海外で公文を始めようとすると、通信という道はほぼ閉じています。公文式の海外通信は新規入会を受け付けていないためです(詳しくは公文は海外で始められる?)。
そこで多くのご家庭が「では現地の教室に通わせよう」と考えます。KUMONは世界中にありますから、当然の発想です。
ただ、ここで見落とされがちな事実があります。海外のKUMON教室に「国語」があるとは限りません。むしろ、無いほうが普通です。この記事では、その理由と、教室を探すときに最初に聞くべきことを整理します。

結論:教室は世界中にある。でも「国語」は別問題
公文教育研究会の公式サイトには、こう書かれています。
60を超える国と地域に、「学び」を届けています
数としては十分です。日本人が多い都市であれば、まず教室は見つかります。問題は何を教えている教室なのかです。
公文の海外展開について、公式は指導内容を「数学や母国語の学習指導」と説明しています。この「母国語」がポイントです。アメリカのKUMONにとっての母国語は英語、フランスのKUMONにとっての母国語はフランス語であって、日本語ではありません。
つまり海外の一般的なKUMON教室は、算数・数学+現地の言語(多くは英語のリーディング)という構成になります。日本の「国語」教材を扱っているのは、日本人の生徒が一定数いる地域の、一部の教室に限られます。
海外で、日本語を続ける方法をお探しの方へ
ともだちじゃぱんは、海外で育つ子どものためのオンラインの日本語スクールです。日本の同世代と毎日話せて、日本の現役水準の先生が担任につく8人の少人数クラス。
🎁 ご登録の方に「学校案内」と「海外で育つ子の日本語 続け方ガイド」のPDFを、自動返信でその場でお届けします。学費・奨学金・開校日程もいちばんにお知らせします。
30秒・無料。ご質問は返信メールにそのままご返信ください。
混同されやすい「公文式日本語プログラム」は別物です
ここが一番の落とし穴です。検索すると「公文式日本語プログラム」というものが出てきます。名前だけ見ると「海外で日本語をやってくれるのか」と思いますが、違います。
日本語プログラムは日本語を母語としない人が日本語を身につけるためのものです。公式でも、日常生活や仕事で役に立つ日本語力を目的として案内されており、企業の研修などでも使われています。
| 国語(こくご) | 日本語プログラム | |
|---|---|---|
| 対象 | 日本語を母語とする子ども | 日本語を母語としない学習者 |
| 目的 | 日本の国語力(読解・記述・漢字)の積み上げ | 実用的な日本語の運用力 |
| 帰国後の接続 | 日本の学校の国語に接続する | 日本の学年相当の国語とは別の体系 |
駐在で数年後に帰国する予定のお子さんにとって必要なのは、多くの場合前者です。ここを取り違えたまま数年通うと、帰国後に「思っていたのと違った」ということになりかねません。教室に問い合わせるときは、この2つを区別して確認してください。
教室を探す3ステップ
- お住まいの国のKUMON公式サイトで教室を検索する。KUMONは国ごとに現地法人のサイトがあります。日本の公文のサイトから海外の教室は探せないことが多いので、「Kumon + 国名」で現地サイトにたどり着いてください。
- 候補の教室に直接連絡する。取扱教科は教室ごとに違います。ウェブサイトに書かれていないことも多いので、直接聞くのがいちばん早いです。
- 体験や見学で、教材の現物を見せてもらう。「日本語をやっています」という返事が、国語教材なのか日本語プログラムなのかは、現物を見れば一目でわかります。
最初に送るとよい一文
問い合わせのとき、次の聞き方をすると話が早く進みます。
日本から来た子どもで、日本の学年相当の「国語」教材を継続したいと考えています。そちらの教室では国語教材の取扱いがありますか。日本語を母語としない方向けの日本語プログラムではなく、日本の国語のほうです。
この一文で、行き違いはほぼ防げます。
OUR TEACHERS
教えるのは、日本の学校の先生です。
家庭教師でも、動画配信でもありません。日本の小中学校で子どもと向き合ってきた教員が、約2%の選抜を通って担任になります。まずは無料で、お子さまのことを相談してみてください。
無料です。お子さまがご一緒でなくても構いません。無理におすすめすることはありません。
通えるとしても、残る3つの現実
1. 月謝は国ごとに違い、日本より高いことがある
海外の月謝は現地の物価と運営費で決まります。日本の感覚で見積もると差が出ます。金額は教室ごとに異なるため、必ず現地で確認してください。
2. 送迎が必要になる
これが実務上いちばん重いところです。車社会の国では保護者の運転が前提になりますし、共働きのご家庭では週2回の送迎が生活を圧迫します。教室が見つかっても、送迎が回らないから通えないというご相談は非常に多いです。
3. 教室の日程が現地校や補習校と重なる
土曜に補習校へ通っているご家庭では、公文の曜日と競合しがちです。すでに土曜が埋まっている場合、ここが調整の山場になります。
プリント学習が得意なこと、届かないこと
誤解のないように書きますが、公文式は優れた学習法です。自分の学力に合ったところから始めて、毎日少しずつ積み上げるという設計は、海外にいて学年通りに進めない子にとって、むしろ相性がよいものです。学年に縛られず、できるところまで戻れる。これは学校形式ではなかなかできません。
そのうえで、はっきりしていることがあります。プリント学習は読み書きに効きますが、会話は伸びません。
教室に通っても、そこで交わす日本語は先生とのやりとりが中心です。同世代の子と、教材と関係のない話を、日本語でだらだらとする——その時間はどこにもありません。海外で暮らす子の日本語がやせていくのは、たいてい語彙ではなく、この「だらだら話す時間」が消えるからです。
読み書きは積み上げ、会話は人と
わたしたち「ともだちじゃぱん」は、子ども向けのオンラインの学校です。日本の現役水準の教員が担任につき、8人の少人数クラスで、日本の同世代の子と毎日話します。
公文をやめてこちらに、という話ではありません。プリントは続けたまま、話す場だけを足す——役割が違うので、両立します。送迎が要らないのも、海外のご家庭には現実的な利点だと思います。
よくある質問
日本で通っていた公文を、海外の教室に引き継げますか?
教室ごとの対応になります。進度の引き継ぎができるかどうかも含めて、渡航前に日本の教室と、可能であれば渡航先の教室の両方に相談しておくとスムーズです。
近くに国語を扱う教室がありません。どうすればよいですか?
公文式の海外通信は新規入会を受け付けていないため、公文の枠内での代替は難しいのが実情です。日本の教材で読み書きを積み上げるなら、公式に海外受講の窓口がある進研ゼミやZ会が現実的な選択肢になります。
現地の英語のKUMONに通わせるのは意味がありますか?
現地校での英語のリーディングを底上げしたいなら、意味はあります。ただしそれは英語の対策であって、日本語の対策ではありません。目的を分けて考えてください。
一時帰国中だけ日本の教室に通えますか?
短期の受け入れをしている教室もあります。帰国の予定が決まったら、早めに近隣の教室へ相談してみてください。

まとめ
- KUMONは60を超える国と地域にあるが、海外教室の主軸は数学と現地の母国語
- 「国語」を扱う教室は限られる——あるのが当たり前と思わない
- 「公文式日本語プログラム」は非母語話者向けで、国語とは別物
- 問い合わせでは「日本の学年相当の国語教材があるか」を最初に聞く
- 月謝・送迎・曜日の競合という3つの現実を先に見積もる
- プリントは読み書きに効く。同世代と話す時間は別に用意する



