大阪への本帰国が決まると、まず迷うのが「どの市に住めば、子どもが学校で浮かずに済むのか」です。そこで「帰国子女 小学校 大阪」「帰国子女 受け入れ 小学校 大阪」「帰国子女が多い小学校 大阪」と検索する保護者は確実にいます。ところが検索結果に並ぶのは、私立小の受験情報や掲示板の口コミがほとんど。「大阪の公立小で、帰国した子はどこに多いのか」に数字で答えているページは、ほとんど見当たりません。
じつは大阪府は、市町村ごとに「1年間に海外から帰国して小学校に入った子どもの数」を毎年公表しています(大阪の学校統計=学校基本調査報告書)。この記事では最新の令和7年度版を使って、帰国児童が多い市を人数と割合の両方で並べ、学校単位で分かる受け入れの窓口、国立・私立の帰国児童の募集、住所と学校の決まり方までを整理します。先に結論を書くと、人数で最も多いのは大阪市(68人)、次が豊中市(61人)。割合で見ると豊中市・池田市・箕面市が上位で、豊中市は東京都の公立小の平均とほぼ同じ水準です。

ひとつだけ、数字の読み方を先にお伝えします。統計に載っているのは「海外勤務者などの子どもで、1年を超えて海外に住み、その年度のあいだに帰国した子の数」(大阪府の表の注記)です。市内に在籍している帰国子女の総数ではありません。毎年どれくらいの帰国家庭がその市を選んでいるか、という流入の目安として読んでください。
帰国児童が多い市ランキング――大阪市68人、豊中市61人で2強
令和6年度のあいだに帰国して大阪府内の小学校に入った子は、府全体で273人でした。市町村別に並べると、上位は次のとおりです。
| 順位 | 市 | 帰国児童数 | 前年度 | 在籍児童数 | 在籍1,000人あたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 大阪市 | 68人 | 89人 | 114,362人 | 0.59人 |
| 2 | 豊中市 | 61人 | 50人 | 21,339人 | 2.86人 |
| 3 | 堺市 | 22人 | 32人 | 38,748人 | 0.57人 |
| 4 | 高槻市 | 21人 | 22人 | 16,967人 | 1.24人 |
| 5 | 茨木市 | 18人 | 22人 | 15,318人 | 1.18人 |
| 6 | 吹田市 | 17人 | 18人 | 21,156人 | 0.80人 |
| 7 | 箕面市 | 16人 | 16人 | 8,804人 | 1.82人 |
| 8 | 池田市 | 12人 | 9人 | 5,241人 | 2.29人 |
| 9 | 枚方市・泉佐野市 | 各7人 | ― | 19,169人・4,422人 | 0.37人・1.58人 |
| ― | 府全体 | 273人 | 320人 | 396,445人 | 0.69人 |
目立つのは北摂です。豊中・池田・箕面・吹田の4市だけで106人、府全体の約39%。高槻・茨木などを含めた北摂全体では147人で、半分を超えます。大阪市は人数こそ1位ですが、在籍児童も11万人を超える大きな市なので、割合にすると府の平均を下回ります。
府全体の推移も見ておくと、令和4年度間の468人から、令和5年度間320人、令和6年度間273人と減ってきています。全国で見ると、大阪府は帰国児童6,398人の4.3%で都道府県別の5位(東京1,823人、神奈川887人、愛知752人、千葉474人に次ぐ)。首都圏ほどの厚みはなく、帰国した子が「学年で自分だけ」になる場面は、東京より起こりやすいと考えておくのが現実的です。東京の区別の数字は帰国子女が多い公立小学校・中学校【東京】にまとめています。
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割合で見ると豊中市・池田市・箕面市――豊中は東京の平均並み
「子どものクラスに、同じように帰ってきた子がいそうか」を知りたいなら、人数より在籍1,000人あたりの人数のほうが実感に近い数字です。在籍3,000人以上の市で並べると、次のようになります。
- 豊中市 2.86人(府平均0.69人の約4倍。東京都の公立小平均2.87人とほぼ同じ)
- 池田市 2.29人
- 箕面市 1.82人
- 泉佐野市 1.58人、高槻市 1.24人、茨木市 1.18人
- 大阪狭山市 0.92人、吹田市 0.80人、大阪市 0.59人、堺市 0.57人
