マレーシア赴任が決まってマレーシアの日本人学校の幼稚園を探すと、情報が見つかる学校と見つからない学校があることに気づきます。マレーシアには日本人学校が4校ありますが、公式サイトで幼稚部の入園要項を公開しているのはクアラルンプール日本人学校(JSKL)だけです(2026年8月28日確認)。しかもこの学校の幼稚部は、費用よりも先につまずく条件があります。クアラルンプール日本人会の家族会員であること、そして日本人会の入会申請はマレーシアに入国してからでないとできないという順番です。この記事では、2026年度の費用、入園の条件、出願から登園までの手順を、学校が公表している資料だけで整理します。
2026年度の費用――月にかかるのは保育料だけではない
クアラルンプール日本人学校が公表している幼稚部の2026年度の費用は次のとおりです。
| 項目 | 2026年度の額 | 備考 |
|---|---|---|
| 入園金 | RM2,630/人 | 入園時のみ。一度納めた入園金は返金されない |
| 保育料 | 月額 RM2,330/人 | 教材費を含む |
| 学校維持資金負担金 | 月額 RM370/人 | — |
| PTA会費 | 月額 RM8/人 | 学部に関わらず子ども1人あたり一律 |
| 通園バス費用 | 月額 RM439.50/人 | 2026年4月〜。Pandu Jaya SDN.BHDのバスを利用した場合 |

見落としやすいのは保育料以外の毎月の固定費です。学校維持資金負担金RM370とPTA会費RM8がバス代とは別に毎月乗ります。バスを使うと月額はRM3,147.50になります。
もうひとつ、日割りの扱いも公表されています。学校の説明では保育料・学校維持負担金は日割り計算をしていません。支払う月額は1年間にかかる費用を12か月で割った額なので、その月に1日でも在籍していればその月額分を納めることになります。月末の編入でも当月分は満額です。赴任日の調整が効くなら、月初に合わせたほうが無駄が出ません。

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入園の条件――費用の前に「日本人会」でつまずく
公式の入園条件は3つ、そして最終審査があります。
| 条件 | 確認のされ方 |
|---|---|
| お子様が日本国籍を有すること | 入学願書提出時にパスポートで確認 |
| クアラルンプール日本人会の家族会員であること | 入学願書提出時に日本人会会員番号で確認 |
| 保護者と子がマレーシアの長期滞在ビザを保有していること(子は就学可能なビザ) | 保護者と児童生徒の長期滞在ビザのコピーを提出 |
| 最終的な入学審査 | 学校運営理事会が行う |
実務でいちばん効くのは2つめです。学校の「入園入学ハンドブック」には、日本人会の入会は家族がマレーシアに渡航後の申請になると明記されています。日本にいるうちに会員になっておくことはできません。つまり渡航前に願書を完成させることは制度上できないということです。
ビザにも注意点があります。シングルエントリービザは短期滞在の許可なので対象外で、Dependent PassやMM2Hのような就学可能な長期滞在ビザが必要です。ビザ本体の前に出るApproval Letter(承認状)でも受け付けられます。子がマレーシア国籍も持つ二重国籍の場合は、ビザの代わりにICのコピーを、あわせてマレーシア国籍を持つ保護者のICのコピーも提出します。

