Z会 海外受講 料金を調べている方は、たいてい次のどれかの状況にいます。駐在の内示が出て、日本の勉強をどう続けるかを家計ごと組み立て直している。すでに海外にいて、補習校の負担が重く通信教育に切り替えられないかと考えている。あるいは、きょうだい二人分でいくらになるかが読めず、申し込みボタンの手前で止まっている。
先に結論を書きます。Z会の海外受講の費用でいちばん効いてくるのは、講座の中身ではなく「その教材が国境を越えて物理的に届くかどうか」です。紙の教材が航空便で飛んでいくコースには、国内の受講会費に上乗せされる「海外料金」「海外サポート料金」が発生します。逆に、教材がアプリ上に配信されるデジタル完結のコースは、公式に「国内と同一の会費設定」「海外料金はございません」と書かれています。同じZ会でも、ここで月数千円の差がつきます。
もうひとつ、国内受講と決定的に違うのが払い方です。海外受講では毎月払いが選べません。この記事では、Z会の公式ページで確認できる事実だけを使い、料金が「何で決まるのか」を構造から整理します。金額は改定されますので、実額は必ず最新の公式ページでご確認ください。
「海外料金」がかかるコースと、かからないコースがある

「Z会の海外受講はいくら?」という問いに一つの数字で答えられないのは、コースごとに費用の組み立てが違うからです。Z会の公式ページを学齢ごとに読むと、次のような差があります。
- 小学生タブレットコース/公式ページに「海外でご受講いただく場合も、国内と同一の会費設定となります」と明記されています。教材は毎月アプリ上に配信されるため、上乗せがありません。
- 小学生・中学受験コース/紙の教材が届くため、講座料金とは別に「教材発送費用・手数料等の費用として海外サポート料金4,800円(1カ月あたり)」が必要と案内されています。
- 中学準備コース/「1カ月あたり2,100円の海外料金」が必要で、この中に航空郵送料・手数料が含まれると書かれています。受講会費の計算式も「講座料金 × 講座数 + 海外料金」と明示されています。
- 高校生・大学受験生/「海外受講会費は、国内受講会費と同じです。海外料金はございません。」と書かれています。
並べてみると規則性がはっきりします。荷物が飛ぶコースは上乗せがあり、データが飛ぶコースは上乗せがない。海外料金は「海外にいることへの追加料金」ではなく、実質的に国際配送と事務手数料の実費だと読むのが正確です。同じ家庭でも、上の子が中学受験コース(紙)、下の子がタブレットコースなら、上乗せは上の子にだけ発生します。
ここで挙げた金額は執筆時点で公式ページに掲載されていたものです。年度替わりで改定されますので、申し込み前にZ会 公式(海外受講)から、お子さんの学年のコースページに入って必ず最新の数字をご確認ください。Z会のサイトは学年ごとに案内ページが分かれ、料金の書き方も学年ごとに違います。まず学年を選び、「海外受講のご案内」と「受講会費」の2ページを開くのが確実です。
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費用に効いてくる要素を、4つに分解する
見積もりを立てるときは、月額の表示価格だけを見ないほうがいいです。海外受講では、表示価格の外側にある要素のほうが家計へのインパクトが大きいことがあります。
1. 配送があるかどうか
すでに書いたとおり、これが最大の分岐点です。加えて公式には、海外への送付物は「お届けまでに通常よりお時間をいただくことがあります」、また世界情勢によっては一部の国・地域への国際郵便が一時引受停止となり、解除までZ会側で保管される場合がある、と書かれています。教材が届くタイミングが読みにくい点も、紙コースの現実的なコストです。
そして関税。「お届けする国によっては関税がかかる場合があります。かかる関税はお客様負担となります」と明記されています。海外料金を払えば全部込み、ではなく、国によっては受け取り時に別途支払いが発生します。
2. 端末の扱い
