ベトナム 日本人学校 教員募集で探している方に、最初にお伝えしたい数字があります。海外子女教育振興財団(JOES)の2027年4月赴任の「学校採用教員」の募集で、ハノイ日本人学校の採用予定は12名でした。これは同じ募集に参加した世界の日本人学校・補習授業校のなかで、バンコク(13名)に次ぐ規模です。ベトナムは、日本人学校で働きたい先生にとって「枠の大きい国」のひとつです。
この記事では、文部科学省の在外教育施設一覧と、JOESが公開している2027年4月赴任の募集結果をもとに、ベトナムの日本人学校2校の入口・倍率・応募前に確かめることを整理します。
この記事は、海外に住む日本にルーツを持つ子どもへオンラインで授業を届けているスクール「ともだちじゃぱん」が書いています。本記事は文部科学省・JOES・各校の公式情報ではありません。以下は2026年10月6日時点で各公式ページに掲載されていた内容に基づきます。募集の有無や条件は年度ごとに変わるため、応募の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。

ベトナムの日本人学校はハノイとホーチミンの2校
文部科学省の「認定した在外教育施設の一覧」で、ベトナムの日本人学校は次の2校です。
- ハノイ日本人学校(北部・首都ハノイ)
- ホーチミン日本人学校(南部・最大の商業都市ホーチミン)
北と南で約1,100km離れており、気候も街の雰囲気も違います。ダナンなど中部の都市には、この一覧に載る日本人学校はありません。「ベトナムの日本人学校で働く」とは、実際にはハノイかホーチミンのどちらかを選ぶことです。
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入口は2つ——文科省派遣と「学校採用教員」
① 文部科学省の在外教育施設派遣。国内の現職教師などを派遣する制度で、派遣先は文部科学省が諸条件を総合勘案して決めます。ベトナムを指定することはできません。派遣期間は原則2年間です(文部科学省・在外教育施設派遣教師について)。
② 学校採用教員(JOESの雇用支援を通じた現地採用)。日本人学校などが自校で採用する先生のうち、JOESの雇用支援を通じて採用される人を「学校採用教員」と呼びます。応募は学校を1校選んで行う方式で、応募資格は日本の教員免許(取得見込みを含む)。第1志望の締切時点で応募が採用予定の3倍未満だった学校には、第2志望として応募することもできます(JOES・2027年4月赴任 学校採用教員募集)。
2027年4月赴任の募集で、ベトナムは約2.9倍
JOESが公開した参加校一覧(2026年7月9日更新)から、ベトナムの2校を抜き出すと次のとおりです。
| 学校 | 採用人数(予定) | 第1志望の応募人数 | 第2志望の応募人数 |
|---|---|---|---|
| ハノイ日本人学校 | 12名 | 42 | —(対象外) |
| ホーチミン日本人学校 | 6名 | 11 | 14 |
| ベトナム2校の合計 | 18名 | 53 | 14 |
合計では採用予定18名に第1志望53名=約2.9倍です。ただし2校の性格は違います。ハノイは12名の枠に42名(3.5倍)が集まり、第2志望の受付対象から外れました。ホーチミンは6名に11名(約1.8倍)で、そのあと第2志望として14名が応募しています。「ハノイは枠が大きいが人気も高い」「ホーチミンは第1志望なら入口が広い」というのが今回の数字の読み方です。
参考までに、同じ募集でバンコク日本人学校は13名に79名(約6.1倍)、インドネシアの参加4区分は合計6名に16名(約2.7倍)、中国本土の参加8校は合計21名に23名(約1.1倍)でした(タイの日本人学校の教員募集/インドネシアの日本人学校の教員募集)。
応募の前に確かめたいこと
ハノイかホーチミンか。応募は1校を選ぶ方式なので、どちらの街で2年以上暮らすかを先に決める必要があります。ハノイは冬に気温が下がり四季に近い変化があり、ホーチミンは一年中暑く雨季と乾季があります。生活の形が違うので、学校の説明会や面接で住まいと通勤の実際を具体的に聞いてください。
就労の手続き。ベトナムで働くには、労働許可と在留の手続きが必要です。要件や学校の支援の範囲は学校・時期で変わるため、この記事では断定しません。必ず応募先の学校とベトナム政府の公式情報でご確認ください。法的な助言ではありません。
