アメリカ赴任が決まって「アメリカ 日本人学校 一覧」と検索すると、たくさんの学校名が出てきます。ところが実際に問い合わせてみると「うちは土曜日だけです」と言われる――そんな行き違いが起きやすいのがアメリカです。結論から書きます。文部科学大臣の認定を受けた全日制の日本人学校は、アメリカ全土で4校だけ。シカゴ、ニューヨーク、ニュージャージー、グアムです。それ以外は週末に通う補習授業校で、名前に「日本人学校」と付いていても補習授業校という学校もあります。
【一覧】アメリカの全日制日本人学校は4校
出典は文部科学省の「認定した在外教育施設の一覧」です。文科省は「日本人学校及び私立在外教育施設は、文部科学大臣から、国内の小学校、中学校、若しくは高等学校と同等の教育課程を有する旨の認定を受けており、中学部卒業者は、国内の高等学校の入学資格を、高等部卒業者は、国内の大学の入学資格をそれぞれ有します」と説明しています。北米地域【米国】の欄に載っている日本人学校は、次の4校です。
| 学校 | 所在地 | 学部 | 規模の目安 |
|---|---|---|---|
| シカゴ日本人学校 (シカゴ双葉会日本語学校 全日校) |
イリノイ州(シカゴ近郊) | 小学部・中学部 | 1978年9月開校。全米最大級の日本人コミュニティ |
| ニューヨーク日本人学校 | コネチカット州グリニッジ | 初等部・中等部 | 1975年にNY市クイーンズ区で創立し、のちに現在地へ |
| ニュージャージー日本人学校 | ニュージャージー州オークランド | 小学部・中学部 | 日米双方の学校に転入学できると学校が明記 |
| グアム日本人学校 (グアム国際日本人学校) |
グアム・マンギラオ | 幼稚部・小学部・中学部 | 1989年4月1日設立。全日制の総計60名(後述) |
まず驚かれるのがニューヨーク日本人学校がニューヨーク州ではなくコネチカット州にあることです。学校は「1975年にニューヨーク市クイーンズ区ジャマイカに、ニューヨーク州に認められた私立『ニューヨーク日本学校』として創立」し、現在は「ニューヨーク州と隣接しているコネチカット州グリニッジの閑静な住宅街の中に設置」されていると説明しています。マンハッタン勤務でも、学校はコネチカット。住まいを決める前に地図を見ておく必要があります。

名前が「日本人学校」でも補習授業校のことがある
ここが最大の落とし穴です。同じ文科省の一覧の「派遣教師のいる補習授業校」の欄には、「ポートランド日本人学校(※補習授業校)」という表記があります。文科省がわざわざ注記を付けているのは、名前だけでは区別がつかないからです。
| 種類 | 通う日 | 学ぶ内容 | 米国での数 |
|---|---|---|---|
| 日本人学校(全日制) | 平日・毎日 | 日本の学習指導要領にもとづく全教科 | 4校 |
| 補習授業校 | 主に土曜日 | 国語を中心に一部教科。平日は現地校やインターへ | 文科省が教師を派遣しているだけで28校 |
| 私立在外教育施設 | 平日・毎日 | 日本の私立学校が海外に設置。高等部を持つ場合がある | 2校 |
文科省の一覧に載る米国の「派遣教師のいる補習授業校」28校は次のとおりです。ワシントン日本語学校/ジョージア補習授業校/ローリー日本語補習学校/サンフランシスコ日本語補習校/シアトル日本語補習学校/ポートランド日本人学校(※補習授業校)/シカゴ双葉会日本語学校補習校/インディアナ日本語学校/デトロイトりんご会補習授業校/シンシナティ日本語補習校/コロンバス日本語補習校/オハイオ西部日本語学校/デンバー日本語補習学校/中部テネシー日本語補習校/セントラルケンタッキー日本人補習校/イーストテネシー補習授業校/ニューヨーク補習授業校/ニュージャージー補習授業校/フィラデルフィア日本語補習授業校/プリンストン日本語学校/ダラス補習授業校/ヒューストン日本語補習校/ボストン日本語学校/レインボー学園/マイアミ補習校/オーランド補習校/あさひ学園/サンディエゴ補習授業校みなと学園。
ロサンゼルス(あさひ学園)、ボストン、ダラス、ヒューストン、シアトル、デンバー、アトランタ(ジョージア)――日本人駐在員が多い都市の多くに全日制はなく、補習授業校があるという配置です。「アメリカに行けば日本人学校がある」という前提で赴任地を眺めると、ほぼ確実にずれます。
私立在外教育施設が2校――高校まで行ける選択肢
文科省の一覧には、日本人学校とは別枠で【米国】西大和学園カリフォルニア校と【米国】慶應義塾ニューヨーク学院の2校が「私立在外教育施設」として掲載されています。日本の私立学校が海外に設置した学校で、こちらも文部科学大臣の認定を受けています。
この枠が効いてくるのは高校段階です。世界の日本人学校で高等部があるのは上海日本人学校の1校だけなので、日本人学校は中学3年で必ず出口が来ます。アメリカの場合、その先の選択肢として日本の私立系の学校が国内にある、というのは他国にはあまりない条件です。

