進研ゼミ 海外受講費を調べている方は、たいてい国内の料金ページを先に見ています。「小学2年生なら月4,580円か、それなら続けられそう」。そのつもりで海外受講のページに進むと、まったく違う数字が出てきて手が止まる。実際に多いのがこのパターンです。
先に結論を書きます。進研ゼミの海外受講費は、お住まいの国によって7段階に分かれ、しかも支払いは年度単位の一括払いが基本です。ベネッセ公式が挙げている計算例をそのまま引くと、シンガポールで「チャレンジ2年生」を2026年4月号から受講する場合、8,394円×12か月=100,728円が一括請求になります。国内の毎月払いの感覚で申し込むと、初回に驚くことになります。
この記事では、ベネッセ公式と、実際の契約先である販売会社の公式ページに書かれている数字だけを使って、費用が何で決まるのかを構造から整理します(金額はいずれも公式表記どおり2026年2月現在・2026年度のもので、本記事の確認日は2026年9月1日です。改定されますので、申し込み前に必ず公式でご確認ください)。
まず押さえる:契約先はベネッセではない

料金の話に入る前に、ここを外すと後の手続きが全部ずれます。ベネッセ公式にこう書かれています。「海外受講では、ベネッセではなく販売会社とご契約を結んでいただきます」。国内受講は契約先も支払い先もベネッセですが、海外受講は契約先も、受講費の支払い先も、解約の窓口も販売会社です。主たる販売会社は日販アイ・ピー・エス株式会社(日販IPS)で、公式ページには「上記以外の販売会社とご契約のかた」という記述もあり、勤務先経由など別ルートの存在も示されています。
実務上の効き方は3つです。ひとつ、国内の入会キャンペーンは対象外。ふたつ、料金表そのものが「日販アイ・ピー・エス株式会社で定めている海外受講費」として公表されている(=販売会社が決めている)。みっつ、ベネッセの海外受講専用の電話窓口は2024年3月31日で終了しており、問い合わせはフォームのみになっています。「ベネッセに電話して聞こう」が成立しません。
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7つのエリアで、月額がここまで変わる
公式の海外受講費一覧は、世界を7つのエリアに分けています。
- A/台湾・韓国・香港・タイ・シンガポール・フィリピン・グアム・マカオ・サイパン
- B/アジア・オセアニアの上記以外 C/アメリカ・カナダ D/北米・中米の上記以外
- E/イギリス・フランス・ドイツ F/上記以外のEU・中近東 G/南米・アフリカ
小学講座の1か月あたりの受講費(2026年2月現在・単位は円・宅配・EMS便)は次のとおりです。
| 講座 | A | C(米・加) | E(英仏独) | G(南米・アフリカ) |
|---|---|---|---|---|
| チャレンジ1年生 | 8,030 | 9,780 | 10,130 | 11,710 |
| チャレンジ2年生 | 8,394 | 10,144 | 10,494 | 12,074 |
| チャレンジ3年生 | 9,212 | 10,962 | 11,312 | 12,892 |
| チャレンジ4年生 | 9,939 | 11,689 | 12,039 | 13,619 |
| チャレンジ5年生 | 10,757 | 12,507 | 12,857 | 14,437 |
| チャレンジ6年生 | 11,212 | 12,962 | 13,312 | 14,892 |
| 中一・中二講座 | 11,521 | 13,271 | 13,621 | 15,201 |
| 中三受験講座 | 11,566 | 13,316 | 13,666 | 15,246 |
同じチャレンジ2年生でも、台湾なら8,394円、南米・アフリカなら12,074円。年間にすると約4万4千円の差です。こどもちゃれんじ(ぷち・ぽけっと)はAで7,266円、(ほっぷ・すてっぷ・じゃんぷ)はAで7,648円が公表されています。
そしてこの構造が効いてくるのが異動です。公式には「住所変更によって受講費が変更になる場合は、販売会社より返金・差額請求の手続きをとらせていただきます」とあります。シンガポールからロンドンへ、といった移動で月額が上がる(または下がる)ことが制度上起こります。任期中に転勤の可能性がある方は、この点を織り込んでおくと安全です。
国内と比べると、どれくらい違うのか
ベネッセの国内向けページ(小学2年生・2026年度10月号入会の場合)には、毎月払い4,580円、6か月一括で月あたり4,120円、12か月一括で月あたり3,700円という数字が掲載されています。海外の同学年はAエリアで8,394円、Gエリアで12,074円ですから、おおむね1.8〜2.6倍という見当になります。
