「マレーシア 日本人学校 教員募集」と検索して、手が止まっていませんか。英語が通じ日本人も多く暮らす国で教員として働きたい。気持ちはあるのに、出てくる情報は文部科学省の制度の話と個別の学校の話が混ざっていて、自分はどちらの入口に並べばいいのか分からない。
落とし穴は二つ。文部科学省の派遣が「国を選んで応募する制度ではない」こと。そして各校の現地採用と派遣を混ぜて調べてしまい、準備がぼやけること。この記事では入口を3つ(文科省の派遣・JOESの学校採用・各校の直接採用)に分け、いまマレーシアで実際に出ている募集の条件、要件と流れ、赴任先としてのマレーシアの傾向、条件が合わないときに残る道まで整理します。
この記事は、現役の先生が集うオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」が、公開された一次情報の範囲で正直に解説します。各校の採用条件や給与は、学校とJOESが公表している値を出典と確認日つきで載せ、公表されていないことは推測で埋めません。

マレーシアの日本人学校 教員募集の入口は3つ――派遣・JOESの学校採用・各校の直接採用
入口は3つです。①文部科学省の在外教育施設派遣=国内で応募・選考を受け、派遣教師として赴任する。行き先は選べません。②JOES(海外子女教育振興財団)経由の「学校採用教員」=JOESが年1回まとめて募集を取り次ぎ、選考と雇用契約は各学校が行う。学校を指定して応募できるのが派遣との最大の違いです。③各校の直接採用=学校が自校の採用ページや求人サイトで随時出す募集。同じ「教員募集」でも窓口も時期も必要書類も別物です。
マレーシアの日本人学校はクアラルンプール・ジョホール・ペナン・コタキナバルの4校です(学校ごとの人数はマレーシアの日本人学校4校の一覧)。なお日本人学校は世界に90校、補習授業校は246校。全日制と週末中心では勤務の形が大きく違うので、応募前にどちらかを必ず見分けてください。
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いまマレーシアで出ている日本人学校の教員募集――2027年4月赴任の2校と幼稚部(2026年9月時点)
JOESの「2027年4月赴任 日本人学校等 学校採用教員」は、世界32校が参加し応募者は352名でした。そのうちマレーシアからは2校=クアラルンプール日本人学校(採用予定5名・応募23名)とジョホール日本人学校(採用予定1名・応募6名)が参加しています。採用予定数で割るとおよそ4.6倍と6倍。JOESは第1志望の締切時点で応募倍率が3倍未満の学校だけ第2志望を受け付けましたが、マレーシアの2校はどちらもその対象に入っていません。ペナンとコタキナバルは今回の参加校にありません。
| 学校・募集 | 主な応募条件 | 勤務と待遇(学校の公表値) | 家族の帯同 |
|---|---|---|---|
| クアラルンプール日本人学校 2027年4月赴任(JOES経由) 小学校教員3名・中学校教員2名(国語1・音楽1) | 教職経験3年以上/4年制大学卒以上(マレーシア政府の外国人教員の就労規定による)/小学部は小学校免許/着任時53歳未満/任期2027年4月〜2029年3月(双方合意で延長可) | 月〜金 7:30〜16:15・残業あり/給与は東京都の教育職給料表を参考に現地通貨で支給(参考:4年制大卒5年目で月RM9,457・手取り目安RM7,850)/学校が用意する学宅(徒歩5分)/賞与年2回/支度金30万円 | 可 |
| ジョホール日本人学校 2027年4月赴任(JOES経由) 小学部 学級担任1名 | 小学校一種・中学校一種の免許/4年制大学卒以上/最短3年の就労経験/音楽の指導経験があれば優先/任期2027年4月〜2030年3月 | 平日5日 7:50〜16:50・残業は原則なし/手取り28万円以上(年齢・経験で決定・リンギット払い)/住居の家賃は学校負担(光熱費は自己負担)/校用車で通勤/就労ビザの経費は学校負担/支度金5,000リンギット | 不可(原則単身) |
| クアラルンプール日本人学校 幼稚部 2027年4月〜(求人サイトJEGS経由の直接採用) 幼稚園教諭 若干名 | 50歳未満/四大卒で幼児教育・保育経験3年以上(短大卒で5年以上は相談)/幼稚園教諭一種または二種免許/ピアノはバイエル終了程度 | 月〜金 7:30〜16:15・行事の土日出勤あり/2025年度の例で四大卒経験3年・月額RM8,630/住宅手当は月RM2,500が上限/支度金30万円 | 不可 |
3件に共通すること=就労許可は「学校と雇用契約を結ぶこと」が前提
クアラルンプール日本人学校は、雇用契約そのものが「マレーシア政府から就労許可が下りること」を条件にしていると明記しています。教職経験3年以上と4年制大学卒が求められるのも、学校の好みではなくマレーシア政府の外国人教員の規定によるものです。自分の在留資格で働くのではなく、学校が日本から教員を呼び寄せ、就労許可を取る形だと考えておくと準備がずれません。経験年数か学歴のどちらかが足りない場合、条件を満たすまで待つか、別の道を探すことになります。