公式には「『Z会専用タブレット』の端末は、海外では利用できません」とはっきり書かれています。ただしこれは「タブレットで学べない」という意味ではなく、iPadなど手持ちの端末にアプリを入れて受講する形になります。専用端末代がかからない代わりに、家庭側でiPadを用意する必要がある。ここが実質的な初期費用として効きます。中学生向けのページでは、デジタルペンシルも海外では購入・利用できないと案内されています。
3. 払い方(ここが国内と大きく違う)
海外受講では毎月払いが選べません。公式ページには「海外受講の方は毎月払いはお選びいただけません」とあり、12カ月一括払い(講座料金が毎月払いより15%割引)か、6カ月一括払い(同5%割引)から選ぶ形になります。
これは二面性があります。割引が効くので月あたりの単価は下がる一方、最初にまとまった額が動くので、着任直後の出費が重なる時期には響きます。途中でやめる可能性を織り込むなら6カ月一括のほうがリスクは小さい。「安いのは12カ月、身軽なのは6カ月」と覚えておくと判断しやすいです。
支払い手段は「クレジットカード決済」「口座振替」の2種類で、いずれも一括払い。カードはVISA、Master、UC、Diners Club、JCB、AMEXが案内されています。海外在住だと日本の口座振替は使いにくいため、実務上はカード決済が主軸です。日本発行のカードが手元にあるか、有効期限が滞在中に切れないかを着任前に確認しておくと安全です。
4. 講座数ときょうだい
中学準備コースの計算式「講座料金 × 講座数 + 海外料金」が示しているのは、講座を増やしても海外料金は一人あたり一回分という構造です。国語だけ取るか、国語+算数を取るかで、海外料金の部分は変わらない。逆にきょうだい二人が別々に受講すれば、海外料金も二人分になります。
なお、受講会費の払込手数料や、Z会に答案を提出する際の費用(現地から日本へ送る郵送料)は会費に含まれません。紙コースで毎月答案を送るなら、その郵送料も固定費として見込む必要があります。ここでもやはり、デジタル完結のコースのほうが費用構造は読みやすくなります。
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海外での費用の効き方を、4社で並べてみる
実額は年度で変わりますし、家庭ごとに条件も違います。ここでは金額そのものではなく、「海外にいることが費用と実務にどう効くか」という構造を並べます。
| 比較軸 | Z会 | 進研ゼミ | スマイルゼミ | 公文(通信) |
|---|---|---|---|---|
| 海外向けの公式窓口 | あり(学年別の案内ページ) | あり(海外受講の専用サイト) | 公式の海外向けサービスは無い | デジタル版は海外の新規入会を停止中 |
| 教材の配送 | 紙コースは航空便。デジタル配信のコースは配送なし | 海外へ配送する前提 | 専用タブレットの海外発送は不可 | プリント教材は配送前提 |
| 海外にいることの上乗せ | コース次第。0円のコースもある | 地域ごとの受講費に海外発送料などを含む | 海外料金という概念自体が無い(自己手配) | 公式で要確認 |
| 端末の扱い | 専用タブレットは海外で利用不可。iPad等を用意 | コースにより専用端末または手持ち端末 | 専用タブレット必須。手持ち端末では学べない | デジタル版は端末とペンを自前で用意 |
| 払い方 | 毎月払い不可。6カ月/12カ月の一括払い | 公式で要確認 | 公式で要確認 | 公式で要確認 |
押さえてほしいのはスマイルゼミと公文の欄です。スマイルゼミは「海外への発送は承っておりません」という案内で、入会時も修理・交換時も国内で端末を受け取る必要があります。Wi-Fiがあれば動くという体験談は多いものの、公式の海外サポートがあるわけではないので故障時に詰まりやすい。公文のDigital KUMON通信学習は、実証実験中に海外在住者の枠が定員に達したとして、海外からの入会申込を停止しています。
