「娘に女子校を、と思っているけれど、帰国枠のある学校はどう選べばいいのだろう」――そう思って「帰国子女 中学受験 女子校」「女子校 帰国生入試」「帰国枠 女子校 一覧」と検索すると、出てくるのは偏差値の一覧と合格実績ばかりです。けれど本当に知りたいのは順位ではなく、「この学校の帰国生入試は、うちの子の何を見てくれるのか」「合格したあと、娘はどのクラスで、どんな日本語を求められるのか」という中身のほうではないでしょうか。この記事では学校の優劣には一切踏み込まず、女子校の帰国生入試を選ぶための物差しとして整理します。
女子校の帰国生入試は、大きく2つの型に分かれる
数を数える前に、種類を分けたほうが早く進みます。帰国生入試を実施している女子校は、募集要項を並べてみると「英語力を活かす国際コース型」と「日本語での学力を見る一般クラス合流型」のおおむね二つに整理できます。前者は英語のエッセイや英語での口頭試問、英語資格が中心にあり、入学後も国際系・グローバル系のコースにつながります。後者は国語・算数(と作文・面接)で日本の学力を確かめ、入学後は一般生と同じクラスに入ります。帰国枠そのものの考え方は帰国子女枠とは?受験の仕組み、中学受験全体の条件や日程は帰国子女の中学受験にまとめています。
ややこしいのは、一つの学校の中に両方の型が用意されていることが珍しくない点です。公表資料で確認できる範囲でいくつか挙げます。大妻中野中学校(東京)は、海外帰国生入試を国語・算数・面接で行い、願書の時点でグローバルリーダーズコース希望の有無を記入し、希望者には面接で英語による質問を行うと案内しています。希望しない場合はアドバンストコースの在籍になります。富士見丘中学校(東京)は帰国生入試にA方式とB方式を置き、A方式は書類と面接に英語エッセイと日本語の基礎作文、B方式は国語・算数・英語という構成が案内されています。頌栄女子学院中学校(東京)は12月の帰国生入試で「英語入試」と「3教科入試」を選べる形で、3教科入試では英語に国語・算数が加わります。学習院女子中等科(東京)は、公表されている募集要項で国語・算数と作文(日本語または英語)、保護者同伴の面接という構成が示されています。いずれも代表例です。最新の募集要項で必ずご確認ください。

同じ「合格」でも、入学後の景色はまるで違う
型の違いが効いてくるのは、合格した後です。効き方は三つあります。ひとつめはクラスの分かれ方。国際コース型では帰国生が一つのコースに集まりやすく、たとえば大妻中野はグローバルリーダーズコースを1クラス、アドバンストコースを5クラスとする編成を公表しています。一方、一般クラス合流型では帰国生が学年全体に散らばります。頌栄女子学院は帰国生を5クラス中3クラスに分散させ、一般生との混合クラスをつくっていると案内しています。「帰国生ばかりの1クラス」なのか「クラスの3分の1が帰国生」なのかは、娘さんの毎日の居心地そのものです。
ふたつめは英語の扱いです。国際コース型は英語の授業時間が多く、習熟度で分ける設計を持つ学校があります。大妻中野のグローバルリーダーズコースは週6時間+αの英語を英語力によりα・βの2クラスに分けて展開し、フランス語も必修と説明されています。富士見丘は英語の取り出し授業について募集要項に記載があり、A方式の面接では希望者に英語での口頭試問を行うと案内しています。せっかくの英語を落とさない設計になっているかどうかは、要項の「入学後」の記述に表れます。

そしてみっつめが国語の要求水準です。ここは見落とされがちですが、いちばん効きます。国際コース型で入学しても、国語・社会・理科は日本語で進み、定期考査も日本語で書きます。一般クラス合流型なら、入学した日から一般生と同じ進度です。つまり英語で入った子ほど、入学後に国語のギャップと向き合うことになる。記述の書き方は帰国子女の作文でも整理していますが、入試の作文と、入学後に毎週求められる日本語は別物だと考えておくのが安全です。
| 英語力を活かす国際コース型 | 日本語での学力を見る一般クラス合流型 | |
|---|---|---|
| 入試で主に見るもの | 英語のエッセイ・読解・口頭試問、英語資格。国算を課す学校もある | 国語・算数(+作文・面接)。日本の教科学習の到達度 |
| 入学後のクラス | 国際系・グローバル系のコースにまとまることが多い | 一般生と同じクラスに合流する |
| 英語の扱い | 授業時間が多く、習熟度別や取り出しを置く学校がある | 一般の英語に合流。取り出しの有無は学校差が大きい |
| 国語の負荷 | 入学後に学年相当の国語との差が出やすい | 入試の時点で日本語の力が問われる分、入学後は連続する |
| 向きやすいお子さん | 現地校・インターで英語を伸ばし、それを手放したくない | 日本人学校や国語の学習を続けてきた、帰国後に日本の進路を見ている |
共学とくらべたとき、女子校の受け入れはどう違うか
「女子校は帰国生に手厚い」と言われることがあります。実際、女子校には帰国生の受け入れを長く続けてきた学校が多く、頌栄女子学院のように全校生徒のおよそ2割が帰国生という状態を長年保っていると公表する学校や、大妻中野のように在籍生徒の1割を超える帰国生が在籍すると説明する学校があります。ただし、「女子校だから手厚い」という一般化は成り立ちません。差は男女の別より学校ごとの方針にあり、同じ女子校でも帰国生がごく少数の学校もあります。
そのうえで、女子校で特に効いてくる観点が一つあります。国際コースが1クラスしかない学校では、その1クラスの空気が6年間の学校生活をほぼ決めるということです。学年に複数クラスある共学の国際系と比べ、逃げ場が少ないぶん、合う子には最高の環境になり、合わない子には狭く感じられます。学校説明会や在校生の話で、そのコースの様子を具体的に聞いておく価値は高いです。地域ごとの学校の並びは帰国子女枠 中学受験 東京にまとめています。
出願前に、募集要項で必ず見る5項目
学校名を集める前に、要項の同じ5か所を見比べてください。これだけで候補は自然に絞れます。
- 出願資格:海外在住年数と帰国後の期間、そして在籍していた学校の種類。頌栄女子学院は海外に1年以上在住し海外の学校に1年以上在学、原則として帰国後3年以内と案内しており、学校によっては現地校・インターナショナルスクール在籍を条件に含めます。日本人学校からの受験可否はここで決まります。
- 選考科目と免除・優遇:英語資格による英語試験の免除や加点を設けている学校があります。手元の資格が使えるかどうかで、準備の順番が変わります。
- コース・クラスがどこで決まるか:入試の種類で決まるのか、願書の希望で決まるのか、入学後の判定なのか。大妻中野のように願書時点でコース希望を書く形もあります。
- 試験会場と実施回数:海外会場の有無は大きな分かれ目です。富士見丘は11月にシンガポール・ニューヨーク・ロンドンの3会場で実施し、合格後の入学資格を10か月間保持すると案内しています。会場と日程の全体像は海外から日本の中学受験を参考にしてください。
- 入学後の支援:国語の補習、英語の取り出し授業、再び海外赴任になった場合の扱い。要項や学校案内の「入学後」の記述にどれだけ具体性があるかが、そのまま受け入れの厚みです。