次の募集はいつ出るか
2027年4月赴任のJOES募集は、要項の公表が2026年5月、応募が6月15日〜7月3日、書類選考と適性検査を経てオンライン面接が8月22・23日、合否連絡が9月上旬〜中旬という流れでした。翌年度も同じ時期になるとは限りませんが、春に要項が出て初夏に締め切ることを前提に、履歴書と経験の整理は冬のうちに済ませておくのが安全です。学校独自の募集は、クアラルンプール日本人学校の求人ページ(jskl.edu.my/recruitment)を見てください。2026年9月25日時点で掲載されていたのは事務局職員(産休・育休の代替)1件で、教員の募集は出ていませんでした。
文科省の在外教育施設派遣で行く場合の要件と流れ
区分は現職派遣教師・シニア派遣教師・プレ派遣教師の3つ。現職はまず所属先(都道府県・政令市教育委員会等)の選考を受け、その後に文部科学省の書類審査と面接へ。シニアとプレは書面審査を通過してから面接です。プレは応募時おおむね29歳以下。シニアの公募(令和9年度及び10年度)は募集人員250名程度、教員退職者・退職予定者で応募時64歳以下、退職後原則10年以内、教職経験年数は職種により15年以上または21年以上とされます。年度・締切・条件は変わるため、最新は文部科学省の公式ページで確認してください。
派遣期間は原則2年間、評価等に応じて2年を限度に1年ごとの延長が可能。選考の観点は派遣目的、在外教育施設への理解、教育課程の理解、コミュニケーション能力、語学力、ICT活用力など。そしてマレーシア志望の方に一番大事な点。派遣先は自分で選べません。希望しない国・地域は申告できますが、決めるのは文部科学省で、派遣先は12月中に通知される予定とされています。「マレーシアに行くために派遣に応募する」は成立しません。制度の全体像は在外教育施設派遣教員の解説、書類とスケジュールは日本人学校の教員募集の要項まとめもどうぞ。
現地採用で行く場合に気をつけること(インターナショナルスクールという道も)
すでにマレーシアに住んでいる方、行き先を自分で決めたい方が狙うのは現地採用です。ただし募集は不定期で、常に枠があるとは限りません。志望校の採用ページをブックマークし、告知を待つ間に履歴書・免許状・経験の整理を済ませておきましょう。募集が出てから準備を始めると、短い応募期間に間に合いません。
就労には有効な就労許可・在留資格が必要で、学校側の手続きが関わる領域です。帯同ビザで働けるかもビザ種別や制度改定で変わるため、必ず最新の制度でご確認ください。マレーシアはインターナショナルスクールが多い国としても知られますが、求められる資格・英語力・カリキュラムの前提は日本人学校と別物です。
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赴任先としてのマレーシア(多言語環境・コミュニティ・気候・学期と夏休み)
以下は一般的な傾向で、断定ではありません。マレーシアはマレー語・英語・中国語などが日常的に使われる多言語社会で、英語が通じる場面が多いと言われます。教員にとっては子どもが学校の外で複数言語に触れて育つ環境で、「日本語が家庭内言語ではない子」への手立てが求められます。日本人が比較的多く暮らす都市があり、日本人会などのコミュニティが支えになる点も挙げられます。
気候は熱帯性で年間を通じて高温多湿。四季の寒暖差がないため、行事や体育の組み立て方が日本と変わることがあります。学期区分や長期休業(いわゆる夏休み)も現地事情に合わせて設定される場合があり、日本と同じとは限りません。日本人学校は一般に小学部・中学部が中心とされるため、自分の免許校種と募集校種が合うかも確認を。
| 比較項目 | 文科省の在外教育施設派遣 | マレーシアの日本人学校の現地採用 | ともだちじゃぱん |
|---|---|---|---|
| 勤務地の決まり方 | 希望しない国は申告できるが、決定は文科省。国を指定する制度ではない | 学校を指定して応募できる(募集が出ているときに限る) | 全授業オンライン。日本でも海外でも自宅から |
| 応募の窓口・時期 | 区分ごとに国内で公募。締切は年度で決まっている | 各校の公式サイトで随時告知。時期は不定期 | 通年で受付。週1コマから相談可 |
| ビザ・在留資格 | 派遣の枠組みの中で手続きが進む | 就労許可が必須。学校側の手続きが関わる | 渡航・就労ビザは不要(居住地はそのまま) |
| 教える相手・校種 | 日本人学校(90校)/補習授業校(246校)。校種は派遣先次第 | その学校の児童生徒。全日制か週末中心かで勤務が違う | 海外に住む日本にルーツを持つ子ども。8人少人数・担任制 |
| 家族・住まい | 現職は配偶者と18歳以下の子、シニアは配偶者のみ帯同可 | 学校ごとに条件が異なるため募集要項で確認 | 引っ越し不要。家族の生活を変えずに始められる |
