香港の日本人学校を調べると「香港校」と「大埔校(タイポこう)」という2つの名前が出てきて、どちらの情報が今のものなのか分からなくなります。答えを先に書きます。2校は統合され、いまは1つの学校です。学校の公式サイトにはこう明記されています――「本校は、2026年度から旧香港校と旧大埔校が統合し、香港日本人学校(Japanese International School:JIS)として新たな歩みを始めました」。校舎は大埔キャンパスに一本化されました。この記事は、統合後の姿と、統合前の2校の数字の両方を整理します。
2026年度、旧香港校と旧大埔校が1つになった
統合は突然決まったものではありません。2025年2月19日に学校経営理事会が発表し、2026年4月までに実施する計画として告知されていました。理由として挙げられていたのは、教育の質の向上、学習環境の改善、学校運営の持続可能性の確保、そして資源のより効率的な利用です。
検索して古い情報にあたってしまう人が多いのは、統合前に2つの校舎がそれぞれ別のサイトを持っていたためです。いま学校の公式情報が集まっているのは、統合後の1つのサイトのほうです。編入学の募集要項も納付金一覧も通学バスの案内も、すべてそこに一本化されています。
なお、統合前の2校体制では居住地によって通う校舎が分かれる学区制がとられていました(香港島は香港校、九龍・新界は大埔校)。統合後は校舎が1つなので、住む場所によって学校が変わることはなくなりました。そのかわり、香港島側に住む家庭にとっては通学距離が伸びることになります。

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統合前の2校の規模――合わせて約400名
統合後の在籍数は学校の最新資料でご確認いただくとして、規模感をつかむために統合直前の数字を並べておきます。海外子女教育振興財団(JOES)向けに学校が作成した学校紹介資料(記載日2025年6月2日)には、次のように記載されています。
| 旧・香港校 | 旧・大埔校(日本人学級のみ) | |
|---|---|---|
| 小学部 | 136名 | 164名 |
| 中学部 | 99名 | ― |
| 小計 | 235名 | 164名 |
| 派遣教員 | 17名 | 10名 |
| 現地採用教員 | 27名(うち財団募集13名) | 11名(うち学校採用5名) |
| 事務職員 | 9名 | 4名 |
| その他職員 | 10名 | 5名 |
2校の日本人学級を合わせると約400名。世界の日本人学校のなかでは中規模にあたります。この規模の子どもたちが、統合後は1つの校舎で学んでいることになります。
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大埔キャンパスはどんな場所か
統合先となった大埔(タイポ)は、香港の中心街から北へ約20km、新界にある地区です。学校の校長メッセージによれば、キャンパスは大埔自然保護区に面し、吐露湾(トロー湾)を窓から眺める高台にあります。学校の近くには、開校以来交流を続けているティンカーピン校と香港中文大学があります。
「香港=超高層ビル」というイメージからは離れた、緑の多い文教地区です。学校資料も、新界で最も大きな地区である沙田(シャーティン)へのアクセスが便利な立地だと説明しています。住まいを新界・九龍側に構える家庭にとっては通いやすく、香港島側からは距離があります。統合によって、香港島に住む家庭の通学時間は確実に長くなりました。家探しの際は、まずこの位置関係を地図で確認してください。
日本人学級と国際学級が同じ校舎にある
この学校を語るうえで外せないのが、2つの学級が同居しているという構造です。学校は自らを次のように説明しています。
- 日本人学級(Japanese Section:JS)=文部科学大臣から国内の学校と同等の教育課程を有する旨の認定を受け、日本の学習指導要領に基づき、日本国内で使われている教科書を採用する全日制の教育施設
- 国際学級(International Section:IS)=国際バカロレア(IB)の認定を受け、12歳までの初等教育プログラム(PYP)により、日本人学級とは異なるカリキュラムで教育活動を行う
学校資料によれば、国際学級には25カ国籍、4歳から11歳までの児童165名が在籍しています。そして日本人学級と国際学級は、特別教室・グラウンド・プールを共用しています。学校側は「授業時間帯を合わせていこうとする試み」を行っており、登校時間や休憩時間が重なることで、交流が自然な形で行われていると説明します。
校長メッセージにはこんな一節があります。日本人学級と国際学級の児童生徒が毎朝登校するエントランスは、「おはようございます」「Good morning!」「早晨(ジョウサン)」といろいろな言葉と笑顔であふれる、と。日本の教育課程で学びながら、校舎の中で日常的に多国籍の子どもと接する。これは他都市の日本人学校にはあまりない環境です。

