海外にいる家庭が高校受験でいちばん困るのは、学力そのものより「いつ、何が起きるのか」が見えないことです。だから多くの保護者が「帰国子女 高校受験 日程」「帰国生入試 いつ」「帰国枠 出願 時期」と検索します。ところが出てくるのは日本国内向けの「公立は3月、私立は2月」というカレンダーばかりで、「帰国生は一般入試より早いのか遅いのか」「公立の帰国枠は都道府県でどう違うのか」「出願書類はいつから動けば間に合うのか」という、海外組がいちばん知りたい時間軸が一枚になっていません。この記事は偏差値やランキングには踏み込まず、日程というカレンダーそのものを主題にします。なお具体的な日付は年度で変わります。この記事は「例年◯月ごろ」という目安の整理にとどめますので、実際の受験では必ず最新の要項をご確認ください。
まず、日程は「3つの層」に分かれていると考える
帰国生の高校受験のカレンダーが読みにくいのは、性格の違う入試が同時に、しかも別々の時期に走っているからです。頭の中で次の3つに分けてしまうと、一気に整理できます。
- 私立の帰国生入試:いちばん早い層です。秋のうちに始まり、冬にかけて実施されます。一般入試より前に合否が出る学校があります。
- 公立の帰国枠(海外帰国生徒等を対象とした特別な選抜):都道府県ごとに日程が決まっており、多くは冬(例年1〜2月ごろ)です。ただし東京都のように、通常とは別枠の独自日程を持つものもあります。
- 一般入試:公立は例年、推薦・特色選抜が1月下旬から2月ごろ、学力検査を伴う一般選抜が2月中旬から3月中旬ごろ。私立の一般入試は都県によりますが、首都圏では例年2月上旬ごろが中心です。
つまり「早い順に、私立の帰国生入試 → 公立の帰国枠・一般入試」という並びが基本形です。海外にいると日本の受験期=2月というイメージだけが先に入ってきますが、帰国生入試の主戦場はそれより前に始まっています。ここを知らないまま年を越すと、選べたはずの学校が受験機会ごと終わっていた、ということが起こります。制度そのものの全体像は帰国子女の高校受験、枠の考え方は帰国子女枠とは?受験の仕組みにまとめています。

私立の帰国生入試は、一般入試より早い
この記事でいちばんお伝えしたいのはここです。私立高校の帰国生入試は、一般入試より早い時期に行われます。帰国生入試の日程をまとめた各社のカレンダーを見ると、実施は例年秋から冬(おおむね10月ごろから3月ごろ)に分布し、11月から2月ごろに集中しています。早い学校では10月上旬に試験を行う例もあります。一方、首都圏の私立高校の一般入試は例年2月上旬ごろが中心ですから、帰国生入試のほうが数か月早く動き出すことになります。
この「早い」は、海外在住の家庭にとって二重の意味を持ちます。ひとつは準備の締切が前倒しになること。試験が11月なら、出願はその1〜2か月前、書類の取り寄せはさらに前です。もうひとつはチャンスが増えること。帰国生入試で早めに1校押さえられれば、その後の一般入試を落ち着いて受けられます。ただし出願資格や実施の有無、日程は学校ごとに大きく異なり、年度によっても変わります。志望校候補が数校でも見えているなら、その学校の募集要項を直接確認するのが最短です。

公立の帰国枠は都道府県ごと――「独自日程」もある
公立高校の入学者選抜は都道府県教育委員会が日程を決めます。したがって「公立の帰国枠は全国で◯月」と一括りにはできません。例年の傾向としては、推薦・特色選抜が1月下旬から2月ごろ、学力検査を伴う一般選抜が2月中旬から3月中旬ごろで、帰国生徒を対象とした特別な選抜もこの前後に置かれることが多い、という整理になります。実際、県によって学力検査日が3月中旬に設定されている例もあり、同じ「公立」でも1か月近く差が出ます。
さらに押さえておきたいのが、通常のカレンダーに載らない独自日程があることです。東京都には、海外帰国生徒・在京外国人生徒等を対象とした都立高校の「9月入学」の生徒募集があり、例年夏(7月ごろ)に出願・検査・合格発表までが行われます。検査は日本語または英語による作文と面接という形が公表されています。4月入学の海外帰国生徒等入学者選抜のほうは、例年冬(1月末から2月ごろ)に出願し、2月に検査という流れです。つまり同じ東京都でも、入学時期によって山場が半年ずれるのです。いずれも代表的な例で、日程・実施校・検査内容は年度で変わります。必ず各都道府県教育委員会および各校の最新の募集要項でご確認ください。都内の事情は帰国子女 高校受験 東京にも整理しています。