| 位置づけ | 公的制度に基づく王道。条件が合うなら第一候補 | 行き先を自分で決めたい人の現実的な道 | 上の2つが今は難しい人が教え続けるための道 |
派遣・現地採用とは別に、いまの生活を動かさずに、海外で育つ日本の子どもへオンラインで教えるという道もあります。ともだちじゃぱんは、その先生を募集しています。 応募・お問い合わせは日本語教師・先生応募フォームから。働き方や報酬の考え方は採用ページにまとめています。

派遣も現地採用も条件が合わないときの第三の道
年齢や経験年数の要件に届かない。今は動けない。募集を待っているが枠が見えない。そういう方にもうひとつ道があります。日本にいながら(あるいはマレーシアに住んだまま)、オンラインで海外の日本人の子どもに教える働き方です。ともだちじゃぱんは日本人学校でも文部科学省の派遣制度でもありませんが、生徒は駐在・国際結婚・永住など海外で育つ日本にルーツを持つ子どもたち。日本人学校や補習授業校に通えない/通わない子も含まれます。
特徴は3つ。①8人少人数・担任制で、単発の会話レッスンではなく成長を継続して見る設計。②報酬テーブル公開・生徒数連動の仕組み。”例”としては副業スタート月10万円〜、在宅中心で月25〜30万円、フルコミットで月40〜70万円台(あくまで例であり保証される金額ではありません)。③二刀流キャリア=授業に加えWEB・広報・企業連携・進路・開発の役割を選べます。教員コミュニティ「授業てらす」は累計1,200名超、母体NIJINは11事業。マレーシアと日本の時差は1時間で、現地在住のまま日本時間の枠も担当できます。詳しくは海外在住のままオンラインで教える働き方へ。
正直に:向く人・大変な面
向くのは、多言語環境で育つ子どもの背景を面白がれる人、生活基盤を作り直す体力がある人、行き先が思い通りにならなくても教育の場に立ちたい人です。大変な面も書きます。派遣は国を選べず、選考も二段階で時間がかかる。現地採用は募集が不定期で、就労許可という自分では動かせない条件がついてまわる。第三の道も赴任生活そのものは経験できず、生徒が増えるまでは収入が控えめです。どの道にも代償があります。大事なのは、いま満たせる条件から逆算して教える経験を途切れさせないことです。
よくある質問
マレーシアの日本人学校の教員募集はどこで見られますか?
窓口は3つです。学校を指定して応募するならJOESの「学校採用教員」募集(2027年4月赴任はクアラルンプール日本人学校5名・ジョホール日本人学校1名が参加)、学校独自の募集は各校の採用ページや求人サイト(2026年9月はクアラルンプール日本人学校 幼稚部の幼稚園教諭がJEGSに出ていました)、国内から派遣を目指す場合は文部科学省の公募情報です。最新の有無・条件は各校の公式情報が正です。
マレーシアの日本人学校の教員の給料はいくらですか?
学校が公表している参考値では、クアラルンプール日本人学校が4年制大卒5年目で月RM9,457(手取り目安RM7,850・東京都の教育職給料表を参考に現地通貨で支給)、ジョホール日本人学校が手取り28万円以上(年齢・経験で決定)です。どちらも住居は学校が用意します。いずれも2027年4月赴任の募集で示された参考値で、保証額ではありません。
家族を連れてマレーシアの日本人学校に赴任できますか?
学校によって違います。2027年4月赴任の募集では、クアラルンプール日本人学校は帯同可(配偶者手当・子供手当・子女教育手当あり)、ジョホール日本人学校は帯同不可で原則単身赴任、クアラルンプール日本人学校 幼稚部の幼稚園教諭の求人も帯同不可でした。応募の前に、志望校の採用情報で必ず確認してください。
文部科学省の派遣で「マレーシア希望」は出せますか?
希望しない国・地域は申告できますが、派遣先は文部科学省が諸条件を総合勘案して決定し、12月中に通知される予定とされています。国を指定して行ける制度ではありません。行き先を決めたい場合は各校の現地採用を探すことになります。
すでにマレーシアに住んでいます。応募できますか?
現地採用の募集が出ていれば候補になります。就労には有効な就労許可・在留資格が必要で、帯同ビザで働けるかはビザ種別や制度により異なります。必ず最新の制度でご確認ください。待つ間も教えたい方には、居住地を変えずに始められるオンラインの道もあります。
学期や夏休みは日本の学校と同じですか?
学期区分や長期休業は現地の事情に合わせて設定される場合があり、日本と同じとは限りません。行事や一時帰国の計画にも関わるので、応募前に志望校の公式情報でご確認ください。
条件が合う方は、まず文部科学省の在外教育施設派遣を目指してください。そのうえで「行き先を選べないなら踏み切れない」「募集が出るまで教える場がない」という方へ。ともだちじゃぱんなら、いまの住まいのまま海外で育つ日本の子どもたちの担任になれます。未経験・資格なしOK、週1コマから歓迎します。
採用の詳細や働き方はともだちじゃぱんの採用ページをご覧ください。他の国の事情はオーストラリアの日本人学校の教員募集もどうぞ。



