香港日本人学校の中学部を調べようとすると、まず「香港校」と「大埔校」という2つの名前に行き当たり、どちらに中学部があるのか分からなくなります。2026年時点の答えははっきりしています。2026年4月に旧香港校と旧大埔校が統合され、香港日本人学校(Japanese International School:JIS)として一本化されました。中学部は大埔(タイポ)校の校舎で学びます。この記事では、統合後の中学部が実際にどうなっているのか――学級編成、全学年で週6時間の習熟度別英語、2027年度から始まるグローバルクラス、そして月額の納付金まで、学校の公式情報から整理します。

前提として、香港日本人学校は日本国政府の海外子女教育政策に基づき香港在住邦人の総意によって設置された教育施設であり、同時に香港政府によって正式に認可された私立学校です。学校には日本人学級(Japanese Section:JS)と国際学級(International Section:IS)があり、日本人学級は文部科学大臣から国内の学校と同等の教育課程を有する旨の認定を受けています。教育課程は国内の学習指導要領に基づき、教科書も国内で使用されているものを採用しています。国際学級は国際バカロレア(IB)のPYP認定を受けた、まったく別のカリキュラムです。

香港で、日本語を続ける方法をお探しの方へ
ともだちじゃぱんは、海外で育つ子どものためのオンラインの日本語スクールです。日本の同世代と毎日話せて、日本の現役水準の先生が担任につく8人の少人数クラス。
🎁 ご登録の方に「学校案内」と「海外で育つ子の日本語 続け方ガイド」のPDFを、自動返信でその場でお届けします。学費・奨学金・開校日程もいちばんにお知らせします。
30秒・無料。ご質問は返信メールにそのままご返信ください。
統合で何が変わったのか――中学部は大埔校に一本化
学校経営理事会は、教育の質の向上と学校運営の持続可能性の確保を目的に、2026年4月までに香港校(Hong Kong Japanese School)と大埔校(Japanese International School)を統合することを主要な施策として決議しました。統合の狙いとして挙げられているのは、リソースの有効な活用、大埔校での一体化の促進、そしてより充実した学習環境の創出です。学校は香港政府の複数の局・部門と連携し、教育局との協議を経てすでに正式な承認を得ていると説明しています。
保護者にとって実務的に効くのは、中学部の校舎が大埔(タイポ)になるという一点です。大埔は新界の東部で、香港島や九龍から見ると通学距離が伸びます。学校自身も「自然豊かな環境に恵まれた広大な大埔校」と表現しており、都心の校舎とは通学の前提が変わります。通学バスの区分が香港島・九龍・新界で分かれているのはこのためです。
中学部の中身――通常学級のみ、全学年で週6時間の習熟度別英語
日本人学級の中学部にあるのは通常学級のみです(小学部には通常学級とグローバルクラスの2種類があります)。日本の学習指導要領にそった教育課程を実施しつつ、全学年で週6時間の習熟度別英語授業を展開し、グローバル社会で活躍するために必要な語学力の向上に力を入れている、というのが学校の説明です。小学部の通常学級が「週5時間以上」であることと比べると、中学部で1時間分厚くなる設計です。
週6時間という数字は、日本の中学校の外国語(英語)が年140時間=週約4時間であることを踏まえると、およそ1.5倍にあたります。しかもそれが習熟度別で組まれています。日本の教育課程を維持したまま英語の時間を積み増す、という設計は、帰国後の進学と現地での英語力を両立させたい家庭の要求にそのまま対応したものです。
2027年度から中学部にもグローバルクラスが新設される
いま中学部を検討している家庭にとって、いちばん大きな変化は先にあります。学校は現行の通常学級に加えて、2027年度から中学1年と2年に、2028年度から3年生にグローバルクラス(GC)を新設すると公表しています。内容は数学科と理科の「イマージョン教育」、課題解決型探究学習「Global Studies」、社会貢献につなげる「Student Action Project(SAP)」。小学4年から中学3年までの一貫したグローバル教育の充実を図る、という位置づけです。