「渡航して受ける」以外の選択肢――海外会場とオンライン
日程を組むときにもうひとつ効いてくるのが、受験のために日本へ渡航するかどうかです。帰国生入試のなかには、海外会場で実施したり、オンラインでの受験を用意したりする学校があります。実施会場として案内されるのはシンガポール、ロンドン、ニューヨークなどの都市で、複数日程から選べる形を取る学校もあります。海外会場やオンラインが使えるなら、渡航費も、現地校を長く休むことも避けられます。
逆に、日本会場のみの学校を受けるなら、現地校の学期・休暇と受験日が噛み合うかを先に見ておく必要があります。南半球やインターナショナルスクールの多くは、日本の学年暦とずれた区切りで動いています。冬の受験期が現地校の学期のど真ん中に当たることも、卒業前後の大事な時期と重なることも珍しくありません。「その日に日本にいられるか」は、学力と同じくらい合否を左右する条件です。帰国後の学年の扱いは帰国・編入の手続きと学年にまとめています。
逆算カレンダー――いつ、何を動かすか
ここまでを、時期ごとの「やること」に落とし込みます。試験日から逆算するのが基本です。とくに書類は、申し込んでから手元に届くまでに日数がかかるものが多く、ここが最大の落とし穴になります。
| 中2まで〜中3の春 | 中3の初夏〜夏 | 中3の秋 | 中3の冬〜出願 | |
|---|---|---|---|---|
| 情報 | 受ける可能性のある都道府県と学校の「例年の時期」を一覧にする | その年度の募集要項・実施要綱の公表を待って、日付を確定させる | 私立の帰国生入試の出願開始。併願の組み合わせを決める | 公立の帰国枠・一般入試の出願。合格発表と入学手続の締切も控える |
| 資格 | 在留期間・帰国後の経過期間など、枠の条件に届くかを確認 | 条件が微妙なら、教育委員会・志望校に問い合わせて確かめる | 資格を満たす枠が確定。受験校を絞る | 資格証明の書類が要項どおりそろっているか最終確認 |
| 書類 | 学年が終わるたびに成績表・在学証明を手元に保存しておく | 成績証明書の英文発行や在外公館の証明にかかる日数を調べる | 在留証明・成績証明書などを実際に申請する | 原本・翻訳・公印の有無を要項と突き合わせて提出 |
| 学習 | 学年相当の国語(漢字・読解・記述)を止めない | 英語資格の受験計画を、スコアの有効期限から逆算して立てる | 作文・小論文と面接の練習を志望校の型に合わせる | 過去問と当日の科目に集中。体調と時差の調整も |
| 渡航 | 帰任時期の見通しを家庭内で共有する | 海外会場・オンライン受験の有無を学校ごとに確認 | 日本会場が必要な学校の渡航日程と航空券を押さえる | 現地校の欠席手続き。滞在先と移動を確定 |
書類は「発行に日数がかかる」――ここが逆算の要
逆算がいちばん狂うのは書類です。日本国内なら数日で済むものが、海外では週単位で見ておく必要があることがあります。たとえば在外公館(大使館・総領事館)が発行する在留証明は、申請内容や書類に不備がなければおおむね5営業日程度を目安とする案内が多く、不備があればさらに日数がかかります。窓口が遠い都市に住んでいれば、往復の時間も乗ります。
現地校の成績証明書も同じです。英文の正式な証明書は発行に事務手続きが必要で、長期休暇中は担当者が不在ということもあります。学校が閉まる時期と出願時期が重なるのは、海外組にとって定番の事故です。さらに英語資格のスコアは、受験から結果発行まで、そしてスコアの有効期限まで含めて逆算が要ります。必要書類の種類と集め方は帰国子女 高校受験 必要書類に、日本の内申がない場合の評価の考え方は帰国子女 高校受験 内申点にまとめました。いずれも所要日数は国・公館・学校によって異なります。必ず提出先と発行元の最新の案内でご確認ください。
受験対策は帰国生塾、土台の国語はともだちじゃぱん
