ベルリン日本人学校を調べると、まず「正式な名前が違う」ことに気づきます。文部科学省が認定している学校名はベルリン日本人国際学校(Japanische Internationale Schule zu Berlin e.V.)で、「日本人学校」という名前の学校はベルリンにはありません。この記事では、学校の公式サイト・2026年1月の学費改定通知・2026年度の年間行事予定表・令和6年度の学校評価という一次資料だけを使って、ベルリン赴任が決まった家庭が最初に知りたいこと――学費・人数・場所・1年の流れ・体験入学――を整理します。
先に結論を書くと、ベルリン日本人国際学校は小学1年から中学3年までの9年間を受け入れる全日制の小規模校で、学費は2026年4月から授業料が月720ユーロ、入学金が1人720ユーロ、施設費が1家庭につき1回720ユーロです。校舎は2023年にベルリン南部のランクヴィッツ(Lankwitz)地区へ移転し、2026年度は4月13日の始業式・入学式に始まり、3月12日の修了式で終わる3学期制。夏休みは7月13日〜8月10日と日本より短く、そのかわり10月に秋季休業があります。体験入学は1週間180ユーロ・年4週までで、日本からの一時滞在でも受け入れています。
| 項目 | ベルリン日本人国際学校(2026年度) |
|---|---|
| 正式名称 | ベルリン日本人国際学校(Japanische Internationale Schule zu Berlin e.V.) |
| 設置者・認定 | 共益法人ベルリン日本人国際学校(e.V.)。文部科学省認定は平成6年1月12日 |
| 開校 | 1993年(ドイツで4番目の日本人学校)。2026年に創立33周年 |
| 対象 | 小学1年〜中学3年(義務教育9年間)。幼稚部はなし |
| 場所 | ベルリン南部・ランクヴィッツ地区(2023年に郊外ヴァンゼーから移転)。安全上の理由で学校はHPに住所を載せていない |
| 学費 | 授業料 月720ユーロ/入学金 720ユーロ(1人)/施設費 720ユーロ(1家庭1回)=2026年4月改定 |
| 体験入学 | 1週間180ユーロ・1週間単位で年4週以内 |
| 規模 | 学校は人数を公表していない。令和6年度の学校評価では児童生徒アンケートの回答が17名 |
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「ベルリン日本人学校」という学校はない――正式名称と成り立ち
検索で「ベルリン日本人学校」と打つ人が多いのですが、文部科学省の「認定した在外教育施設一覧」(令和8年4月1日時点・日本人学校90校)に載っている名前はベルリン日本人国際学校です。ドイツの5校のうち、正式名称に「日本人学校」と付くのはデュッセルドルフとハンブルグの2校だけで、ベルリン・フランクフルト・ミュンヘンの3校は「日本人国際学校」。ベルリンは国籍を問わず門戸を開放すると校長メッセージに明記しており、体験入学にはドイツ国籍や他の国籍の子どもも参加しています。
学校の沿革によると、1993年にドイツで4番目の日本人学校として開校しました(デュッセルドルフ、ハンブルグ(1981年)、フランクフルト(1985年)に続く順番です)。設置者は保護者や企業が会員になる共益法人(e.V.)で、理事会が運営し、校長が教育を担います。長いあいだベルリン郊外のヴァンゼー(Wannsee)にあるコンラート校の校舎を使っていましたが、2023年に市内ランクヴィッツ地区の民間ビルへ移転しました。学校は「セキュリティの関係上、HPに住所は載せていません」と書いており、所在地は問い合わせた家庭にだけ案内する方針です。この記事でも番地は載せません。
ドイツの5校の全体像(設置者・認定年月日・幼稚部の有無)はドイツの日本人学校 一覧で、各校の正式名称と公式サイトのドメインまで整理しています。
学費は月720ユーロ――2026年4月の改定と、ドイツ5校の中での位置
学費は、理事会が2026年1月8日付で保護者に出した「2026年度学費改定のお知らせ」に書かれています。理由は物価上昇と校舎借料の値上がり(借料は毎年、物価上昇率に応じて改定される)で、2026年4月からの金額は次のとおりです。
| 費目 | 金額 | 払う単位 |
|---|---|---|
| 入学金 | 720ユーロ | 入学時・1人あたり |
| 施設費 | 720ユーロ | 入学時・1家庭あたり1回限り(法人の場合は別途寄付の依頼あり) |
| 授業料 | 720ユーロ | 月額(年額換算 8,640ユーロ) |
