ドバイ赴任が決まってドバイ日本人学校のレビューを探すと、出てくるのは数件の口コミだけで、判断材料になりません。ところがドバイには、保護者の感想よりずっと確かなものがあります。ドバイ政府の知識人材開発庁(KHDA)が、私立学校を毎年査察して評価を公開しているのです。日本人学校もその対象で、直近の査察は2024年2月12日〜16日。総合評価はGood(良好)でした。ただし同じ報告書の中に、Weak(弱い)と判定された項目が2つあります。この記事では、その報告書に書かれていることだけを使って、この学校が第三者からどう見られているのかを整理します。
ドバイでは「口コミ」より査察報告が公開されている
ドバイの私立学校は、教育を所管するKHDA(Knowledge and Human Development Authority)の学校査察局(DSIB)による査察を受け、報告書がPDFで一般公開されます。ロンドン日本人学校が英国のOfsted査察を受けているのと同じ構図で、日本国内の日本人学校にはない仕組みです。KHDAの学校情報ページに並ぶ評価は、2008-2009年度から直近の2023-2024年度まで、すべてGoodです。
| 項目 | 報告書の記載 |
|---|---|
| 査察の年度 | 2023-2024年度(Inspection Report 2023-2024) |
| 査察日 | 2024年2月12日〜16日 |
| 総合評価 | Good |
| 在籍数 | 175名(Number of students on roll) |
| 対象年齢/学年 | 3〜15歳/Nursery〜Grade 9 |
| 教員数 | 26名(ほか教員補助3名・スクールカウンセラー1名) |
| 開校年・所在地 | 1980年・Al Wasl |
| 校長 | 加藤 聡子 氏(2023年7月4日着任) |

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領域別の評価――Very goodが並ぶ一方、Weakが2つ
KHDAの査察は総合評価だけでなく、領域ごとに6段階(Outstanding/Very good/Good/Acceptable/Weak/Very weak)で判定します。2023-2024年度の判定は次のとおりでした。
| 領域 | 幼稚部 | 小学部 | 中学部 |
|---|---|---|---|
| 人間的成長(Personal development) | Very good | Very good | Very good |
| 国語(日本語)の到達度 | Very good | Good | Good |
| 英語の到達度 | Very good | Good | Good |
| 算数・数学の到達度 | Good | Good | Very good |
| 理科の到達度 | Good | Good | Good |
| アラビア語(追加言語) | ― | Acceptable | Acceptable |
| 学びのスキル | Very good | Good | Good |
| 指導と評価 | Good | Good | Good |
| 教育課程の設計 | Good | Acceptable | Acceptable |
| 健康・安全(校舎) | Good | Acceptable | Acceptable |
| ケアと支援 | Good | Good | Good |
運営面は学校全体で1つの評価がつきます。
| 運営・管理の領域 | 評価 |
|---|---|
| リーダーシップの実効性 | Good |
| 学校の自己評価と改善計画 | Weak |
| 保護者・地域との関係 | Very good |
| ガバナンス(理事会) | Weak |
| 運営・人員・施設・教材 | Acceptable |

報告書が挙げた「良い点」と「直すべき点」
報告書には、査察官が選んだハイライトと改善勧告がそのまま並んでいます。日本語に要約すると次のとおりです。

読んでいて印象的なのは、子どもと授業についての評価と、大人の体制についての評価が、はっきり分かれていることです。子どもたちは「礼儀正しく、授業にほぼ常に集中している」「健康的な生活習慣があり、UAEやイスラムの価値観への理解と敬意を示す」と書かれ、人間的成長は全学部でVery good。一方で、自己評価とガバナンスはWeakでした。保護者から見える日々の学校生活の質と、組織としての足腰は別の話だ、というのがこの報告書の読みどころです。
レビューを読むときに、あわせて見ておきたい数字
査察時点の在籍は175名でしたが、学校が配布する「令和8年度(2026)編入学のしおり」では、小学部86名・中学部19名の全校105名(令和8年2月末日現在)です。査察の175名はNursery(幼稚部)を含む数え方なので単純比較はできませんが、それを差し引いても規模は小さくなっています。学年別の内訳はドバイ日本人学校の生徒数にまとめました。中学2年は3名です。
費用の目安も同じ報告書系の資料で確認できます。KHDAの学校情報ページに載っている年間授業料は32,400〜38,400ディルハム(学年で異なる)。学校が公表している金額の内訳はドバイ日本人学校の学費で扱っています。高等部がないため中学卒業後は進路の選択が必要で、その4択はドバイ日本人学校と高校進学に整理しました。
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査察報告に書かれていないこと
KHDAの報告書はよくできた資料ですが、駐在の家庭がいちばん気にしていることは書かれていません。それは「同じ学年に、日本語で話せる同世代が何人いるか」です。査察は教育の質を測る仕組みであって、学年の人数構成を評価する仕組みではないからです。
全校105名を9学年で分ければ、1学年は10名台。各学年1学級なので9年間クラス替えがありません。授業の質がGoodであることと、子どもが「気の合う友達を自分で見つけられる母数がある」ことは、別々に確認する必要があります。学校の外側で、日本の同世代と日本語で関わる時間を家庭の側で足しておくという考え方は、この規模の学校ではとくに現実的です。ドバイと日本の時差は5時間で、日本の夕方の授業がドバイの昼過ぎにあたります。
よくある質問(ドバイ日本人学校 レビュー)
ドバイ日本人学校の評価はどこで確認できますか?
ドバイ政府の知識人材開発庁(KHDA)の学校査察局(DSIB)が査察報告書を公開しています。直近は2023-2024年度(査察日2024年2月12〜16日)で、総合評価はGoodです。KHDAの学校情報ページには2008-2009年度以降の評価が並んでおり、いずれもGoodです。
Goodというのは高い評価なのですか?
KHDAの尺度は上からOutstanding/Very good/Good/Acceptable/Weak/Very weakの6段階で、Goodは上から3番目です。ドバイ日本人学校は領域によってVery goodも取っており、とくに人間的成長は幼稚部から中学部まで全学部でVery goodでした。一方、教育課程の設計と校舎の健康・安全は小中でAcceptableです。
悪い評価がついている項目はありますか?
あります。ガバナンス(理事会)と、学校の自己評価・改善計画の2項目がWeakでした。報告書はガバナンスの理由を理事会メンバーの不安定さと説明しています。改善勧告は、アラビア語の伸びを良好な水準にすること、アラビア語の授業時数を現地の規定に合わせること、本校舎の健康・安全の改善、自己評価の正確性、ガバナンスの改善の5点です。
在籍は何人ですか?
査察報告書には175名(2024年2月時点・幼稚部を含む)と記載されています。一方、学校が配布する「令和8年度編入学のしおり」では小学部86名・中学部19名の全校105名(令和8年2月末日現在)です。数え方と時点が違うため、目的に応じて使い分けてください。
アラビア語は必修ですか?
追加言語として学びます。報告書では小学部・中学部の到達度・伸びともAcceptableで、UAE教育省が求める授業時数より少ないと指摘されました。幼稚部では週1回20分、歌や言葉遊びでアラビア語の音に親しむ形で、正式な評価は行われていません。
ドバイでの学校選び全体はドバイ日本人学校とインターの比較、世界の日本人学校は日本人学校 一覧、費用の全体像は日本人学校の学費にまとめています。




