ソウルへの赴任が決まって、まだ小学校に上がっていないお子さんがいる。そのとき最初に調べるのがソウル日本人学校の幼稚部です。入れるのか、いくらかかるのか、給食はあるのか、何時に終わるのか。結論から書くと、幼稚部は年少・年中・年長の3学年で、学年定員はそれぞれ30名・40名・50名程度。保育料は年少が月550,000ウォンで、年中・年長の510,000ウォンより高く、小学部の390,000ウォンより月160,000ウォン高い。そして給食はなく、毎日お弁当と水筒を持参します。この記事は、同校が公開している「令和8年度 幼稚部入園のしおり」と「令和8年度 入園入学案内」の記述だけで組み立てています。
【令和8年度】ソウル日本人学校 幼稚部の費用
まず学校が公表している納付金をそのまま並べます。単位はウォンです。幼稚部は学年によって授業料が違います。
| 項目 | 年少 | 年中 | 年長 | 小学部 | 中学部 |
|---|---|---|---|---|---|
| 入園・入学金 | 650,000 | 650,000 | 650,000 | 650,000 | 650,000 |
| 授業料(月額) | 550,000 | 510,000 | 510,000 | 390,000 | 390,000 |
| 校舎改築積立金(月額) | 50,000 | 50,000 | 50,000 | 50,000 | 50,000 |
| 冷暖房費(月額) | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 |
| 入園・入学時納入金(合計) | 1,280,000 | 1,240,000 | 1,240,000 | 1,120,000 | 1,120,000 |
| 通学バス代(月額) | 283,500 | 283,500 | 283,500 | 283,500 | 283,500 |
| PTA会費(年額) | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 | 30,000 |
この表でいちばん意外なのは、いちばん小さい年少がいちばん高いことです。年少の授業料は月550,000ウォンで、年中・年長より40,000ウォン高い。手のかかる学年ほど費用がかかるという、考えてみれば自然な設計ですが、「学年が上がるほど高くなる」と思って予算を組むと逆になります。

幼稚部から小学部へ上がるとき、入学金をもう一度払う
見落とされやすい規定があります。同案内には「入園入学金については、幼稚部から小学部への内部進学者についても徴収いたします。小学部から中学部への内部進学者については徴収いたしません。」と書かれています。
つまり幼稚部から入ると、入園時と小学部進学時の2回、650,000ウォンずつ払うことになります。小学部から中学部へ上がるときは不要です。3人以上のきょうだいが在籍する場合は、3人目以降の入園入学金が40%減額の390,000ウォンになります。
なお、退園・退学した人が6か月以内に再入学する場合の入学金は原則として徴収されません。一時帰国や転勤で一度抜ける可能性がある家庭は、この6か月という区切りを覚えておくと判断が変わることがあります。納付金は日割り計算をせず、月額単位です。
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定員は年少30名・年中40名・年長50名――超えたら抽選
入園資格を満たしていても、必ず入れるわけではありません。同案内は「教員の数、教室の広さ等、人的・物的な理由により、各学部において入学を保留又は認められない場合がある」として、幼稚部について年少30名程度・年中40名程度・年長50名程度の学年定員を明記しています。
定員を超えた場合は抽選です。ただし、順番には優先順位があります。
- SJC(ソウルジャパンクラブ)正会員の子女を優先する
- 入園時に本校の小学部3年生以下に在籍・入学・入園するきょうだいがいる者を優先する
3学年を合計すると定員は120名程度になります。一方で、同校の在籍は幼稚部・小学部・中学部あわせて296名(2026年1月6日現在)で、うち小学部204名・中学部54名。差し引くと幼稚部はおよそ40名規模と見られます(この試算の根拠はソウル日本人学校の生徒数にまとめました)。定員120名程度に対して在籍が40名規模であれば、抽選の心配は当面小さいと読めます。ただし年度当初の申込状況で決まるものなので、学校への確認は必ず行ってください。

特別支援学級は設置されていない