正直に申し上げると、ともだちじゃぱんは受験専門塾ではありません。志望校ごとの日程管理や過去問・面接・小論文の対策は、蓄積を持つ帰国生に強い塾の領域で、その価値は本物です。私たちが担うのはそのひとつ手前――学年相当の国語・記述という土台と、日本の同世代とのつながりです。受験期は帰国生塾と併用し、志望校対策と日程管理は塾で、土台の国語はうちで、という分担が現実的だと考えています。日程の管理は塾やご家庭のカレンダーに任せるとして、その裏で止めてはいけないのが、学年相当の読み書きを積み続けることです。

ともだちじゃぱんは、国内最大級のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」(在籍1,000名超)を運営する株式会社NIJINが母体です。講師は採用合格率およそ2%の選抜で、今の日本の教室を知り尽くした現役水準の教員が、8人制の少人数クラスで教えます。1対1の家庭教師と違い、クラスには日本に住む同世代の仲間がいるのが特徴で、「勉強だから」ではなく「友達と話したいから」続く。だから漢字も読解も記述も、日常のなかで積み上がります。そして受験を終えて日本の高校に入るとき、すでに日本に友達がいる状態で新生活を始められることは、合否とは別の大きな安心になります。料金は通い放題で月額定額です。
まずは今の学年とのギャップを確認したい方へ。1分でできる学年相当・国語力チェック(無料)で、お子さんの「学年の穴」の目安がわかります。海外での国語・日本語の続け方は海外駐在×子どもの国語・日本語 完全ガイドにまとめています。
よくある質問
帰国生入試は、一般入試より早いのですか?
私立高校の帰国生入試については、一般入試より早い時期に行われるのが基本です。帰国生入試の日程をまとめたカレンダーを見ると、実施は例年おおむね10月ごろから3月ごろに分布し、11月から2月ごろに集中しています。首都圏の私立の一般入試は例年2月上旬ごろが中心ですから、帰国生入試のほうが先に動きます。一方、公立の帰国枠は都道府県が定める日程に沿うため、多くは冬になります。ただし実施時期は学校・自治体・年度で変わりますので、必ず最新の募集要項・実施要綱でご確認ください。
公立の帰国枠は、全国どこも同じ時期ですか?
違います。公立高校の入学者選抜の日程は都道府県教育委員会が決めるため、県によって1か月近く差が出ます。例年の傾向では、推薦・特色選抜が1月下旬から2月ごろ、学力検査を伴う一般選抜が2月中旬から3月中旬ごろで、帰国生徒対象の特別な選抜もこの前後に置かれることが多い、という整理です。加えて東京都のように、海外帰国生徒等を対象とした9月入学の募集を夏に行う独自の枠もあります。受ける可能性のある都道府県すべてについて、教育委員会が公表する実施要綱を一度は直接ご覧ください。
出願書類の準備は、いつから始めればいいですか?
試験日から逆算して、少なくとも数か月前から動くのが安全です。在外公館が発行する在留証明は、書類に不備がなければおおむね5営業日程度を目安とする案内が多く、不備があればさらにかかります。現地校の英文成績証明書も事務手続きが必要で、長期休暇と重なると止まります。所要日数は国・公館・学校で異なるため、まずは発行元に「申請から発行まで何日か」を先に聞いてしまうのが確実です。成績表や在学証明は、受験を決める前でも学年が終わるたびに保存しておくと後で助かります。
受験のために毎回日本へ渡航しないといけませんか?
必ずしもそうではありません。帰国生入試のなかには海外会場での実施や、オンラインでの受験を用意している学校があります。会場としてはシンガポール、ロンドン、ニューヨークなどの都市が案内されることがあり、複数日程から選べる形もあります。ただし実施の有無は学校ごと・年度ごとに変わりますし、公立の帰国枠は日本での受検が前提になることが一般的です。志望校が固まってきたら、海外会場やオンラインの可否を早めに確認し、渡航が必要な学校の日程から先に押さえていくとよいでしょう。
現地校の学期と受験日が重なりそうです。どうすれば?
先に「どの日程なら現地校を無理なく離れられるか」を洗い出し、そこに収まる受験校から検討するのが現実的です。現地校やインターナショナルスクールは日本と学年暦がずれているため、日本の受験期が学期の中心や進級・卒業の判定時期に当たることがあります。欠席の扱いや証明書の発行にも影響しますので、担任やカウンセラーに早めに相談してください。そのうえで、海外会場・オンライン受験が使える学校を組み合わせると、渡航の回数を減らせます。