ドイツの他校と並べると、ベルリンは月額でもっとも高く、入学時の一時金も大きい学校です。ミュンヘンとフランクフルトの授業料は月460ユーロ、デュッセルドルフは月530ユーロで、ベルリンの720ユーロはミュンヘンの約1.57倍。入学時の一時金は、ミュンヘンの入学金50ユーロに対し、ベルリンは入学金720ユーロ+施設費720ユーロです。差が出る理由は規模です。デュッセルドルフやフランクフルトは日系企業の集積が大きく在籍数も多い一方、ベルリンは学校自身が「在学する児童生徒数は少ない状態が続いています」と書いており、固定費を少ない家庭で分け合う構造になります。5校の公表額と円換算の比較はドイツの日本人学校の学費にまとめています。
なお、授業料に通学バス代は含まれません。学校はスクールバスの案内を公式サイトに載せておらず、通学方法は移転後の校舎の場所とあわせて学校に確認する形になっています。
人数は公表されていない――分かるのは「17名が答えた」こと
「ベルリン日本人学校の生徒数」も検索されますが、学校は児童生徒数を公表していません。手がかりになるのは、公式サイトで公開している令和6年度(2024年)の学校評価です。2024年12月に実施した児童生徒アンケートの集計表は、各設問の回答数を足すと17名。保護者アンケートも17件の回答でした。アンケートは全校を対象にするものなので、学校の規模はこの程度だと読めます。
小規模であることは、学校も隠していません。校長メッセージには「小規模校」「少人数指導」「小学部から教科担任制」「一部複式授業」と書かれています。複式とは、2つの学年を1つの教室で教える形です。先生の目が一人ひとりに届く反面、同じ学年に日本語で話せる同世代が数人しかいないことになります。デュッセルドルフ日本人学校のように学年に複数クラスがある学校とは、学校生活の感触がかなり違います。ドイツ最大規模の学校の人数はデュッセルドルフ日本人学校の人数で、世界の日本人学校の規模の分布は日本人学校 一覧で確認できます。

2026年度の年間行事――夏休みは4週間、秋に1週間の休みがある
学校は2026年度の「年間行事予定表」(2026年8月24日更新)を公式サイトで公開しています。日本と同じ3学期制ですが、区切りの日付はドイツの祝日と現地校の休暇に合わせてあり、日本の公立校とはかなり違います。
| 区切り | 2026年度の日程 | 授業日数 |
|---|---|---|
| 1学期 | 4月13日(月)始業式・入学式 〜 7月10日(金)終業式 | 62日 |
| 夏季休業 | 7月13日(月)〜8月10日(月)(7月17日・24日・31日・8月7日は「夏季特別休暇」) | ― |
| 2学期 | 8月11日(火)始業式 〜 12月23日(水)終業式 | 92日 |
| 秋季休業 | 10月14日(水)〜18日(日) | ― |
| 冬季休業 | 12月24日(木)〜1月4日(月) | ― |
| 3学期 | 2027年1月5日(火)始業式 〜 3月12日(金)修了式・離任式(卒業式は3月11日) | 48日 |
| 学年末休業 | 3月15日(月)〜 | ― |
| 年間授業日数 | 202日(4月14日・5月18日・6月22日・7月8日・8月15日・9月22日・10月17日・11月21日・12月17日・1月19日・2月20日・3月9日) | |
日本との違いは3つあります。
- 夏休みが短い:7月13日〜8月10日の約4週間です。日本の公立小中学校の夏休み(およそ5〜6週間)より短く、2学期は8月11日に始まります。日本へ一時帰国して体験入学をするなら、ベルリンの夏休みと日本の1学期末(7月中旬まで)が重なる期間は10日ほどしかありません。日本人学校の夏休みを校ごとに比べた記事は日本人学校の夏休みにあります。
- 秋に1週間の休みがある:10月14日〜18日が秋季休業です。ドイツの現地校の秋休み(Herbstferien)に合わせた区切りで、夏休みの短さをここで補っています。
- 休みになる祝日はドイツの祝日:受難の金曜日(4月3日)、復活祭の月曜日(4月6日)、メーデー(5月1日)、キリスト昇天祭(5月14日)、聖霊降臨祭の月曜日(5月25日)、ドイツ統一の日(10月3日)、クリスマス(12月25日・26日)、新年、国際女性デー(3月8日・ベルリン州の祝日)、翌年の復活祭(3月26日・29日)が予定表で休みになっています。日本の祝日は休みではありません。
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月別の主な行事――運動会は5月、学校祭は11月
予定表から、家庭の予定に関わる行事を月ごとに抜き出しました。委員会・クラブ・個人面談などの定例の予定は省いています。
| 月 | 主な行事(2026年度) |
