学校説明会で「うちは一条校ではなく各種学校です」と説明されて、その場では頷いたものの、結局それで何が違うのかが分からないまま帰ってきた――そういう経験をされたかたは少なくありません。学校側も、法律の話を保護者向けに全部説明する時間はないのが普通です。
この記事では、一条校と各種学校の違いを「実際に何が変わるのか」の5点に絞って整理します。法律の解説そのものが目的ではなく、お子さんの進路とお金にどう跳ね返るかを知るための記事です。使うのは学校教育法の条文と文部科学省が公表している資料だけです。一条校という区分そのものは一条校とは|インターとの違いと3つの分かれ道で扱っています。

まず前提――根拠になっている条文が違う
同じ「学校」という言葉を使っていても、拠って立つ条文が違います。
この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。
学校教育法 第1条(一条校)
この9種類が一条校です。一方、各種学校は学校教育法第134条にもとづくもので、都道府県知事の認可を受けて設置されます。日本国内のインターナショナルスクールや民族系の外国人学校の多くが、この各種学校にあたります。
数で見ると規模がまるで違います。文部科学省の令和7年度学校基本統計(確定値・調査期日 令和7年5月1日現在)では――
| 区分 | 学校数 | 根拠 |
|---|---|---|
| 一条校(小学校) | 18,607校 | 学校教育法 第1条 |
| 一条校(中学校) | 9,827校 | |
| 一条校(高等学校) | 4,761校 | |
| 一条校(幼稚園) | 8,225校 | |
| 各種学校 | 974校 | 学校教育法 第134条 |
| 専修学校 | 2,975校 (うち高等課程を置く学校370校) |
学校教育法 第124条 |
なお、認可を受けていない「無認可施設」という第3のカテゴリーもあります。文部科学省IB教育推進コンソーシアムも、IB認定校の種別を「一条校、各種学校、専修学校、認定こども園、認可保育園、認可外保育施設、在外教育施設、無認可施設」に大別すると説明しています。「一条校でない=各種学校」ではありません。各種学校ですらない施設もあるので、確認するときは「一条校ですか」ではなく「どの区分ですか」と聞くのが正確です。

違い①就学義務――一条校でなければ履行にならない
義務教育段階では、これが最も重い違いです。文部科学省は明確にこう述べています。
保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません
文部科学省
ここで重要なのは、この解説には罰則や督促の扱いについての記載がないことです。ネット上には「違法になる」「実際は問題ない」の両方の断定がありますが、どちらも一次資料からは確認できません。実際の取り扱いは市区町村の教育委員会が判断する部分があります。必ず居住地の教育委員会に直接確認してください。これがこの記事でいちばん実務的なアドバイスです。
違い②上の学校への接続――中学から戻る道が想定されていない
文部科学省は「一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります」としており、インターの中学部の途中で日本の中学校へ編入学を希望する場合も同様としています。
つまり「小学校は各種学校のインターで、中学から日本の学校に」という乗り換えは、制度としてそのまま用意されていません。ここは学校説明会で説明が省かれやすい部分であり、かつ小学校入学の時点で中学以降まで決めることになるという意味で影響が大きいところです。
違い③高校段階と大学入学資格――ここは道がある
義務教育段階の話ばかり聞いていると絶望的に感じますが、高校段階になると制度としての道が用意されています。ここが混同されたまま語られていることが、不安を必要以上に大きくしています。
一条校でない教育施設を出ても、次のいずれかに当てはまれば日本の大学への入学資格が認められます。
- 国際的な評価団体(WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBIS)の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了し、18歳に達していること。学校の所在地が日本か外国かは問いません
- 外国の高等学校相当として文部科学大臣に指定された学校である場合
- 国際バカロレア・アビトゥア・バカロレア・GCE Aレベルを取得している場合
志望校がどの認定を持っているかは、入学前に必ず確認してください。「各種学校だから大学に行けない」ではなく、「その学校がどの認定を持っているかで決まる」というのが正確な理解です。

違い④お金――就学支援金の扱い
高校段階の授業料支援については、従来、外国人学校のうち「高等学校の課程に類する課程」に当たるものが指定を受けて対象になる仕組みでした。令和8年3月1日現在の一覧では、大使館ルート(民族系外国人学校)が17校、国際的な学校評価団体の認証によるルート(インターナショナル・スクール)の各種学校が33校指定されています。
ただし令和8年4月からの新制度で、国籍・在留資格等による支給対象者の見直しが行われ、扱いが変わりました(在校生には経過措置、新入生には「高校生等・新修学支援」)。制度が動いた直後なので、必ず学校と都道府県の私学担当窓口の両方で確認してください。詳しくはインターナショナルスクールと無償化(2026年4月に変わった点)にまとめています。学費の総額そのものはインターナショナルスクールの学費|初年度総額の実際をご覧ください。
違い⑤教育課程と国語――学習指導要領が及ぶかどうか
一条校には学習指導要領にもとづく教育課程があります。国語でいえば、学校教育法施行規則の別表第一が標準授業時数を定めており、小学校6年間で合計1,461時間(1年306・2年315・3年245・4年245・5年175・6年175)。この間に学年別漢字配当表の1,026字を学びます。
各種学校にはこの縛りがありません。それは自由度が高いという長所であると同時に、日本の教科としての国語が制度上は保証されないということでもあります。日本語の授業があっても、外国語としての日本語や会話中心であることが多いのが実際です。
やっかいなのは、家庭で日本語を話していると不足に気づけないことです。文部科学省は「日本語指導が必要な児童生徒」を、日常会話ができても学年相当の学習言語能力が不足し、学習活動への参加に支障が生じている子を含む概念として定義しています。会話は流暢なのに教科書の説明文が読めない――これが実際に起きます。インターナショナルスクールで日本語が遅れる・話せない?原因と家庭でできる対策で詳しく扱っています。