つまり「海外にいる家庭が正面から申し込める大手」は、実質的にZ会と進研ゼミの二択に近い。その二つのうち、Z会はコースを選べば海外料金をゼロにできるという選択肢を持っている、というのが料金面での特徴です。進研ゼミとの比較は進研ゼミの海外受講|費用が国で変わる理由で詳しく書いています。
では、うちはどう選べばいいのか

費用だけで言えば、デジタル完結のコースが扱いやすいです。上乗せがなく、関税も配送遅延も答案の返送料も発生しない。滞在国が変わっても影響が小さいので、転勤の可能性がある家庭ほどこの身軽さは効きます。
それでも紙を選ぶ理由があるとすれば、中学受験のように「書いて考える量」が成果に直結する場面です。記述の答案を手で書き、赤を入れてもらう往復には、画面では置き換えにくい価値があります。海外サポート料金を払ってでも紙を取るという判断は、十分に合理的です。
迷ったときの順序はこうです。①学年のコースページで海外料金が付くかを確認する。②付くなら12カ月分に引き伸ばして年額で見る。③一括払いの初回額が家計のどこに当たるかを見る。④きょうだい分を足す。この4手順で、月額表示では見えなかった総額が見えます。
教材の費用を詰めても、埋まらないものが一つ残る
海外で日本語を続ける家庭が半年後に困るのは、たいてい料金ではありません。教材は届いて丸もついているのに、子どもが日本語を話さなくなっていく、という現象のほうです。
言語学者のカミンズが整理したように、日常会話のことば(BICS)は2〜3年で育つ一方、教科の学習に耐えることば(CALP)は5〜7年かかると言われます。海外では現地校の言語がCALPを伸ばす側に回り、日本語は家庭内の会話だけになりやすい。「使う場面」が家庭の中にしか無い状態が続くと、9歳前後で語彙が伸び止まる、いわゆる9歳の壁にぶつかります。小学校6年間の教育漢字1,026字を積み上げても、それで誰かと考えを交わす場が無ければ、知識のまま止まってしまう。
私たちともだちじゃぱんが担当したいのは、その「使う相手」の部分です。読み書きの積み上げはZ会のような教材が得意ですから、そちらは続けていただいていい。教材で読み書きを積み、こちらで使う相手を得る。併用でいい、と考えています。
用意しているのは三つです。日本の同世代と毎日話せる場。日本の現役水準の先生。そして8人の少人数クラスで、聞き役に回らず必ず発言が回ってくる設計。2026年12月開校のパイロットとして準備を進めています。学費は通い放題の月額定額制で、詳しい条件は資料でご案内しています。
よくある質問
海外料金は、講座を増やすと倍になりますか?
中学準備コースの公式の計算式は「講座料金 × 講座数 + 海外料金」なので、講座を増やしても海外料金の部分は一人あたり一回分です。増えるのは講座料金のほうです。ただしコースごとに費用の建て付けが異なりますので、お子さんの学年のページで確認してください。
Z会専用タブレットを日本で買って持って行けば使えますか?
公式には「『Z会専用タブレット』の端末は、海外では利用できません」と案内されています。海外受講ではiPadなど手持ちの端末にアプリを入れて学習する形になりますので、専用タブレット前提で計画を立てないほうが安全です。中学生向けにはデジタルペンシルも海外では購入・利用できないと書かれています。
途中で帰国したり、別の国に移ったりしたらどうなりますか?
一括払いが前提なので、変更手続きは早めに問い合わせてください。デジタル完結のコースなら住所変更の影響は小さく、紙コースは配送先の切り替えが必要です。転勤の可能性が読めない時期は6カ月一括のほうが調整しやすくなります。
補習校とZ会、どちらかに絞るべきですか?
絞る必要はありません。補習授業校は外務大臣が指定した246校、日本人学校は文部科学大臣が認定した90校で、通える場所にあるとは限らないのが実情です。通えるなら通いつつ、足りない教科を通信で補う家庭も多いです。大事なのは、読み書きを積む手段と、日本語を使う相手を、それぞれ確保しておくことです。



