「選考で模擬授業をやると言われたけれど、何を準備すればいいのか分からない」「前回落ちた理由が、いまだに分からない」——日本語教師の求人に応募した人の多くが、この壁の前で足を止めます。調べるほど情報がバラバラで、かえって不安になります。
この記事では、採用側が模擬授業で本当に見ているポイント、流れと時間配分、落ちる原因、「導入→提示→練習→活用」で組む教案の作り方を整理します。実は「模擬授業なし」の選考もあることもお伝えします。
この記事は、現役の先生が集うオンライン日本語スクール「ともだちじゃぱん」が、日本語教師 模擬授業の準備の仕方と、選考で本当に評価される中身を、正直に解説します。

採用選考の模擬授業とは、何を見られているのか
採用の模擬授業は、日本語の知識テストではありません。多くは採用担当や先輩教師が学習者役になり、15分前後を実際に教えます。見られているのは文法説明の正確さではなく、相手が分かるように伝えられるかの一点です。
具体的には、話す速度と語彙のコントロール、板書やスライドの見やすさ、学習者にどれだけ話させたか、間違いへの反応、時間内に着地できたか。面接での模擬授業は短いぶん、この「授業運びの癖」が出ます。授業動画の提出を求める選考も増えており、その場合はカメラ目線・声の張り・画面共有の段取りが比較されます。撮り直せるので、1本目は必ず見返してください。
よくある流れと時間配分
一般的には「書類→面接→模擬授業(または授業動画)→結果」の順です。課題は、事前に文型やテキストのページを指定される場合と、当日その場で渡される場合があります。前者は教案の提出を求められることも多く、後者は準備が10〜20分だけのこともあります。
15分なら目安は導入2〜3分/提示3分/練習5〜6分/活用3分。多くの人が導入と説明で10分以上使い、練習に入れないまま終わります。教案の余白に「◯分でここ」と時刻を書き込んでおくと、本番でぶれません。
模擬授業で落ちる人に共通する4つの原因
①教師がしゃべりすぎる。最も多い原因です。説明を丁寧にするほど学習者が話す時間が消えます。授業の主役は学習者だという前提が伝わらないと、その先に進みません。
②学習者のレベルを超えた言葉を使う。初級の課題なのに「仮定条件を表す表現で」と説明したり、指示が長い日本語になっていたり。直接法(媒介語を使わず日本語で教える)の選考なら、絵・実物・動作・場面設定で分からせる工夫が要ります。
③導入が「説明」から始まる。導入は、その文型を使いたくなる場面をつくる時間です。いきなり板書して説明せず、写真や状況から学習者の言葉を引き出す。ここが弱いと以降が暗記作業になります。
④時間内に終わらない・練習が単調。口慣らしの反復で終わり、実際に使う場面まで届かないパターンです。逆に、指示がひと言で伝わりテンポよく声が出ている模擬授業は、それだけで印象が変わります。
教案の作り方(導入→提示→練習→活用)と出やすい文型
教案は「何を教えるか」ではなく「学習者が何をするか」を書くと一気に良くなります。基本は4段階です。
- 導入:場面・視覚教材でその文型が必要な状況をつくり、学習者から言葉を引き出す。
- 提示:意味・形・使う場面を短く整理して板書。説明は最小限に。
- 練習:形に慣れる反復から、絵カードでの置き換え、質問と応答へ段階を上げる。
- 活用:自分のことを話す・相手に聞くなど、実際のやり取りで使わせて着地する。
出やすいのは初級の代表的な文型です。「〜てください」「〜ています」「〜たいです」「〜ことができます」「〜たことがあります」「〜たら/〜ば」など、場面と結びつけやすいものが選ばれます。2〜3個を選び、導入で見せる素材まで含めて完成させておけば、同じ型が他の文型にも使えます。

未経験でも通る準備の仕方
未経験の勝負どころは「経験の量」ではなく「1本やり切ったことがあるか」です。①出やすい文型を1つ選んで教案を書く、②スマホで録画する、③見返して、しゃべりすぎ・語彙の難しさをチェックする。2〜3周で本番の落ち着きが変わります。
当日その場で課題が渡される形式に備え、「初めての文型でも、この型に流し込めば授業になる」テンプレートを1つ持っておくと安心です。入口については未経験から日本語教師になるにはにまとめています。