ただしこの比較は、国内側が「10月号入会の場合」という条件つきの表示である点に注意が必要です。国内価格は入会時期やキャンペーンで動きます。倍率そのものを持ち歩くより、「海外は国内の倍近い」という感覚だけ持って、実額は必ず自分のエリアの表で確認するのが実用的です。
なお、入会金は0円です。販売会社の案内ページに「入会金は一切いただきません」と明記されています。
受講費に「含まれるもの」と「含まれないもの」

ここは進研ゼミの良いところでもあります。海外配送料は受講費に含まれています。公式のよくある質問でも「配送料について教えてください」に対し「受講費の中に含まれています」と明確に答えています。含まれるのは、教材費・添削料・海外配送費・添削問題などの課題のベネッセからの返送料・成績表などの発送費です。Z会のように「海外料金」を別建てで足す方式ではありません。
一方、含まれないものもはっきり書かれています。
- 課題(赤ペン先生の問題)を提出するための郵送料。切手代は利用者負担です。毎月発生する固定費として見込んでおく必要があります。
- 現地で発生する関税・付加価値税(VAT)・その他手数料。EU圏については販売会社が具体的に告知しており、対象商品に「進研ゼミ等」と名指しで挙げたうえで、現地費用としてVAT(商品価格の約20%〜。国により異なる)とDHL納付立替手数料(10ユーロ相当。国により異なる)が1件あたり必要と説明しています。ただしこの告知は2021年8月発送分からのもので、現行の税率・手数料は販売会社への確認が必要です。
- 振込・送金の手数料、インターネット接続のプロバイダ料金
つまり「配送料込み」は本当だが、「全部込み」ではない。特にEU圏の方は、受講費とは別に受け取り時の支払いが発生しうる、と見ておくのが正確です。
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タブレットは無い。高校講座も無い
費用の話とあわせて、必ず先に知っておいてほしい仕様があります。海外受講にタブレット・デジタルの選択肢はありません。公式には「デジタル学習コンテンツは各国の法規制などを鑑み、海外に居住されているかたにはご提供を行っておりません」と書かれています。国内で「チャレンジタッチ」を使っていたご家庭が、そのまま海外で続けることはできません。紙教材への切り替えになります。
さらに、高校講座は海外受講そのものが不可です。アプリ前提の設計のためで、海外受講で選べるのは中三受験講座までになります。中学から高校へ上がるタイミングで手段を切り替える必要がある、という前提で計画を立ててください。チャレンジタッチの海外での扱いはチャレンジタッチは海外で使えるのかでも整理しています。
もうひとつ、費用に直結しない代わりに納得感に効く話を。海外へは、種・土・薬品・精密機器・タブレット・リチウム電池入りの教材・通信機能付き教材が、検疫や通関の都合で送れません。それでも受講費は変わりません(届かない分の減額はありません)。届かない教材は国内の代理人へ転送する扱いになります。また教科書は登録がないと自動的に「東京版」になりますので、申し込み時の登録を忘れないでください。
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やめるときは、2か月前に言う必要がある
一括払いなので、出口の条件も先に見ておきます。中途解約自体は可能で、未受講分は販売会社から返金されます。ただし締切が早い。
- 解約・登録変更の締切/こどもちゃれんじ=前月1日、小学講座=前々月25日、中学講座=前々月20日
- 入会の締切/こどもちゃれんじ=当月5日、小学講座=前月末日、中学講座=前月25日
- 顧客都合の返品・返本は不可。返金の確認までに1〜2か月ほどかかる場合がある、とも案内されています。
小学講座は約2か月前に申し出ないと止まりません。「合わなかったら来月やめよう」が効かない設計だと理解しておいてください。帰国が決まったときも同じで、辞令が出たらまず解約締切を確認する、という順序になります。
申し込みから初回教材の到着までは2〜3週間とベネッセ・日販IPS双方が案内しています。2回目以降の定期配送は、教材お届け予定日が国内より5日遅い設定です(こどもちゃれんじ=当月6日、小学講座=前月30日、中学講座=前月25日)。なお電話での申し込みはできません。「海外ご住所の確認などの誤りを防ぐため、ホームページでのお申し込みに限定」と公式に書かれています。
