「SAPIX 海外」で調べている方が知りたいのは、だいたいこの3つだと思います。海外からでも受けられるのか。オンラインで受けられるのか。誰でも入れるのか。
先に結論です。SAPIXには海外に住む家庭向けの受け方が用意されています。ただし通信教育とは仕組みがまったく違い、入室テストがあり、合否の連絡があります。申し込めば始められるサービスではない、という点が最大の違いです。
SAPIXを海外から受ける方法は、ひとつではありません

SAPIXは「海外コース」というひとつの商品があるわけではなく、目的別に複数の入口が用意されています。ここを取り違えると、問い合わせ先ごと間違えてしまいます。
- SAPIX INTERNATIONAL TOKYO:海外生・帰国生のための中学受験・高校受験の指導。校舎での対面に加えて、オンラインでの受講の案内があります。
- SAPIX中学部 オンライン校:中学1〜3年生が対象で、高校受験に向けた授業。平日の受講が難しい方に向けた土曜コースも設けられています。
- 海外通信テスト:授業ではなく、海外にいながら模試を受けるための仕組みです。
- 提携塾:各地の塾と提携し、現地でSAPIXの教材を使った授業を受けられる形があります。
加えて、9月から11月にかけて海外会場で進学セミナーが開かれるという案内もあります。「まず情報だけ取りたい」という段階なら、ここが入りやすい入口です。
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★入室テストがあります。ここが通信教育と決定的に違う
公式に案内されている、海外生がオンラインで受講を始めるまでの流れはこうです。
- 受講前面談
- 入室テストの受験手続き・発送(海外のご住所宛てにテストが送られます)
- 入室テストの受験・答案提出
- 合否連絡
- 受講手続き・教材発送
- 受講開始
ここで大事なのは4番の「合否連絡」です。進研ゼミやZ会のような通信教育は、申し込めば始められます。SAPIXは選抜があります。
これは悪いことではありません。同じくらいの学力の子が集まるからこそ、授業の速度を上げられるという設計です。ただし逆に言えば、「日本語での学習にまだ不安がある段階」では、入口で止まる可能性があるということでもあります。海外で育っている子にとっては、ここが現実的な分かれ道になります。
なお、入室テストは海外の住所へ郵送されると案内されています。国によっては到着まで時間がかかるため、受験を考える学年の1年前には動き始めると余裕が持てます。
時差については、公式に明記がありません
正直に書きます。オンライン受講が双方向なのか録画なのか、時差にどう対応するのかは、公式のページに明確な記載が見当たりませんでした。「Zoomでの受講方法は初日までに案内する」という記述にとどまります。
ここはお住まいの地域によって決定的に効いてくる部分です。ヨーロッパや南米と、東南アジアやオセアニアでは、日本の授業時間帯の重なり方がまったく違います。面談の段階で「うちの時間帯だと何時になりますか」を必ず具体的に確認してください。ここを曖昧にしたまま始めると、続けられなくなる原因になります。
海外対応で各社を並べると
| サービス | 始めるまで | 主な論点 |
|---|---|---|
| SAPIX(海外生向け) | 面談+入室テスト+合否連絡 | 選抜がある/時差の扱いは公式に明記なし=面談で要確認 |
| 四谷大塚NET海外 | 申し込み(小4〜6) | 進学くらぶが土台/季節講習は送料・手数料が別 |
| 進研ゼミ | 申し込み | 受講費が国・地域で変わる/タブレット講座は取り扱いを要確認 |
| Z会 | 申し込み | タブレットコースなら毎月の配送を避けやすい |
| スタディサプリ | 海外からは利用できない | 規約で日本国内限定。VPNでも扱いは同じ |
| 公文(通信) | 海外通信は新規入会を受付停止 | 新規では選べない(現地教室を探す形に) |
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SAPIXの強さは、正直に認めるべきものです
難関校を目指す学力をつくるという一点で、SAPIXの蓄積は際立っています。同じ目標を持つ子が集まる場の力は、通信教材では再現できません。海外にいると「まわりに受験する子がいない」という孤立が起きやすいので、同じ方向を向いた集団に入れること自体が価値になります。
受験を本気で考えていて、入室テストを通れる学力がすでにあるお子さんなら、真っ先に検討する価値があります。
ただ、その入口の手前でつまずく子がいます
海外のご家庭からいちばん多くうかがうのは、「算数はできるのに、国語の点が取れない」という声です。そして入室テストで差がつきやすいのも、多くの場合は国語です。
理由はシンプルです。国語は、その言葉を日常で使っているかどうかがそのまま出ます。説明文の語彙、気持ちを表す言い回し、行間の含み——これらは問題演習の量ではなく、その言葉を実際に使って話した時間の量で決まります。海外では、意識してつくらないとその時間はゼロに近づきます。
つまり、受験塾に入るための学力の土台が、受験塾の外側にあるということです。ここが海外のご家庭にとっていちばん見えにくいところだと思います。

ともだちじゃぱんがしていること
ともだちじゃぱんは、海外で育つ子どものためのオンラインの日本語スクールです。受験塾ではありません。受験の土台になる「日本語を使う時間」をつくるのが役割です。
- 日本の同世代と、毎日話す。教材の日本語ではなく、友達との日本語です。国語の語彙はここで増えます。
- 日本の現役水準の先生が担任につく。家庭教師ではなく、学校としてのクラスです。
- 8人の少人数クラス。聞いているだけで終わらず、必ず話す番が来ます。
- ライブ授業。録画ではないので、毎週の予定として生活に定着します。
- 入室テストはありません。今の日本語の力に関係なく始められます。
SAPIXの代わりではありません。受験の学力はSAPIXのような塾で積むものです。ただ、その手前にある日本語の土台は、日常のなかでしか育ちません。受験を考えるのが数年先なら、いま土台をつくっておくことが、いちばん効きます。
よくある質問
SAPIXは海外から申し込めば受けられますか
申し込みだけでは始まりません。公式に案内されている流れでは、受講前面談 → 入室テスト → 合否連絡を経て受講開始となります。通信教育とは仕組みが異なります。
入室テストはどこで受けますか
海外のご住所宛てにテストが発送され、受験後に答案を提出する形が案内されています。国によって郵送に時間がかかるため、余裕を持って動くことをおすすめします。
時差があっても受けられますか
公式ページには時差への対応の明記が見当たりませんでした。お住まいの地域で実際に何時になるのかは、受講前面談で必ず具体的に確認してください。
まだ受験を決めていません。何から始めればいいですか
受験するかどうかに関係なく、日本語を使う時間を確保しておくことは無駄になりません。受験するなら国語の土台になり、しなくても日本語そのものが残ります。決めるのを待っている間に、使う量だけが減っていくのがいちばんもったいない状態です。
まとめ
- SAPIXには海外生向けの受け方があり、入口は複数(INTERNATIONAL TOKYO/中学部オンライン校/海外通信テスト/提携塾)
- ★入室テストと合否連絡がある。申し込めば始められる通信教育とは仕組みが違う
- 時差の扱いは公式に明記がないので、面談で具体的な時刻を必ず確認する
- 難関校を目指す学力づくりでは強い。同じ目標の集団に入れること自体が海外では価値
- ただし入口で効くのは多くの場合、国語。その土台は塾の外側=日本語を使う時間でつくられる