豊中市の2.86人は、在籍が2万人規模の市で毎年60人前後が帰国してくる計算です。学年ごとにならせば、市内で毎年10人ほどずつ帰国した子が入ってくることになります(豊中市は前年度も50人)。それでも東京の港区(10.7人)や文京区(10.3人)のように「帰国子女が珍しくない」水準とは差があります。大阪では、北摂を選んでも「同じ境遇の子が必ずいる」とまでは言えない――これが数字から読み取れる正直なところです。
なお、大阪市は区ごとの帰国児童数を公表しているのが見当たりませんでした。市内のどの区に多いかは、統計からは分かりません。

中学は府全体で171人――大阪では帰国した中学生の8割近くが公立へ
「大阪 帰国子女 中学 編入」と調べる方のために、中学校の数字も並べておきます。令和6年度のあいだに帰国して府内の中学校に入った生徒は171人。市町村別では次のとおりです。
- 大阪市 56人(在籍1,000人あたり0.91人)
- 箕面市 26人(同5.77人)
- 豊中市 24人(同2.32人)
- 池田市 15人(同5.48人)
- 堺市 10人、枚方市 6人、高槻市・吹田市 各5人
箕面市と池田市の割合が高いのは、市内に帰国生を受け入れる中学校があるためと考えられます。箕面市には私立の関西学院千里国際中等部(帰国生入試を実施)、池田市には国立の大阪教育大学附属池田中学校(帰国生徒などの国際枠を、一般の生徒と同じ学級で受け入れ)があります。府の内訳では私立中の帰国生徒が26人、国立中が11人で、規模は合いますが、学校別の内訳は公表されていないため断定はできません。
興味深いのは公立・私立の割合です。171人のうち公立は134人(約78%)、私立26人、国立11人。東京では帰国した中学生の約55%が私立に進むのに対し、大阪では中学でも大半が地元の公立中に入っています。小学校で入った公立のまま、中学へ上がる家庭が多いと読めます。

中学の先の高校受験では、大阪府立高校に「帰国生選抜」(住吉・千里・箕面など14校)があります。条件や検査科目は帰国子女 高校受験 関西に、高校の途中で帰国する場合の転入学は帰国子女 編入 高校 大阪にまとめています。
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「帰国子女が多い学校名」は公表されていない――学校単位で分かる窓口は4つ
ここまでは市単位の数字です。では「○○小学校は帰国子女が多い」という学校名は分かるのか。結論から言うと、公立小学校ごとの帰国児童数は、府も市も公表していません。口コミで名前が挙がる学校はあっても、裏付けになる統計はないのが現状です。学校単位で受け入れの窓口が公式に確認できるのは、次の4つです。
① 大阪市の「日本語センター校」(ただし帰国子女の多さとは別物)
大阪市は、日本語の指導が必要な子どものための「日本語指導が必要な子どもの教育センター校」を、小学校8校・中学校9校に置いています(令和6年4月時点で計17校。令和2年の12校から増設)。小学校は木川(淀川区)、長池(阿倍野区)、西九条(此花区)、大国(浪速区)、小路(生野区)、東都島(都島区)、今里(東成区)、岸里(西成区)の8校。在籍校に籍を置いたまま、小学4年生以上が週1回・90〜120分程度、1年ほど通う仕組みです。
ただし、市の事業名は「外国につながる児童生徒の受入れ・共生のための教育推進事業」で、センター校の案内にも帰国児童が対象かどうかの明記は見当たりません。置かれているのも外国にルーツのある子が多い地域が中心で、大阪市の外国人児童4,388人に対し帰国児童は68人です。「センター校がある学校=帰国子女が多い学校」ではありません。帰国後に日本語の読み書きで大きくつまずいたときに、在籍校を通じて相談できる窓口として知っておいてください。
② 豊中市の「帰国・渡日児童生徒相談」
帰国児童が府内で2番目に多い豊中市は、名前に「帰国」を入れた相談窓口を公式に案内しています。教育委員会 学校教育課 人権教育係が、平日9時〜17時に、帰国・渡日児童生徒のための通訳派遣、日本語指導教室の案内、学校生活の相談などを受け付けています。豊中で家を探している段階から、学校の受け入れの様子をここで聞いておくと安心です。箕面市・吹田市・池田市では、帰国児童に絞った案内ページは今回見つかりませんでした。各市の教育委員会の学務担当に問い合わせてください。
③ 国立:大阪教育大学附属池田小学校の「帰国児童募集」