英語教育とグローバルクラス――中学部は2027年4月から
英語の手厚さも、この学校の特徴です。日本人学級の小学部には通常学級とグローバルクラス(GC)があります。
通常学級でも、全学年で週5時間以上の習熟度別英語授業を展開しています。ネイティブスピーカーの教員(English Teacher)による少人数指導、English Trip、スピーチコンテストに加え、図画工作(小2〜小6)と水泳の授業を英語で行うイマージョン教育を導入しています。教科の中で自然に英語を使う設計です。
そして統合にあわせて進んでいるのがグローバルクラスの拡張です。学校経営理事会の発表によれば、中学部のグローバルクラスは2027年4月に大埔キャンパスで開始予定とされています。小学部のグローバルクラスについても、2027年度4月の編入学試験と説明会予約の案内が学校から出ています。小学部でグローバルクラスに入った子が、中学でもそのまま続けられる形が整いつつあるということです。
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年間行事と、香港ならではの「休校ルール」
学校資料に挙げられている主な行事は次のとおりです。
| 学期 | 主な行事 |
|---|---|
| 1学期 | 入学式、英語暗唱大会(小)、国際学級卒業式、学習発表会(ランタナ祭)、中学部合唱発表会、中1宿泊学習 |
| 2学期 | 運動会、中学部職場体験、5年生宿泊学習、小6・中2修学旅行、英語暗唱大会(中)、現地校との交流会 |
| 3学期 | 6年生を送る会、卒業式、修了式 |
| 毎学期 | 各種校外学習、イングリシュ・トリップ |
もうひとつ、香港ならではの実務があります。台風および豪雨警報が発令されたときの対応です。学校は「悪天候の際は、地元のテレビ・ラジオ・インターネットなどで各種注意報・警報の発令にご留意ください」とし、規定に従って休校や緊急下校の措置を取る場合があると案内しています。香港では8号以上のシグナルが出ると社会全体が止まるので、着任したらまずこのルールを家族で共有しておくのがおすすめです。急な緊急下校に備えて、日中に子どもを受け取れる体制も考えておく必要があります。

英語も広東語もある学校で、日本語をどう続けるか
香港日本人学校の環境は、駐在家庭にとってかなり恵まれています。日本の教育課程で学べて、校内に25カ国籍の同年代がいて、英語は週5時間以上。国際感覚という点で、これ以上の場所はそう多くありません。
その一方で、帰国した子どもたちがつまずくのは、教科書の日本語ではなく同世代の日本語でした。話す速さ、話題、言い回し。日本人学校に通っていても、日本にいる子どもが1日に浴びる日本語の量には届きません。環境が国際的であるほど、日本語で雑談する時間は意識して作る必要があります。
ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと同じクラスで学ぶオンラインの日本語スクールです。学校教育法第一条に定める学校(一条校)ではありませんが、日本の教員が日本の教科を日本語で教えます。香港と日本の時差は1時間。大埔から帰ってきたあとの時間が、そのまま日本のクラスの時間になります。
よくある質問(香港日本人学校 大埔校)
香港日本人学校の大埔校と香港校はまだ分かれていますか?
分かれていません。学校の公式サイトは「本校は、2026年度から旧香港校と旧大埔校が統合し、香港日本人学校(Japanese International School:JIS)として新たな歩みを始めました」と明記しています。校舎は大埔キャンパスに一本化されました。統合は2025年2月19日に学校経営理事会が発表したものです。
統合で学区はどうなりましたか?
統合前の2校体制では居住地で通う校舎が分かれていましたが、校舎が1つになったため、住む場所で学校が変わることはなくなりました。ただし香港島側に住む場合は通学距離が伸びます。大埔は香港の中心街から北へ約20kmの新界にあります。
大埔校(大埔キャンパス)はどんな場所にありますか?
新界・大埔地区の郊外の文教地区にあり、学校資料によれば大埔自然保護区に面し、吐露湾を窓から眺める高台に位置します。近くには香港中文大学と、開校以来交流のあるティンカーピン校があります。新界で最も大きな地区である沙田(シャーティン)へのアクセスが便利な立地です。
香港日本人学校の児童生徒数は何人ですか?
統合直前の学校資料(記載日2025年6月2日)では、旧香港校が小学部136名・中学部99名、旧大埔校(日本人学級)が小学部164名で、合わせて約400名でした。これとは別に、同じ校舎の国際学級に25カ国籍・4〜11歳の児童165名が在籍しています。統合後の最新の在籍数は学校へご確認ください。
国際学級(IS)とは何ですか? 日本人学級とどう違いますか?
同じ学校の中にある、別カリキュラムの部門です。日本人学級(JS)は文部科学大臣から国内の学校と同等の教育課程を有する旨の認定を受け、日本の学習指導要領と日本の教科書で学びます。国際学級(IS)は国際バカロレア(IB)認定を受け、12歳までの初等教育プログラム(PYP)で学びます。両者は特別教室・グラウンド・プールを共用し、学校は授業時間帯を合わせる試みを行っています。
グローバルクラスは中学部にもありますか?
小学部には通常学級とグローバルクラス(GC)があります。中学部のグローバルクラスは2027年4月に大埔キャンパスで開始予定と学校経営理事会が発表しています。なお通常学級でも全学年で週5時間以上の習熟度別英語授業があり、図画工作(小2〜小6)と水泳は英語で行うイマージョン教育が導入されています。
香港の学校選び全体は香港の学校選び、学費は香港の日本人学校の学費にまとめています。規模の比較は日本人学校の生徒数、世界の学校は日本人学校 一覧、中学部については日本人学校の中学部をどうぞ。同じく複数キャンパスを持つ上海やシンガポールとも比べてみてください。