小学部のグローバルクラスは2016年からハッピーバレー校舎で実施されてきたもので、大埔校での小学部から中学部への拡張にともない2027年4月に開始予定、準備は2025年初頭から進められています。ただし学校は「教育局の承認が条件となっています」と明記しています。2027年度の入学・編入を前提に計画を立てる場合は、この条件つきである点を織り込んでおくのが安全です。

OUR TEACHERS
教えるのは、日本の学校の先生です。
家庭教師でも、動画配信でもありません。日本の小中学校で子どもと向き合ってきた教員が、約2%の選抜を通って担任になります。まずは無料で、お子さまのことを相談してみてください。
無料です。お子さまがご一緒でなくても構いません。無理におすすめすることはありません。
中学部の納付金――月額6,776香港ドル、バスを使うと9,389香港ドル
令和8年度(2026/2027)の学校納付金は月額表示で公開されています。中学部の内訳は授業料6,770香港ドル+PTA会費6香港ドル=6,776香港ドル。通学バスは中学部が香港島・九龍・新界のいずれも一律2,613香港ドルで、利用すると合計9,389香港ドルになります。納入は年3回、4か月分ずつの銀行自動引落で、引落日は2026年4月1日・8月1日・12月1日です。
| 区分 | 小学部 通常学級 | 小学部 グローバルクラス | 中学部 |
|---|---|---|---|
| 授業料(月額) | 5,710 | 9,970 | 6,770 |
| PTA会費(月額) | 25 | 25 | 6 |
| 小計(月額) | 5,735 | 9,995 | 6,776 |
| 通学バス(月額) | 香港島2,350/九龍・新界2,132 | 香港島2,350/九龍・新界2,132 | 一律2,613 |
| バス利用時の月額 | 8,085/7,867 | 12,345/12,127 | 9,389 |
| 4か月分の請求額 | 32,340/31,468 | 49,380/48,508 | 37,556 |
この表で見落とされやすい点が2つあります。ひとつは中学部のバス代だけ地域で分かれていないこと。小学部は香港島2,350、九龍・新界2,132と差がありますが、中学部はどこから乗っても2,613です。もうひとつはPTA会費が小学部の25に対して中学部は6と大きく違うこと。金額としては小さいものの、月額の内訳を突き合わせるときの手がかりになります。
さらに、月額に含まれない一時金があります。入学金は令和8年度(2026年度)については香港政府からの指示により徴収されません。一方で、2026年度からはACL(Annual Capital Levy/学校施設費)15,960香港ドルを編入学時に一括で支払うよう案内されています。この費用は毎年支払う必要があり、次年度からは年度初めに支払う形になります。「入学金がゼロ」という表記だけを見て初期費用を軽く見積もると、ここで差が出ます。
編入の前に必ず確認すること――ビザ、給食、深センからの通学
中学部への編入で最初につまずくのがビザです。学校は「香港で学校入学の際にお子さんの家族居住ビザ(Dependent Visa)は必須です(香港の教育条例による)」と明記し、編入学のオンライン登録をしていても編入学時に子どものビザが取得できていない場合は編入学を受け付けられないとしています。保護者の就労ビザ取得が前提の居留許可なので、来港前に余裕をもって申請する必要があります。
生活面で日本の中学校と違うのは給食がないことです。FAQには「香港では給食がありません。また、ほとんどの子供はバス通学をしています」とあり、弁当と水筒をひとつにまとめられるリュック型のかばんが薦められています。学用品は原則としてすべて香港で購入できるため、日本から買い込む必要はありません。
もうひとつ、隣接する中国広東省・深センからの通学については、学校は明確に認めていません。香港の条例により香港の学校に通う児童生徒は香港永久居留資格または目的にみあった居留ビザが必要であること、加えて安全面や移動時間の負担が大きすぎることが理由として挙げられています。保護者が中国国内で就労する場合の就労ビザの扱いについても、FAQに具体的な注意が書かれています。
