土曜の予定になります。
- 土曜が丸ごと消える:シアトルは8:00〜16:00、あさひ学園は8:40〜15:30、ヒューストンは8:00〜16:00。土曜が「1日仕事」になる校が珍しくありません。現地校のスポーツや誕生日会と正面衝突します。
- 年40日で日本の進度を追う無理:週1回・年40日前後で日本の学年相当をカバーする設計なので、平日の家庭学習が前提。ここが親子の消耗になります。
- レベルが合わない:進度が速く、永住・国際結婚家庭の子はつまずきやすい。逆に簡単すぎて退屈する子もいます。
- 入れないことがある:ダラスは定員超過時に抽選、みなと学園は「借用校の教室定員の制約により」待機の可能性を明記しています。希望しても入れないケースが構造的に存在します。
- 費用が読みにくい:授業料・入学金・賛助金・日本人会費が別立てで、総額が見えづらい。
そして、これは補習校の努力不足ではなく構造の問題です。文部科学省「在外教育施設未来戦略2030」自身が、補習校の授業を担当する「学校採用教師・講師の多くは他の仕事と兼職しており、日本の教員免許状を有していない者も多い」と記しています。週1回・年40日・兼職の体制で日本の学年相当を追い切るのは、誰がやっても難しいのです。
「アメリカの補習校の半数以上は、もう帰国前提ではない」
もうひとつ、アメリカ特有の重要な事実があります。同じ未来戦略2030は、脚注で「アメリカの補習授業校に在籍する子供の半数以上が日本への帰国を前提としていない」と明記し、「永住者や国際結婚家庭の子供の増加」により「将来的な帰国を前提とする長期滞在者の子供のニーズとの間にかい離が生じている」と述べています。
同じ教室に、3年後に帰国して日本の中学に入る子と、この先ずっとアメリカで進学する子が並んでいる。どちらにも最適化できないのは当然です。「うちの子には合わなかった」と感じたご家庭は、お子さんのせいでも、学校のせいでもありません。

ともだちじゃぱんが、アメリカの家庭に合う理由
ともだちじゃぱんは、国内最大級のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」(在籍1,000名超)を運営する株式会社NIJINのオンライン日本語スクールです。ただのマッチング型家庭教師ではなく、現役水準の先生が学年相当の国語を、日本の同世代とのつながりのなかで教えます。
① 州も送迎も関係ない。土曜をつぶさず平日の夜に
補習校が無い州でも、片道1時間の州でも関係ありません。自宅からオンラインで送迎ゼロ。日本の先生の授業を現地の夕方〜夜に受けられるので、土曜を家族に返せます。東海岸・中西部・西海岸それぞれの時間帯に合わせたクラス編成が可能です。
② 学年相当の国語を、現役水準の先生が通い放題で
講師は採用合格率およそ2%の選抜。今の日本の教室を知る先生が、漢字・語彙・記述を学年のペースで進めます。週1回・年40日ではなく、通い放題の定額(月24,800円・税込/約$165)。賛助金も日本人会費も入学金の上乗せもなく、総額が読めます。帰国後の授業復帰や中学受験の国語の土台づくりにもつながります。
③ 帰国予定でも、永住でも、どちらでもいい
8人制の少人数クラスに担任の先生。日本に住む同世代の子どもたち(NIJINアカデミーの仲間)と毎日交流します。アメリカの補習校で半数以上が帰国前提でない今、「日本とつながり続けたい」という動機はそれ自体が十分な理由です。補習校で失われがちな「友達」がここにあり、「友達と話したいから」日本語が続きます。1期生は入会金無料で、在籍中はこの価格のままです。

よくある質問
アメリカの補習校の費用はいくらですか?
公式に実額を公開している校で見ると、月額制の校は小学部で月$145〜$315(プリンストン$145/みなと学園$200/ポートランド$220/あさひ学園$270/SFJS$271/シアトル$315)。年額換算ではおおむね年$880〜$3,500で、中央値は年$2,000前後です。加えて入学金が$100〜$500、さらに校によって教育賛助金(りんご会 年$815)や財団年会費(レインボー学園 年$680)などが別途かかります。授業料だけで判断せず、総額でご確認ください。ともだちじゃぱんは通い放題で月24,800円(税込・約$165)の定額です。
アメリカの補習校は何校ありますか?
外務大臣が指定した補習授業校として81校あり、世界243校の約3分の1を占める世界最多です。ただし所在は37州とグアム・北マリアナ諸島に限られ、1校も無い州が13以上あります。カリフォルニア州に18校が集中する一方、大半の州は0〜2校です。なお外務省の別の学校情報では、政府の指定を受けていない私立・地域運営の日本語学校を含めて90校と数えられています。
近くに補習校がありません。どうすればいいですか?
米国では珍しいことではなく、制度上そもそも日本人が集住していない地域に補習校は置かれません。オンラインで学年相当の国語を続ける方法は補習校に通えない・続かない子へで整理しています。そもそも日本人学校と補習校をどう使い分けるかは日本人学校と補習校の違いをご覧ください。
補習校は土曜だけですか?
土曜が主流ですが、全校ではありません。プリンストン日本語学校とデンバー日本語補習学校は日曜開講です。開講時間も校によって幅があり、シアトル8:00〜16:00、あさひ学園8:40〜15:30のように1日仕事になる校もあります。
帰国後の中学受験や授業復帰の対策になりますか?
受験専門塾ではありませんが、受験国語の土台になる漢字・語彙・記述を学年相当で積み上げます。帰国後の国語の遅れが心配な方は駐在中の国語、帰国後に間に合う?や海外駐在×子どもの国語・日本語 完全ガイドも参考になります。