|---|---|
| 4月 | 始業式・入学式(13日)、開校記念式(15日)、個人面談(20〜23日)、歓迎遠足(24日)、NRT学力検査(27・28日) |
| 5月 | 参観・PTA総会(9日・土)、運動会(23日・土)、英検①一次(30日) |
| 6月 | 交通安全教室(10日)、夏季学校説明会(11日)、1学期期末テスト(17・18日)、英語学習参観(22日)、夏季学校(26・27日、全学年の宿泊学習) |
| 7月 | 現地校交流(1・2日)、七夕集会・ドイツ語参観・学級懇談会(7日)、終業式(10日) |
| 8月 | 始業式・発育測定(11日) |
| 9月 | 水泳教室(4・11・25日)、PTA教育講演会・参観・懇談会(9日)、2学期中間テスト(23日)、ベルリンミニマラソン大会(26日・土)、修学旅行(30日〜10月2日) |
| 10月 | 修学旅行・総合校外学習(1・2日)、英検②一次(4日)、秋季休業(14〜18日) |
| 11月 | 英検②二次(8日)、学校祭・参観日(14日・土)、学校祭代休(16日) |
| 12月 | 2学期期末テスト(2・3日)、個人面談(14〜18日)、クリスマス集会(22日)、終業式(23日) |
| 1月 | 始業式・お正月会(5日)、避難訓練(7日)、スケート教室(8・15日)、入学説明会(12日)、英検③一次(22日)、縄跳び大会(26日) |
| 2月 | 豆まき(3日)、学習参観・PTA総会・学級懇談会(10日)、学年末テスト(16・17日)、英検③二次(28日) |
| 3月 | 卒業を祝う会(9日)、卒業式(11日)、修了式・離任式(12日) |
予定表には、公式サイトの学校紹介にも出てくるベルリンならではの学習が書き込まれています。9月のベルリンミニマラソン大会は市の行事に学校として参加するもので、翌月曜が代休です。トップページでは、ベルリン・フィルハーモニーのゲネプロ見学(9月24日)やオペラワークショップ(11月25日)も紹介されています。英検は校内で年3回(一次・二次とも)実施され、現地校との交流が7月に2日続けて入っています。「教育相談週」は年4回あり、担任と保護者が面談する期間です。
同じドイツでも、フランクフルトの日本人国際学校は夏休みの区切りや学期の組み方が違います。比べたい方はフランクフルト日本人国際学校のスケジュールをご覧ください。
学校評価から見える「少人数校のよさ」と「課題」
公式サイトの「学校評価」には、令和4年度からの保護者・児童生徒アンケートの集計と、学校の分析が公開されています。もっとも新しい令和6年度(2024年12月実施)の結果を見ると、少人数校らしい傾向がはっきり出ています。
| 設問(児童生徒アンケート・回答17名) | とてもそう思う+そう思う |
|---|---|
| 授業はわかりやすい | 17名(100%) |
| 先生は児童生徒に対し、公平に接している | 17名(100%) |
| 行事(歓迎遠足・修学旅行・学校祭など)は充実して楽しい | 16名(うち「とてもそう思う」14名) |
| この学校に来て良かったと思っている | 16名 |
| 授業の内容や進むはやさはちょうどよい | 12名(「あまりそう思わない」5名=29%) |
保護者アンケート(17件)でも、「子どもは学習内容を理解していると思う」が94.1%(とても思う23.5%+思う70.6%)、「学習態度を身に付けている」が100%、「人の話や説明を聞く態度が身についている」がほぼ全員の肯定でした。一方で学校自身が赤字で課題に挙げているのは、児童生徒の29%が「授業の進むはやさがちょうどよい」とは思っていないこと、あいさつと家庭学習の習慣で18%が「あまりそう思わない」と答えたことです。学校は「一人ひとりの理解度や定着度を把握し、個に応じたきめ細やかな指導ができるよう指導体制の工夫・改善を図る」と書いています。複式授業を含む少人数指導では、学年ごとに進度が違う子を同時に見ることになるため、進むはやさの感じ方に差が出やすいのだと読めます。

入学の手続きと、体験入学(週180ユーロ)
入学・編入の手続きは、公式サイトの「入学・体験入学案内」に書かれています。流れは次のとおりです。
- まずメールか電話で問い合わせる:検討段階でも相談でき、子どもの心配ごとも相談できます。問い合わせ後に学校からメールで今後の手続きの案内が来ます。
- 入学・編入学申請書を出し、校長面接を受ける:面接のあとに残りの書類が渡されます。4月に新1年生として入学したい場合は、別途学校へ問い合わせるよう案内されています。
- いまの学校から取り寄せる書類:在学証明書、指導要録の写し(抄本)、健康診断票などの転学関係書類。証明写真(4×3cm)を3枚用意します。
