韓国への赴任が決まって学校を調べ始めると、思ったより早く調べ終わってしまいます。韓国にある日本人学校は、ソウルと釜山の2校だけです。文部科学省の一覧で確認できる範囲で、それ以外の都市には日本人学校がありません。しかも2校とも中学部までで、高等部はありません。この記事では、公的な一覧と各校の公表情報をもとに、韓国の日本人学校の全体像と、ソウル・釜山以外の都市に赴任する場合の選択肢を整理します。
韓国の日本人学校は2校――ソウルと釜山
文部科学省「認定した在外教育施設の一覧」のアジア地域【韓国】の欄に載っているのは、次の2校です。
| 学校 | 所在地 | 設置学部 | 開校 |
|---|---|---|---|
| ソウル日本人学校 | ソウル特別市 麻浦区 上岩洞(デジタルメディアシティ内) | 幼稚部・小学部・中学部 | 1972年 |
| 釜山日本人学校 | 釜山広域市 水営区(広安里ビーチのそば) | 小学部・中学部 | 1975年10月1日 |
文部科学省は日本人学校について「文部科学大臣から、国内の小学校、中学校、若しくは高等学校と同等の教育課程を有する旨の認定を受けており、中学部卒業者は、国内の高等学校の入学資格を、高等部卒業者は、国内の大学の入学資格をそれぞれ有します」と説明しています。ソウルでも釜山でも、中学部を卒業すれば日本の高校を受験できます。

韓国で、日本語を続ける方法をお探しの方へ
ともだちじゃぱんは、海外で育つ子どものためのオンラインの日本語スクールです。日本の同世代と毎日話せて、日本の現役水準の先生が担任につく8人の少人数クラス。
🎁 ご登録の方に「学校案内」と「海外で育つ子の日本語 続け方ガイド」のPDFを、自動返信でその場でお届けします。学費・奨学金・開校日程もいちばんにお知らせします。
30秒・無料。ご質問は返信メールにそのままご返信ください。
ソウル日本人学校――1972年開校、幼稚部から中学部まで
ソウル日本人学校は1972年に設立された学校です。当初は龍山区にあり、1980年に江南区開浦洞へ移転。校舎の老朽化にともない、2010年9月に麻浦区上岩洞のデジタルメディアシティ(DMC)内の新校舎へ移転し、同年9月27日から新校舎での授業を始めています。設置者は Seoul Japan Club(ソウルジャパンクラブ)です。
同校の公式サイトで案内されているのは「幼稚部入園にあたって」「小学部入学にあたって」「中学部入学にあたって」の3つで、高等部の案内はありません。育てたい子ども像として「たくましく心豊かに世界に生きる子ども」を掲げ、「優しく思いやりのある人間関係づくり」と「国際性豊かな子ども」の育成に取り組むとしています。小学1年から韓国語と英会話の授業があるのも特徴です。
連絡先は代表電話 +82-2-308-2010、メール gakko@sjs.or.kr。編入園・編入学の流れや通学バス利用の流れは、公式サイトに手順としてまとめられています。在籍規模についてはソウル日本人学校の生徒数、学費は韓国の日本人学校の学費にまとめています。

釜山日本人学校――補習授業校から始まった小中一貫校
釜山日本人学校は、成り立ちが少し変わっています。1974年4月27日に「釜山補習授業校」の開設許可が下りたのが出発点で、1975年1月14日に外務省から釜山日本人学校の設立許可、同年8月20日に校舎が竣工し、1975年10月1日に開校しました。日本国政府と韓国政府の認可のもと、釜山日本人会によって設立された私立の小中一貫教育校です。
教育目標は「明るく、正しく、たくましく」。学校は釜山広域市水営区にあり、広安里(クァンアンリ)ビーチのすぐ近くという立地です。この立地を生かした行事として11月の「ビーチマラソン」があり、広安大橋を望む広安里ビーチで、500m〜1500mを走ります。日本の学校のマラソン大会とは、景色がまるで違います。
規模は小さく、少人数教育が特徴です。人数の少ない日本人学校でどんなことが起きるかは、日本人学校の生徒数で他都市と比べています。
韓国に日本人学校の高等部はない
韓国で高校を考える家庭にとって、これはかなり大事な前提です。ソウルにも釜山にも高等部はありません。そして韓国だけの事情ではなく、世界に90校ある日本人学校のうち、高等部があるのは上海の1校だけです。上海日本人学校高等部は2011年4月に開校した、日本人学校で唯一の高等学校で、2026年4月現在の在籍は119名(詳しくは上海日本人学校 高等部)。
つまり韓国の日本人学校に通う場合、中学部卒業のタイミングで、家族の住む場所ごと進路を決め直すことになります。日本に戻って高校を受験するのか、ソウル・釜山のインターナショナルスクールへ進むのか、日本の通信制高校に在籍するのか。帰国生としての受験資格は高校の帰国子女枠の条件、日本人学校からの受験は日本人学校と帰国子女枠にまとめています。