まとめ――5点をどう受け止めるか
| 論点 | 一条校 | 各種学校など |
|---|---|---|
| ①就学義務(義務教育段階) | 履行になる | 履行にならない(罰則の扱いは記載なし・教育委員会に確認) |
| ②中学から一条校への接続 | 問題なし | 制度上そのままでは想定されていない |
| ③大学入学資格 | あり | 評価団体認定・大臣指定・IB等で認められる |
| ④高校段階の授業料支援 | 制度の対象 | 指定を受けた学校のみ(令和8年4月から新制度) |
| ⑤学習指導要領・国語 | 及ぶ(小6年で1,461時間・1,026字) | 及ばない(家庭で確保が必要) |
この表を見て、①と②が重いのは義務教育段階に限られていることに気づいていただけたと思います。逆に③は道が用意されており、④は制度が動いたばかりで確認が必要、⑤は学校ではなく家庭側で埋められる唯一の項目です。各種学校を選ぶこと自体が悪い選択なのではなく、①②の確認と⑤の手当てをしたかどうかが分かれ目になります。
ともだちじゃぱんは一条校ではありません
先に正直に書きます。ともだちじゃぱんは学校教育法第1条に規定する学校(一条校)ではありません。通っても就学義務が履行されるわけではなく、日本の小中学校の卒業資格も出ません。この点をあいまいにした案内はしません。
当校が引き受けるのは⑤――学年相当の国語をどこで確保するかの1点です。授業を担当するのは日本の教員採用を経た現役水準の教員で、日本最大級の教員コミュニティ「授業てらす」の研修を受けています。8人の少人数クラスで、日本の学年に対応した教科としての国語を続けます。料金は月額定額(通い放題)、月100コマから3つの時間帯を選べます。
よくある質問
一条校と各種学校の違いは何ですか?
根拠となる条文が違います。一条校は学校教育法第1条に列挙された9種別(幼稚園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・大学・高等専門学校)、各種学校は同法第134条にもとづき都道府県知事の認可を受けた学校です。実務上変わるのは、①義務教育段階の就学義務の履行、②中学から一条校への接続、③大学入学資格の得かた、④高校段階の授業料支援の扱い、⑤学習指導要領にもとづく教育課程(とくに国語)の有無、の5点です。
各種学校は日本に何校ありますか?
令和7年度学校基本統計の確定値(令和7年5月1日現在)で974校です(前年度比-24校)。参考までに専修学校は2,975校(うち高等課程を置く学校370校)、一条校は小学校18,607校・中学校9,827校・高等学校4,761校・幼稚園8,225校などです。各種学校の数は一条校の小学校だけと比べても約19分の1にとどまります。
一条校でない学校はすべて各種学校ですか?
違います。文部科学省IB教育推進コンソーシアムは、非一条校の種別を「各種学校、専修学校、認定こども園、認可保育園、認可外保育施設、在外教育施設、無認可施設」に大別すると説明しています。認可を受けていない無認可施設もあります。学校に確認するときは「一条校ですか」ではなく「どの区分に該当しますか」と聞くほうが正確な答えが得られます。
各種学校を卒業すると日本の大学は受けられませんか?
受けられる道があります。国際的な評価団体(WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia・COBIS)の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了し、18歳に達していれば、日本の大学への入学資格が認められます(学校の所在地が日本か外国かは問いません)。ほかに、外国の高等学校相当として文部科学大臣に指定された学校である場合や、国際バカロレア・アビトゥア・バカロレア・GCE Aレベルを取得している場合も認められます。志望校がどの認定を持っているかを入学前に必ず確認してください。
各種学校でも高校無償化(就学支援金)は使えますか?
従来は、外国人学校のうち「高等学校の課程に類する課程」に当たるものが指定を受けて対象になっていました。令和8年3月1日現在の一覧では、大使館ルート(民族系外国人学校)が17校、国際的な学校評価団体の認証によるルート(インターナショナル・スクール)の各種学校が33校指定されています。ただし令和8年4月からの新制度で国籍・在留資格等による支給対象者の見直しが行われ、扱いが変わりました(在校生には経過措置、新入生には「高校生等・新修学支援」)。学校と都道府県の私学担当窓口で必ず確認してください。
各種学校を選ぶ場合、家庭で何を用意すればいいですか?
学年相当の国語です。各種学校には日本の学習指導要領にもとづく国語の授業がなく、日本語の授業があっても外国語としての日本語や会話中心であることが多いためです。一条校の小学校では国語の標準授業時数が6年間で1,461時間、学年別漢字配当表は1,026字と定められています。会話が成立していると不足に気づきにくいのですが、文部科学省は「日本語指導が必要な児童生徒」を日常会話ができても学年相当の学習言語能力が不足している子を含む概念として定義しています。進路を変えたくなったときに必要になるのは英語ではなく学年相当の日本語です。