「模擬授業なし」の選考もある
意外に知られていませんが、模擬授業を必須にしていない採用もあります。模擬授業の完成度は、率直に言えば「準備にかけられた時間」と「その学校の型への慣れ」を強く反映します。出来=採用、とは限らないのです。
ともだちじゃぱんの選考も、資格や模擬授業の完成度より、対話型で、子どもの主体性を尊ぶ教育観と人柄を重視します。授業が「大人1対1で文型を積み上げるレッスン」ではなく、子ども×グループ×対話だからです。8人少人数の担任制で、oViceやZoomの向こうの子どもが安心して話し出せる場をつくる。評価軸は板書の美しさより、「その子の一言をどう拾うか」「話さない子にどう水を向けるか」にあります。
採用後は教員コミュニティ「授業てらす」(累計1,200名超)で研修があるので、授業技術は入ってから伸ばせます。資格の話は資格なしでも応募できる日本語教師求人もどうぞ(登録日本語教員などの制度は変わることがあるため、最新は文化庁の公式情報をご確認ください)。
| 比較項目 | 一般的な日本語学校の採用選考(模擬授業あり) | 個人プラットフォーム(選考ほぼなし) | ともだちじゃぱんの選考 |
|---|---|---|---|
| 模擬授業の有無 | あり。教案提出や授業動画のことも | 基本なし。登録すれば開始できる | 完成度を必須条件にしていない |
| 評価される点 | 教案・時間配分・直接法の運びなど授業技術 | 実質は価格と口コミ。授業観は問われにくい | 対話型・子どもの主体性を尊ぶ教育観と人柄 |
| 未経験の扱い | 経験者と同じ土俵で比較されがち | 登録は自由だが選ばれるまでが長い | 未経験・資格なしでも入口あり |
| 準備にかかる負担 | 教案作成・練習・撮影で数日かかることも | 登録のみ。ただし集客準備が続く | 面談中心。過度な準備は不要 |
| 採用後の研修 | 学校により差が大きい | 基本なし(自己流・自己責任) | 「授業てらす」(1,200名超)で研修・育成 |
| 働き方 | 時間割に合わせた通勤や対面併用も多い | 単価競争になりやすい | 全授業オンライン・フルリモート/週1コマ〜 |
正直に:向く人・大変な面
向いているのは、子どもの発言を面白がれる人、教え込むより一緒に考えるのが好きな人、自分の授業を見返して直せる人です。大変な面も正直に言うと、子どものグループ授業は大人向け1対1のように教案どおりには進みません。想定外の発言で予定が崩れるのは日常で、その場で組み替える力が要ります。最初はコマ数も報酬も小さいスタートです。ただ、集客は学校が担い、研修とコミュニティがあり、授業+WEB・広報などの二刀流でキャリアも広げられる(母体NIJINは11事業/入学900名超)ので、「1回落ちたら終わり」の一発勝負とは違う道筋があります。
模擬授業で落ちました。何が原因ですか?
多いのは、しゃべりすぎて学習者の発話時間が足りない、レベルを超えた言葉で説明した、導入が説明から始まった、練習まで届かなかった、の4つです。録画して見返すのが一番早い改善策です。
模擬授業の教案はどう書けばいいですか?
「導入→提示→練習→活用」の4段階で、各段階の時間と、学習者が何をするかを書きます。教師の説明ではなく学習者の活動を主語にすると、時間配分の破綻も防げます。
未経験でも模擬授業に挑めますか?
挑めます。出やすい初級文型を1つ選び、教案を書いて録画・見返しを2〜3周するだけで本番の落ち着きが変わります。経験の量より、1本やり切った実感が効きます。
ともだちじゃぱんの選考でも模擬授業はありますか?
模擬授業の完成度を必須条件にはしていません。資格や授業技術より、対話型で子どもの主体性を尊ぶ教育観と人柄を重視し、採用後に「授業てらす」(1,200名超)で研修します。
模擬授業の出来だけで、あなたの先生としての力は測れません。ともだちじゃぱんは、授業技術の完成度より、子どもの主体性を尊ぶ教育観と人柄を大切にしています。未経験・資格なしでもOK、週1コマから相談できます。
採用の詳細や働き方はともだちじゃぱんの採用ページをご覧ください。未経験からの求人の実際は未経験からのオンライン日本語教師 求人ページもどうぞ。