OUR TEACHERS
教えるのは、日本の学校の先生です。
家庭教師でも、動画配信でもありません。日本の小中学校で子どもと向き合ってきた教員が、約2%の選抜を通って担任になります。まずは無料で、お子さまのことを相談してみてください。
無料です。お子さまがご一緒でなくても構いません。無理におすすめすることはありません。
補習授業校――韓国には「派遣教師のいる補習校」がない
日本人学校と混同されやすいのが補習授業校です。平日は現地校やインターナショナルスクールに通いながら、週末などに国語などを補う場で、全日制の学校とはまったく別のものです(違いは日本人学校と補習校の違いで解説しています)。
文部科学省が公開している「派遣教師のいる補習授業校」の一覧に、韓国の補習授業校は載っていません。アジア地域で載っているのはチェンナイ補習授業校(インド)とシンガポール日本語補習授業校の2つだけです。
一方で、保護者が運営する日本語補習校は存在します。京畿道にある「韓国・ブンダン(盆唐)日本語補習授業校」は、幼稚部と小・中学部を置き、土曜日に年間36日前後、継承語としての日本語教育を行っています。運動会や親子レクリエーション、入学式といった行事もあり、平日の幼児日本語教室も案内されています。ただし年36日という開講日数は、日本の学校の年間授業日数(200日前後)とは規模が違います。全日制の代わりにはならない、という前提で見る必要があります。
ソウル・釜山以外の都市に赴任したら
韓国は日本人学校が2都市にしかない国です。仁川、大邱、蔚山、光州、大田、済州——どこに赴任しても、日本人学校に通うにはソウルか釜山に住むしかありません。工場や事業所は地方にあることが多いため、「勤務地は地方だが、子どものために家族はソウルに住む」という形を選ぶ家庭も出てきます。
そして学校がある都市でも、悩みは残ります。日本人学校は日本の教育課程をそのまま学べる場所ですが、規模が小さい学校では同じ学年に日本語で話す相手が数人しかいないという状況になりやすいからです。帰国した子どもがつまずくのは教科書の日本語ではなく、同世代の日本語——話す速さ、話題、言い回しのほうだ、という声を私たちは何度も聞いてきました。学校選びの全体像はソウルの学校選びもあわせてどうぞ。

ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと同じクラスで学ぶオンラインの日本語スクールです。学校教育法第一条に定める学校(一条校)ではありませんが、日本の教員が日本の教科を日本語で教えます。韓国と日本の時差はゼロ。日本の子どもたちが放課後に集まる時間が、韓国でもそのまま放課後です。時差の調整がいらないのは、世界の駐在先のなかでも韓国だけの強みです。学年ではなく会話のレベルでクラスを分けるので、日本を離れて何年たっていても入れます。
よくある質問(韓国 日本人学校 一覧)
韓国に日本人学校は何校ありますか?
2校です。ソウル日本人学校と釜山日本人学校。文部科学省「認定した在外教育施設の一覧」のアジア地域【韓国】の欄に、この2校が掲載されています。同一覧では日本人学校は世界に90校、47ヶ国1地域です。
ソウル日本人学校はどこにありますか?
ソウル特別市麻浦区上岩洞のデジタルメディアシティ(DMC)内です。もとは龍山区、1980年からは江南区開浦洞にありましたが、2010年9月に現在の校舎へ移転しました。代表電話は +82-2-308-2010 です。
韓国の日本人学校に高校(高等部)はありますか?
ありません。ソウル日本人学校の公式サイトで案内されているのは幼稚部・小学部・中学部で、釜山日本人学校は小中一貫校です。世界に90校ある日本人学校のうち高等部があるのは上海日本人学校高等部(2011年4月開校)の1校だけで、韓国にはありません。中学部卒業で日本の高校の入学資格は得られます。
韓国に補習授業校はありますか?
文部科学省が公開する「派遣教師のいる補習授業校」の一覧に、韓国の補習授業校は載っていません。保護者が運営する「韓国・ブンダン日本語補習授業校」(京畿道)が土曜日に年間36日前後の授業を行っており、幼稚部と小・中学部があります。ただし全日制の日本人学校とは性格が異なります。
釜山日本人学校はいつできた学校ですか?
1975年10月1日に開校しました。1974年4月27日に釜山補習授業校の開設許可が下り、1975年1月14日に外務省から日本人学校としての設立許可、同年8月20日に校舎が竣工しています。設立主体は釜山日本人会で、教育目標は「明るく、正しく、たくましく」です。
大邱や仁川に日本人学校はありますか?
ありません。文部科学省の一覧で韓国に認定されている日本人学校はソウルと釜山の2校のみです。それ以外の都市に赴任する場合、日本人学校に通うにはソウルか釜山に住むことが前提になります。
日本人学校と補習授業校はどう違いますか?
日本人学校は全日制、補習授業校は補習の場です。日本人学校は国内の小学校・中学校と同等の教育を行う全日制の教育施設で、文部科学大臣から同等の教育課程を有する旨の認定を受けています。補習授業校は、平日は別の学校に通いながら国語などを補う場所で、開講日数も年間数十日にとどまります。
学費は韓国の日本人学校の学費と日本人学校の学費、世界の学校は日本人学校 一覧にまとめています。帰国後の姿は日本人学校から帰国したらもどうぞ。



