上海赴任が決まって上海日本人学校の学費を調べると、授業料の金額が出てきません。これは探し方の問題ではなく、同校は公式サイトに授業料の額を掲載していないからです。ところが同じサイトには、入学時に必ず納める「施設金」10,000元や、月の途中で編入・退学したときの半月割りの計算、返金に発票の原本が要るといった、金額よりも生活に効く規則がはっきり書かれています。この記事は、公表されている費用まわりのルールを全部集めて、赴任前に何を確認すべきかまで整理したものです。
公表されている金額は「施設金10,000元」だけ

同校のよくあるご質問には、寄付金についてこう書かれています。「寄付金は原則不要です。しかし、学校の施設設備の更新などに対する支援金として、1家庭1回限り、入学時に『施設金』(10,000元)を納めていただきます。」
名前は寄付ではなく施設金で、任意ではありません。学則にも「保護者が入学金及び施設金を入学時に必ず納入し、その他授業料等、本校の定める諸費用を遅滞なく納入すること」が在学の条件として挙げられています。つまり入学金と施設金は入学時に必ず、授業料等は遅滞なくという建て付けです。
この施設金には、駐在家庭にとって効く例外が2つ公表されています。
| 場面 | 公式の説明 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| きょうだいがいる | 生計を一にする家庭であれば、長子の入学時に一回限りの納入 | 2人目・3人目で10,000元を再び払う必要はない |
| 帰任後に再赴任した | 日本に帰任後、再赴任した場合でも納入控(領収書)が有れば、再納入は不要 | 領収書を捨てると再度10,000元。帰任時に必ず保管する |
| 寄付 | 寄付は原則不要。ただし授業料収入で運営しているため、申し出は各校へ相談 | 入学時に別途の寄付を求められる仕組みではない |
いちばん見落とされやすいのが2つ目です。帰任のときに学校関係の書類を処分してしまう家庭は少なくありません。しかし施設金の納入控(領収書)は、再赴任したときに10,000元を節約する唯一の証拠です。上海は再赴任の多い都市なので、帰任時の書類整理のときに、この1枚だけは残しておいてください。

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授業料は「半月割り」――編入日を1日ずらすと金額が変わる