受験対策は帰国生塾へ。土台の国語はともだちじゃぱんで
正直に申し上げると、ともだちじゃぱんは受験専門塾ではありません。志望校別の過去問対策、英語エッセイや面接の詰めは、蓄積を持つ帰国生に強い塾の領域で、その価値は本物です。私たちが担うのはそのひとつ手前――学年相当の国語という土台と、日本の同世代とのつながりです。ここまで見てきたとおり、どちらの型で入学しても、教科の大半は日本語で進みます。国語のどこでつまずいているのかは帰国子女の国語「できない」の4つの層で整理しました。
ともだちじゃぱんは、国内最大級のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」(在籍1,000名超)を運営する株式会社NIJINが母体です。講師は採用合格率およそ2%の選抜で、今の日本の教室を知り尽くした現役水準の教員が、8人制の少人数クラスで教えます。1対1の家庭教師と違い、クラスには日本に住む同世代の仲間がいるのが特徴で、「勉強だから」ではなく「友達と話したいから」続きます。そして志望していた女子校に入学するその日、すでに日本に友達がいる状態で新生活を始められることは、受験そのものとは別の大きな安心になります。料金は通い放題で月額定額です。
まずは今の学年とのギャップを確認したい方へ。1分でできる学年相当・国語力チェック(無料)で、お子さんの「学年の穴」の目安がわかります。海外での国語・日本語の続け方は海外駐在×子どもの国語・日本語 完全ガイドにまとめています。

よくある質問
女子校の帰国生入試は、英語ができないと受けられませんか?
いいえ、英語を課さない、あるいは英語なしでも受けられる形を用意している学校があります。学習院女子中等科は公表されている募集要項で国語・算数と作文(日本語または英語)、保護者同伴の面接という構成を示しており、大妻中野の海外帰国生入試は国語・算数・面接と案内されています。日本人学校で日本の教科学習を続けてきたお子さんは、こうした「日本語での学力を見る型」のほうが力を出しやすいことが多いです。代表例ですので、最新の募集要項で必ずご確認ください。
国際コースに入ると、授業はすべて英語になるのですか?
いいえ。国際系・グローバル系のコースは英語の授業時間が多く、一部の教科を英語で行う学校もありますが、日本の中学校である以上、国語・社会・理科をはじめ大半の教科は日本語で進み、定期考査も日本語で答えます。「英語で入学したから日本語は使わない」ということはありません。むしろ英語で入学したお子さんほど、入学後に国語との距離を感じやすいというのが実際のところです。
帰国生は入学後、一般のクラスに混ざるのですか?
学校によって正反対です。頌栄女子学院は帰国生を5クラス中3クラスに分散させ、一般生との混合クラスをつくっていると案内しています。一方、コース制を採る学校では帰国生が特定のコースにまとまることが多く、大妻中野はグローバルリーダーズコース1クラスとアドバンストコース5クラスという編成を公表しています。どちらが良いという話ではなく、お子さんが「帰国生の中にいたい」のか「日本の同級生の中に早く溶け込みたい」のかで選ぶ観点が変わります。
女子校と共学、帰国生にはどちらが向いていますか?
一般論としての優劣はありません。ただ判断材料として、帰国生の在籍割合、取り出し授業や補習の有無、国際系コースが何クラスあるかは、男女の別より学校ごとの差のほうがはるかに大きいということは押さえておいてください。特に国際コースが1クラスだけの学校では、そのクラスの雰囲気が学校生活の大部分を決めます。説明会でコースの人数構成と、そこに帰国生が何割いるかを具体的に質問しておくと、比較がしやすくなります。
英語型で合格したら、入学後の国語はどうすればいいですか?
合格発表から入学までの数か月が、いちばん取り返しやすい時期です。ここで狙うのは受験国語ではなく、学年相当の漢字と、段落で書く記述という土台のほうです。中学校の定期考査は「本文を根拠に自分の言葉で説明する」形が中心で、これは英語のエッセイとは筋道が違います。国語の補習を用意している学校もありますが、そこに全部を預けるより、入学前から週の中に日本語で書く時間を組み込んでおくほうが、入学後のつまずきは小さくなります。

