クアラルンプール、ジョホールバル、ペナン、コタキナバル。マレーシアには日本人学校が4校あり、赴任地によって通う学校が変わります。ここで多くの家庭が誤解するのが、「マレーシアの日本人学校の学費」はどこも同じだろう、という前提です。実際には違います。2026年度の公表額でみると、授業料は月920リンギから1,890リンギまで、およそ2倍の開きがあります。しかも入学時の一時金の内訳も学校ごとにまるで違い、日本人会への寄付金が別に必要な学校もあります。この記事では、各校が公表している入学案内の数字だけを使って4校の学費を並べ、マレーシアのインターナショナルスクールの学費と比較したうえで、どちらを選んでも残る「日本語」の宿題まで正直にお伝えします。
マレーシアの日本人学校4校の学費を並べる【2026年度】
まず全体像です。マレーシアの日本人学校は、クアラルンプール日本人学校(JSKL/Shah Alam)、ジョホール日本人学校(JSJ)、ペナン日本人学校、コタキナバル日本人学校の4校。いずれも文部科学省の認定を受けた全日制で、4校とも中学部まで(高等部はありません)。運営は各地の日本人会で、学校ごとに独立して学費を決めています。だから金額がそろっていないのです。
| 学校 | 入学時の一時金 | 授業料(月額) | その他の月額 | 在籍数 |
|---|---|---|---|---|
| クアラルンプール日本人学校 | 入学金 RM4,000+校舎改修・施設設備拡充負担金 RM5,000=RM9,000 | 小学部 RM1,670 中学部 RM1,890 |
学校維持資金 RM370/PTA会費 RM8/スクールバス RM409.50 | 544名 (幼66・小367・中111) |
| ジョホール日本人学校 | 入学金 RM4,000+施設費 RM3,000+日本人会寄付金 RM4,000=RM11,000 | 小学部 RM920 中学部 RM1,050 |
施設費 RM50/通学バス 約RM400 (PTA会費 年RM50・傷害保険 年RM55) |
約62名 (小48・中14) |
| ペナン日本人学校 | 入学金 RM4,500 | RM1,070 | 施設設備拡充費 RM100/バス RM240 (父母会費 年RM35) |
109名 (小81・中28) |
| コタキナバル日本人学校 | 小規模校のため学校へ直接お問い合わせください(1978年創立) | — | 約25名 (小19・中6) |
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この表でいちばん驚かれるのが、クアラルンプール中学部(月RM1,890)とジョホール小学部(月RM920)で2倍以上の差があることです。同じ国、同じ「日本人学校」という看板でも、都市が変われば学費はここまで動きます。年額に直すと、KL中学部は授業料だけで年RM22,680、ジョホール小学部は年RM11,040。年間でおよそRM11,600(日本円で約38万円)の差です。
初年度の総額でも比べておきます。クアラルンプール日本人学校の小学部なら、入学時RM9,000+(授業料RM1,670+維持資金RM370+PTA RM8)×12か月=年RM33,576(約111万円)。中学部は年RM36,216(約120万円)。ジョホール日本人学校の小学部は、入学時RM11,000+(授業料RM920+施設費RM50)×12か月+諸会費で年RM22,745(約75万円)。ペナン日本人学校は入学金RM4,500+(RM1,070+RM100)×12か月で年RM18,575(約61万円)です。入学時の一時金はジョホールがいちばん高いのに、初年度総額ではいちばん安い――一時金だけを見て判断すると逆になる、という点は覚えておいてください。
学費以外の関門――日本国籍・日本人会の会員・長期滞在ビザ

マレーシアの日本人学校は、学費を払えば誰でも入れるわけではありません。公表されている入学資格が、日本国内の公立小中学校とはまったく違います。
クアラルンプール日本人学校は入学資格として、お子様が日本国籍を有すること(パスポートで確認)、保護者がクアラルンプール日本人会の個人会員または賛助会員であり、お子様が家族会員であること、保護者およびお子様がマレーシアの長期滞在ビザを保有していること、両親または保護者と生活していること、普通学級・特別支援学級で集団または個別の授業を介助なく受けられること、そして学校運営理事会による最終審査に合格することを挙げています。
