上海への赴任が決まって上海日本人学校を調べ始めると、すぐに「虹橋校」と「浦東校」という2つの名前が出てきます。同じ学校なのに校舎が2つある。どちらに通うのか、選べるのか、規模はどれくらい違うのか。結論から書くと、虹橋校は小学部だけで児童868名、浦東校は小学部196名・中学部418名の合計614名です(いずれも令和8年4月時点の学校公表値)。そして最も大事なのは、中学部は浦東校にしかないということ。この記事は、両校の公式「学校概要」に載っている数字だけで、その違いを整理します。
虹橋校は小学部のみ・浦東校に中学部がある
まず構造から押さえます。上海日本人学校は1996年に完成した虹橋校が本体で、児童生徒の急増に対応するために2006(平成18)年4月に浦東校が新設されました。このとき、虹橋校の学校概要にこう書かれている再編が起きています。
「2006(平成18)年の浦東校開校に伴い、中学部全部と小学部の一部が浦東校に移りました。現在、虹橋校は、小学部のみになっています。」
つまり上海日本人学校は「西の小学校」と「東の小中学校」という非対称な2校体制です。虹橋校の子どもは、中学に上がるときに黄浦江を渡って浦東校へ移ることになります。小学校の6年と中学校の3年で通学の風景が変わる、というのがこの学校の一番の実務ポイントです。

【令和8年4月】虹橋校868名・浦東校614名――学年別の内訳
両校が公表している学年別の在籍数をそのまま並べます。
| 学年 | 虹橋校(人数/学級) | 浦東校(人数/学級) |
|---|---|---|
| 小1 | 121名/6 | 21名/1 |
| 小2 | 152名/5 | 30名/2 |
| 小3 | 154名/5 | 29名/1 |
| 小4 | 161名/5 | 26名/1 |
| 小5 | 145名/5 | 40名/2 |
| 小6 | 135名/5 | 50名/2 |
| 小学部 合計 | 868名/35(特支を含む) | 196名/9 |
| 中1 | ― | 156名/6 |
| 中2 | ― | 151名/6 |
| 中3 | ― | 111名/5 |
| 中学部 合計 | 設置なし | 418名/17 |
| 全校 | 868名 | 614名 |
この表を横に読むと、同じ「上海日本人学校の小学生」でも環境がまるで違うことがわかります。小学1年は虹橋校が121名で6学級、浦東校は21名で1学級。虹橋校では毎年クラス替えがありますが、浦東校の小1・小3・小4は単学級で、6年間ほぼ同じ顔ぶれになります。
虹橋校の「986名」という記載について
細かい点ですが、検算した人が戸惑うので書いておきます。虹橋校の学校概要には本文に「児童数は986名」とある一方、その直下の学年別表の合計欄は868です。学年別の内訳(121+152+154+161+145+135)を足すと868になり、表の合計欄と内訳は一致します。したがって本記事では、内訳と整合する868名を採用し、その旨を明記しました。正確な最新値は学校へご確認ください。
中1が156名――虹橋校の小6が浦東へ合流している
中学部の学年構成にも、この学校の形が表れています。中1が156名で6学級、中2が151名、中3が111名。一方、同じ年の小6は虹橋校135名+浦東校50名=185名です。
中学部は浦東校にしかないので、虹橋校で小学部を終えた子どもたちが、中1のタイミングで浦東校に合流するという流れが数字にそのまま出ています。小学部が9学級(浦東)だった学年が、中学部では6学級に増える。これは「浦東校の小学部が急に人気になった」のではなく、西側からの合流だと読むのが自然です。
中3が111名と少なくなるのは、他の日本人学校と同じで、高校進学のタイミングで日本へ戻る家庭があるためと考えられます。上海には日本人学校の高等部があるため、中学部卒業後に上海に残る選択肢も存在します。学校側も「中学部卒業後は上海日本人学校高等部や日本の高等学校へ進学する生徒が多い」と説明しています。

校舎と教職員――110名と99名で支えている
虹橋校は上海市中心部(市役所)より西へ約8kmの住宅地にあり、1996(平成8)年6月末に現校舎が完成しました。敷地2万㎡で、冷暖房完備の南棟(2階)・北棟(3階)・東棟(5階)、体育館、200mトラック、駐車場を備えます。児童増に合わせて増築を重ねており、1998年度末に南棟6教室、2002年5月に北棟9教室、2004年4月には5階建ての東校舎(温水プール、第2体育館、第2図書室、多目的室、第2パソコン室、普通教室25)が建てられました。校舎は日本国の補助金と上海日系企業からの寄付金で建設されています。
浦東校は黄浦江を隔てて東側の浦東開発地区にあり、こちらも日本国の補助金と上海日系企業からの寄付によって新設されました。
| 項目 | 虹橋校 | 浦東校 |
|---|---|---|
| 設置学部 | 小学部のみ | 小学部・中学部 |
| 位置 | 市中心部より西へ約8km | 黄浦江の東・浦東開発地区 |
| 校舎 | 1996年6月完成・敷地2万㎡ | 2006年4月新設 |
| 教員 | 校長以下65名(講師含め79名) | 校長含め54名(講師含め59名) |
| 職員 | 事務10・図書2・保健2・運転手1・用務2・門衛14(委託) | 事務職員・看護師・技術員・門衛など40名 |
| 教職員 総計 | 110名 | 99名 |
給食なし・服装のきまりなし・通学は保護者の責任
生活面のルールは、両校ともほぼ共通です。
- 給食はありません。「弁当・水筒」を持参します
- 通学時の服装のきまりは特にありません(家庭の判断)。虹橋校にはPTA推奨の運動着(SJS Tシャツ、ハーフパンツ、上着)があります
- 通学は保護者が責任をもって行うことになっており、「個人通学」か「校車通学」を選択します。通学のしおりに則り、校外では保護者(または保護者が依頼した大人)が付き添います
- 学用品は現地でほとんど入手可能で、日本で使っているものをそのまま使えます(教科によっては指定ノートの販売あり)
「制服がないこと」と「毎日弁当であること」は、赴任前の生活設計に直結します。特に弁当は、虹橋校なら6年間、浦東校の家庭なら最長9年間続く日課になります。