4校の規模――「日本人学校=大きい学校」ではない
一覧を見て次に気になるのが人数です。グアム国際日本人学校は学校概要に在籍数を公表しています。
| 区分 | 在籍数 | 基準日 |
|---|---|---|
| 全日制 幼稚部(年中K4・年長K5) | 22名 | 2025年4月現在 |
| 全日制 小学部(小1〜小6) | 22名 | 2026年1月現在 |
| 全日制 中学部(中1〜中3) | 5名 | 2026年1月現在 |
| 全日制 総計 | 60名 | 学校サイトの表記による |
| 補習授業校(プリ〜中3) | 51名 | 2025年4月現在 |
中学部は3学年あわせて5名。これは極端な例ですが、アメリカの日本人学校を考えるときの現実を示しています。全日制があること自体は貴重でも、同学年に日本語で話す相手が数人という状況は起こりうるということです。ニューヨーク日本人学校も、報道されている在籍数は初等部・中等部あわせて100名を下回る規模で推移しています。日本の公立小学校の1学年ぶんに満たない学校だと考えたほうが、赴任後のギャップは小さくなります。
スクールバスの範囲が、住むエリアを決める
全日制がある地域でも、通学圏の問題があります。ニューヨーク日本人学校が公表している通学バスのルートはWestchester A Line(Hartsdale・White Plains方面)、B Line(Eastchester・Scarsdale方面)、C Line(Mamaroneck・Harrison・Rye方面)、D Line(Harrison)の4系統です。学校は「バス停の位置につきましては、本校への入学を具体的に検討されている方にお知らせしています」としており、詳細は事務室への問い合わせが必要です。
つまりウエストチェスター郡とその周辺に住めるかどうかが、通学できるかどうかを決めるということです。ニュージャージー日本人学校も学校サイトにスクールバスのページを設けています。アメリカは車社会で、公共交通で子どもが通うことは基本的に想定されていません。学区で住まいを選ぶ現地校とは別の意味で、日本人学校も住まいの制約が強い選択肢です。

全日制がない土地に赴任したらどうするか
アメリカ赴任の家庭にとって現実的なのは、「平日は現地校やインター、日本語は別に確保する」という形です。補習授業校がその役割を担ってきましたが、週1回・土曜日という制約は変わりません。日本の学校が週5日でやっている内容を、週1日で追いかけることになります。
そしてアメリカと日本の時差は13〜16時間あります。日本の平日夕方は、アメリカ東部では同じ日の早朝、西部では前日の深夜です。逆に言えば日本の土曜日の午前中は、アメリカ東部の金曜日の夕方にあたります。週末を丸ごと使わずに、平日の延長で日本語の時間を作れる時間帯が存在します。
ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任するオンラインの日本語スクールです。日本にいる同世代の子どもたちと同じクラスで学ぶので、日本語が「土曜日に勉強する科目」ではなく「友達と話す言葉」になります。全日制の日本人学校が近くにない州でも、補習授業校まで車で1時間かかる地域でも、家から参加できます。
よくある質問(アメリカの日本人学校 一覧)
アメリカに日本人学校は何校ありますか?
文部科学大臣の認定を受けた全日制の日本人学校は4校です。シカゴ日本人学校、ニューヨーク日本人学校、ニュージャージー日本人学校、グアム日本人学校。これとは別に、私立在外教育施設として西大和学園カリフォルニア校と慶應義塾ニューヨーク学院の2校が文科省の一覧に掲載されています。
なぜアメリカには日本人学校が少ないのですか?
駐在家庭が特定の都市に集中せず全米に分散していること、現地校や私立校の選択肢が豊富なことから、平日は現地校・土曜は補習授業校という形が主流になったためです。実際、文科省が教師を派遣している補習授業校だけでも米国に28校あり、ロサンゼルス・ボストン・ダラス・ヒューストン・シアトル・デンバー・アトランタなど主要都市の多くはこの形です。
ニューヨーク日本人学校はニューヨーク州にありますか?
いいえ。コネチカット州グリニッジにあります。1975年にニューヨーク市クイーンズ区で創立され、のちに現在地へ移りました。通学バスはウエストチェスター方面の4系統(Hartsdale・White Plains/Eastchester・Scarsdale/Mamaroneck・Harrison・Rye/Harrison)で、バス停の位置は入学を具体的に検討している家庭にのみ案内されます。
名前に「日本人学校」と付いていれば全日制ですか?
違います。文科省の一覧には「ポートランド日本人学校(※補習授業校)」と注記付きで掲載されている学校があります。名称ではなく、平日毎日通うのか、土曜だけなのかを各校の公式サイトで確認してください。
アメリカの日本人学校に高等部はありますか?
ありません。日本人学校4校はいずれも中学部(中等部)までです。世界の日本人学校で高等部があるのは上海日本人学校の1校だけです。ただしアメリカには私立在外教育施設として慶應義塾ニューヨーク学院と西大和学園カリフォルニア校があり、高校段階の選択肢としては他国より恵まれています。

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