ジョホール日本人学校も同様に、「日本国籍を有し、ジョホール州とその周辺に在住する義務教育相当の学齢期」であること、「マレーシア国籍のみの者の就学は認められていない」こと、「保護者は就労パスなど長期滞在許可を受け、家族にも帯同許可」があること、「入学・編入学の保護者は、日本人会法人会員もしくは個人会員であることが条件」であることを明示しています。普通学級には学齢相当の日本語能力と身辺自立が必要とも書かれています。
つまり学費の前に、①日本国籍 ②日本人会への加入 ③長期滞在ビザ ④日本語で授業を受けられること、の4つが関門になります。国際結婚のご家庭や、ビザの種類によっては条件を満たさないことがあるので、赴任前の段階で学校に直接確認するのが安全です。都市を問わない入学条件の全体像は日本人学校の入学条件と手続きに整理しました。
マレーシアのインターナショナルスクールの学費と並べると
マレーシア、とくにクアラルンプールは英国式・米国式・IBのインターが数十校ひしめく激戦区です。駐在家庭がよく検討する学校の学費目安は、Garden International School(GIS・英国式)が年約RM47,000〜105,000、Mont’Kiara International School(MKIS・米国式+IB)が年約RM35,000〜125,000、The Alice Smith School(英国式)が年約RM54,000〜122,000、International School of Kuala Lumpur(ISKL)はプレミアム帯で年RM110,000超も。いずれも別途、出願料・登録料や資本負担金がかかります。2025年9月以降、年間RM60,000超のインター学費には6%のSST(サービス税)が加算されます。
| 選択肢 | 言語・カリキュラム | 対象 | 学費目安(年) | 帰国後 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本人学校(KL/ジョホール/ペナン/コタキナバル) | 日本語・日本の学習指導要領(全日制) | 小1〜中3(高校なし) | 約RM18,000〜36,000 | ◎ そのまま復帰しやすい | 3〜5年で帰国・帰国後の受験を重視 |
| インター(GIS/MKIS/Alice Smith/ISKL 等) | 英語・英国式/米国式/IB | 就学前〜Year13/G12 | 約RM35,000〜125,000超 | △ 国語は別途対策が必要 | 長期・永住/英語環境を最優先 |
| ともだちじゃぱん | オンライン・日本語会話/国語・友達 | 5〜18歳 | 月額定額(通い放題) | ◎ 学年相当の国語と日本の友達を維持 | どちらを選んでも日本語と日本とのつながりを足したい |
こうして並べると、インターは日本人学校のおよそ2〜6倍。ただしマレーシアはインターの価格帯が広く、日本人学校のKL中学部(年RM36,000規模)と、価格を抑えたインターの下限(年RM35,000前後)はほぼ重なります。「日本人学校は安い、インターは高い」という単純な図式が、マレーシアでは他国ほどきれいに成立しないということです。世界の水準と比べたい方は日本人学校の学費相場、インター側はインターナショナルスクールの学費にまとめています。
学費を払ったあとに残る「日本語」――どちらを選んでも残る宿題

ここからが、学費表を眺めていても見えてこない部分です。年RM33,000の日本人学校を選んでも、年RM100,000のインターを選んでも、どちらの学費にも含まれていないものがあります。それが「その子の日本語を、日本の同学年の水準で保ち続けること」と「帰国後の学校復帰・受験」です。
インターを選んだ家庭では、宿題は分かりやすい形で現れます。英語は伸びる一方、漢字・読解・作文は家庭任せになり、学年が上がるほど日本の同学年との差が開きます。会話は保てても、書くこと・読み取ることは意識的な量を確保しないと積み上がりません。小学5年生前後から国語の抽象語彙が一気に増えるため、「話せているから大丈夫」と思っていた家庭ほど、帰国が決まってから慌てます。