大阪で、帰国した子のための募集をはっきり出している小学校が、池田市の大阪教育大学附属池田小学校です。毎年「帰国児童募集要項」を公表しており、2026年分は掲載済みで受付はすでに終了しています。募集は3年生以上の数名ずつで、1・2年生の募集はありません(年度によって対象学年と人数が変わり、2022年は新3年生・新4年生の各5名以内でした)。学校の児童募集ページによると、次回(2027年4月入学)は出願メールの受付が2027年2月初旬の予定で、要項の詳細も2月初旬に公開されます。前年度は入学選考が3月25日、発表が3月26日でした。海外にいる期間や帰国時期の条件も要項で示されるので、2月の公開を待って確認してください。
同じ大阪教育大学の附属平野小学校・附属天王寺小学校(どちらも大阪市)は、新1年生の入学選考の要項に、帰国児童の募集についての記載が見当たりませんでした(どちらも通学50分以内などの居住条件あり)。全国の附属小の帰国児童の学級や欠員募集は国立小学校の編入で整理しています。
④ 私立・関西の受け皿:関西学院初等部、同志社国際学院初等部、千里国際キャンパス
私立小で年度の途中や4月に入る道としては、関西の帰国家庭がよく名前を挙げる学校があります。ただし大阪府内ではなく、隣の府県にある学校も含まれます。
- 関西学院初等部(兵庫県宝塚市):2026年4月の転入学試験は新2・3・5年生が対象で、算数・国語の筆記と親子面接でした。一般の転入学試験で、帰国生専用の枠の記載は見当たりません。
- 同志社国際学院初等部(京都府木津川市):2026年度は秋学期(8月27日)からの編・転入試を、第1・2・4学年の各若干名で実施しました(出願は6月)。帰国生専用の枠かどうかは要項で確認してください。
- 千里国際キャンパス(箕面市):帰国生を多く受け入れてきた関西学院千里国際中等部・高等部は中学からで、小学校はありません。同じキャンパスの関西学院大阪インターナショナルスクールは英語で学ぶインターナショナルスクール(各種学校)で、別の学校として入試を行っています。インターと一条校の違いは一条校のインターナショナルスクール 関西の13校をご覧ください。
このほか大阪府内の私立小で、帰国生の枠を公式の募集要項で確認できた学校は、今回は見当たりませんでした。私立の転入・編入はどこも欠員がある学年だけで、試験は国語・算数が中心です。受けるなら、海外にいるうちから学年相当の国語と算数を止めないことが前提になります。
公立は「どこに住むか」で学校が決まる――大阪市は区ごとに学校選択制
公立小学校は、入試がない代わりに住所で学校が決まるのが原則です。文部科学省の案内でも、帰国した時点で住所地の教育委員会が就学先の学校と編入日を通知し、原則として年齢相当の学年に入る仕組みになっています(日本語の力によっては、一時的に下の学年に入ることもできます)。つまり公立で環境を選びたいなら、「学校を選ぶ」より先に「住む市・区を選ぶ」ことになります。手続きの流れは帰国子女の小学校編入、受け入れの仕組みは帰国子女 受け入れ 小学校にまとめています。
大阪市には学校選択制がありますが、方式は区ごとに違います。たとえば北区は、小学校が「ブロック選択制」(住所の中学校区のブロック内から選ぶ)、中学校が「自由選択制」(区内の全6校から選ぶ)です。注意したいのは、選べる機会が「入学時に1回」だという点。北区の案内では、受付の期限を過ぎてから転入した場合は「受入可能人数に余裕がある学校のみ」選べるなど扱いが変わるとされています。年度の途中に帰国して編入するなら、基本は住所の学校と考えておくのが安全です。
北摂の豊中市は、市の教育委員会が住所に応じて学校を指定し、校区外への通学は決められた基準を満たす場合に認める方式です。北摂で住まいを決めると、通う小学校もほぼ決まると考えてください。学校の様子を知りたいときは、市の教育委員会の学務担当や、②の豊中市の相談窓口、学校説明会・学校公開で直接聞くのが確実です。
選び方を比べる――「多い市の公立」「日本語の支援」「国立・私立」「海外にいるうちの準備」
| 北摂など帰国が多い市の公立 | 大阪市の日本語センター校 | 附属池田小・私立小の募集 | ともだちじゃぱん(併用) | |
|---|---|---|---|---|
| 入り方 | 住所で決まる。試験なし・いつでも | 在籍校から通級(小4以上・在籍校へ相談) | 欠員がある学年だけ。選考あり | 海外にいるうちからオンラインで |
| 得られるもの | 同じ境遇の子に会える可能性 | 日本語の読み書きの集中指導 | 少人数ずつ帰国した子を迎える学年 | 学年相当の国語と、日本の同世代の友達 |