正直に書いておくべき記述があります。同案内には「本校には特別支援学級は設置されていない。そのため、入級相当の子女については、原則として入園入学を認めていない。」とあります。身辺自立に支援が必要なお子さん、医療的な行為が必要なお子さんについては、必ず事前に相談し、必要に応じて面接、就学指導委員会での検討を経て、学校運営委員会が受入れの可否を判断する、と書かれています。
この点は学校によってまったく違います。たとえばクアラルンプール日本人学校は「なかよし」学級を小学部・中学部に置いています。赴任先が選べる立場にある方は、ここを先に確認しておく価値があります。
入園資格――日本国籍とSJC入会が条件
同案内Ⅱの入学資格は次のとおりです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 国籍 | 日本国籍を有すること |
| 言語 | 日本語による教育に耐え得ること |
| 保護者 | 日本人である保護者が韓国に駐在していること(日系企業を含む赴任・駐在。それ以外は審査対象で、帰国予定を客観的に示す証明書等が必要) |
| 会員 | 保護者がSJCの正会員・賛助会員として入会すること |
| 理解 | 「学校の性格」について十分に理解できていること |
ソウル日本人学校はソウルジャパンクラブ(SJC)が設立・運営する私立学校です。学校に申し込むだけでは足りず、保護者がSJCに入会する必要があります。手続きはSJC事務局が窓口です。
もう一つ、国際結婚のご家庭に関わる規定があります。同案内には「韓国国籍の子女に対しては、大韓民国の国内法に基づき、3年以上海外に居住していなければ、ソウル日本人学校を含む外国人学校には入学できない(2010.3.1)」と書かれています。これは学校の方針ではなく韓国の法令によるものなので、学校側の裁量では動きません。費用より先に確認すべき条件です。
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給食はない。毎日お弁当と水筒
実務でいちばん効くのはここかもしれません。同案内Ⅵに「本校は給食がありません。毎日お弁当と水筒持参が原則です。」と明記されています。幼稚部だけの話ではなく、小学部・中学部も同じです。
「入園のしおり」のお弁当についての記述は、かなり具体的です。
- お弁当の時間は年齢によって調整するが、年少組は約45分を予定
- 初めは一口おにぎりやサンドイッチなど、食べやすいものから
- やや少なめに入れて残さず食べる習慣をつける
- 果物はまるごと持たせない。ゼリーは事故防止のため持たせない
- 飲み物は水かお茶のみ(牛乳・ジュースは不可)。園の浄水器で補充できる
- ランチョンマット(ハンカチ可)を用意する
年少の子が45分かけてお弁当を食べる、という時間の取り方に、この幼稚部の雰囲気が出ています。

一日の流れ――9時20分登園、15時15分降園
保育時間は午前9時30分〜午後3時15分。始業時刻は幼稚部が9時40分で、小中学部の8時10分とは1時間半ずれています。きょうだいで登園・登校時間が違う点は、朝の段取りに直結します。
| 時間 | 主な活動 |
|---|---|
| 9:20〜 | 登園、朝の支度、自由遊び・お外遊び |
| 10:50〜 | 朝の会 |
| 11:00〜 | その日の設定遊び(歌、楽器遊び、製作遊び、英会話、折り紙遊び、体育遊びなど) |
| 11:50〜 | お弁当の支度 |
| 12:00〜 | お弁当(学年によって時間が違う)、歯磨き、自由遊び |
| 12:55〜 | お掃除 |
| 13:10〜 | お外遊び(午後の設定遊び) |
| 14:50〜 | 帰りの支度、帰りの会 |
| 15:15〜 | 降園 |
放課後は午後3時30分〜4時が保育相談時間で、希望する場合は前もって担任へ連絡します。そして小学部3年生までは、自力通学でもバス通学でも保護者の送迎が必要です。幼稚部も当然その対象で、「登・降園の送り迎えは、必ずおうちの方でお願いいたします」と書かれています。共働きのご家庭は、ここを前提に生活を設計することになります。
保育の中身――英会話は週3回、縦割り遊びは毎週
「入園のしおり」に書かれている教育の特色は、自由遊び・設定遊び・縦割り遊び・オープン教育の4つです。
- 英会話(週3回)=歌やゲームで遊びながら英語に慣れ親しむ
- 縦割り遊び=毎週木曜日に縦割り体育遊び、毎週金曜日にその月のテーマに沿った遊び
- 幼小中連携=仲良し集会、仲良しお弁当、小学部・中学部のお兄さんお姉さんによる絵本の読み聞かせ、運動会で一緒に入場・競技
- 韓国文化との触れ合い=日本と韓国に共通する遊びや歌、簡単な韓国語のあいさつ
- プール=6月下旬から温水プールで、学年ごとに深さを調節
- マラソン大会=10月に全園児が参加
- 食育・栽培活動=園の畑で野菜を育てて収穫する
