プノンペン赴任が決まって「プノンペンの日本人学校の学費」を調べると、金額が載っているのは学校サイトの入学要項ページに貼られた1枚の表だけです。結論を先に書くと、プノンペン日本人学校の年間納入金額は小1〜小3が6,080米ドル、小4〜小6が6,380米ドル、中学部が6,680米ドル。円にすると約91万〜100万円です。そしてこの学校の学費は、すべて米ドル建て。カンボジアは日常が米ドルで回る国なので、学費も現地通貨ではなくドルで請求されます。これは他の国の日本人学校と決定的に違う点です。この記事では公表額をそのまま並べ、カンボジアならではの実務まで整理します。
プノンペン日本人学校の学費【公表額そのまま】
以下は同校の入学要項ページに掲載されている【諸経費等】の表の記載どおりです。円換算は1米ドル=150円で計算した目安で、レートは変動します。
| 項目 | 区分 | 金額 | 支払い |
|---|---|---|---|
| 入学金 | 1人目 | USD 1,000/人(約15万円) | 入学時一括 |
| 2人目以降 | USD 500/人(約7万5千円) | ||
| 年間授業料 | 小学生(1〜3年生) | USD 5,280/年 | 学期ごと前払い (2学期制のため毎年4月・10月に半期分) |
| 小学生(4〜6年生) | USD 5,580/年 | ||
| 中学生 | USD 5,880/年 | ||
| 年間教材費 | 全員 | USD 520/年 | |
| 年間施設管理費 | 全員 | USD 240/年 | |
| 年間学童保険料 | 全員 | USD 40/年 | 入学時一括(入学月により変動) |
| PTA会費 | 全員 | USD 20/年 | 半期ごとPTAへ支払い |
| スクールバス代 | バス利用者 | 利用人数により変動 | バス会へ支払い |
| 課外活動費 | 対象者 | 都度設定 | 都度 |
同じ表に【年間納入金額】も明記されています。授業料+教材費+施設管理費+保険料の合計です。
| 学部 | 計算式 | 年間納入金額 | 円換算の目安 |
|---|---|---|---|
| 小学部(1〜3年生) | 5,280+520+240+40 | USD 6,080 | 約91万円 |
| 小学部(4〜6年生) | 5,580+520+240+40 | USD 6,380 | 約96万円 |
| 中学部 | 5,880+520+240+40 | USD 6,680 | 約100万円 |

プノンペンの特徴① 学費がすべて米ドル建て
カンボジアの通貨はリエルですが、日常の取引の大半は米ドルで行われます。プノンペン日本人学校の学校納付金も、すべてUSD表記です。バンコクならバーツ、ハノイならドン、ジャカルタならルピア――他国の日本人学校が現地通貨で請求するのに対し、ここだけは違います。
これは家計の見え方を変えます。現地通貨建てなら「現地通貨が下がれば円ベースの学費も下がる」という緩衝がありますが、ドル建てにはそれがありません。円安が進めば、そのまま円ベースの学費が上がります。年6,080ドルは1ドル=140円なら約85万円、1ドル=160円なら約97万円。同じ学費でも12万円の差が出ます。3年赴任なら無視できない幅です。
プノンペンの特徴② 兄弟割引が「入学金」側にある
授業料の兄弟割引はありませんが、入学金が1人目USD 1,000、2人目以降USD 500と半額になります。兄弟2人で赴任すれば入学金は1,500ドルで済む計算です。
さらに実務的に効くのが、同校の「児童・生徒就学規程」第15条です。「一時帰国その他の理由により、一旦退学し、再度入学するに際しては、本校の学籍離脱期間が6か月を超えない場合に限り、入学金を免除する。なお、施設利用料に関しては、学籍離脱期間の如何にかかわらず、再度入学するに際しては、免除する」と明記されています。
駐在中の一時帰国や、日本の学校を数か月試してから戻るといったケースで、6か月以内なら入学金を払い直さなくていい。この規定が公表資料に書かれている学校は多くありません。帰国のタイミングを迷っている家庭は、この6か月というラインを頭に入れておくと判断が変わります。

