海外 学年と検索する保護者が確かめたいのは、たいてい同じことです。いま通っている学校の学年は、日本だと何年生にあたるのか。Grade 5、Year 6、Primary 4——呼び方も数え方も国ごとに違ううえに、日本と同じ数字でも同じ学年とは限りません。そして帰国が近づくと、この差がそのまま「うちの子は何年生として帰るのか」という現実の問題になります。
先に、この記事でいちばん役に立つ一行を書きます。ズレるのは「4月2日から、その国の入学の基準日までに生まれた子」です。逆に言えば、日本で早生まれと呼ばれる1月1日〜4月1日生まれの子は、どの国に行ってもだいたい日本と同じ学年に収まります。理由まで含めて、下で順に説明します。

学年の区切りは、国ごとに「日付」で決まっている

どの国も、小学校に入るのは6歳前後です。違うのは年齢ではなく、「同じ学年に入る子の生年月日の範囲」をどこで切るかです。
日本は、学校教育法で満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから就学することになっています。学年が4月に始まるので、結果として4月2日生まれから翌年4月1日生まれまでが同じ学年になります。「早生まれ」という言い方があるのは、この区切りが年度の途中を通っているからです。
これに対して、9月に新学年が始まる国は9月1日前後を、1月から始まる国や暦年で区切る国は1月1日を基準にします。基準日が日本の4月1日より後ろにあるほど、日本とズレる子の生まれ月の幅が広くなります。
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国・地域別の一覧:学年度と、同じ学年になる生年月日
| 国・地域 | 学年度 | 同じ学年になる生年月日 |
|---|---|---|
| 日本 | 4月〜翌年3月 | 4月2日〜翌年4月1日 |
| アメリカ | 8〜9月〜翌年6月 | 州・学区が定める(9月1日を基準にする例が多い) |
| イギリス(イングランド) | 9月〜翌年7月 | 9月1日〜翌年8月31日 |
| 中国 | 9月〜翌年7月 | 8月31日までに満6歳(9月1日〜翌年8月31日) |
| フランス | 9月〜翌年7月 | 1月1日〜12月31日(暦年) |
| 韓国 | 3月〜翌年2月 | 1月1日〜12月31日(暦年) |
| シンガポール | 1月〜11月 | 1月2日〜翌年1月1日 |
| オーストラリア | 1月下旬〜12月 | 州により異なる(下記) |
いくつか補足します。シンガポールは、教育省が小学1年(Primary 1)の登録対象を生年月日の範囲で公表しており、2026年の登録では2020年1月2日から2021年1月1日までに生まれた子が対象とされています。実質的には暦年での区切りです。
フランスは、その暦年のうちに6歳になる子が9月に小学校(CP)に入ります。月は関係なく、生まれた年だけで決まります。韓国も同じ暦年区切りで、学年度が3月に始まります。中国は義務教育法にもとづき、8月31日までに満6歳になる子が9月に入学します。
オーストラリアは州ごとに基準日が違い、しかも学年度が1月下旬に始まる南半球の暦なので、単純な対応表になりません。ニューサウスウェールズ州はその年の7月31日までに5歳になる子、ビクトリア州は4月30日まで、クイーンズランド州は6月30日までに5歳になる子が最初の学年に入れる、という定め方です。最初の学年の呼び名も Kindergarten・Prep・Foundation・Pre-primary・Reception・Transition と州ごとに違います。ビクトリア州の4月30日は日本の4月1日にきわめて近く、日本の学年とほぼ重なります。
ズレるのは、どの月に生まれた子か

