シンガポールで子どもの日本語を保つ・伸ばす選択肢は、実は補習校だけではありません。ところが検索して出てくる情報は、補習校単体の体験談や数年前のまとめばかり。この記事では、シンガポールで通える(またはシンガポールから受講できる)子ども向けの日本語スクール8つを、「補習校」「継承語」「塾」「オンライン」の4タイプに整理し、2026年7月時点で公開されている料金を出典つきでまとめました。非公開のものは正直に「要問い合わせ」と書いています。
先に大事なポイントを1つ。補習授業校(JSS)と日本人学校は日本国籍が要件です。国際結婚家庭でお子さんが外国籍のみの場合はそもそも対象外――その受け皿になるのが継承語学校・民間教室・オンラインです。この記事はそこまで含めて整理します。
シンガポールの子ども向け日本語スクール 比較一覧
| スクール | タイプ | 形式 | 対象 | 料金の目安 | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|---|
| シンガポール日本語補習授業校(JSS) | 補習校(国語) | 毎週土曜午後・クレメンティ | 小1〜中3(日本国籍) | 月S$283.40〜(2024年時点の参考値) | 学年相当の国語を続けたい |
| 日本語文化継承学校(SJkeisho) | 継承語 | 毎週日曜・ニュートン | 5歳〜中高生 | 要問い合わせ | 永住予定・外国籍のダブルの子 |
| さつき学園シンガポール | 国語・算数補習 | 通学+自由予約制・リバーバレー | 3歳〜高校生 | 半期S$1,058〜/4回S$88〜 | 補習校が合わない・柔軟に通いたい |
| 早稲田アカデミー シンガポール校 | 塾(受験・国語) | 通塾・オーチャード | 小1〜高3 | 入塾金S$272.50・授業料は要問い合わせ | 中学受験・帰国受験 |
| 学習塾KOMABA | 塾(国語・受験) | 通塾・オーチャード/クレメンティ | 年少〜高校生 | 要問い合わせ | レベル別に教科を固めたい |
| ena国際部 シンガポール校 | 塾(帰国受験) | 通塾・サマセット | 小5〜中学生 | 要問い合わせ | 帰国生入試の対策 |
| EDUBAL | オンライン1対1 | オンライン個別 | 小〜高校生 | 60分6,900円〜 | 弱点をピンポイントで |
| ともだちじゃぱん | オンライン・会話/友達 | 少人数グループ通い放題 | 5〜18歳 | 月24,800円(約S$185) | 日本の同世代の友達と話して伸ばしたい |
それぞれの特徴を正直にレビュー
① シンガポール日本語補習授業校(JSS)――王道。ただし国籍要件と面接がある
文科省認定の補習授業校で、毎週土曜の午後、クレメンティの日本人学校校舎で日本の教科書どおりの国語を学びます。在籍321名(2024年時点)とアジア最大級で、日本の学年相当の国語力を保つには最も確実な場所です。一方で、対象は日本国籍を持つ小1〜中3、編入は年3回で面接考査あり。学年相当の国語が前提なので、日本語がゆっくりめの子には進度がしんどく感じられることもあります。「入れれば強い、でも誰でも入れるわけではない」――これがJSSの実像です。公式サイト
② 日本語文化継承学校(SJkeisho)――永住・外国籍の子の受け皿
毎週日曜、ニュートン駅近くで開かれる継承語学校です。帰国予定のない子・永住予定の子を主対象に、教科書学習に加えて調べ学習や発表などのプロジェクト型で「日本語と文化」を育てます。5歳の「あいうえおコース」からレベル別の国際コースまであり、JSSの国籍要件や進度に合わない家庭の現実的な受け皿。料金は説明会での案内制です。公式サイト