なお、年齢に対応する学年より上(飛び級)や下の学年での受け入れは行っておらず、体験入学も現在は実施していません。新1年生の募集要項は毎年前年12月初旬に発表されます。
週6時間の英語は増やせても、日本語で話す相手は増えない
統合、大埔への一本化、週6時間の習熟度別英語、2027年度からのグローバルクラス。香港日本人学校の中学部は、英語の環境という点では海外の日本人学校のなかでもかなり厚い部類です。日本の教育課程は維持されているので、帰国後の進学にも接続します。
一方で、統合によって中学部がひとつの校舎にまとまるということは、日本語で話す相手も同じ集団に固定されるということでもあります。学年が上がるほど、同じ数人と同じ話題を続けることになる――駐在が長くなったご家庭から出てくるのは、費用よりもこの悩みです。
ともだちじゃぱんは、日本にいる同世代と少人数で毎日話す時間をつくるオンラインの学校です。香港と日本の時差は1時間なので、下校後の時間がそのまま日本の夕方と重なります。大埔からの通学で移動時間が長い家庭ほど、移動のない時間の使い方が効いてきます。
よくある質問(香港日本人学校 中学部)
中学部はどこの校舎にありますか?
大埔(タイポ)校です。2026年4月に旧香港校(Hong Kong Japanese School)と旧大埔校(Japanese International School)が統合され、香港日本人学校(JIS)として一本化されました。統合計画は教育局との協議を経て正式な承認を得ている、と学校が公表しています。
中学部にグローバルクラスはありますか?
2026年度時点ではありません。中学部にあるのは通常学級のみです。2027年度から中学1年・2年に、2028年度から3年生にグローバルクラス(GC)が新設される予定で、数学科と理科のイマージョン教育、Global Studies、Student Action Project(SAP)が実施されます。ただし教育局の承認が条件と明記されています。
中学部の英語の授業はどれくらいありますか?
全学年で週6時間の習熟度別英語授業が展開されています。小学部の通常学級が週5時間以上であるのに対し、中学部はさらに厚くなります。日本の学習指導要領にそった教育課程は維持したうえでの上乗せです。
中学部の学費は月額いくらですか?
令和8年度(2026/2027)は、授業料6,770香港ドルとPTA会費6香港ドルで月額6,776香港ドルです。通学バスを利用する場合は一律2,613香港ドルが加わり月額9,389香港ドル、4か月分の請求額は37,556香港ドルになります。年3回・4か月ずつの銀行自動引落です。
入学金はかかりますか?
令和8年度(2026年度)の入学金は、香港政府からの指示により徴収されません。ただし2026年度からACL(Annual Capital Levy/学校施設費)15,960香港ドルを編入学時に一括で支払うよう案内されており、この費用は毎年かかります(次年度からは年度初めの支払い)。
ビザがなくても編入できますか?
できません。香港の教育条例により、子どもの家族居住ビザ(Dependent Visa)が必須です。学校は編入学のオンライン登録をしていても、編入学時にビザが取得できていない場合は受け付けられないと明記しています。保護者の就労ビザ取得が前提となるため、来港前に余裕をもって申請してください。
給食はありますか?
ありません。弁当と水筒を持参します。学校は、ほとんどの子どもがバス通学であることも踏まえ、弁当・水筒をひとつにまとめられるリュック型のかばんを薦めています。学用品は原則としてすべて香港で購入できます。
費用の内訳は香港日本人学校の学費、通学は香港日本人学校のスクールバス、校舎については香港日本人学校の大埔校、インターとの比較は香港の日本人学校とインター比較、週末の選択肢は香港の補習校、他都市を含む費用の全体像は日本人学校の学費、世界の学校の一覧は日本人学校の一覧をご覧ください。