あわせて、公式サイトに現在も掲載されている告知に触れておきます。アメリカ宛ての郵便物に関する大統領令を受けて日本郵便が国際郵便物の引き受けを一時停止したため、海外受講生宛の発送物に一時発送停止・大幅な遅延が発生している、というものです(告知日は2025年9月8日)。米国在住の方は、申し込み前に現在の状況を販売会社に確認されることをおすすめします。
見積もりの立て方(4手順)
ここまでの要素をまとめると、月額表示だけでは総額が見えません。次の順序で足していくと、実際に動く金額に近づきます。
- 自分のエリア(A〜G)を確定する。ここで月額が決まります。
- 残り月数を掛ける。年度途中の入会なら、翌年3月号までの月数です(公式の例では8月号からで8か月分=67,152円)。
- その全額が初回に動く前提で家計を見る。着任直後は敷金・家具・車などの出費が重なる時期です。
- きょうだい分と、赤ペンの郵送料、EU圏ならVAT等を足す。オプション講座(考える力・プラス講座、作文・表現力講座など)を取るならその分も。
もうひとつ、駐在の方に固有の注意点があります。販売会社の案内には「このページからのご注文は個人でお支払いのお客様のみが対象。日販IPSと口座振替契約がある方、勤務先の国内本社と精算する仕組みがある場合も、このページから購入するとお客様ご自身に全額請求されます」と書かれています。会社の福利厚生で処理したい場合は、個人フォームから申し込む前に販売会社へ連絡するのが正しい順序です。支払い手段そのものについては進研ゼミの海外受講|費用が国で変わる理由とあわせてご覧ください。
費用を詰めても、埋まらないものが一つ残る
ここまで金額の話をしてきましたが、海外で日本語を続ける家庭が半年後に困るのは、たいてい料金ではありません。教材は届いて赤ペンも返ってきているのに、子どもが日本語を話さなくなっていく、という現象のほうです。
言語学者のカミンズが整理したように、日常会話のことば(BICS)は2〜3年で育つ一方、教科の学習に耐えることば(CALP)は5〜7年かかると言われます。海外では現地校の言語がCALPを伸ばす側に回り、日本語は家庭内の会話だけになりやすい。「使う場面」が家庭の中にしか無い状態が続くと、9歳前後で語彙が伸び止まる、いわゆる9歳の壁にぶつかります。小学校6年間の教育漢字1,026字を積み上げても、それで誰かと考えを交わす場が無ければ、知識のまま止まってしまう。
読み書きの積み上げは進研ゼミのような教材が得意ですから、そちらは続けていただいていい。私たちともだちじゃぱんが担当したいのは、その「使う相手」の部分です。教材で読み書きを積み、こちらで使う相手を得る。併用でいい、と考えています。
用意しているのは三つです。日本の同世代と毎日話せる場。日本の現役水準の先生。そして8人の少人数クラスで、聞き役に回らず必ず発言が回ってくる設計。2026年12月開校のパイロットとして準備を進めています。学費は通い放題の月額定額制で、詳しい条件は資料でご案内しています。
よくある質問
海外でも毎月払いはできませんか?
公式には「受講費のお支払いは、基本的に年度単位の一括払い、または翌年3月号までの一括払いとなります」と書かれています。国内のような毎月払い・6か月一括という選択肢の案内は見当たりません。年度途中の入会であれば、その分だけ月数が減って一括額も下がります。
途中で別の国に引っ越したら、受講費はどうなりますか?
エリアが変われば受講費も変わります。公式には「住所変更によって受講費が変更になる場合は、販売会社より返金・差額請求の手続きをとらせていただきます」とあります。上がることも下がることもあるので、異動が決まったら早めに販売会社へ連絡してください。
表の金額は税込ですか?
海外受講費の一覧には消費税に関する表記が見当たりません(国内のページには税込の明記があります)。ここは公式に確認できなかった点ですので、正確なところは販売会社にお問い合わせください。本記事では公式表記のままの数字を載せています。
きょうだい2人だと、どう効いてきますか?
受講費は一人ずつの計算なので、単純に2人分になります。Z会のように「海外料金は一人あたり一回分」という上乗せ方式ではなく、進研ゼミは配送料込みの受講費そのものが人数分かかる形です。一括払いなので、初回に動く金額も2人分がまとまって出ていきます。
補習校と進研ゼミ、どちらかに絞るべきですか?
絞る必要はありません。補習授業校は外務大臣が指定した246校、日本人学校は文部科学大臣が認定した90校で、通える場所にあるとは限らないのが実情です。通えるなら通いつつ、足りない教科を通信で補う家庭も多いです。大事なのは、読み書きを積む手段と、日本語を使う相手を、それぞれ確保しておくことです。