日本人学校を選んだ家庭にも、別の宿題があります。マレーシアの4校はすべて中学部まで。中3の段階で「マレーシアのインター高校へ移る」か「日本に帰国して高校受験をする」かを決める必要があります。しかもマレーシアは駐在が長期化しやすく、当初3年の予定が5年10年に延びるケースが多い土地柄です。加えてジョホール(約62名)、ペナン(109名)、コタキナバル(約25名)は1学年1クラスかそれ以下の規模で、日本の同世代と関わる母数そのものが限られます。日本人学校に通っていても「同学年の日本人が数人」という環境は珍しくありません。
その宿題を軽くするのが、2026年12月開校のオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」です。日本人学校やインターを置き換えるものではなく、どちらを選んでも足せる「第三の選択肢」としてお使いいただく前提でつくっています。
時差の相性もお伝えします。マレーシアは日本より1時間遅れ(−1h)。日本の平日夕方クラスが、マレーシアの放課後の時間帯にそのまま重なります。学校やインターから帰ってきて、着替えて一息ついたらリビングのパソコンから参加――という無理のない生活リズムで続けられる、最も好条件のエリアのひとつです。
- 相手は日本在住の同世代:姉妹校NIJINアカデミー(在籍900名超)の日本の子どもたちと、8人の少人数グループで話します。ジョホールやコタキナバルのように日本人が少ない街でも、日本の同世代の母数に困りません。
- レッスン以上の、日本とのつながり:アイデンティティやルーツとのつながりが、帰国後もその先も効く長期価値になります。
- 子ども特化だから安心:月額定額で毎日でも参加OK。学年ではなく会話レベルでクラス分けするので、「5年生の漢字の壁」で取り残されません。通い放題なので「週1回では量が足りない」も解決します。
よくある質問(マレーシアで学校を選ぶ方から)
マレーシアの日本人学校で、いちばん学費が安いのはどこですか?
公表額で比べると、初年度総額ではペナン日本人学校(年RM18,575規模)、次いでジョホール日本人学校(小学部で年RM22,745規模)です。クアラルンプール日本人学校(小学部で年RM33,576規模)がいちばん高くなります。ただし赴任地は選べないことがほとんどですし、KLは幼稚部があり特別支援学級もあるなど、規模に応じた体制の違いがあります。学費だけで比較する意味は小さいので、通学時間・学校規模・お子さんとの相性で判断するのが現実的です。
日本人会に入らないと日本人学校に入れませんか?
クアラルンプール日本人学校は「保護者がクアラルンプール日本人会の個人会員または賛助会員であること」、ジョホール日本人学校は「入学・編入学の保護者は、日本人会法人会員もしくは個人会員であることが条件」と、いずれも入学資格として明記しています。ジョホールでは入学時に日本人会寄付金RM4,000も必要です。会費や寄付金は学費とは別枠なので、総額を見積もるときは忘れずに足してください。
日本人学校は中学までと聞きました。高校はどうすれば?
マレーシアの4校はいずれも中学部までです。卒業後はマレーシアのインター高校(GIS・MKIS・Alice Smith・ISKLなど)に進むか、日本に戻って高校進学するのが一般的です。日本人学校の中学部卒業者は日本の高等学校の入学資格を持つので帰国受験も可能ですが、受験の国語・英語は学校の授業だけでは足りないのが実情です。中2〜中3で進路を早めに固め、必要な準備を並行させておくと安心です。
インターに入れた場合、日本語はどうすればいいですか?
正直に言えば、家庭内の会話だけでインター生の学年相当の国語を維持するのは大変です。漢字・読解・作文は意識的な量が要ります。ともだちじゃぱんは会話レベル別のクラス+通い放題なので、インターで英語を伸ばしながら日本語の「抜け」だけをピンポイントで補う併用が効きます。帰国後の国語の考え方は帰国子女の国語にまとめています。
土曜だけ通う補習校という選択肢もありますか?
マレーシアにも日本語の補習授業校がありますが、全日制の日本人学校とは目的も授業時間もまったく違います。補習校は週1回・土曜が基本で、平日は現地校やインターに通う子が日本語を補うための場です。両者の違いは日本語補習校の仕組み、クアラルンプールの学校選び全体はクアラルンプールの日本人学校とインター比較もあわせてご覧ください。
他の国と比べたい方は、世界90校をまとめた日本人学校 一覧もあわせてご覧ください(高等部の有無・国別の分布まで整理しています)。