プノンペンの特徴③ スクールバスは保護者のボランティア団体が運営
費用表のスクールバス代の欄には金額がなく、「利用人数により変動」「バス会へ支払い」とだけ書かれています。同校のスクールバスは保護者のボランティア団体である「バス会運営委員会」が運営しており、学校の会計とは別です。各年度に選出された保護者の役員が中心となって運行しています。
つまりバス代は年度が始まる前に確定していません。申し込みは毎月25日までで翌月から利用開始、申込完了後にバス会の事務員から金額と支払い方法、運行スケジュールが案内される仕組みです。入学手続きが済んでいない場合や住居が確定していない場合は申し込めません。赴任前に「バス代を含む年間の教育費」を確定させることはできないので、予算には幅を持たせておく必要があります。
プノンペンの特徴④ 入学資格に「カンボジア日本人会への入会」
同校の入学資格(プノンペン日本人学校規則 第12条)は次のとおりです。
- 日本国籍を有すること
- 保護者及び本人が、カンボジア国に適法に在住していること
- 保護者が、入学金・施設利用料・授業料等の学校納付金負担能力を有すること
- 日本語による教育が可能なこと
- 運営委員会が適当と認める者であること
これに加えて、提出書類のところに「入学資格としてカンボジア日本人会に保護者・児童生徒本人が入会していただくことになっています」と明記され、会員証のコピーの提出が求められます。ベルギーのように「日本人会の非会員だけ追加の協賛金がかかる」国はありますが、入会そのものが入学の条件という書き方は珍しい部類です。
日程面では「中学部3年生の受け入れは6月末日までとします」という制限があります。マニラ(中3と小6は1学期終業式以降の編入不可)、ドバイ(G9は2学期当初まで)と同じく、中3の赴任時期が学校選びを縛るタイプの学校です。ビザについても、入国時の「Eビザsingle」と延長後の「STAY PERMIT」のコピー提出が求められます。
プノンペンの特徴⑤ 体験入学が「1日いくら」で受けられる
同校は編入を予定している家庭を対象に、原則1週間以内の体験入学を随時受け入れています。授業料は日額制で、小学1〜3年が1日22ドル、小学4〜6年が24ドル、中学1〜3年が25ドル。
赴任前の下見や、インターと迷っているときに「3日だけ入れてみる」ができるのは実務的に大きい。先に保護者面談があり、そこで子どもの様子と体験入学資格の確認が行われます。
インターとの差は約4倍
プノンペンのインターナショナルスクールの代表格、International School of Phnom Penh(ISPP)の2026/2027年度の授業料は次のとおりです(リエル建てで公表されているものを1米ドル=4,050リエルで換算した目安)。
| 学校・学年 | 年間授業料(USD換算の目安) | 円換算の目安 |
|---|---|---|
| プノンペン日本人学校 小学部(1〜3年) | 6,080(納入金額) | 約91万円 |
| プノンペン日本人学校 中学部 | 6,680(納入金額) | 約100万円 |
| ISPP Grade 1〜5 | 約24,600 | 約369万円 |
| ISPP Grade 6〜10 | 約28,900 | 約433万円 |
| ISPP Grade 11〜12 | 約30,800 | 約462万円 |

小学部で約4倍。ドバイ(1.3倍)やスイス(3倍)と違い、プノンペンでは学費が学校選びの決め手になります。プノンペンにはこのほかNorthbridge International School CambodiaやCanadian International School of Phnom Penhなどもあり、価格帯には幅があります。相場の全体像はインターナショナルスクールの学費にまとめました。
学費を払ったあとに残るもの――「日本の同世代と話す時間」
プノンペン日本人学校を選べば、授業は日本語で、教科書も日本と同じ。国語の心配は小さくなります。カンボジアで唯一の全日制の日本人学校で、小学部と中学部があります(高等部はありません)。
残る課題は人数です。プノンペンの日本人駐在家庭の規模を考えると、学年に何人いるかは必ず確認しておくべき項目になります。学年に数人という状況は、費用の問題ではなく子どもの学校生活の問題です。そしてインターを選んだ場合は、逆に日本語の学年相当が確実に落ちます。漢字・読解・作文は量が要る領域で、家庭内の会話だけでは維持できません。
ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと一緒に学ぶオンライン日本語スクールです。定額の通い放題で、日本人学校に通いながらの補完としても、インターに移った家庭の日本語のピンポイント補強としても使えます。カンボジアと日本の時差は2時間なので、日本の夕方のクラスがそのままプノンペンの夕方。学年に何人いるかを心配しなくていい――小規模校を検討しているご家庭ほど、ここが効きます。
よくある質問(プノンペンで学校を選ぶ方から)
プノンペン日本人学校の学費はいくらですか?
年間納入金額は小学部1〜3年がUSD 6,080、小学部4〜6年がUSD 6,380、中学部がUSD 6,680(授業料+教材費520+施設管理費240+学童保険料40)。新入生・編入生はこれに入学金USD 1,000(2人目以降は500)が加わります。2学期制のため、毎年4月と10月に半期分を前払いします。
月の途中で入学した場合はどうなりますか?
同校の表に「当月に1日でも在籍すれば、1か月分の授業料、半期分の施設料、教材費を納付いただきます」と明記されています。月末に着任して数日だけ通う場合も1か月分がかかるので、着任日と入学日を月初に寄せられるなら、その分だけ有利です。
一時帰国して戻ってくる場合、入学金を払い直しますか?
払い直しません。就学規程第15条により、学籍離脱期間が6か月を超えなければ入学金は免除されます。施設利用料については、離脱期間の長さにかかわらず再入学時は免除と明記されています。
スクールバス代はいくらですか?
公表されていません。スクールバスは保護者のボランティア団体「バス会運営委員会」が運営しており、金額は利用人数により変動します。申込は毎月25日までで翌月から利用開始、申込後にバス会からバス代と支払い方法が案内されます。入学手続きが済んでいない場合や住居が未確定の場合は申し込めません。
中学3年生でも編入できますか?
中学部3年生の受け入れは6月末日までと定められています。7月以降の着任で中3の場合は、この学校を選べません。着任時期が7月以降になりそうなら、早い段階で学校に相談してください。
入学前に学校を見ることはできますか?
できます。編入を予定している家庭を対象に、原則1週間以内の体験入学を随時受け入れています。授業料は小学1〜3年が1日22ドル、小学4〜6年が24ドル、中学1〜3年が25ドル。先に保護者との面談があります。

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