待遇の読み方。学校採用教員の給与・住居・航空券などの条件は学校ごとに示されます。現地通貨の額面だけで日本の給与と比べず、家賃や物価、為替を通した手取りで比べてください(日本人学校の教員の給料)。
日本人学校以外の「教える仕事」。ベトナムでは、日本の大学がハノイの大学に置く拠点などで、日本語教師の募集が出ることがあります(日本語教育学会の求人情報などに掲載)。こちらは学生に日本語を教える仕事で、日本の教員免許ではなく日本語教育の資格や経験が求められる、別の職種です。

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ベトナムに住んだまま、日本の子どもを教える道
ベトナムと日本の時差は2時間です。日本の夕方の授業は、ベトナムではまだ午後です。すでに配偶者の駐在でハノイやホーチミンに住んでいる方も、日本にいる方も、通勤なしで、海外で育つ日本の子どもの授業を担当する働き方があります。
| 比べる観点 | 文部科学省の派遣 | ベトナムの日本人学校の学校採用教員 | オンラインのスクール(ともだちじゃぱん) |
|---|---|---|---|
| 行き先 | 文部科学省が決める | ハノイかホーチミンを自分で1校選ぶ | 全授業オンライン。いま住んでいる場所から |
| 応募の時期 | 年1回の選考サイクル | 年1回(2027年4月赴任分は2026年6〜7月に応募受付・8月に面接) | 随時受付 |
| 資格 | 日本の教員免許と勤務経験 | 日本の教員免許(取得見込み含む)+学校ごとの条件 | 資格は必須ではなく、授業観・教育観を重視 |
| 生活 | 原則2年間の赴任 | 現地に移住。労働許可の手続きが必要 | 引っ越し不要。週1コマから |
| クラスの形 | 学校の学級 | 学校の学級 | 8人前後の少人数グループの担任制 |
「海外で育つ日本の子どもに、オンラインで日本語・国語を教える」仕事に関心があれば、ともだちじゃぱんの先生募集も選択肢のひとつです(フルリモート・日本からでも海外在住のままでも・週1コマから)。応募は、NIJINの採用情報を読んだうえで履歴書を添えてエントリーする流れです。手順は応募方法のページに、働き方や報酬の考え方は採用ページにまとめています。
正直に:向く人・向かない人
ベトナムの日本人学校は、とくにハノイで枠が大きく、日本の教員免許を持ち、教室で子どもと毎日向き合う経験を積みたい方には十分に挑戦する価値があります。当校は教室で子どもに会う仕事ではなく、画面越しに授業をつくる仕事です。在外教育施設での勤務経験にはならず、担当する生徒が増えるまではコマ数も控えめに始まります。それでも、赴任のタイミングを待たずに、住む場所を変えずに海外の日本の子どもの日本語を支えられることは、現実的な一手です。研修は母体NIJINの教員コミュニティ「授業てらす」の知見をもとに行います。
よくある質問
ベトナムの日本人学校は何校ありますか?
文部科学省の「認定した在外教育施設の一覧」(2026年10月6日確認)では、ハノイ日本人学校とホーチミン日本人学校の2校です。
ベトナムの日本人学校の教員募集はいつ出ますか?
JOESの学校採用教員の場合、2027年4月赴任分は2026年5月に参加校の公開が始まり、6月15日〜7月3日に第1志望の応募受付、8月22・23日にオンライン面接という日程でした。この回の受付は終了しています。次回の日程は公式ページでご確認ください。文部科学省の派遣は別の日程で行われます。
ハノイとホーチミン、どちらが入りやすいですか?
2027年4月赴任の募集では、ハノイ日本人学校が12名に42名(3.5倍)、ホーチミン日本人学校が6名に11名(約1.8倍)でした。第1志望の倍率だけを見ればホーチミンのほうが低い結果です。ただし倍率は年度ごとに変わり、学校が求める校種や教科でも変わります。
駐在の帯同でベトナムに住んでいます。日本人学校で働けますか?
この記事では断定できません。就労の可否は在留資格の種類と手続きで変わります。必ず応募先の学校とベトナム政府の公式情報でご確認ください。住んだまま日本の子どもにオンラインで教える働き方については、帯同中の仕事の選び方もどうぞ。
ハノイの教室に立つ道も、ホーチミンで働く道も、住んだまま画面越しに教える道も、海外で育つ日本の子どもを支える仕事です。応募の前に、働き方と選考の流れを確かめてください。
採用の詳細や働き方はともだちじゃぱんの採用ページをご覧ください。近い国の募集はタイの日本人学校の教員募集もどうぞ。