出願から登園まで――幼稚部の面接は「対面のみ」
手順そのものはシンプルですが、順番が決まっています。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 必要書類をそろえる(パスポート、保護者と子の長期滞在ビザ、日本人会の会員証・家族会員証の写し) |
| 2 | 入園願書を申請する(プラスシード経由) |
| 3 | 教員との面接。幼稚部は対面面接のみ(小学部・中学部はオンラインでも可) |
| 4 | 事務局から費用納付の案内が届く |
| 5 | iPay88経由でのみ納付。事務局で入金確認 |
| 6 | 入金確認後、原則2営業日後から入園可 |
ここで押さえておきたいのが「幼稚部は対面面接のみ」という点です。小中学部はオンラインでも面接ができるのに、幼稚部だけは本人が学校に行く必要があります。面接では好きな遊び・食べ物、苦手な遊び・食べ物、生育歴、既往症、アレルギーが聞かれます。子どもの様子を直接見る場なので、渡航スケジュールに「面接のために親子でKLにいる日」を確保しておく必要があります。
また学校は事前の面接予約を受け付けていません。「ビザの手続きが遅れているが先に面接を予約できるか」という質問に対して、すべての必要書類が揃ってから面接を行うと答えています。ビザ待ちの間に手続きを先回りすることはできない、と考えておくのが安全です。
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園生活の実際――制服なし・弁当持参・1日保育は9:10〜14:00
幼稚部は年少・年中・年長の3学年で、1970年(昭和45年)1月に「日本語による就学前教育施設を」という在マレーシア邦人の要望で開設されました。文部科学省が告示する幼稚園教育要領に基づいた教育を行っています。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 保育時間 | 1日保育 9:10〜14:00/半日保育 9:10〜11:30 |
| 自主送迎の時間 | 登園 9:10〜9:30/降園 13:50〜14:00(半日は11:20〜11:30) |
| 昼食 | 原則としてお弁当。おやつ類(ドーナツ、チュロス、マフィン)は不可、果物・ゼリーは可 |
| 制服 | ありません。自分で着脱でき、汚れてもよい服装 |
| 髪飾り | 飾りのある髪ゴム・カチューシャ・バレッタ・ピン止め等は使用不可 |
| 欠席連絡 | BLENDで8:00までに。バスを使わない日はバス会社へも連絡 |
| 休園日 | 土日、マレーシアの祝日、学校が定めた日、夏季(7月下旬〜8月下旬)・冬季(12月下旬〜1月上旬)・春季(3月中旬〜4月中旬) |
カリキュラムには運動、IS(プール)、図書、EC、音楽、製作、おけいこ、異年齢児保育(ボレ保育)があります。ISはImmersion Swimmingの略で、年中・年長が東プールでマレーシア人コーチと担任の指導を受けます。ECは英語に親しむ活動で、年中・年長は小中学部のECローカル教員が担当し、年少は日常の生活の中で英語に触れる形です。日本人学校の制服の有無を各校で比べたものは日本人学校の制服はあるかにまとめています。
通園の4つの方法――バスは「学校のバス」ではない
学校は通学方法を4つ示しています。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| ①Pandu社のスクールバス | 申請書類と手引書が学校生活情報のページで配布されている |
| ②Saujana Villaから出ているバス | コンドミニアム発。事務所前の掲示板にも掲載 |
| ③Amaya Saujanaから出ているバス | 送迎の際には保護者の同乗が必要 |
| ④自主送迎 | 保護者の自家用車などによる送迎 |
ここも「学校が運んでくれる」わけではないという点が重要です。バスの契約は各家庭と運行業者の間で結ばれます。②③はコンドミニアム単位のバスなので、住まいをどこにするかがそのまま通園手段の選択肢を決めます。物件を見るときに「ここからJSKLへのバスがあるか」を管理事務所に確認しておくと、後から選択肢が増えます。幼稚部のバスはMont Kiaraエリアから2便が出ていると園生活のしおりに記載されています。
幼稚部の3年間で、日本語がどう育つか
幼稚部は日本語で過ごす場所です。ただ、園を出た後の環境は家庭ごとに大きく違います。小学部へそのまま上がる家庭もあれば、インターへ移る家庭もあり、任期が短ければ年中や年長で帰国することもあります。3歳から6歳は、話す相手の数がそのまま語彙の幅になる時期です。園と家庭だけで日本語が完結していると、話題が「今日あったこと」に寄っていきます。マレーシアと日本の時差は1時間なので、降園後の時間帯はそのまま日本の夕方です。日本の同世代と日本語で話す時間を別に持っておくと、帰国後の入り直しがずいぶん軽くなります。
よくある質問(マレーシア 日本人学校 幼稚園)
マレーシアの日本人学校で幼稚園があるのはどこですか?
マレーシアには日本人学校が4校ありますが、公式サイトで幼稚部の入園要項を公開しているのはクアラルンプール日本人学校だけです(2026年8月28日確認)。ペナン・ジョホール・コタキナバルの各校の公式サイトには、幼稚部に関する案内は見当たりませんでした。就学前の預け先については、各校へ直接お問い合わせください。マレーシアの日本人学校の一覧は日本人学校 一覧にまとめています。
2026年度の費用はいくらですか?
入園金がRM2,630/人(入園時のみ)、保育料が月額RM2,330/人(教材費を含む)、学校維持資金負担金が月額RM370/人、PTA会費が月額RM8/人です。Pandu Jaya社の通園バスを使う場合は月額RM439.50/人が加わります(2026年4月〜)。
日本にいるうちに入園手続きはできますか?
できません。入園条件のひとつがクアラルンプール日本人会の家族会員であることで、学校は日本人会の入会は家族がマレーシアに渡航後の申請になると明記しています。また幼稚部の面接は対面のみで、必要書類がすべて揃ってからでないと面接は行われず、事前予約も受け付けていません。
月の途中で入園した場合、保育料は日割りになりますか?
なりません。学校は保育料・学校維持負担金は日割り計算をしていないと説明しています。月額は1年間にかかる費用を12か月で割った額で、その月に1日でも在籍していればその月額分を納めます。なお一度納めた入園金は返金されません。
制服や給食はありますか?
幼稚部に制服はありません。運動しやすく、自分で着脱でき、汚れてもよい服装で登園します。昼食は原則としてお弁当を持参します。おやつ類(ドーナツ、チュロス、マフィン)はデザートとして不可で、果物とゼリーは可とされています。
クアラルンプールでの学校選び全体はクアラルンプールの日本人学校とインター比較、中学卒業後の進路はマレーシアの日本人学校と高校をご覧ください。世界の日本人学校の幼稚部については日本人学校の幼稚部にまとめています。