部活動・クラブは全員参加――浦東校の中学部は15部
浦東校は「全児童・生徒がクラブ・部活動に参加している」と明記しています。小学部は隔週月曜を基本に月2回程度のクラブ活動(全11クラブ=ボール、陸上、バラエティスポーツ、ダンス、卓球、なわとび、音楽、工作・科学、日中文化、家庭科、アニメ・イラスト)、中学部は毎週木曜に部活動(全15部=サッカー、バスケットボール、陸上競技、卓球、ダンス、バドミントン、レクリエーション、百人一首、新聞写真、ボランティア、美術、家庭科、科学技術、囲碁将棋オセロ、音楽)です。
宿泊行事も手厚く、小6と中3が2泊3日の修学旅行、小5と中1・中2でも宿泊行事があります。虹橋校の小6の修学旅行は北京で、中国の歴史・文化を学ぶ内容です。両校とも全学年で英会話と中国語会話を週1時間ずつ実施しています。
通う校舎は選べません。日本語で話す相手は選べます
虹橋校か浦東校かは、住まいの場所でほぼ決まります。そして中学からは、どこに住んでいても浦東校です。家庭の側で選べる余地は、思っているより小さいのがこの学校の実際です。
それでも選べるものがあります。子どもが日本語で誰と、どれくらい話すかです。上海日本人学校は日本の教育課程で学べる恵まれた環境ですが、帰国後にいちばん差が出るのは、日本の同世代と同じ話題・同じ速さで話せるかどうかでした。
ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと同じクラスで学ぶオンラインの日本語スクールです。学校教育法第一条に定める学校(一条校)ではありませんが、日本の教員が日本の教科を日本語で教えます。上海と日本の時差は1時間。校車を降りたあとの時間が、そのまま日本のクラスの時間になります。
よくある質問(上海日本人学校 虹橋校・浦東校)
虹橋校と浦東校の違いは何ですか?
いちばん大きな違いは設置学部です。虹橋校は小学部のみ、浦東校は小学部と中学部があります。位置は虹橋校が市中心部より西へ約8km、浦東校が黄浦江を隔てた東側の浦東開発地区。規模も虹橋校868名に対し浦東校614名(うち中学部418名)と、性格がかなり違います。
上海日本人学校の児童生徒数は何人ですか?
令和8年4月時点の学校公表値で、虹橋校868名(小学部のみ)、浦東校614名(小学部196名・中学部418名)、合わせて1,482名です。なお虹橋校の学校概要には本文に「986名」という記載もありますが、学年別の内訳と表の合計はいずれも868で一致しています。
虹橋校の子どもは中学になるとどこへ通いますか?
浦東校です。2006年の浦東校開校時に中学部がすべて浦東校へ移り、虹橋校は小学部のみになりました。実際、浦東校の中1は156名・6学級で、小学部(浦東校)の9学級より多くなっています。西側からの合流が数字に表れています。
1クラスの人数はどれくらいですか?
学年と校舎で大きく違います。虹橋校の小1は121名を6学級(1学級20名前後)、浦東校の小1は21名を1学級です。浦東校の小1・小3・小4は単学級のため、クラス替えがありません。中学部は中1が156名を6学級、中3が111名を5学級です。
制服や給食はありますか?
両校とも給食はなく、弁当と水筒を持参します。通学時の服装のきまりも特になく、家庭の判断とされています。虹橋校にはPTA推奨の運動着(SJS Tシャツ、ハーフパンツ、上着)があります。
スクールバスはありますか?
通学は保護者の責任で行うこととされ、「個人通学」と「校車通学」から選択します。通学のしおりに従い、校外では保護者(または保護者が依頼した大人)が付き添うことになっています。
高校段階については上海日本人学校の高等部、学校選び全体は上海の学校選び、学費は中国の日本人学校の学費にまとめています。他都市との規模比較は日本人学校の生徒数、世界の学校は日本人学校 一覧をどうぞ。同じく2キャンパス制のシンガポールとも比べてみてください。