| 注意点 | 多い市でも東京の上位区ほどではない | 外国ルーツの子が中心の地域が多い | 枠は数名。附属池田小は3年生以上のみ | 学校の代わりではなく、帰国前後の土台づくり |
| 費用 | 公立のため授業料なし | 公立のため授業料なし | 国立は諸費、私立は学費が必要 | 通い放題の月額定額(学費は資料でご案内) |
「帰国子女が多い市」に住んでも、埋まらないものがある
同じ境遇の子がいそうな市を選ぶのは、たしかに心強い判断です。けれど、住む場所や学校選びだけでは解決しないことが2つあります。
ひとつは国語です。日常会話(生活言語)は2〜3年で身につくと言われる一方、教科書を読んで考えて書く力(学習言語)は5〜7年かかると言われます。大阪のどの市の公立小でも、授業はすべて日本語で、学年相当の漢字と読解を前提に進みます。そして先に見たとおり、大阪では帰国した子が学年に一人だけ、ということも珍しくありません。周りに合わせて特別な配慮が組まれるとは限らないぶん、会話ができるのに国語のテストで点が取れない、というつまずきは海外にいた期間に学習言語がどこまで積めたかでほぼ決まります。くわしくは帰国子女の国語――「できない」の正体をご覧ください。
もうひとつは友達です。帰国直後に子どもがいちばん不安に思うのは、勉強よりも「話せる友達がいるか」。関西の学校では、言葉のテンポや冗談の通じ方に慣れるまで時間がかかる子もいます(帰国子女が学校になじめないとき)。

ともだちじゃぱんは、この2つを帰国する前から準備するためのオンラインの日本語スクールです。国内最大級のオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」(在籍1,000名超)を運営する株式会社NIJINが母体で、採用合格率およそ2%で選ばれた現役水準の日本の教員が、8人の少人数クラスで学年相当の国語を教えます。クラスには日本に住む同世代の子もいて、帰国する時にはすでに日本に友達がいる状態をつくれます。学校の代わりではなく、大阪のどの市・どの学校に入っても持っていける土台です。料金は通い放題の月額定額で、学費は学校案内の資料でお届けしています。海外での国語の続け方は駐在中の国語、帰国後に間に合う?や補習校の代わりになるオンライン3タイプ比較もあわせてどうぞ。
よくある質問
大阪で帰国子女が多い小学校はどこですか?
学校ごとの帰国児童数は公表されていません。市単位では、令和6年度のあいだに帰国して小学校に入った子は大阪市68人、豊中市61人、堺市22人、高槻市21人、茨木市18人、吹田市17人、箕面市16人、池田市12人の順で、在籍1,000人あたりでは豊中市2.86人、池田市2.29人、箕面市1.82人が上位です(大阪府「令和7年度 大阪の学校統計」)。学校の様子は市の教育委員会や学校公開で確認してください。
大阪の公立小学校は帰国子女を受け入れてくれますか?
受け入れます。公立小学校は住所で学校が決まり、帰国したら住所地の教育委員会が就学先と編入日を通知します。試験はなく、原則として年齢相当の学年に入ります。日本語の支援が必要なときは、大阪市なら在籍校を通じて日本語センター校(小4以上)、豊中市なら教育委員会の「帰国・渡日児童生徒相談」が窓口になります。
大阪に帰国子女枠のある小学校はありますか?
公式に帰国児童の募集を出しているのは、国立の大阪教育大学附属池田小学校(池田市)です。募集は3年生以上の数名ずつで、次回(2027年4月入学)の要項は2027年2月初旬に公開される予定です。附属平野小・附属天王寺小の要項には帰国児童の募集の記載が見当たりませんでした。私立は関西学院初等部(宝塚市)や同志社国際学院初等部(木津川市)が転入・編入の試験を行っていますが、帰国生専用の枠とは限りません。
大阪で帰国子女が中学に編入する場合は?
公立中学は小学校と同じく住所で学校が決まり、試験なしで年齢相当の学年に入ります。大阪では帰国した中学生171人のうち約78%が公立中に入っており、多いのは大阪市56人、箕面市26人、豊中市24人、池田市15人です。私立中や附属池田中の国際枠は、それぞれの学校の募集要項で時期と条件を確認してください。
住む市が決まる前に、海外でしておけることは?
どの市・どの学校に入っても授業は日本語で進むので、学年相当の漢字と読解を止めないことがいちばん効きます。大阪は帰国した子が学年に少ない地域も多いので、日本の同世代と日本語で話す機会を海外にいるうちからつくっておくと、帰国後の友達づくりの不安も小さくなります。ともだちじゃぱんは、海外にいるうちから両方を続けられるよう設計しています。