授業料の額は非公開ですが、どう日割りされるかは公開されています。同校は「本校では授業料を半月割りで頂いております」と明記しており、編入時と退学時で扱いが逆になります。
| 1日〜15日 | 16日〜月末 | |
|---|---|---|
| 編入した月 | 1か月分の授業料が発生 | 半月分の授業料が発生 |
| 退学した月(4月〜2月) | 半月分の授業料が発生 | 1か月分の授業料が発生 |
| 退学した月(3月) | 日にちに関わらず1か月分が発生 | |
読み方はシンプルです。編入は「早い日ほど高い」、退学は「遅い日ほど高い」。学校の説明でいう編入日は登校開始日です。着任日と登校開始日は別に決められるので、15日と16日をまたぐかどうかで半月分が動きます。仮住まいから引っ越す時期や、ビザ・現地手続きの進み具合と合わせて、登校開始日を意識的に選ぶ価値があります。
帰任側も同じです。3月に退学する場合だけは日にちに関わらず1か月分なので、年度末の帰任で日付を調整しても授業料は変わりません。ここで日程を無理に前倒しする必要はない、ということです。
返金には「発票の原本」が要る
返金についても条件が明記されています。「授業料お支払い後に授業料の返金が必要になった場合は、必ず発行済み発票(領収証)が必要となります。発票の原本が無い場合は返金出来ませんのでご了承ください。」
中国の発票(fāpiào)は、日本の領収書よりも重い扱いの正式書類です。再発行される前提の紙ではないため、これを紛失すると、条件上は返金を受けられません。急な帰任辞令が出てから探すことになりがちなので、受け取ったらすぐに、他の重要書類と同じ場所にまとめておくのが確実です。会社が費用を負担している場合は、発票の原本が経理へ回ってしまうこともあります。誰が原本を持つのかを、支払いの時点で決めておいてください。
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通学バスは「校車」――学校のスクールバスではない
費用のもうひとつの柱が通学です。ここは日本人学校としてはやや特殊で、同校は「学校ではスクールバス通学はありませんが、校車通学があります」と説明しています。
| 項目 | 公式の説明 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 運行の主体 | 保護者と学校が契約を結び、保護者の責任のもとに行う通学 | 学校が運行する路線バスではない |
| 学校の役割 | 上海市教委等の指導で、バス会社の校車証の申請に協力する | 認可手続きに学校が関与している |
| 支払い方法 | 年2回、6か月分ずつ先払い | まとまった額が半年ごとに出る。着任月に重なると負担が集中する |
| 乗れるとは限らない | お住まいの場所によっては、校車バスに乗車いただけない場合もある | 住まいを決める前に、学校へ問い合わせて確認する |
住まいの候補が決まった段階で校車に乗れるかを確かめる、というのが正しい順番です。学校は問い合わせ窓口を案内しているので、契約前の物件について先に聞くのが安全です。
費用の前に決まってしまうこと――どの校舎に通うか
上海日本人学校は虹橋校・浦東校・高等部という構成です。そして通学先は選べません。
| 学部 | 通学先 | 学校の説明 |
|---|---|---|
| 小学部 | 原則として黄浦江の西側(浦西地区)は虹橋校、東側(浦東地区)は浦東校 | 「通学先は選択できますか?」への回答として明記 |
| 中学部 | 浦東校 | 教科担当の教員を多数確保する必要と、中高連携の必要性から |
| 高等部 | 浦東 | 中高連携の関係から |
これは費用の話に直結します。住む場所が校舎を決め、校舎が通学時間と校車の要否を決めるからです。とくに下のお子さんが小学部、上のお子さんが中学部という家庭では、浦西に住むと校舎が2つに分かれます。住まいを決める前に、この点だけは押さえておいてください。
授業料の実額を知るには
同校のサイトには金額表がありません。したがって、実額は入学要項および編入学担当への問い合わせで確認することになります。あわせて知っておくと段取りが立てやすい規則が2つあります。
| 公表されている内容 | |
|---|---|
| 編入できない月がある | 2月・3月の受け入れは行っていない。8月・9月受け入れの場合、前期通知表の評価は総合(総括)所見のみとなり、その他の欄は空欄になる場合がある |
| 個別の学校見学はできない | 安全確保のため各家庭からの学校見学には対応せず、年に2回程度の「学校見学会」を実施。案内は同校ホームページに掲載される |
なお同校は給食を提供していません(アレルギー対応と食の安全確保が理由と説明されています)。出前も断られているため、毎日のお弁当が前提です。金額としては見えにくいものの、家庭の負担としては小さくない項目です。
費用を払った先で、日本語がどう伸びるか
上海の日本人学校は規模が大きく、日本の教育課程がそのまま続きます。そこは大きな安心です。一方で、駐在が長引くほど保護者の悩みは費用から「話す相手が同じ数人に固定されていく」ことへ移っていきます。
ともだちじゃぱんは、日本にいる同世代と少人数で毎日話す時間をつくるオンラインの学校です。校舎が浦東か虹橋かにも、校車に乗れるかどうかにも左右されません。移動がないぶん、通学に時間を取られている家庭ほど噛み合います。
よくある質問(上海日本人学校 学費)
授業料はいくらですか?
同校は公式サイトに授業料の金額を掲載していません。実額は入学要項および編入学担当への問い合わせで確認します。ただし入学時に必ず納める「施設金」10,000元と、授業料が半月割りである点は公表されています。
施設金の10,000元は、きょうだいの分も必要ですか?
必要ありません。生計を一にする家庭であれば、長子の入学時に一回限りの納入と明記されています。また日本へ帰任後に再赴任した場合も、納入控(領収書)があれば再納入は不要です。領収書は帰任時に必ず保管してください。
月の途中で編入すると授業料はどうなりますか?
半月割りです。1日〜15日までに編入(登校開始)した場合は1か月分、16日〜月末の場合は半月分が発生します。学校が挙げている例では、10月15日編入なら10月分の1か月分、10月31日編入なら半月分です。
退学するときの授業料は?
編入と逆になります。4月〜2月は1日〜15日の退学で半月分、16日〜月末で1か月分。3月に退学した場合は日にちに関わらず1か月分です。返金が必要になる場合は発行済みの発票(領収証)の原本が要ります。
通学バスの費用はいつ払いますか?
同校の通学は学校運行のスクールバスではなく校車通学で、年2回、6か月分ずつ先払いです。住んでいる場所によっては乗車できない場合があると案内されているため、住まいを決める前に学校へ確認してください。
校舎は選べますか?
選べません。小学部は原則として黄浦江の西側(浦西地区)が虹橋校、東側(浦東地区)が浦東校です。中学部と高等部は浦東に置かれています。住む場所が通学先を決めるため、きょうだいで学部が分かれる家庭は注意が必要です。
上海の学校の実務は上海日本人学校 虹橋校、上海日本人学校の高等部、上海日本人学校の夏休みにまとめています。費用の全体像は日本人学校の学費、中国全体は中国の日本人学校の学費をご覧ください。