- 絵本の貸し出し=毎週金曜日に園の絵本を家庭へ
オープン教育について、しおりは「保護者はいつでも参観、園の見学ができることとする」と書いています。日本の幼稚園ではあまり見ない一文です。
赤白帽子は「韓国での購入不可」
入園準備物は22点あります。そのなかで赴任前に必ず読んでおきたいのが、赤白帽子の欄に「韓国での購入不可」と書かれていることです。日本を出る前に買っておく必要があります。
ほかに指定があるものを挙げると、お道具箱は蓋のないもの(ロッカーサイズ横33cm×縦35cm)、クレパスは16〜20色、カスタネットは木製(プラスチック製は不可)、水筒は年少組のみ高さ20cm以下でストロー付き、通園カバンは子どもが一人でファスナーやボタンを開け閉めできるリュックサックタイプ。体操着は夏が半袖(白)と短パンまたはハーフパンツ(黒か紺)、冬は幼児用ジャージ(色指定なし)です。
新学期用品は日本発注と韓国発注に分かれ、月刊誌は学期ごとの発注で途中返金はできません。円の為替レートの関係で、金額は確定後に個別請求される仕組みです。
3年間で「日本語で話す相手」は増えるのか
ソウル日本人学校の幼稚部は、日本語で1日を過ごせる環境です。文部科学省の幼稚園教育要領に沿って保育が行われ、絵本も日本のものが揃い、小学部・中学部のお兄さんお姉さんとの交流もあります。日本語の土台という意味で、心配はほとんどありません。
気になるのは規模のほうです。定員120名程度に対して在籍が40名規模ということは、1学年あたり10名台になる年もあるということです。同じ年に生まれた子どもと日本語でやりとりする経験は、その学年に何人いるかで決まります。小学部が204名で各学年1学級、中学部が54名という数字も、この学校では6年間クラス替えがないことを意味します。

ともだちじゃぱんは、日本の現役水準の教員が8人の少人数クラスを担任し、日本にいる同世代の子どもたちと同じクラスで学ぶオンラインの日本語スクールです。韓国と日本の時差はゼロ。15時15分に降園したあとの時間が、そのまま日本のクラスの時間になります。学年ではなく会話のレベルでクラスを分けるので、幼稚部の年齢から無理なく始められます。
よくある質問(ソウル日本人学校 幼稚部)
ソウル日本人学校の幼稚部は何歳から入れますか?
年少・年中・年長の3学年があります。学年定員は年少30名程度・年中40名程度・年長50名程度で、超えた場合は抽選です。抽選ではSJC正会員の子女と、小学部3年生以下にきょうだいがいる家庭が優先されます。
幼稚部の保育料はいくらですか?
令和8年度の授業料は年少が月550,000ウォン、年中・年長が月510,000ウォンです。ほかに校舎改築積立金50,000ウォン、冷暖房費30,000ウォンが月額でかかります。入園金は650,000ウォンで、入園時納入金の合計は年少1,280,000ウォン、年中・年長1,240,000ウォンです。
幼稚部から小学部へ上がるとき、入学金は再びかかりますか?
かかります。入園入学案内に「幼稚部から小学部への内部進学者についても徴収いたします」と明記されています。一方、小学部から中学部への内部進学では徴収されません。
給食はありますか?
ありません。「本校は給食がありません。毎日お弁当と水筒持参が原則です」と入園入学案内に書かれています。年少組のお弁当の時間は約45分を予定。飲み物は水かお茶のみで、ゼリーは事故防止のため持たせないよう案内されています。
保育時間は何時から何時までですか?
保育時間は午前9時30分〜午後3時15分、始業時刻は9時40分です(小中学部は8時10分)。新入園児には慣らし保育の期間があり、11時45分降園(お弁当なし)または12時25分降園(お弁当あり)となります。放課後3時30分〜4時は保育相談の時間です。
送り迎えは必要ですか?
必要です。入園入学案内に「小学部3年生までは、保護者の方の送迎が必要となります。(自力,バスとも)」とあり、しおりにも「登・降園の送り迎えは、必ずおうちの方でお願いいたします」と書かれています。通学バスは保護者のバス利用者会が運営しており、月額283,500ウォンです。
発達に配慮が必要な子どもも入園できますか?
入園入学案内には「本校には特別支援学級は設置されていない。そのため、入級相当の子女については、原則として入園入学を認めていない」と書かれています。身辺自立に支援が必要な場合などは必ず事前に相談し、面接や就学指導委員会での検討を経て学校運営委員会が受入れの可否を判断します。
在籍数の詳細はソウル日本人学校の生徒数、費用は韓国の日本人学校の学費、学校選び全体はソウルの学校選びにまとめています。他国の幼稚部は日本人学校の幼稚部、世界の学校は日本人学校 一覧、費用の全体像は日本人学校の学費をどうぞ。