体験入学は、日本からの参加希望者と、ベルリンの現地校やインターナショナルスクールに在籍する子どもの両方を受け入れています。期間は1週間単位で年4週以内、費用は1週間あたり180ユーロ、申請書は原則2週間前までに提出します。年間を通して受け付けていますが、学年の始めと終わり、行事の前、希望者が集中したときは時期を相談することがあります。ドイツ国内で比べると、ミュンヘン日本人国際学校の体験入学は期間にかかわらず1人150ユーロなので、ベルリンの「週180ユーロ」は2週間以上だと割高になります。
入学条件は学校のページに国籍の要件が書かれていません。一般の日本人学校の入学条件(国籍・ビザ・保護者の同居など)の考え方は日本人学校の入学条件と手続きで整理しています。教員として働きたい方の情報は、文部科学省派遣と現地採用の仕組みをまとめたドイツの日本人学校の教員募集をご覧ください。
ベルリンの家庭が「日本語」で気にしていること
ベルリン日本人国際学校に入れば、日本の学習指導要領に沿った授業を日本語で受けられます。ネイティブ講師による英会話とドイツ語の授業もあり、ベルリンの歴史や音楽を題材にした学習、現地校との交流も組まれています。日本語の力そのものは、日本人学校に通っている限り大きく崩れることはありません。
それでも、少人数校ならではの悩みがあります。児童生徒アンケートに答えたのが17名という規模では、同じ学年で日本語の雑談ができる相手が1人か2人ということが起こります。授業の日本語は守られても、休み時間の日本語――冗談を言う、言い合う、仲直りする――の量が、日本の学校の何分の一にもなります。そのうえベルリンは、現地校やインターナショナルスクールを選ぶ日本人家庭も多い都市で、小学校の途中で日本人学校から現地校へ移る家庭もあります。どちらを選んでも、「同世代と日本語で話す時間をどう確保するか」は家庭の宿題として残ります。
そこで、日本の子どもと同じ時間にオンラインで集まり、日本の現役教員の担任のもとで8人の少人数クラスで日本語を続ける、という選択肢があります。ベルリンと日本の時差は7〜8時間なので、日本の夕方の時間帯はベルリンの朝、日本の午前はベルリンの深夜になります。開校日程・時間帯・学費は、登録した方に学校案内でお届けしています。
よくある質問(ベルリン日本人学校)
ベルリンに日本人学校はありますか?
あります。正式名称はベルリン日本人国際学校(Japanische Internationale Schule zu Berlin e.V.)で、文部科学省が認定した在外教育施設です。小学1年から中学3年までの全日制で、幼稚部と高等部はありません。
ベルリン日本人学校の学費はいくらですか?
2026年4月の改定後は、授業料が月720ユーロ(年額換算8,640ユーロ)、入学金が1人720ユーロ、施設費が1家庭につき1回720ユーロです。ドイツの日本人学校5校の中では授業料・入学時の一時金ともにもっとも高い水準です。
ベルリン日本人学校はどこにありますか?
ベルリン南部のランクヴィッツ(Lankwitz)地区にあります。2023年に郊外ヴァンゼーのコンラート校の校舎から市内の民間ビルへ移転しました。学校は安全上の理由で公式サイトに住所を載せておらず、問い合わせた家庭に案内しています。電話は +49 30 8036830 です。
生徒数は何人ですか?
学校は児童生徒数を公表していません。公式サイトの令和6年度学校評価では、2024年12月の児童生徒アンケートに17名が回答しています。学校自身も「在学する児童生徒数は少ない状態が続いている」と書いており、小学部から教科担任制と一部複式授業を取り入れた少人数校です。
夏休みはいつからいつまでですか?
2026年度は7月13日(月)〜8月10日(月)です。1学期終業式が7月10日、2学期始業式が8月11日で、日本の公立校より短い約4週間です。かわりに10月14日〜18日の秋季休業、12月24日〜1月4日の冬季休業があります。
体験入学はできますか?
できます。日本からの一時滞在者も、ベルリンの現地校・インター在籍の子も対象で、1週間単位・年4週以内・1週間180ユーロです。申請書は原則2週間前までに提出します。
運動会や学校祭はいつですか?
2026年度は運動会が5月23日(土)、学校祭・参観日が11月14日(土)です。ほかに6月26・27日の夏季学校(全学年の宿泊学習)、9月26日のベルリンミニマラソン大会、9月30日〜10月2日の修学旅行があります。
ドイツの5校の比較はドイツの日本人学校 一覧とドイツの日本人学校の学費で、世界の日本人学校は日本人学校 一覧でまとめています。