基準日が日本より後ろにある国では、4月2日からその基準日までに生まれた子が、現地で日本より1つ上の学年に入ります。
- アメリカ・イギリス・中国(9月1日前後が基準):4月2日〜8月31日生まれがズレる
- フランス・韓国・シンガポール(暦年が基準):4月2日〜12月31日生まれがズレる
- 1月1日〜4月1日生まれ(早生まれ):どの国でも日本と同じ学年に収まる
日本にいるときは学年で最年少とされてきた早生まれの子が、海外では一致する側に入る。逆に、学年で最年長だった4月・5月生まれの子が海外では最年少側に回る。この入れ替わりは、成績よりもむしろ体格差や、集団の中での立ち位置として本人に効いてきます。渡航直後に「同じ学年なのに自分だけ小さい」と感じる子が多いのは、そのためです。
暦年で区切る国では、ズレる期間が9か月近くに広がります。シンガポールや韓国から帰国する4月〜12月生まれの子は、現地の学年から1つ下の日本の学年に入ることになります。アメリカからの帰国については、州ごとの基準日の確認の仕方も含めてアメリカの学年は日本の何年生かで詳しく書きました。
帰国したとき、学年はどう決まるのか
日本の公立小中学校に編入するとき、学年は年齢で決まります。文部科学省の説明でも、外国から帰国した児童生徒は原則として年齢に応じた相当学年に編入学することになっています。現地で何年生だったかは、そのまま持ち越されません。
ですから4月2日以降に生まれた子は、現地の学年より1つ下に入ることがあります。書類上はまったく正しい扱いなのですが、本人には「一度終えた学年をもう一度やる」ように見えます。帰国の直前ではなく、帰る年の初めに伝えておく——これだけで、受け止め方はかなり変わります。
なお、日本語能力が著しく欠如しているなど特別の事情がある場合に限り、一時的に下級の学年に編入する措置をとることも可能とされています。判断するのは学校と教育委員会で、保護者・本人の意向の確認が前提です。反対に「現地で1つ上にいたから上の学年に入れてほしい」という希望は、制度上ほぼ通りません。手続きの流れそのものは本帰国後に小学校へいつから通えるかにまとめてあります。
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学年の数字より、教科の日本語が止まっていないか
学年が1つ上か下かという問題は、帰国してしまえば数か月で落ち着きます。長く残るのは、その間に日本語で教科を学ぶ力が育っていたかどうかのほうです。現地校で Year 6 の課題をこなしていた子が、日本の小学5年の国語の教科書でつまずく。これはよくあることで、能力の問題ではなく、単に日本語の教科の言語に触れていなかったからです。
日常会話は2〜3年で育つのに対し、教科を学ぶための言語は5〜7年かかるとされています。帰国子女の国語が「できない」と言われる正体は、ほとんどがこの差です。学年をどう合わせるかを考えるのと同じくらい、その学年の日本語をどこで続けるかを決めておく価値があります。
| 補習授業校 | 現地の日本語学校 | オンライン家庭教師 | ともだちじゃぱん | |
|---|---|---|---|---|
| 通える条件 | 近くにあること | 近くにあること | 時間が合うこと | ネット環境があること |
| 学年の基準 | 日本の学年 | 教室により差 | 個別に設定 | 日本の学年相当 |
| 扱う範囲 | 国語中心・学年別 | 会話・基礎が中心 | 個別の弱点を補う | 学年相当の国語そのもの |
| 教える人 | 現地採用・派遣の教員 | 教室により差 | 大学生講師が主流 | 日本の現役水準の教員 |
| 同世代とのつながり | 現地の日本人の子 | 現地の日本人の子 | 基本は1対1 | 日本に住む同世代と8人まで |
| 帰国後も続くか | 続かない | 続かない | 続く場合がある | そのまま続く |

ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が、学年相当の国語を8人までの少人数で教えるオンラインスクールです。基準にしているのは日本の学年なので、現地で1つ上の学年にいても、下の学年にいても、日本の教科書の進度で「今どこにいるか」がはっきりします。そして授業には日本に住む同世代の子どもたちがいます。帰国して学年が1つ下がったとしても、教室に知っている顔がいれば、その1年の意味は変わります。
あわせて、本帰国の準備を12か月前から逆算する、編入・転入の手続きと学年の決まり方、帰国後になじめないとき、ダブルリミテッドと言われる状態への対策もご覧ください。
よくある質問
インターナショナルスクールの学年は、どの国の基準ですか?
学校が採用しているカリキュラムによります。イギリス式なら9月始まりで8月31日を基準に Year 表記、アメリカ式なら Grade 表記、国際バカロレアの学校は所在国の暦に合わせることが多いです。同じ都市の中でも学校ごとに基準が違うので、入学前に学校の Admissions のページで生年月日の条件を確認してください。
日本人学校に通っている場合はどうなりますか?
在外教育施設である日本人学校は日本の学年・日本の教育課程で運営されているので、学年のズレは生じません。帰国してもそのまま相当学年に入ります。学年の問題が起きるのは、現地校やインターナショナルスクールに通っているご家庭です。
現地で1学年落として入れてもらうことはできますか?
国・学区・学校の判断によります。到着直後で現地の言語がまったく初めてという場合に、面談のうえで調整する例はあります。ただし多くの学校は年齢どおりの学年に入れたうえで、言語支援をつけるという考え方です。下げるかどうかを交渉するより、どんな支援が受けられるかを先に確認するほうが、話が具体的になります。
帰国の年に、学年が2つ動くことはありますか?
通常はありません。ただし学年度の始まりが違う国から、日本の年度替わりをまたいで帰国すると、現地の学年が終わらないうちに日本では次の学年が始まっている、という形になります。数字だけを見ると飛んだように見えることがあるので、帰国日が決まった時点で、「その日に日本では何年生か」を年齢から確認しておくと混乱しません。
高校生の場合も、年齢で学年が決まりますか?
高校は義務教育ではないため、公立小中学校とは扱いが違います。編入試験の実施や、9年の課程(義務教育に相当する部分)を修了しているかどうかが問われます。年齢だけで自動的に決まるわけではないので、帰国の時期を決める前に、志望する高校の帰国生の入試要項・編入学案内を直接確認してください。
学年が何年生でも、日本語は日本の学年で。
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