③ さつき学園シンガポール――料金全公開&自由予約が光る
リバーバレーの国語・算数補習校。定期コース(半期23回で小1〜3はS$1,058など)に加えて、4回S$88から使えるクレジット制の自由予約があり、兄弟でクレジットを共有できるのがユニークです。今回調べた中で唯一、料金を全額公式サイトで公開している誠実さも好印象。補習校に入れなかった・曜日が合わない家庭の柔軟な選択肢です。公式サイト
④〜⑥ 早稲田アカデミー・KOMABA・ena国際部――受験が視野に入ったら
オーチャード周辺には日系塾が集まっています。早稲田アカデミーは低学年の国語からインター生向けコースまで幅広く(入塾金S$272.50、授業料は問い合わせ制)、KOMABAはレベル別の丁寧な国語指導とインター生対応、ena国際部は帰国生入試対策の専門店です。いずれも「教科・受験」の道具としては一級品ですが、料金は基本非公開で、日本語を”使う相手”ができる場ではない点は共通します。早稲アカ/KOMABA/ena国際部
⑦ EDUBAL――オンライン1対1で弱点をピンポイントに
帰国子女の大学生教師によるオンライン家庭教師で、シンガポール向けページも用意されています。60分6,900円〜と料金が明快で、作文だけ・漢字だけといった弱点のスポット補強に向きます。1対1ゆえに「先生と2人きり」の構図になりやすく、継続のエネルギーは家庭側で補う必要があります。公式サイト
選び方――まず「JSSに入れるか・合うか」から整理する
シンガポールの日本語教育は、実質的に「JSSを軸に、入れるか・合うか」で分岐します。下のフローで考えると迷いません。

- 日本国籍があり、学年相当の国語についていける→ JSS。受験も見えたら塾を併用。
- 国籍要件を満たさない/永住予定→ 継承学校(SJkeisho)やさつき学園で、無理のないレベルから。
- 土曜午後がつぶれるのが厳しい/進度が合わなかった→ さつき学園の自由予約か、オンラインへ。
- どのルートでも足りないのが「日本語を話す量と相手」→ 次のセクションへ。
オンラインという選択肢――時差1時間の地の利を使う
ここまでの選択肢はどれも「教わる場」です。でも、ことばが伸びる決め手は使う量と、使いたくなる理由。そこを担うのが、2026年12月開校のオンライン日本語スクールともだちじゃぱんです。
- 相手は日本在住の同世代:姉妹校NIJINアカデミー(在籍800名超)の日本の子どもたちと、少人数グループで毎日話せます。教材の相手ではなく、本物の友達です。
- 時差1時間:日本の夕方クラスが、シンガポールの平日の放課後にそのまま収まります。土曜をつぶさず、送迎ゼロ。
- 子ども特化・通い放題:会話レベルでクラス分けするので、学年相当の国語がしんどい子も大丈夫。月24,800円(約S$185)で通い放題です。

JSSや教室と競合するものではなく、「読み書きは教室で、話す量と友達はオンラインで」という併用がいちばん現実的です。シンガポールの土曜問題・時差の詳しい話は、シンガポールの子どもの日本語を平日夕方に守る方法で深掘りしています。

よくある質問(シンガポール在住の方から)
子どもが外国籍のみです。補習校に入れないと日本語は無理ですか?
まったくそんなことはありません。継承学校(SJkeisho)・さつき学園は国籍不問ですし、オンラインなら選択肢はさらに広がります。大切なのは学年相当の国語より、本人が日本語を「使いたい」と思える環境です。
JSSと他のスクールは併用できますか?
できます。実際「JSSで読み書き+オンラインで会話と友達」「塾で受験国語+家庭で会話」のような組み合わせが主流です。補習校の代わりにオンラインという選択肢で、併用パターンを詳しく整理しています。
ともだちじゃぱんのレッスンはシンガポール時間で何時ですか?
日本との時差は1時間なので、日本の夕方〜夜のクラスがシンガポールの平日16〜20時ごろに収まります。現地校・インターの放課後に自宅から参加できます。
本帰国が決まっても続けられますか?
はい。オンラインなので、本帰国後も次の任地でも同じ友達と続けられます。転居のたびに日本語環境がリセットされる駐在家庭にとって、「どこにいても切れない居場所」は大きな支えになります。
📚 海外駐在の国語・日本語の総合ガイド:海外駐在×子どもの「国語・日本語」完全ガイドで、補習校・帰国受験・都市別の選び方をまとめて確認できます。
送迎や曜日に縛られずに続けたいなら、海外の子ども向けオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」もご検討ください。

