インターナショナルスクールから中学受験はできるのか。日本の私立中学に進みたくなったとき、最初にぶつかるのは勉強の中身より前の問題、「そもそも出願できるのか」です。多くの中学校の募集要項は、出願資格を「小学校を卒業見込みの者」と書いているからです。
先に結論を書きます。受験できる学校はあります。ただし扱いは学校ごとに違い、要項を読まないと分かりません。2027年度(令和9年度)の要項を公式サイトで確認すると、扱いは次の4つに分かれていました。
- 国内インターの在籍者を、出願資格としてはっきり書いている(例:土浦日本大学中等教育学校の帰国・国際生入試)
- 「卒業見込み」以外の資格(生年月日など)でも出願できる(例:渋谷教育学園幕張の帰国生入試)
- 出願の前に、学校が資格を個別に確認・認定する(例:聖光学院、名古屋国際中学校、広尾学園)
- 日本国籍だけの国内インター生が使える資格が、要綱に見当たらない(例:都立中高一貫校)
この記事では、なぜ出願資格が問題になるのかを文部科学省と自治体の公式情報で確認し、7校の要項の書き方を並べました(2026年9月14日時点)。
学校ごとの扱いは4タイプ

| タイプ | 要項の書き方 | 保護者がすること |
|---|---|---|
| 1. 明記して受け入れ | 「国内のインターナショナルスクールに在籍する者」を資格に含める | その入試区分の他の条件を確認する |
| 2. 別の資格で出願可 | 「卒業見込み」または「生年月日の範囲」 | 生年月日の条件と、その他の条件を満たすか確認する |
| 3. 事前に確認・認定 | 「ご相談ください」「出願資格の認定を行います」 | 締切より前に学校へ問い合わせる |
| 4. 該当する資格が見当たらない | 外国人学校の修了者は外国籍の者に限る、など | 設置者(教育委員会)に確認する |
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なぜ「出願できるか」が問題になるのか
理由は、一条校(学校教育法第1条の学校)でないインターの小学部が、日本の法律上の「小学校」ではないからです。
| 出典 | 書かれている内容 |
|---|---|
| 文部科学省 | 日本国籍の子を一条校でないインターに通わせても、就学義務を果たしたことにはならない。小学部を終えても、中学校への入学は認められない |
| 横浜市 | 小学校の課程を修了したとは見なさないため、原則として市立中学校には入学できない |
| 世田谷区 | 中学校・高校への入学(編入学)資格は与えられない |
公立中学校に原則進めないということは、私立・国立中学校の受験に失敗したときの「地元の公立中学」という受け皿が、そのままでは使えないということでもあります。受験を考えるなら、併願の組み方を他の受験生以上に慎重に考える必要があります。一条校のインターかどうかの見分け方は一条校とは|インターとの違いをご覧ください。
7校の募集要項はこう書いている

いずれも2027年度(令和9年度)入学向けの、各校・自治体の公式の要項・案内から確認したものです。
| 学校(入試区分) | 国内インター在籍者の扱い | タイプ |
|---|---|---|
| 土浦日本大学中等教育学校(帰国・国際生入試) | 出願資格のひとつに「国内のインターナショナルスクールに在籍する者」がある | 1 |
| 渋谷教育学園幕張中学校(帰国生入試) | 資格は「小学校卒業見込み」または「生年月日の範囲」。要項のQ&Aで、国内インターからも条件を満たせば出願できるとしている | 2 |
| 聖光学院中学校(帰国生入試) | 国内インター在籍者は、出願前にフォームで受験資格の有無を問い合わせる | 3 |
| 名古屋国際中学校 | 一条校以外の外国人学校を卒業見込みの者は、学校が出願資格の認定を行う | 3 |
| 広尾学園中学校(国際生編入試験) | 国内のインターに在学している生徒は相談するよう案内 | 3 |
| 東京学芸大学附属国際中等教育学校(国立) | 資格は「日本の義務教育6か年修了相当の教育を受けた者」。インターという言葉は書かれていない | 3(確認が必要) |
| 都立中高一貫校(一般枠・特別枠・海外帰国・在京外国人生徒枠) | 外国人学校の修了者にあたる資格は外国籍の者向けの部分にしかなく、日本国籍だけの国内インター生が使える資格は要綱の中に見当たらなかった | 4 |
同じ学校でも、入試区分によって資格が違うことがあります。上の表は、確認できた区分についての書き方です。都立中高一貫校については、当サイトが要綱を読んで見つけられなかったというだけで、「受けられない」と断定できるものではありません。出願を考えている場合は、東京都教育委員会に直接確認してください。
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「帰国生入試」なら受けられる、とは限らない

インターに通っていると「帰国生入試を受ければいい」と考えがちです。しかし帰国生入試の多くは、海外に住んでいた期間や帰国した時期を条件にしています。日本国内のインターにずっと通っている子は、この条件に当てはまらない場合があります。
一方で、土浦日本大学中等教育学校のように、帰国生入試の枠で国内インター在籍者を対象に含めている学校もあります。「帰国生入試」という名前ではなく、出願資格の欄の一文一文を読むことが大切です。帰国生入試の条件の読み方は帰国子女 中学受験の条件・日程・選考型、英語だけで受けられる入試は帰国子女 中学受験 英語のみで整理しています。
出願資格の次にぶつかる「国語」
資格の問題を越えると、次は中身です。国語と算数の4科や2科で受ける入試では、インター生にとって国語がいちばん重くなりがちです。
各種学校のインターについて、法令が決めているのは年間の授業時数の合計(680時間以上が基準)だけで、国語を何時間教えるかという決まりはありません(各種学校規程)。日本の小学生が6年間の国語の授業で積み上げる読解や漢字の量を、学校の外で補う必要があるということです。インター生の塾の選び方はインター 塾の選び方|国語・補習・受験を目的別に、日本語が遅れる仕組みはインターナショナルスクールで日本語が遅れる・話せない原因をご覧ください。
受験を決める前に確認する5つのこと

| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 1. 志望校の要項の「出願資格」の欄 | 「小学校卒業見込み」だけか、別の資格も書かれているか |
| 2. 資格の問い合わせ・認定の締切 | 出願期間より前に問い合わせを求める学校がある |
| 3. 必要な書類 | 在籍証明や成績の書類をインターに発行してもらう時間がかかる |
| 4. 併願の組み方 | 公立中学校という受け皿が原則使えないため |
| 5. 国語の準備 | インターの授業では国語の時間数が決まっていないため |
2の問い合わせは、6年生の夏より前に済ませておくと安心です。答えによって志望校の組み方そのものが変わるからです(これは当サイトからの提案です)。インターを続けるか迷っている段階なら、インターナショナルスクールのメリット・デメリットとインターナショナルスクールをやめた理由もあわせて読んでみてください。
合格したあとに効いてくるもの

受験の準備で伸ばせるのは、入試で点を取る力です。けれど入学した日から毎日必要になるのは、日本語で授業を聞き、日本の同級生とやり取りする力です。インターで育った子どもにとって、ここは受験勉強とは別に準備しておきたい部分です。帰国した子どもが日本語でつまずくパターンは帰国子女が日本語できないときの3つのタイプで整理しています。
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